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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ
第062話 タナトスの異変とガイド/第62話 ファーツコクスとアナスタリタスとガイド
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第062話 タナトスの異変とガイド
タナトスは昨日の競りの件で自室に戻った時間が遅くとも、いつもの時間にオフィスビルの執務室で仕事を始めていた。
呪眼が手元にあれば今は良い、他国の手に渡ると面倒だからだ、後は誰かが適当に世話をする。
タナトスは書類を眺めパソコンに入力しメールの確認を行う、イーノキィとケークスからの連絡に返信していればドアが開きゴーレム姿のガイドがコーヒーをトレイに乗せて訪れる。
「ノックはしろ」
『しなくても私が来る事は分るでしょう、どうぞ』
「そういう事ではない」
タンブラーに入れたコーヒーをタナトスの傍らに置き、ガイドもまた書類などの確認をしていく、誰が何処の所属で何処に住んでいるのか、今現在の《療養街》の稼働率や《コレメキバ学院》再開に向けてのルールの確認、新学舎と寮等の事も今手分けして進めていた。
『それで如何です?』
「何がだ」
『私はそろそろお腹が一杯になります、タナトス様はどうです?飢えは無くなったでしょう?』
「なんだと」
『私はずっとずっと貴方がこの世に生を受けた時からずっと貴方と共にあり、私もずっと飢えていたんです』
「どういう事だ、私は餓えてなど………は…」
タナトスがガイドの言葉に眉根を寄せる…が、腹を抑え椅子から転げてしまった。
「なん……だこれは……」
『満腹感…貴方と私はいま産まれて始めて満腹感を味わっているんです、どんな気持ちですか?私は今幸福です』
「ふざ……あぁぁl」
『ずっとずっと、貴方は本当はあの時死んでおくべきだったなのに生かされた結果が魔王、そして今14位でもあり13位でもある。1人が2体分の魔王を兼任するのは難しい』
「は…だから…私を分けるつもりか!神々の意思ではないだろう」
『ええ、これは《アタラクシア》の意思ですよ、××』
「私をその名で呼ぶな!」
『本当は××で死んでいてくれていれば、こんな事にはならなかったのに12位には困ったものです、厭ではありませんが』
「は…スキルの分際で…」
『だからこそですよ、貴方に不具合があると私も支障を来たす、どうです?メンルェト様は私の意図を計り魔力を私に渡していた、異界の悪魔も私の意図に気付き過剰な程に魔力を渡し、愛する悪魔が異界の私に魔力を渡していたのが気に入らず天使もまた光力を私に注いだ。これでやっと私達は空腹…飢え…餓え…飢餓から脱却する事が出来た』
のたうつタナトスの傍らで淡々とタナトスを責めるような口ぶりで語るガイド、厭な汗が身体を伝う。
「辛いですか?タナトスさん?」
「あ…くぅ…」
『ああ、貴方にも礼を。貴方の魔力は美味しいですね』
「いえ、大した事はしていませんよ。それにしても思ったより時間が掛かりましたね」
『魔王になって余計に魔力の蓄積量が深くなりましたから』
「良かったですね、タナトスさん。貴方はたったいま真の魔王になった」
「ふざ…」
苦しむタナトスをふらりと現れた蒐集家が嗤う…チリン…そして笑みを浮かべたまま姿を消し、ドアがノックされる。
『ああ、ウォルゾガ様ですね。私も彼は好きですよ』
「入るな!」
「タナトス!?」
『彼の為に貴方が産まれたのか貴方の為に彼が産まれたのか不思議なものですね、ウォルゾガさま!タナトス様の様子がおかしいんです!』
「タナトス!?」
相手が誰かはタナトスもガイドも分かっている、タナトスが声を上げるがそれは逆効果だガイドが声を張りあたかも今異変が起きた様に振る舞い、入って来たウォルゾガが朝食のトレイを机に置いて床に転がるタナトスを抱えて様子を確認する。
「支配人!?」
「どうしたんですか!?」
「今来たら倒れていたんだ!神々か千歳達を!」
「わ、分かりました!」
ウォルゾガに続きテンテスト達が出勤し異変に気付いて、千歳達に連絡を取った所でタナトスは意識を手放した…。
第62話 ファーツコクスとアナスタリタスとガイド
『ファーツコクス様、コーヒーのお代わりをどうぞ』
「ありがとう、どうだったかな?私の魔力は?」
『大変美味でした、タナトス様も私もやっと満腹感を得ました』
