あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid~器用なおっさんは異世界に行っても器用なおっさんです〜

深楽朱夜

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器用なおっさんは異世界に行っても器用なおっさんです 第6楼 おっさん、屋台を始める  

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今夜はこの世界の米と焼いた肉の丼、すいとんを入れた味噌汁にしようかと献立を決め、肉の臭みを取る事にした。
「塩か茹でるかかな、塩でやってみようかな」
この世界の家畜は日本の様に改良はされて無さそうだと赤黒い色具合で分る、血抜きも上手くしていないのかもしれないかなと1度塩と水で揉み洗いをしてみる、しっかりと揉み込んで水で流す。
試しにフライパンで焼いてみる、油を買い忘れたなーと思いつつ焼いて食べてみると臭みはまだ残るのでタレに頼ってみようかと、醤油と砂糖に鴎が不味くて飲まないと言って寄越して来た酒で揉み込んでいく。
それで暫く置いて、明日の仕込みもしておこうか。
屋台に大き目の鍋を嵌め込んで、拄魏から妖石の火術を入れて貰った物を設置し、水術の妖石も鴎から借りた。
この世界は電気の代わりに妖石があり術を貯め込める、術者によって持続する量が違うらしいが拄魏と鴎はこの街でも有名な迷宮の狩人らしく妖力量が多いと教えてくれた。
屋台は問題無さそうだ、メニューは日替わり、営業する時は前日などの仕入れでメニューを変えよう、明日は初日だ、どれ位売れるか分からないので様子見で、干した果物と小麦粉と砂糖を混ぜたクレープ生地を巻いて紙に包んで300楼で売ってみる事にした。

「はい出来ましたよ」
布でテーブルを拭きコップにお茶を用意する、陶器とガラスがあるみたいだなと思いつつ焼き肉丼とすいとんをよそって並べ、3名で食べ始める。
「いただきます」
「なんだこれ!うま!これいつもの肉かよ!?」
「ああ、臭くないな…」
幾眞は挨拶して食べ始め鴎も拄魏も感嘆し夢中で食べる、なんとか臭みを取って食べられるようにした食事に幾眞も食べていく、すいとんは美味い、問題は肉だな、米も白米程ではないけど食べられる、お代わりを鴎と拄魏がして米がなくなり食事は終わった。

「おっさん、明日屋台が終わったら買い物に行くだろ?付き合ってやるよ」
「ああ」
「そうですか、ありがとうございます。これ干した果物デザートにどうぞ」
食い終わりご機嫌な2名、幾眞はニコリと笑っ不揃いな干し果物を出す、3名で齧りながらラジオから流れる女性の歌に耳を傾けた。

幾眞はあまり夢を見ない、それに見るとして同じ夢…。
「こんばんは…」
決まって夜だから幾眞は彼にそう挨拶する、そうすると無限に広がる夜空を眺める彼はゆっくりとこちらを振り返り白い貌で微笑む。
「なんだか分からないうちに異世界に来てしまいました、でも私は日本を愛せなかったので此処でも良いんです、私は此処を愛せるでしょうか」
黒いとんがり帽子に纏う星、黒い衣、髪は長さがバラバラな房が1本1本が白と黒で構成されている。
幾眞は目が覚めるその瞬間まで彼を眺め続ける、彼もあた幾眞を見ているようで何処までもみていなかた…。

「おはようございます」
「ん」
台所で朝食の準備をしていると鴎だけが起き、昨日の肉と野菜の炒め物とすいとんを出して、冷えたお茶を出す。
「私は準備して蟆摧さんのお店に行くので」
「ああ、俺も寄ってやるよ」
「はい」
仕込んだ生地と砂糖、干した果物は下の屋台に運んでいるので拄魏の食事と蟆摧の食事は運び屋台を牽いて店へと向かった。

「おはようございます」
「おはよ、早いわね」
「はい、今日はよろしくお願いします。これ朝食です、油はありますか?」
「ありがと、おいしそ!油はそこにあるわ」
蟆摧に迎えられ油を買う、植物油の瓶にマーガリンのような物が固まりで売っていたので買い外で準備を始めるといっても後は焼いて紙に包んで渡していくだけだと屋台の台に穴を開け鍋を置き下にまた設置した台を石で囲み妖石お置いて火を出して鍋を温めて油を敷いていく。
「あんたが、鴎のとこの居候?」
「ええ、おはようございます」
干した果物を細かく刻んだ試しに焼いて行くと声を掛けられる、そこには長い耳飾りが印象的な黒髪の美青年が立っていた。
「俺は倥莱(くうらい)蟆摧の馴染だよ、ここで屋台をやるっていうから寄ってみたんだ。1つくれ」
「そうなんですね、私は宮本 幾眞ともうします。蟆摧さんにはお世話になっていますから、どうぞ、サービスです。また寄って下さいね」
「そうか、俺はこの先で酒場をやっている寄ってくれ、サービスするよ。それは?」
倉庫にあったヘラを使って丸めて焼き立てのクレープ巻きを紙に包んで渡す、倥莱が受け取り屋台の端に並んだ包み紙で折った鶴やカエルと像や小鳥を指す、子どもが買いに来たら上げようかと折ったおりがみ、色が白なのは味気ないけど置いてみた、倥莱が気になったようなので鶴を渡してまた来ると言われ笑顔で見送った、次に作った物は蟆摧に渡し美味しいよ喜んで貰ったので、本格的に屋台をオープンさせる。

「うわ、並んでる」
「ああ、どうやらここで終わりの様だな」
昼も過ぎた頃蟆摧の店に寄った、鴎と拄魏は幾眞の屋台に並ぶ行列に目を見張り行列の最後の立て看板に今日はここで完売と墨で書いた文字、屋台を見れば忙しなく幾眞が動き焼いて渡していく、其処まで客を待たせずぱぱと渡していく接客は見事だなと思いつつ蟆摧の店に入る。
「幾眞さんのお陰で店の売り上げもいいわー」
忙しそうに対応をしている蟆摧もほくほく顔をしている、相乗効果か屋台で買った後に蟆摧の店で買い物をしていくらしい、暫くして客を捌ききった幾眞が店仕舞いを行ったタイミングで鴎達が声を掛けた。
「繁盛してたじゃん」
「はい、あ、すみません、材料ないですね」
「別にいいよ、飯食いに行こうぜ。奢ってやるよ」
「ありがとうございます」
「幾眞さんおつかれー屋台は置いていても良いわよーゆっくりしてきたら」
「ありがとうございます」
鴎が労いの言葉を掛け蟆摧が店の中から声を掛け、頭を下げて鴎に案内され拄魏と食堂へ向かった。
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