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器用なおっさんは異世界に行っても器用なおっさんです 第7楼 おっさん、食堂で食べる
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鴎と拄魏に紹介された食堂は市場にある看板が傾いた《冥庵(みょうあん)》という年季の入った食堂、中は雑多に人がいて椀の汁物を啜っている。
「見た目はわりいが安くて美味い店」
「見た目が悪いは余計だ、鴎」
狭い店で店主の冥庵と商会された青年と従業員の少年が忙しなく動いている、鴎と拄魏は肉と揚げたパン、幾眞は粥を貰う事にし先に金を払う対かしたければまた会計に行く。
「ほら」
「早いですね」
「それが売りなんですよ!」
頼んで席に着けばすぐに従業員の少年が運んで来てくれる、周囲はさっさと食ってさっさと出て行く、またすぐ客が入る。
「これ小豆ですか?」
「そ、安くて腹持ちがいいからな」
「どこに売っています?」
「あの奥だ」
粥に浮いた赤い豆味は小豆だ、小豆があれば餡子が作れる明日のメニューが決まった。
今日の売り上げは300枚売ったので3万楼、途中で小麦粉と干した果物がなくなり蟆摧の店で追加で購入してそれだけ売れた、明日は鍋をもう1つ用意してみよう、ここは幾眞が奢る事にした。
「お2人のお陰でお金を稼ぐ事が出来ました、ありがとうございます」
「ま、うまい飯が食えるからな」
「こんな街では食事と女を抱く位しか面白味がない」
「は」
幾眞は深く頭を下げる、鴎も拄魏も美味い飯の為だし気まぐれだと言い笑った。
「ここが穀物の店だ」
「おや、珍しい」
「こんにちは、小豆と…これは白いんげんですか?」
「これは私達は白豆って言ってるよ、スープとかに混ぜるんだよ」
「小豆と白豆を貰います」
「あいよ」
恰幅の良い中年女性の穀物屋、色とりどりの豆が並び幾眞の目を楽しませる、5㎏ずつ買い拄魏が式紙で運んでくれ、野菜屋に向かう。
「この赤いのは?」
「あーそれはもう中身がヤバいから廃棄だ、この後捨て行く」
「これ全部下さい」
「あーいいよやる、捨てにいくのも面倒だからな」
無法の無秩序の街にもルールはある、ゴミはゴミ捨て場にという物だ、鴎の馴染の野菜屋で幾眞が目を付けたのは大きな完熟トマトの様な物、トマトソースが出来るかなと思いつつそれと白いナスと大きな瓜を買、昨日とは違う肉屋に連れて行って貰う事にした。
「細かい肉があるんですね」
「切れ端だ」
「こいつはたまにしかここで肉を売らない、自分で狩って捌いて売るんだ」
鴎に案内されたのは街の隅、陰気な青年が屋台に葉を敷いた肉の部位を売っている、人気らしく客が次々買っていくので幾眞は肉の端が山の様に置かれた物を買う。
葉っぱに殺菌効果があるらしく、妖石で涼しい環境を保っているとの事で鮮度も良い、それを買いパン屋があるというので案内して貰った。
「固いパンしかねぇぞ」
「ああ、おっさんの歯欠けるぞ」
「いきなりケチ付けないでよぉ」
少女が店番を行うパンの屋台、固くてシンプルなパンが多いのでそれを明日の朝の分まで買ってみる、鴎と拄魏は好きなようにさせて幾眞が何をしようとしているのか眺めている、次は果物屋に連れて行って欲しいというので連れて行く。
「こいつも痛みかけだからな」
「では全部下さい、後このリンゴも」
「物好きだなー」
露店の果物屋、傷みかけだが腐ってはいない果物を全て買い物好きなおっさんだと言われつつリンゴも買い、雁怠の店で小麦粉と砂糖を大量に買い込んだ。
「今日も精が出るな、明日も屋台やるのか?」
「はい」
「おし、明日は寄ってやるよ」
「待ってます」
雁怠が景気よく買ってくれる幾眞に愛想よくオマケまでしてくれ、幾眞も喜び沢山買い込んでいく。
「瓶とか売っている店はありますか?」
「瓶?」
「なら、奥の濠詑(ごうい)の店はどうだ?最近弟子を取ったらしい」
「ああ、なら行くか」
瓶が欲しいと言う幾眞に雁怠が奥を指さす、鴎も拄魏も瓶等酒を入れる以外に使い途等知らない、式紙を増やして荷物を運ばせる、重くないのか幾眞が聞けば妖力の量が多い拄魏には大した事が無いらしい、夕食は美味しい物を用意しようと幾眞は思う。
「お、ここは酒さんか売ってねぇぞ」
「俺らは用がねえよ、あるのはこのおっさん」
「こんにちは、蓋がある瓶が欲しいんです」
「ならこの辺だ、安いのはこいつが作ったやつなら安い」
「まだ見習いなんでー」
露店の濠詑の店に並ぶ様々な瓶、色が付いた瓶や芸術品のような繊細な瓶、濠詑の弟子という少年が作ったのはボコボコちている瓶と同じ材質の蓋に広口の瓶を1つ500楼で全部10個買う。
「密封性が高い物であれば良いので」
「ま、変なおっさんだな。これはオマケだコイツが作った椀だ。デカくて使い辛いからな」
「よ、よければ」
「こんな良い物をありがとうございます」
弟子の少年が造ったのは透明な大きな器、ボールの様で安定もしていてありがたい、これで今日の買い物は終わりで辺りはすっかり夕方だ。
戻ろうかとすれば周囲に物乞いのみすぼらしい服を着た子供らが目立つ、布を纏っただけの服に靴、痩せた子供達。