「それは何よりでは、本人が望んでいなくとも私は悪魔だから万能な願望器になる必要もない、願いは半端な位で良い」
『その通りです、今私は幸福なのです。私は私の幸福の為に動いたそれだけです』
ファーツコクス達の家のテラスでファーツコクスにコーヒーのお代わりを運ぶガイド、ファーツコクスは香りを楽しみつつガイドに尋ねれば満たされたような恍惚を含ませた声で答えた。
「なんと身勝手で自己中な自我のあるスキル、面白い」
『褒めて頂きありがとうございます、貴方の天使も私が貴方の魔力を喰らっていた事が面白くなかったようで、光力を流してくれました』
「ああ、あれは私を深く愛しているから仕方がない、気を悪くしないで欲しい」
『勿論です、愛とは深く醜い物だと私は理解しています』
「その通り愛は歪で醜い、そして気持ち悪い物だ」
「旦那ーガイドー夕食の準備するから手伝ってーなんかフォン達がすごいもの焼くんだって、野菜切るの手伝ってー」
『はい、分かりました』
「コーヒーを飲んだらいく」
「分かったー」
部屋からテラスの扉に顔を出したジュカが2人を呼ぶ、ガイドはすぐに向かいファーツコクスはコーヒーを楽しんだ。
「鬼人族に薬か…」
「我々も状態異常無効がある、薬物に耐性はある筈だが」
「向こうには神々と蒐集家さん達がいますから薬を抜くのは辛いと思いますがすぐに快復するでしょう…」
カジノタワーの会議室に集まったマユラ、シュリ、外神、短い通信時間で眠っている鬼人族の状態を確認して蒐集家に任せる事にし通信を切る、此方からでは出来る事は少ない、意識を取り戻せば聞ける事はあるだろうと結論を出した。
「で、外神よ、この世界から出る方法は見つけたのか」
「はい、ですが…次にどの世界に行くか分かりませんし、今の状態では《アタラクシア》には戻れません」
「そうか、私はこの世界気に入っているし。《アタラクシア》に戻っても連絡や行き来はしたいと思う」
「はい、それを実現するにはもう少し時間が必要ですね」
椅子に座りマユラが外神にこの世界から出る方法を尋ねれば、無いわけではないと外神が返す、シュリも頷く。
「では、戻ろうか。外神急ぐ必要はない。もし…お前が討つべき者が《アタラクシア》に出現すれば私達を置いてお前だけでも《アタラクシア》戻れ」
「そうですね、外神いつでも動けるように準備しておけ。私達はその覚悟を以って異界に渡っている」
「…………はい」
真っ直ぐなマユラとシュリの眼、外神もまた覚悟を以って頷いた…。
タナトスは昨日の競りの件で自室に戻った時間が遅くとも、いつもの時間にオフィスビルの執務室で仕事を始めていた。
呪眼が手元にあれば今は良い、他国の手に渡ると面倒だからだ、後は誰かが適当に世話をする。
タナトスは書類を眺めパソコンに入力しメールの確認を行う、イーノキィとケークスからの連絡に返信していればドアが開きゴーレム姿のガイドがコーヒーをトレイに乗せて訪れる。
「ノックはしろ」
『しなくても私が来る事は分るでしょう、どうぞ』
「そういう事ではない」
タンブラーに入れたコーヒーをタナトスの傍らに置き、ガイドもまた書類などの確認をしていく、誰が何処の所属で何処に住んでいるのか、今現在の《療養街》の稼働率や《コレメキバ学院》再開に向けてのルールの確認、新学舎と寮等の事も今手分けして進めていた。
『それで如何です?』
「何がだ」
『私はそろそろお腹が一杯になります、タナトス様はどうです?飢えは無くなったでしょう?』
「なんだと」
『私はずっとずっと貴方がこの世に生を受けた時からずっと貴方と共にあり、私もずっと飢えていたんです』
「どういう事だ、私は餓えてなど………は…」
タナトスがガイドの言葉に眉根を寄せる…が、腹を抑え椅子から転げてしまった。
「なん……だこれは……」
『満腹感…貴方と私はいま産まれて始めて満腹感を味わっているんです、どんな気持ちですか?私は今幸福です』
「ふざ……あぁぁl」
『ずっとずっと、貴方は本当はあの時死んでおくべきだったなのに生かされた結果が魔王、そして今14位でもあり13位でもある。1人が2体分の魔王を兼任するのは難しい』
「は…だから…私を分けるつもりか!神々の意思ではないだろう」
『ええ、これは《アタラクシア》の意思ですよ、××』
「私をその名で呼ぶな!」
『本当は××で死んでいてくれていれば、こんな事にはならなかったのに12位には困ったものです、厭ではありませんが』
「は…スキルの分際で…」
