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短編
リィとイムの手合わせ(4章読了後おすすめです)
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エンペスト帝国で無実の罪を着せられたリィ達だが、エダのお陰で何とか疑いが晴れた。その夜は宴という事で美味しい食べ物をたらふく食べたリィはご満悦だった。
翌日。リィはグルト王国兵と共にエンペスト帝国の鍛錬場へと来ていた。二国で合同練習をしようという話になったそうだ。
練習用の双剣を受け取り、リィは鍛錬場の中をうろうろとする。闘技場で華麗な戦いをしたリィの姿を見かけて何人ものエンペスト帝国兵が手合わせをしようと誘って来たが、全て断った。
リィはとある男の姿を探していた。その男を見つけるとリィは真っ直ぐ彼の元へと向かった。
「イム。ここにいたのか」
「ああー、リィか。どうしたんだよー。わざわざ話しかけてくるなんてさー」
リィが探していたのはイムだった。グルト王国弓兵隊長である彼は練習に参加する事無く、隅で座り用紙に何かを書き込んでいた。スケッチをしているわけではなく、兵士達の戦い方を分析して情報を書いているのだろう。面倒くさそうに顔をしかめる彼に、リィは「俺に戦いを教えて欲しい」とストレートに伝えた。
「うげー、何を言っているんだよー。リィは俺なんかに聞かなくても十分戦えるってー」
「……この前の戦いの時、イムの指示は的確だった。イムは人の戦い方を観察するのが得意だと聞いた。俺にも戦いを教えて欲しい」
リィの願いにイムはとても渋い顔をしたが、ため息を吐いて用紙を地面に置くと立ち上がった。
「はー、お前って結構脳筋なんだなー。まあいいよ。俺もリィには言っておきたい事があったからさー」
「ノウキンとは何だ」
「あー、別に知らなくても良い言葉だから気にするなー」
イムは軽くストレッチをしてから側に置いてあった弓を持ち、矢筒を担いだ。
「イムは弓だけか? 俺も弓の方が良いのか」
「あー、リィは気にしなくて良い。普通に向かってきてくれー」
気だるそうに言うイムに、リィは少々心配になるが言う通りにする。
まさか闘技場で共闘していた二人が手合わせをすると思わなかったのだろう。周りに見物人が集まって来た。
リィは双剣を構えるが、イムは矢を持つ事もせずに突っ立っている。
「イム」
「あー、もう来て良いよ」
全くやる気の無さそうなイムにリィは怪訝な表情を見せたが、来て良いと言われたので体勢を低くしてイムへと向かう。無防備なままのイムにリィは一瞬刃を振るう事を躊躇したが、構わずに彼の首筋を狙おうとして――
「リィ、気にしなくて良いって言ったよな?」
「!」
その直前、自分の首筋に強い衝撃を覚えた。驚いたリィが自分の首を手で押さえながらイムから離れる。彼の右手にはいつの間にか数十センチ程の木の棒が握られていた。
「お前は俺が弓しか持っていないという先入観から突っ込んで来ただろう。そして無防備な俺に一瞬攻撃の手を止めた。まさか俺が隠し武器を持っているなんて思っていなかっただろう?」
イムは得意げに言いながら鎧の腕当てに木の棒を入れる仕草をした。どうやら腕当てに武器が潜んでいたようだ。
「全く思わなかった。イムはすごいな」
「弓兵だと接近戦に弱いからっていう先入観を逆手に取って不意打ちをするっていう何とも卑怯なやり方だけどなー。卑怯だって罵っても良いよー。そうしてでも俺は生きたいんでね」
「いや、卑怯だとは思わない。普通、生は一つしか無いものだからそれを守る手段は大切だと思う」
リィは噓偽りの無い真っ直ぐな瞳でそう言った。ずるいと言われるかと思っていたのか、イムは少々居心地悪そうに後頭部へ手を当てた。
「あー、これだけだと悪いからちゃんと手合わせするよ。一応俺も接近戦は出来るんだよ。……面倒くさいけれど」
「うん、ありがとう」
