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第6話:泥沼の逃避行と偽りのヒロイン
暗く、湿り気に満ちた地下食糧庫。
かつてローウェル侯爵家が誇った栄華は、今やネズミの這いずる闇の中に閉じ込められていた。
「……お腹が、空きましたわ。セドリック様、何とかしてくださいませ」
リリアンの声は、もはや鈴を転がすような愛らしさを失い、ひび割れた老婆のように耳障りだった。
彼女は隅に置かれた唯一の保存食――カビの浮いた乾パンを、奪い取るように抱え込んでいる。
セドリックは、煤で汚れた顔を上げ、憎々しげに彼女を睨みつけた。
「何とかしろだと?この状況で俺に何をしろと言うんだ。外には魔獣と、暴徒と化した領民がいるんだぞ。すべて、お前がエルナを追い出したから……!」
「私が追い出した?心外ですわ!エルナお姉様が勝手に出ていったのでしょう?それに、お姉様を引き留めもしなかったのは、あなたではありませんか!」
リリアンが立ち上がった拍子に、彼女がいつも「苦しい」と押さえていた胸元から、隠し持っていた肉の燻製がこぼれ落ちた。
それは、エルナが非常時用に備蓄していた、最高級の保存食だ。
セドリックの目が、血走った。
「……貴様、それをどこで。自分は食が細いから、水だけでいいと言っていたじゃないか」
「あ……これは、その……」
リリアンは慌てて肉を隠そうとしたが、セドリックの動きの方が早かった。
彼はリリアンの細い腕を掴み、力任せにねじ上げる。
「痛い!痛いですわ、離して!私は病弱なのよ!」
「病弱な女が、そんな力で肉を握りしめられるものか!貴様、今までずっと俺を騙していたのか!エルナの苦労を嘲笑いながら、俺の同情を買って、裏でこんなものを食っていたのか!」
セドリックの拳が、地下室の壁を叩いた。
衝撃で天井から砂埃が舞い落ちる。
彼は、自分がどれほど愚かだったかを、この期に及んで突きつけられた。
エルナは、血を吐くような努力をして結界を維持し、家計を支えていた。
それに対し、この女は何をしていた?
ただ「弱さ」を演出し、セドリックの庇護欲を煽り、屋敷の平穏を乱していただけだ。
「……返せ。その肉も、俺のこれまでの信頼も」
「嫌よ!離しなさいよ、この無能!剣も使えない、灯りも点けられない男なんて、もう用済みよ!」
リリアンがセドリックの顔を、鋭い爪で引っ掻いた。
二人は泥だらけになりながら、床に落ちた一片の肉を巡って、獣のように取っ組み合いを演じた。
かつての貴族の矜持など、飢えと恐怖の前では塵に等しかった。
◇◇◇
その時、地下室の重い扉が、外側から強引にこじ開けられた。
眩い光と共に、銀の甲冑に身を包んだ騎士たちがなだれ込んでくる。
「――生存者を確認!侯爵閣下か!」
現れたのは、王都から派遣された直轄騎士団だった。
魔獣の侵攻を食い止めるべく、国王が重い腰を上げたのだ。
セドリックは、這いつくばるようにして騎士の足元へ縋り付いた。
「た、助かった……!おい、早く俺を王都へ運べ!暖かい風呂と、まともな食事を!それから、この女を捕らえろ!俺を騙していたペテン師だ!」
しかし、騎士たちの視線は、ゴミ溜めの中で争っていた二人に対し、氷のように冷たかった。
「……セドリック・ローウェル。貴殿に、陛下の『直勅』を伝える」
騎士団の先頭に立つ将軍が、羊皮紙を広げた。
「『ローウェル侯爵家は、領地防衛の義務を放棄し、多大なる損失を国家に与えた。よって、本日をもって爵位を剥奪、全財産を没収し、国外追放に処す。ただし――』」
将軍は一度言葉を切り、無様に震えるセドリックを見下ろした。
「『もし、ガルシュタイン帝国へ亡命したエルナ・ローウェルを連れ戻すことができれば、その罪を免じ、爵位の復興を検討する』……だそうだ」
「連れ、戻す……?エルナを、俺が?」
セドリックの脳裏に、カイル皇帝の冷徹な瞳が浮かんだ。
帝国。あのような軍事大国に、着の身着のままで追い出される自分が、どうやって「至宝」と崇められているエルナを奪い返せるというのか。
それは、救済ではなく、死刑宣告にも等しい無理難題だった。
「さあ、行け。貴殿の荷物は、その背負っているボロ布だけだ」
騎士たちによって、セドリックとリリアンは屋敷の外へと引きずり出された。
外は、見るも無惨な光景だった。
豪華だった侯爵邸は黒く焼け焦げ、美しい庭園は魔獣の足跡だらけだ。
領民たちは、避難用の馬車に揺られながら、通り過ぎるセドリックに石を投げ、罵声を浴びせた。