「浮浪児共だな、よせ、多いから」
「孤児院もあるが変わらん」
「そうですか」
彼らを見ていた幾眞に鴎と拄魏が言う、孤児院もある街、見ていると分る誰も彼も余裕は無い、幾眞は頷いて市場の外へと出た。
「見た目はわりいが安くて美味い店」
「見た目が悪いは余計だ、鴎」
狭い店で店主の冥庵と商会された青年と従業員の少年が忙しなく動いている、鴎と拄魏は肉と揚げたパン、幾眞は粥を貰う事にし先に金を払う対かしたければまた会計に行く。
「ほら」
「早いですね」
「それが売りなんですよ!」
頼んで席に着けばすぐに従業員の少年が運んで来てくれる、周囲はさっさと食ってさっさと出て行く、またすぐ客が入る。
「これ小豆ですか?」
「そ、安くて腹持ちがいいからな」
「どこに売っています?」
「あの奥だ」
粥に浮いた赤い豆味は小豆だ、小豆があれば餡子が作れる明日のメニューが決まった。
今日の売り上げは300枚売ったので3万楼、途中で小麦粉と干した果物がなくなり蟆摧の店で追加で購入してそれだけ売れた、明日は鍋をもう1つ用意してみよう、ここは幾眞が奢る事にした。
「お2人のお陰でお金を稼ぐ事が出来ました、ありがとうございます」
「ま、うまい飯が食えるからな」
「こんな街では食事と女を抱く位しか面白味がない」
「は」
幾眞は深く頭を下げる、鴎も拄魏も美味い飯の為だし気まぐれだと言い笑った。
「ここが穀物の店だ」
「おや、珍しい」
「こんにちは、小豆と…これは白いんげんですか?」
「これは私達は白豆って言ってるよ、スープとかに混ぜるんだよ」
「小豆と白豆を貰います」
「あいよ」
恰幅の良い中年女性の穀物屋、色とりどりの豆が並び幾眞の目を楽しませる、5㎏ずつ買い拄魏が式紙で運んでくれ、野菜屋に向かう。
「この赤いのは?」
「あーそれはもう中身がヤバいから廃棄だ、この後捨て行く」
「これ全部下さい」
「あーいいよやる、捨てにいくのも面倒だからな」
無法の無秩序の街にもルールはある、ゴミはゴミ捨て場にという物だ、鴎の馴染の野菜屋で幾眞が目を付けたのは大きな完熟トマトの様な物、トマトソースが出来るかなと思いつつそれと白いナスと大きな瓜を買、昨日とは違う肉屋に連れて行って貰う事にした。
「細かい肉があるんですね」
「切れ端だ」
「こいつはたまにしかここで肉を売らない、自分で狩って捌いて売るんだ」
鴎に案内されたのは街の隅、陰気な青年が屋台に葉を敷いた肉の部位を売っている、人気らしく客が次々買っていくので幾眞は肉の端が山の様に置かれた物を買う。
葉っぱに殺菌効果があるらしく、妖石で涼しい環境を保っているとの事で鮮度も良い、それを買いパン屋があるというので案内して貰った。
「固いパンしかねぇぞ」
「ああ、おっさんの歯欠けるぞ」
「いきなりケチ付けないでよぉ」
少女が店番を行うパンの屋台、固くてシンプルなパンが多いのでそれを明日の朝の分まで買ってみる、鴎と拄魏は好きなようにさせて幾眞が何をしようとしているのか眺めている、次は果物屋に連れて行って欲しいというので連れて行く。
「こいつも痛みかけだからな」
「では全部下さい、後このリンゴも」
「物好きだなー」
露店の果物屋、傷みかけだが腐ってはいない果物を全て買い物好きなおっさんだと言われつつリンゴも買い、雁怠の店で小麦粉と砂糖を大量に買い込んだ。
「今日も精が出るな、明日も屋台やるのか?」
「はい」
「おし、明日は寄ってやるよ」
「待ってます」
雁怠が景気よく買ってくれる幾眞に愛想よくオマケまでしてくれ、幾眞も喜び沢山買い込んでいく。
「瓶とか売っている店はありますか?」
「瓶?」
「なら、奥の濠詑(ごうい)の店はどうだ?最近弟子を取ったらしい」
「ああ、なら行くか」
瓶が欲しいと言う幾眞に雁怠が奥を指さす、鴎も拄魏も瓶等酒を入れる以外に使い途等知らない、式紙を増やして荷物を運ばせる、重くないのか幾眞が聞けば妖力の量が多い拄魏には大した事が無いらしい、夕食は美味しい物を用意しようと幾眞は思う。
「お、ここは酒さんか売ってねぇぞ」
「俺らは用がねえよ、あるのはこのおっさん」
「こんにちは、蓋がある瓶が欲しいんです」
「ならこの辺だ、安いのはこいつが作ったやつなら安い」
「まだ見習いなんでー」
露店の濠詑の店に並ぶ様々な瓶、色が付いた瓶や芸術品のような繊細な瓶、濠詑の弟子という少年が作ったのはボコボコちている瓶と同じ材質の蓋に広口の瓶を1つ500楼で全部10個買う。
「密封性が高い物であれば良いので」
「ま、変なおっさんだな。これはオマケだコイツが作った椀だ。デカくて使い辛いからな」
「よ、よければ」
「こんな良い物をありがとうございます」
弟子の少年が造ったのは透明な大きな器、ボールの様で安定もしていてありがたい、これで今日の買い物は終わりで辺りはすっかり夕方だ。
戻ろうかとすれば周囲に物乞いのみすぼらしい服を着た子供らが目立つ、布を纏っただけの服に靴、痩せた子供達。
「浮浪児共だな、よせ、多いから」
「孤児院もあるが変わらん」
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