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番外編12:近衛騎士団長は王族の青年に愛される【一夜だけ 後】
リナルド様は、私をそっとベッドの上に降ろした。
それから、再び口づけを交わす。
「ガルディア、舌出して」
リナルド様の言葉におずおずと舌を差し出すと、途端にリナルド様が舌を絡めてくる。
先ほどよりも口づけは深くなった。
その深い口づけに呼吸はままならず、私の頭はぼんやりしてくる。
気づくと、私のシャツのボタンは外され、いつの間にか上半身をリナルド様にさらしていた。
それなりに鍛え上げられた身体をリナルド様はゆっくりとなぞるように触れる。
「ずっとガルディアの身体を見たかった。やっと叶った」
「こんな、私のような武骨な身体をみても、楽しくなど」
私は、リナルド様の視線に耐え切れず、身体をよじる。
リナルド様はそれを遮るように私の両手を布団につなぎ止め、そのまま私のうなじにキスを落とした。
「ガルディア、隠さないで。あなたの身体はきれいだ。
世辞なんかじゃないからね? ほら、私の身体は正直だ」
そう言いながら、リナルド様は自身の屹立を私に擦り付けてきた。
ズボン越しであっても、それは硬く、脈打っているのが分かる。
リナルド様が、私を相手に興奮している。
その事実が、私をひどく高ぶらせた。
自然と自分の腰が揺らめく。
「ふふっ、あなたも私に興奮してくれるんだね?
……安心したよ」
自分の反応をリナルド様にすぐ気づかれる。
私は羞恥で身体を丸めようとするけれど、リナルド様の手は、それを決して許さなかった。
リナルド様は、私の身体中にキスを落とす。
私の身体から力が抜けるのを確かめるように、ゆっくりと。
力が抜けた私は、深く息を吐いた。
私の反応を受け、リナルド様は私の手首から両手を外し、私の身体を確かめるように触れてきた。
腕、肩、鎖骨、そして胸。
ゆっくりと私の硬い身体を、リナルド様はまるで壊れ物のようにそっと触れるのだ。
私は、リナルド様の愛情を感じて、胸の奥から温かいものがこみ上げる。
「あなたのこの節くれだった指は、私を守るためにできたものだ。
あなたのその硬い筋肉も、全てあなたの努力の結果なんだ。
それが愛しい。あなたの努力の歴史を感じられる鍛え上げられた身体は、私にとって何よりの宝物なんだ」
リナルド様の瞳は、手はどこまでも優しい。
それなのに、私の腰にあたるものが、リナルド様の情熱を強く伝えてきた。
そのことが、私を大切にしようとしていることを伝えてきて、私は思わず涙ぐむ。
すぐさまリナルド様が、私の眦にキスをする。
「リナルド様、私は大丈夫です。リナルド様のお好きなようになさってください」
「ガルディア、優しくしたいんだ。そんなことを言わないで」
少しだけ苦しそうに唇を歪め、リナルド様が呟く。
私は、リナルド様に我慢などして欲しくない。
だから、リナルド様の唇を指先でそっとなぞり、微笑み返した。
リナルド様は深く息を吐き、微笑み返す。
「リナルド、好きだよ」
そう言った後、リナルド様は再び口づけを始めた。
同時にリナルド様の手は私の胸に先ほどよりも力強く、けれど優しく触れてくる。
そしてリナルド様の手が胸の尖りに触れたとたん、私の身体が大きく跳ねた。
リナルド様が口づけをやめ、反対の胸の尖りを舐めはじめる
。
私は思わず声が出そうになり、両手で口を塞いだ。
それに気づいたリナルド様は、私の両手を再びベッドに縫い付け、私に軽く口づけた。
「声、聴かせて。
あなたのすべてを私は知りたい。我慢なんてしないで、全て私にさらけ出すんだ」
リナルド様は再び胸を舐め始める。
舌が上下左右に動き、そのたびに私の身体はびくびくと跳ねあがった。
「っ、くっ……リナ、ルド、様っ。リナルド様っ!」
私は、リナルド様に助けを求めるように、名前を何度も叫んでしまう。
リナルド様は、その声に応えるように、顔を上げた。
「ガルディア、可愛い。そんな顔、他の人には見せちゃだめだよ。私にだけ見せて」
『私にだけ見せて』
ああ、幼い頃、殿下の口真似をしていたリナルド様から何度となく聞いたお言葉だ。
今でもリナルド様は、私に言ってくださるのか。
その言葉だけで、私の心は熱くなる。
リナルド様はその間に、胸をじゅうっと吸い上げる。
途端に私の身体は大きく跳ねた。
「はあっ、あっ、あぁっ」
私はもう、声を抑えることなどできなかった。
私の中心もすでに硬くなり、リナルド様の身体を押し上げている。
リナルド様は、私の服をすべて取り去り、そのまま私のものに触れてきた。
私の表情をうかがいながら、そっと上下にこすり上げてくる。
「くっ、リナルド、さまっ」
「気持ちいい? よかった。もっと気持ちよくなって」
そう言いながら、リナルド様は私のものを扱き、高みに上らせる。
「あっ、あぁっ! もうっ、手、手を、離してっ、くださいっ。も、もうっ!」
「うん、いいよ。出して」
リナルド様は、さらに手を大きく早く動かす。
私はもう、我慢できずに、リナルド様の手の中に熱を放ってしまった。
「す、すみませんっ。リナルド様の手を汚してしまいました」
「ふふっ、汚れてなんかいないよ。
あなたのものが汚いわけないじゃないか」
そう言いながら、手のものをぺろりと舐めるリナルド様は、やけに妖艶だった。
私はそれを直視できず、うつぶせになる。
すると、リナルド様は私の後孔にそっと触れてきた。
「あっ、そ、そこはっ」
「駄目? 私はあなたと一つになりたい。
あなたをわたしのものにしたいんだ」
リナルド様が、私を求めてくれている。
そのことだけで私の心は浮き立つ。
最後に一度だけ。
私の一生に一度の願いだ。
リナルド様との思い出が欲しい。
「わ、私もリナルド様と一つになりたい……です」
「よかった! 優しくするからね」
リナルド様は、私の後孔にゆっくりと触れていった。
私は、息をつめてリナルド様の指を受け入れていった。
私の放ったものを潤滑剤として、リナルド様の指は深くまで動く。
ぐぐっと押す圧迫感が、違和感しか感じられずに身体中がこわばる。
リナルド様は、私の反応を見て、指をそっと引き抜こうとする。
けれど、私はどうしてもリナルド様と一つになりたかった。
だから、無理を承知でお願いをする。
「リ、リナルド様っ、大丈夫です。ですからっ、早くっ」
「ガルディア、何を言ってるんだ。まだ準備も終わっていない。
何を焦っているんだ。夜は長い」
リナルド様は指をそっと引き抜き、なだめるように私の髪に口づけを落とす。
それから、私の髪先に触れる。
「抱きたいとは言ったけれど、今夜あなたと最後まで結ばれなくても、私は構わない。
いくらでもチャンスはある。
あなたが難しいというならば、私は何年でも待つ覚悟もできているんだ。
ゆっくりやっていこう」
違うのです。リナルド様。
何度もこのようなことを貴方様に求めることなど、私にはできません。
あなたをいずれ苦しめることになる。
私とあなたとの未来は決してこないのですから。
思い出を増やせば、リナルド様も私とのつながりを切ることに痛みを伴うでしょう。
だから。
今夜限り、この夜が私たちの最初で最後の一夜なのです。
私は、リナルド様の顔を見ることもできず、流れる涙をそっとシーツで拭うことしかできなかった。
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