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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ
第074話 呪眼と鬼人/第74話 《天魔会議》再び
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第074話 呪眼と鬼人
「私を殺してくれ…」
ラヴィトリとオーケス達のいる《島船》のベッド、薬で眠っていた鬼人が目を覚まし最初に口にした言葉がそれだった…。
「せっかくの命もったいないじゃないか?君は生きているんだ」
「そうだな、人を治療する側からしたら勿体ないと思うぞ?そんな事言うな」
「……私は自分の弱さから眼を逸らし薬に溺れた…鬼人という強き種…剣鬼になりたかった…なれなかった…」
元は端正な顔立ちをしていたのだろう、身体は痩せ細り頬はこけ筋力もない震える両手を見つめている男をラヴィトリとラヴィトリの腕の中で眠る蟲兎とオーケスは黙って見ていた。
「ならどうする?死んで欲しくはないから生きて欲しいな、私はラヴィトリだ」
「そうだな、とりあえず生きてみてくれ、俺はオーケス」
「…そうか…私は奴隷だ…金で買われた身…主の命ならば…私はアトリだ…」
「主って…そういう訳じゃないさ」
「そうだな、アンタの事はこっちに任されているからゆっくり過ごしてくれ」
紹介をするとアトリが自分は買われた身だと、勝手に命を捨てる訳にはいかないと死への渇望を呑み込んだ。
ラヴィトリとオーケスは苦笑いを浮かべ、食事にしようと支度を行なった。
「この眼…おかしいんです」
「そうですね」
「抉っても潰してもすぐ元に戻るんです」
「そうですね、呪眼ですから」
商業エリアの蒐集家の店の奥で椅子に座る蒐集家と立って壁に背を預けている大河、そしてオークションで落とされた呪眼を持つ青年ヒワ、呪眼と呼ばれる瞳灰色の瞳には文字が常に蠢き続けヒワに異質な世界を見ているようだった。
「呪眼…そう言われ続け親に棄てられ周りは俺を忌み嫌い流れた先が競りでした…」
「確かに貴方の眼は呪いを産む事が出来ます、非常に稀有ですね」
「誰かを呪った事なんかないです!こんな眼…」
「使い途はありますよ、貴方のその眼呪いを視る事が出来るでしょう」
「見ても視えても…何も」
「それで充分役に立ちますよ、これを」
涙を浮ても呪眼が涙を吸い上げる、歯を喰いしばり俯くヒワの手は震えていたが蒐集家が黒いフレームに蝶の模様が入った眼鏡を渡す。
「これを掛けていれば通常の物の見え方になりますよ」
「え…」
「これを渡す代わりにその眼が必要となった時に手を貸して欲しい、先ずは眼鏡を掛けてみてくれ」
目をぱちくりとさせ顔を上げると大河が頷き、呪いを視るヒワの眼が必ず必要になると伝える。
「は、はい……あ……ああ…」
眼鏡を掛けてみる景色に涙を浮かべる、自然に零れた涙が握り締めた拳にぽたりと零れた。
「は、はい…ありがとうございます…俺に出来る事があれば…なんでも…」
嗚咽で言葉が掠れる、震える肩に大河が手を置いて静かに泣くヒワが泣き止むのを待つ、蒐集家は嗤ってその様を眺めていた…。
第74話 《天魔会議》再び
「では、《天魔会議》始めます」
「《ホローリングレース》の終幕じゃ、操者が2名のみじゃこれではレースにならん」
燕碑の開始の声、《アストマーズ》のオフィスビルの会議室にて次に口を開いたのは耀帝だった。
「そうですね、後進もいない今育てるにも時間が必要かと」
「《ホローリングレース》は終わりという事で」
アンフルパスが次いで口を開きファーツコクスが笑みを浮かべてコーヒーを飲む、操者達がラグージェとジュカ以外は皆降りるというのであればレースは成り立たない。
「外神殿とガイドから今後は《アタラクシア》と交易をという話しが出ています、異界を繋ぐには時間が掛かりかつ生物の行き来は出来ませんが益々地上界は忙しくなるでしょう」
燕碑の報告、神々と外神と風早達が出来た縁を大事にとこれからも交易が出来るようにしていくと決まりそれの報告の正式に行われた。
「変わる時が来た、《ホローリングレース》は終わりだ」
「それは良い、せっかくじゃ終いのレースを行うのじゃ」
「ともうしますと」
「余興じゃ、《アタラクシア》の祭に合わせレースを行うそれで終いじゃ」
「承知しました、操者達にそう伝えるように。ラグージェの約束は半分叶えるとアンフルパス」
「……承知しました、そのように」
耀帝が厳かに伝え、燕碑が後に続けアンフルパスが恭しく頷いた。
「ファーツコクスよ、もう罰は無い。レースが終われば翼を返す、ジュカに実力を示せと伝えよ」
「……レース終了に操者達マイスター達に褒美を用意します、順位に関わらず。何を望むか考える様伝えておくように」
『承知しました』
耀帝の案に天使達もマイスター達も同意し、燕碑が褒美をと言うのでそこで《天魔会議》は終了したが…。
「せっかくじゃ、此処で食事を楽しむとしようではないか」
という耀帝の案に内心(一部がゲと思いつつ)頷き、風早に伝え食事の準備を頼んだ。
「へぇ、向こうの祭りと併せてこっちで最後のレースねぇ。いんじゃない」
「そうですね、皆さん喜ぶと思います。今日の夕食は何にします?」
