あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第09部 魔王たちの産声 歪

第4幕 第3蒐 神経衰弱

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「ここが、ホテルか!」
「あー何でこうなったんだかー」
「ウォル坊、細かいことぁきにすんな!頭寂しくなんぞー」
「あーうるさい、おっさんども」
「いらっしゃいー」
カーテスの引っ越しと挨拶を行いに住処に行った所…周辺の住民達が集まり久しぶりに帰ったウォルゾガに喜び、そのまま酒盛りに発展…なんやかんやあり住民達が全員引っ越しする事になり現在今ここだった。
「うわ、希少種ばかりだなー」
「すごいですね」
「じーさんが集めた爪弾き希少個体独身野郎どもだ」
「うわー」
「身も蓋もない言い方ですね」
「皆さんは、何処に住むのかな?」
ホテルのレストランには20名程の青年達が集まり、ジラとラジカは希少個体とウォルゾガの冷えた視線と言葉に引いて、千歳は住む所はどうするのかと尋ねた。
「俺はここ!」
「俺は船!」
「俺もここー」
「私はカジノがある場所がいいな」

「カーテスは皇国だろ?」
「うん、子供達とね」
すっかりカーテスにも懐いた魔人の子供達、カーテスも嬉しそうにしていた。
「皇国でも歓迎する」
「へぇ、行ってみようかな」
「いいじゃん、よろしくでーす。古代種様」
イシュターが龍皇国でも構わないと言ってくれたので、そちらに行く者達もいる。
「自由に過ごしてくれ」
「収納袋まで貰って悪いな大河」
「構わない」
「俺達は親父の荷物とかあるから、家に戻る。明日も来るけど羽目外すなよ、おっさん達」
「いっちょ前にいいやがって」
「ちょっと前まではカーテスがいなきゃすーぐ泣いてた癖に」
「700年以上前の話しは最近とは言わないぞ、おっさん達」
「俺らにゃ最近みたいなもんだ」
「そうそう」
「はいはい、明日な」
魔人の子供を抱いて皇国に戻るグローリー達とついて行く事にした2名を連れて、グローリーが転移をして戻っていった。
ホテルに住む希少種達は綴と晴海が案内し、《島船》か《アタラクシア号》か選んで貰うために崇幸と千眼が船に案内する事にし、《ガルディア》には率と詠斗が連れて行く事にした。
「ん、シュカっちから電話だわ、俺。ん、そ、あーじゃ行くわ」
「珍しい、何かあったのかな?」
「なんか、妖しい客がいるって。鑑定が詳しく出来る奴に視て欲しらしい。んで、雨が《ガルディア》で降ってるって」
「風早が通したなら問題ないだろ?雨?」
「ま、本能的なもんかも、ラウラスっち後、よろ」
「はーい」
「雨ですか、《アタラクシア》では雨は不吉な事が起こる前触れとされています」
「大地は潤うがいつの間にかそう、言われていたな。鑑定ならば私も出来る」
残った懐記、大河、千歳、ジラ、ラジカ、イシュターがカジノに向かう事にした。
「ついでにカジノタワーの生け簀の魚料理の試食会も行こうか」
「いいな、チグリスはさっさと行ったしな」
フユーゲル達やヒュール達や一部のドラゴンや、ゴーレム達が運営している生け簀で釣った魚を捌いて調理する店が始まり、懐記監修の下その日の気分で料理の内容を変えるようにしていく事になりカジノ終了後に合流する事になっていたがチグリスは早々に試食会の味見という名目で行っていた。