「死んじまえ、無能侯爵!」
「エルナ様を返せ!」
セドリックは、泥水を浴びながら、力なく歩き出した。
背後では、リリアンが「靴が汚れる」「お腹が空いた」と泣き喚いている。
かつては愛おしく思えたその声が、今は呪いの歌のように聞こえた。
◇◇◇
一ヶ月後。
帝国ガルシュタインの首都。
街は、新型の魔導街灯によって昼間のように明るく、人々の活気に満ち溢れていた。
その最先端の都に、ボロボロの灰色の布を纏った、物乞いのような男女が辿り着いた。
セドリックとリリアンだ。
彼らは数日間、まともな食事も摂らず、商人の馬車に隠れて国境を越えてきたのだ。
「……あそこだ。あの巨大な研究所に、エルナがいるはずだ」
セドリックは、天を突くような魔導塔を指差した。
彼の瞳には、かつての傲慢さはなく、ただ一点、エルナに縋り付けば元に戻れるという、お門違いな希望だけが宿っていた。
だが、彼らが塔の入り口に近づこうとした瞬間。
鋼鉄の鎧に身を包んだ帝国の門番たちが、無情に長槍を交差させた。
「止まれ。ここは関係者以外立ち入り禁止だ。汚らわしい乞食め、立ち去れ」
「こ、乞食だと!?俺はルムリア王国の侯爵、セドリック・ローウェルだ!中にいるエルナは俺の妻なんだぞ!早く通せ!」
セドリックの叫びは、周囲の通行人たちの失笑を買うだけだった。
門番は鼻で笑い、槍の柄でセドリックの胸を小突いた。
「侯爵?妻?冗談はやめろ。中にいらっしゃるエルナ様は、我が帝国の最高顧問であり、陛下が最も寵愛される『未来の皇后』だ。貴様のようなドブネズミと、指一本触れることさえ許されない高貴なお方だ」
「な……皇后……?」
セドリックの頭の中で、何かが崩れる音がした。
妻。
自分が「健康だから」と実務を押し付け、蔑んでいた女。
彼女は今、自分が見上げることさえ叶わない、遥か高みの玉座に手をかけている。
「さあ、失せろ。これ以上騒ぐなら、不法侵入として即刻処刑する」
門番が魔力を解放すると、セドリックは悲鳴を上げて転げ落ちた。
リリアンはすでに、路地裏で別の男に媚びを売ってパンを恵んでもらおうと、浅ましい姿を晒している。
セドリックは、冷たい石畳に顔を押し付け、絶望に身を震わせた。
豪華な食卓、温かいベッド、自分を敬う部下たち。
そのすべてが、エルナというたった一人の女性の献身の上に成り立っていた幻影だったのだ。
「エルナ……エルナ……ごめん、ごめんなさい……愛しているんだ……!」
その懺悔が、どれほど虚しく、そして自分勝手なものであるか。
彼は、彼女の目の前に辿り着くことさえできない現実の中で、ようやく理解し始めていた。
かつてローウェル侯爵家が誇った栄華は、今やネズミの這いずる闇の中に閉じ込められていた。
「……お腹が、空きましたわ。セドリック様、何とかしてくださいませ」
リリアンの声は、もはや鈴を転がすような愛らしさを失い、ひび割れた老婆のように耳障りだった。
彼女は隅に置かれた唯一の保存食――カビの浮いた乾パンを、奪い取るように抱え込んでいる。
セドリックは、煤で汚れた顔を上げ、憎々しげに彼女を睨みつけた。
「何とかしろだと?この状況で俺に何をしろと言うんだ。外には魔獣と、暴徒と化した領民がいるんだぞ。すべて、お前がエルナを追い出したから……!」
「私が追い出した?心外ですわ!エルナお姉様が勝手に出ていったのでしょう?それに、お姉様を引き留めもしなかったのは、あなたではありませんか!」
リリアンが立ち上がった拍子に、彼女がいつも「苦しい」と押さえていた胸元から、隠し持っていた肉の燻製がこぼれ落ちた。
それは、エルナが非常時用に備蓄していた、最高級の保存食だ。
セドリックの目が、血走った。
「……貴様、それをどこで。自分は食が細いから、水だけでいいと言っていたじゃないか」
「あ……これは、その……」
リリアンは慌てて肉を隠そうとしたが、セドリックの動きの方が早かった。
彼はリリアンの細い腕を掴み、力任せにねじ上げる。
「痛い!痛いですわ、離して!私は病弱なのよ!」
「病弱な女が、そんな力で肉を握りしめられるものか!貴様、今までずっと俺を騙していたのか!エルナの苦労を嘲笑いながら、俺の同情を買って、裏でこんなものを食っていたのか!」
セドリックの拳が、地下室の壁を叩いた。
衝撃で天井から砂埃が舞い落ちる。
彼は、自分がどれほど愚かだったかを、この期に及んで突きつけられた。
エルナは、血を吐くような努力をして結界を維持し、家計を支えていた。
それに対し、この女は何をしていた?