『だからこそですよ、貴方に不具合があると私も支障を来たす、どうです?メンルェト様は私の意図を計り魔力を私に渡していた、異界の悪魔も私の意図に気付き過剰な程に魔力を渡し、愛する悪魔が異界の私に魔力を渡していたのが気に入らず天使もまた光力を私に注いだ。これでやっと私達は空腹…飢え…餓え…飢餓から脱却する事が出来た』
のたうつタナトスの傍らで淡々とタナトスを責めるような口ぶりで語るガイド、厭な汗が身体を伝う。
「辛いですか?タナトスさん?」
「あ…くぅ…」
『ああ、貴方にも礼を。貴方の魔力は美味しいですね』
「いえ、大した事はしていませんよ。それにしても思ったより時間が掛かりましたね」
『魔王になって余計に魔力の蓄積量が深くなりましたから』
「良かったですね、タナトスさん。貴方はたったいま真の魔王になった」
「ふざ…」
苦しむタナトスをふらりと現れた蒐集家が嗤う…チリン…そして笑みを浮かべたまま姿を消し、ドアがノックされる。
『ああ、ウォルゾガ様ですね。私も彼は好きですよ』
「入るな!」
「タナトス!?」
『彼の為に貴方が産まれたのか貴方の為に彼が産まれたのか不思議なものですね、ウォルゾガさま!タナトス様の様子がおかしいんです!』
「タナトス!?」
相手が誰かはタナトスもガイドも分かっている、タナトスが声を上げるがそれは逆効果だガイドが声を張りあたかも今異変が起きた様に振る舞い、入って来たウォルゾガが朝食のトレイを机に置いて床に転がるタナトスを抱えて様子を確認する。
「支配人!?」
「どうしたんですか!?」
「今来たら倒れていたんだ!神々か千歳達を!」
「わ、分かりました!」
ウォルゾガに続きテンテスト達が出勤し異変に気付いて、千歳達に連絡を取った所でタナトスは意識を手放した…。
第62話 ファーツコクスとアナスタリタスとガイド
『ファーツコクス様、コーヒーのお代わりをどうぞ』
「ありがとう、どうだったかな?私の魔力は?」
『大変美味でした、タナトス様も私もやっと満腹感を得ました』
「それは何よりでは、本人が望んでいなくとも私は悪魔だから万能な願望器になる必要もない、願いは半端な位で良い」
『その通りです、今私は幸福なのです。私は私の幸福の為に動いたそれだけです』
ファーツコクス達の家のテラスでファーツコクスにコーヒーのお代わりを運ぶガイド、ファーツコクスは香りを楽しみつつガイドに尋ねれば満たされたような恍惚を含ませた声で答えた。
「なんと身勝手で自己中な自我のあるスキル、面白い」
『褒めて頂きありがとうございます、貴方の天使も私が貴方の魔力を喰らっていた事が面白くなかったようで、光力を流してくれました』
「ああ、あれは私を深く愛しているから仕方がない、気を悪くしないで欲しい」
『勿論です、愛とは深く醜い物だと私は理解しています』
「その通り愛は歪で醜い、そして気持ち悪い物だ」
「旦那ーガイドー夕食の準備するから手伝ってーなんかフォン達がすごいもの焼くんだって、野菜切るの手伝ってー」
『はい、分かりました』
「コーヒーを飲んだらいく」
「分かったー」
部屋からテラスの扉に顔を出したジュカが2人を呼ぶ、ガイドはすぐに向かいファーツコクスはコーヒーを楽しんだ。
「鬼人族に薬か…」
「我々も状態異常無効がある、薬物に耐性はある筈だが」
「向こうには神々と蒐集家さん達がいますから薬を抜くのは辛いと思いますがすぐに快復するでしょう…」
カジノタワーの会議室に集まったマユラ、シュリ、外神、短い通信時間で眠っている鬼人族の状態を確認して蒐集家に任せる事にし通信を切る、此方からでは出来る事は少ない、意識を取り戻せば聞ける事はあるだろうと結論を出した。
「で、外神よ、この世界から出る方法は見つけたのか」
「はい、ですが…次にどの世界に行くか分かりませんし、今の状態では《アタラクシア》には戻れません」
「そうか、私はこの世界気に入っているし。《アタラクシア》に戻っても連絡や行き来はしたいと思う」
「はい、それを実現するにはもう少し時間が必要ですね」
椅子に座りマユラが外神にこの世界から出る方法を尋ねれば、無いわけではないと外神が返す、シュリも頷く。
「では、戻ろうか。外神急ぐ必要はない。もし…お前が討つべき者が《アタラクシア》に出現すれば私達を置いてお前だけでも《アタラクシア》戻れ」
「そうですね、外神いつでも動けるように準備しておけ。私達はその覚悟を以って異界に渡っている」
「…………はい」
真っ直ぐなマユラとシュリの眼、外神もまた覚悟を以って頷いた…。
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