トラング…現在カジノの支配者をいつの間に任され本人も楽しんで仕事をしている、要領良く何対しても他社より結果を出してきた。
記憶力にも優れ頭の回転も早い、そんな彼が得意とするの1つが神経衰弱だった。
神経衰弱は負けしらずの無敗、支配人と1対1で勝てば賭けたコインの倍を貰えセット数に応じて更にメダルが追加されるが未だに支配人のトラングは無敗…だが、今夜彼は敗ける可能性が出て来た。
トランプ52枚フルセットで支配人に勝てば追加で200枚のメダルが支払われる、面白がったトラングが盛ったメダルの枚数だ、負けるつもりもない勝ち気な枚数だった。
「外れました」
「では、こちらが」
周囲の客達も異様な雰囲気にゲームをする手を止め、トラングと客の勝負を見守った。
「面白いゲームですね、私が買ったら次は104枚とかはどうですか?」
「……構いませんが、賭けるメダルの枚数はオーナーと相談します、2ペアで外しましたどうぞ」
「何枚でも良いですよ?面白いですから、こちらも2ペアで外してしまいました」
どちらがこの神経衰弱の支配者か、トラングはこの不可解な妖しい客に嫌な気分を抱く、先程カトゥーシュカに目線を送り今頃懐記達がスタッフルームからこちらを見ているだろう。
なんなんだこの客は、風早が通したという事は問題はないのだろう。
「3ペアで外しました」
淀みなく迷いないてつきでカードを捲る、勝負は向こうが1ペア分リードしていた。
「お客様お強いですね、記憶力がいい、こちらも3ペアで外しました。」
「ええ、それなりに、ですね」
間も無く決着は着くが敗けたくないなぁーと内心思いながらトラングは顔にも出さず、得体の知れない相手を探った。

「なんだ、珍しい服装した奴なだけじゃないのか?トラングは負けそうだな」
「派手な服だわ、なんか顔がぼやけてるっぽい」
「鑑定は白だねー」
「ちっ、来たか」
「だから、雨なんでしょうね」
「……蒐集家か…」
『蒐集家?』
大河や千歳、懐記の鑑定には27歳:商人 趣味蒐集 水魔法
となんとも言えない結果が出るが、ジラとラジカは嫌そうな顔をしイシュターはポツリと呟く。
「あーコイツの欲しい物をさっさと渡すぞ」
「早々にお引き取り願いましょう」
「へぇ、このおにーさんそんな厄介なわけ?」
「厄介で済まない相手ですね、皆さんの世界でいうならば小説で読んだ探偵に近いです。頼まれ請われ事件を解決します」
「それでここまで拒絶されるなら、余程な事をしてそうだな」
「それもあるけど、狡猾なんだよ。俺が妖精の血を飲まされた時も死にかけてドラゴンの鱗喰う羽目になった時も神々と俺から高い報酬をぶんどって治療したからな」
「と、言ってる側から神々から電話だ。俺だ、ああ……向こうの出方次第だろう…分かった。向こうを刺激せず、関わるなとの事だ。神々も持て余した存在らしいな」
「へぇ、それは興味深い。ほら、勝負が決まったよ。あちらの勝ちだね」
「では、行きましょう」
「あーコイツ苦手なんだよな」
「私もですよ」
大河が神々と話をしている最中に勝負は決まったようだった、ラジカもジラも嫌そうな顔をしてカジノへ重い足取りを向けた。

「私の勝ちですね、負けるかもと思いました。面白いですね」
「おめでとうございます、では掛けたコインの倍200枚に掛けたコイン100枚と私との勝負フルセットボーナスで200枚計500枚です」
周囲の客達からどよめきが上がる、カジノオープン以来のカードゲームの最高枚数が蒐集家の前に置かれた。
「では、このコイン全てベッドして104枚での神経衰弱をお願いします」
「……承知しました」
コイツ…内心トラングは毒づく、薄ら笑いを浮かべる相手のペースに呑み込まれた結果の負けだが悔しいし腹は立つ、しかも枚数を増やしての次…勝つつもりなのだろう。
「こちらが負けた場合はコイン1,000枚お支払いします」
「それは…滾りますね。張り切りましょうか」
「待って下さい」
トランプを2セット用意した所で、ラジカから待ったの声が掛かった…。
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