ただ「弱さ」を演出し、セドリックの庇護欲を煽り、屋敷の平穏を乱していただけだ。
「……返せ。その肉も、俺のこれまでの信頼も」
「嫌よ!離しなさいよ、この無能!剣も使えない、灯りも点けられない男なんて、もう用済みよ!」
リリアンがセドリックの顔を、鋭い爪で引っ掻いた。
二人は泥だらけになりながら、床に落ちた一片の肉を巡って、獣のように取っ組み合いを演じた。
かつての貴族の矜持など、飢えと恐怖の前では塵に等しかった。
◇◇◇
その時、地下室の重い扉が、外側から強引にこじ開けられた。
眩い光と共に、銀の甲冑に身を包んだ騎士たちがなだれ込んでくる。
「――生存者を確認!侯爵閣下か!」
現れたのは、王都から派遣された直轄騎士団だった。
魔獣の侵攻を食い止めるべく、国王が重い腰を上げたのだ。
セドリックは、這いつくばるようにして騎士の足元へ縋り付いた。
「た、助かった……!おい、早く俺を王都へ運べ!暖かい風呂と、まともな食事を!それから、この女を捕らえろ!俺を騙していたペテン師だ!」
しかし、騎士たちの視線は、ゴミ溜めの中で争っていた二人に対し、氷のように冷たかった。
「……セドリック・ローウェル。貴殿に、陛下の『直勅』を伝える」
騎士団の先頭に立つ将軍が、羊皮紙を広げた。
「『ローウェル侯爵家は、領地防衛の義務を放棄し、多大なる損失を国家に与えた。よって、本日をもって爵位を剥奪、全財産を没収し、国外追放に処す。ただし――』」
将軍は一度言葉を切り、無様に震えるセドリックを見下ろした。
「『もし、ガルシュタイン帝国へ亡命したエルナ・ローウェルを連れ戻すことができれば、その罪を免じ、爵位の復興を検討する』……だそうだ」
「連れ、戻す……?エルナを、俺が?」
セドリックの脳裏に、カイル皇帝の冷徹な瞳が浮かんだ。
帝国。あのような軍事大国に、着の身着のままで追い出される自分が、どうやって「至宝」と崇められているエルナを奪い返せるというのか。
それは、救済ではなく、死刑宣告にも等しい無理難題だった。
「さあ、行け。貴殿の荷物は、その背負っているボロ布だけだ」
騎士たちによって、セドリックとリリアンは屋敷の外へと引きずり出された。
外は、見るも無惨な光景だった。
豪華だった侯爵邸は黒く焼け焦げ、美しい庭園は魔獣の足跡だらけだ。
領民たちは、避難用の馬車に揺られながら、通り過ぎるセドリックに石を投げ、罵声を浴びせた。
「死んじまえ、無能侯爵!」
「エルナ様を返せ!」
セドリックは、泥水を浴びながら、力なく歩き出した。
背後では、リリアンが「靴が汚れる」「お腹が空いた」と泣き喚いている。
かつては愛おしく思えたその声が、今は呪いの歌のように聞こえた。
◇◇◇
一ヶ月後。
帝国ガルシュタインの首都。
街は、新型の魔導街灯によって昼間のように明るく、人々の活気に満ち溢れていた。
その最先端の都に、ボロボロの灰色の布を纏った、物乞いのような男女が辿り着いた。
セドリックとリリアンだ。
彼らは数日間、まともな食事も摂らず、商人の馬車に隠れて国境を越えてきたのだ。
「……あそこだ。あの巨大な研究所に、エルナがいるはずだ」
セドリックは、天を突くような魔導塔を指差した。
彼の瞳には、かつての傲慢さはなく、ただ一点、エルナに縋り付けば元に戻れるという、お門違いな希望だけが宿っていた。
だが、彼らが塔の入り口に近づこうとした瞬間。
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「止まれ。ここは関係者以外立ち入り禁止だ。汚らわしい乞食め、立ち去れ」
「こ、乞食だと!?俺はルムリア王国の侯爵、セドリック・ローウェルだ!中にいるエルナは俺の妻なんだぞ!早く通せ!」
セドリックの叫びは、周囲の通行人たちの失笑を買うだけだった。
門番は鼻で笑い、槍の柄でセドリックの胸を小突いた。
「侯爵?妻?冗談はやめろ。中にいらっしゃるエルナ様は、我が帝国の最高顧問であり、陛下が最も寵愛される『未来の皇后』だ。貴様のようなドブネズミと、指一本触れることさえ許されない高貴なお方だ」
「な……皇后……?」
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妻。
自分が「健康だから」と実務を押し付け、蔑んでいた女。
彼女は今、自分が見上げることさえ叶わない、遥か高みの玉座に手をかけている。
「さあ、失せろ。これ以上騒ぐなら、不法侵入として即刻処刑する」
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リリアンはすでに、路地裏で別の男に媚びを売ってパンを恵んでもらおうと、浅ましい姿を晒している。
セドリックは、冷たい石畳に顔を押し付け、絶望に身を震わせた。
豪華な食卓、温かいベッド、自分を敬う部下たち。
そのすべてが、エルナというたった一人の女性の献身の上に成り立っていた幻影だったのだ。
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