商業エリアの厨房で報告を風早から受けた懐記と外神、天人族の料理人達と天使達が雰囲気が変わる《天魔会議》後の食事、天帝や上位天使が食事をするいうので緊張が奔るが、懐記達は至って普通だった。
「ハンバーグで良いんじゃない、耀帝っち達は豆腐ハンバーグでキャットルっち達の肉貰うわ」
「それはいいですね、では用意します」
作り方の説明と共に材料やシュリ達にも声を掛け、総出で用意する事にした…。
「私を殺してくれ…」
ラヴィトリとオーケス達のいる《島船》のベッド、薬で眠っていた鬼人が目を覚まし最初に口にした言葉がそれだった…。
「せっかくの命もったいないじゃないか?君は生きているんだ」
「そうだな、人を治療する側からしたら勿体ないと思うぞ?そんな事言うな」
「……私は自分の弱さから眼を逸らし薬に溺れた…鬼人という強き種…剣鬼になりたかった…なれなかった…」
元は端正な顔立ちをしていたのだろう、身体は痩せ細り頬はこけ筋力もない震える両手を見つめている男をラヴィトリとラヴィトリの腕の中で眠る蟲兎とオーケスは黙って見ていた。
「ならどうする?死んで欲しくはないから生きて欲しいな、私はラヴィトリだ」
「そうだな、とりあえず生きてみてくれ、俺はオーケス」
「…そうか…私は奴隷だ…金で買われた身…主の命ならば…私はアトリだ…」
「主って…そういう訳じゃないさ」
「そうだな、アンタの事はこっちに任されているからゆっくり過ごしてくれ」
紹介をするとアトリが自分は買われた身だと、勝手に命を捨てる訳にはいかないと死への渇望を呑み込んだ。
ラヴィトリとオーケスは苦笑いを浮かべ、食事にしようと支度を行なった。
「この眼…おかしいんです」
「そうですね」
「抉っても潰してもすぐ元に戻るんです」
「そうですね、呪眼ですから」
商業エリアの蒐集家の店の奥で椅子に座る蒐集家と立って壁に背を預けている大河、そしてオークションで落とされた呪眼を持つ青年ヒワ、呪眼と呼ばれる瞳灰色の瞳には文字が常に蠢き続けヒワに異質な世界を見ているようだった。
「呪眼…そう言われ続け親に棄てられ周りは俺を忌み嫌い流れた先が競りでした…」
「確かに貴方の眼は呪いを産む事が出来ます、非常に稀有ですね」
「誰かを呪った事なんかないです!こんな眼…」
「使い途はありますよ、貴方のその眼呪いを視る事が出来るでしょう」
「見ても視えても…何も」
「それで充分役に立ちますよ、これを」
涙を浮ても呪眼が涙を吸い上げる、歯を喰いしばり俯くヒワの手は震えていたが蒐集家が黒いフレームに蝶の模様が入った眼鏡を渡す。
「これを掛けていれば通常の物の見え方になりますよ」
「え…」
「これを渡す代わりにその眼が必要となった時に手を貸して欲しい、先ずは眼鏡を掛けてみてくれ」
目をぱちくりとさせ顔を上げると大河が頷き、呪いを視るヒワの眼が必ず必要になると伝える。
「は、はい……あ……ああ…」
眼鏡を掛けてみる景色に涙を浮かべる、自然に零れた涙が握り締めた拳にぽたりと零れた。
「は、はい…ありがとうございます…俺に出来る事があれば…なんでも…」
嗚咽で言葉が掠れる、震える肩に大河が手を置いて静かに泣くヒワが泣き止むのを待つ、蒐集家は嗤ってその様を眺めていた…。
第74話 《天魔会議》再び
「では、《天魔会議》始めます」
「《ホローリングレース》の終幕じゃ、操者が2名のみじゃこれではレースにならん」
燕碑の開始の声、《アストマーズ》のオフィスビルの会議室にて次に口を開いたのは耀帝だった。
「そうですね、後進もいない今育てるにも時間が必要かと」
「《ホローリングレース》は終わりという事で」
アンフルパスが次いで口を開きファーツコクスが笑みを浮かべてコーヒーを飲む、操者達がラグージェとジュカ以外は皆降りるというのであればレースは成り立たない。
「外神殿とガイドから今後は《アタラクシア》と交易をという話しが出ています、異界を繋ぐには時間が掛かりかつ生物の行き来は出来ませんが益々地上界は忙しくなるでしょう」
燕碑の報告、神々と外神と風早達が出来た縁を大事にとこれからも交易が出来るようにしていくと決まりそれの報告の正式に行われた。
「変わる時が来た、《ホローリングレース》は終わりだ」
「それは良い、せっかくじゃ終いのレースを行うのじゃ」
「ともうしますと」
「余興じゃ、《アタラクシア》の祭に合わせレースを行うそれで終いじゃ」
「承知しました、操者達にそう伝えるように。ラグージェの約束は半分叶えるとアンフルパス」
「……承知しました、そのように」
耀帝が厳かに伝え、燕碑が後に続けアンフルパスが恭しく頷いた。
「ファーツコクスよ、もう罰は無い。レースが終われば翼を返す、ジュカに実力を示せと伝えよ」
「……レース終了に操者達マイスター達に褒美を用意します、順位に関わらず。何を望むか考える様伝えておくように」
『承知しました』
耀帝の案に天使達もマイスター達も同意し、燕碑が褒美をと言うのでそこで《天魔会議》は終了したが…。
「せっかくじゃ、此処で食事を楽しむとしようではないか」
という耀帝の案に内心(一部がゲと思いつつ)頷き、風早に伝え食事の準備を頼んだ。
「へぇ、向こうの祭りと併せてこっちで最後のレースねぇ。いんじゃない」
「そうですね、皆さん喜ぶと思います。今日の夕食は何にします?」
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