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第7部 異世界帰りの魔王様はチートで無双したりしなかったり~サラリーマンの1から始める異世界ビジネスプラン~

第21話 いよいよ始まる! 

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「いよいよ本日初日!といっても顔馴染みの人達やその知り合いなので固くならずにリラックスしてやってみて下さい」
「研修でやった通りで問題ない」
「今日は練習だと思って下さいね」
「緊張せず落ち着いていきましょう、昨日の流れで問題ないですから」
「俺も頑張る!」
「ま、ぼちぼちほどほどにフォローはするしー」
「何かあればすぐに報連相で、それではよろしくお願いします」
『はい!』
「じゃ、只今オープンしまーす」
詠斗の掛け声で本日いよいよカジノがオープンする、その前に最後の挨拶を皆で交わす、この日の為にテトラ達が制服として白いシャツ、赤いタイ、黒いスラックスに飲食スタッフはギャルソンエプロンを支給し中々雰囲気が出ていた。
前日にした研修や説明と後は本番に任せる事にし、綴が建物の管理も任せている風早に頼み招待状を渡したドラゴン達を招いた。

「詠斗達、招待してくれて感謝する。本日は楽しませて貰おう」
「いらっしゃい!お客様第1号だよ!」
「皆さん、討伐と干ばつの件ありがとうございました」
最初にカジノに招かれたのは龍皇国皇帝、ニジェルガ、ライガル、ゴーシュ、ライガルの伴侶であるティスとティータだった。
「ほら、挨拶はそこまで。受付で説明聞いてドリンクを貰ってくれ。乾杯を行うから」
大河がスタッフ2名いる受付を指す、ティスと晴海の目が合う、晴海が笑うとティスがそっぽを向いてニジェルガ達に付いて行ってしまった。
「晴海くん、VIPルームに行きますか?」
「うん!ニジェルガさん達驚くかな?」
「驚くと思いますよー」
綴に話し掛けられ次々訪れるドラゴン達の対応から抜け出し、エレベーターで綴と晴海は13階に向かった。

「マスコット、並び終えました!」
「ふふ、可愛い。写真撮りますね」
「俺も」
13階の長い廊下の先の最奥の扉は詠斗達だけが開錠出来る特別室、中には壁に埋め込まれた巨大モニターと中央に鉱物で造れた重厚な丸いテーブルに並べられた豪奢な13個の椅子に…ちょこんと晴海が作ったマスコットを並べてスマホで写真を撮った。
「連絡するよ!」
「はい」
「こんにちはー神様達!準備出来たよ!」
ワクワクしている晴海が早速スマホで神様に連絡する、晴海の笑顔を見て綴もニコニコと笑った。

「っしゃ!いってくるぜ!」
「なのです」
「迷惑掛けないように行って来ます…」
《神の庭》じゃんけんで勝った3名(3日間掛かって誰が行くか話し合いして揉めてじゃんけんになった)晴海からの通話を切り勝った神、3名が椅子に座ったまま意識をカジノタワーのVIPルームのマスコットに意識を飛ばした…。

「お!来れた!晴海!綴!会いたかったぞ!」
「ですです!お招きありがとうございますなのです!」
「ご迷惑お掛けしないようにしますから…」
それぞれマスコットが人の形を取り3名の神…顔の認識が出来ない、声も変わらず同じで不思議だが自分たちを《アタラクシア》に喚んでくれた恩人だ、晴海は3名に飛び付いた。
「会いたかったよ!」
「おう!こっちもだ」
「元気で嬉しいなのです!」
「いつも見守っていますよ」
「僕も会えて嬉しいです、皆待ってますよ」
晴海を抱き留め、綴に言われ頷いた。

「お、来た来た」
「久しぶりだな」
「晴海くんのおかげでまた会えました!」
「色々用意したから楽しんでってー」
「やあ」
カジノエリアに降りて詠斗達も出迎えてくれる、千眼、千華、第9魔王とそして…序列第1位の魔王のニアに龍皇帝、妖精王のラピス、中々に壮観な面子に神々もいて壮観だった。
「今日は遊びに来ただけだからな、邪魔して悪いが気兼ね無く過ごしてくれよ」
「我々は今日をとても楽しみにしていたのです、みんなで楽しむなのです!」
「我々もまた貴方がたと同じ客…共に楽しませて下さい」
招待客がこれで全員揃う、ニジェルガがさざめくドラゴン達に片手を挙げ無言で頷く。
詠斗がグラスを神々に渡し、詠斗が乾杯の音頭を取る。
「今日は皆さん来てくれてありがとうございます、楽しんでいって下さい。カンパーイ!」
『カンパーイ』
グラスのぶつかる音が聞こえる、ドラゴンは順応性や適応力が高いせいかすんなり受け入れてくれる。

「うお、何々モギも遊ぶの?」
『……』
ドラゴン3名がトランプの神経衰弱の説明を聞いていると、いつの間にか隣にいたモギに驚く。
1回コイン1枚から最大5枚まで賭ける事が可能で、ゲーム終了時最もペアを集めた1位が賭けメダル×ペア数払い戻しされる、2位と3位は賭けたメダル+ペア数が払い戻しされ4位以降はメダル没収となる。
「へえ、おもしろ。俺はリースだやろうぜ」
『……』
ベルンがくれた給料を首から下げた巾着袋に入れたモギが風魔法でコイン5枚を卓に置く、リース…クリーム色の瞳と髪の八重歯が覗くドラゴンやその周辺のドラゴン達もコイン5枚を賭け、神経衰弱を始めた。

「メダル、これに変えられんの?すごいわ」
「どれどれ収納袋(時間停止)300コイン、ショルダーバッグ200コイン、ペアのグラスセット100コイン、モギのミルク(瓶 大)50コイン…すごいな、ショルダーバッグってのとミルクいいよな」
受付の隣のガラスケースに飾られたコインと交換可能な景品を繁々と数名のドラゴンが見ている、これからも増える予定と看板に書かれていた。
「よっしゃ、じゃあのトランプってのやるわ」
「俺はメダルゲーム行くか」
等々コインを景品に代えられるシステムも入れ、ドラゴン達は盛り上がって夢中で遊んでいる。

「あっ、負けてんのダサ」
「……もう1度」
「あいよ、次何枚賭ける?」
「5枚で」
ランダが黒ひげの樽からオモチャの剣を抜いてもう1度やり直す、ランダの卓には今ライガルとティスがいて黒ひげで遊んでいた。
1回目はライガルが負けてしまいコインは勝ったティスに行く、ティスは卓に頬杖を付いて笑うライガルはもう1度とコインを追加する、その隣の卓ではティータとゴーシュが黒ひげで遊んでいる、適当に入れ替えて遊んでいてたまたまティスとライガルが同じ卓になった…だけの事だが中々面白い。
「ちっ負けたわ」
「一緒ですね」
「ふん、おいババ抜き行こうぜ」
「分かりました」
先程ライガルから勝ち取ったコインがライガルに戻る、ティスは鼻を鳴らしてババ抜きでリベンジだと言わんばかりに移動した。

「あの2人少し距離が縮まりましたね」
「ま、楽しんでるなら良き良き。父親としては複雑?」
「いえ、あの子が笑っていてくれるならそれで良いんです」
「そう…あっ」
「勝ちましたね」
「あちゃー」
隣の卓でティスとライガルのやり取りを見ていた、ゴーシュとティータも黒ひげの樽にオモチャの剣を刺しながら離しているとゴーシュの番で頭が飛び出し互いに笑いあった…。
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