イムは近くにいた兵士に模造剣と盾を持って来てもらった。
「今度は隠し武器を使わないから、普通に俺の命を奪う勢いで来てくれ」
「分かった」
二人は距離を取り、武器を構える。周りで見守る兵士達にも緊張が走る。
最初に動いたのはリィだった。姿勢を低くして地を蹴るとイムの間合いに入る。イムは一歩引くとリィの攻撃を盾で防いだ。リィは何度も双剣で攻撃を繰り出すが全て盾によって防がれてしまう。
「流石グランデル騎士隊長と互角の戦いをしただけあるな」
「……あれはグランが本気では無かったからだ」
「まあそうだろうね」
盾の陰から剣の切っ先が現れてリィの心臓を狙う。リィは後ろへ跳躍してそれを避けた。
イムを守る盾が厄介だ。どう攻撃しようにも見切られてしまい、すぐに防がれてしまう。背後を取って切りつけるしかない。だが、真正面から行っても背後は取らせてくれないだろう。それならば、とリィはイムの持つ盾に視線を向けた。
盾を使い、上手く死角に入り込み背後を取る。盾を持つ左側から回り込まれたらイムも攻撃が出来ないだろう。
リィはイムに悟られないよう双剣で連撃をする。そして少しずつ左側へと移動し、タイミング良く姿勢を低くして死角へと入った。今がチャンスだと彼のがら空きの脇腹へと攻撃を仕掛けようとした時だった。
イムはクルリと回転してその勢いのままリィの側頭部へと剣が振るわれた。ゴッという嫌な音が響き、リィの身体が吹き飛んだ。地面に何度も転がり、ピタリと止まる。
「あー……リィ、生きている?」
まさかここまで派手に転がるかと思っていなかったようで、イムが気まずそうに聞く。ピクリと動かないリィの周りにはグルト王国兵が何人かが心配そうに駆け寄っていた。
だが、どんなに致命傷の怪我を負ってもリィが死ぬ事はない。リィはむくりと起き上がると頷いた。
「生きている。負けた。やっぱりイムは強い」
「まあ、これでも王都専属隊長なんでね。簡単に負けるわけにはいかないんだわ」
イムはリィに近寄り、その場で腰を下ろした。
「リィ、お前は見過ぎだ」
「見過ぎ?」
「何処へ攻撃をするか、お前の視線を見ていると分かる。お前の速さだったら大抵の兵士は付いて来られないだろうが、強い相手だとそうはいかない。自分の攻撃の手を読まれてしまっては強くても全て無駄になってしまう。リィは視線が弱点だから気を付ける事が課題だと思う」
「視線……そうか、それは気が付かなかった」
確かにリィは視線で自分の行動を示していたようだ。魔物と戦う事が多かった為、そのような事に気を回した事が無かった。
「やはりイムはすごいな」
「あー……そんな事はないけれどー。それとリィは戦っている時に感情が制御出来なくなる事は経験があるか?」
「それはない」
リィは即答する。迷いの無いものだったが、イムは何故か難しい表情を見せた。
「うーん、そうか。それは厄介だな」
「何故?」
「今のリィは冷静に戦っているから大丈夫だと思うけれど、もし感情が制御出来なくなる事が起こったら動きが単調になってしまい、隙だらけになる可能性が高い。もし、以前そういう事があったのなら聞いておきたかったと思ったんだけれど。何か対策が出来るからさ」
「多分、大丈夫だと思う。俺がそういう事になるとは思えない」
「そうかな。人はどうなるか分からない。……例えば、アメルシア王女の身に何かあったらお前は冷静じゃいられなくなるだろう?」
「アメの身に?」
何故ここでアメリーの名前が出て来たのか分からず、リィは首を傾げる。そんな彼に、イムは珍しく笑みを見せた。
「あー、別に分からなければ良いよ。いつか分かるだろうし」
「そうか……」
イムの言葉はよく理解が出来なかったが、いつか分かるのならば良いかとリィは気にしない事にした。
リィは更にイムへアドバイスを貰おうとしたが、彼の戦い方に感動を覚えた兵士達が「私にも手合わせをしてください!」と詰め寄り始めたので出来なかった。
イムはとても面倒くさがり、結局誰かと手合わせをする事は無かった。リィはイムからの教えを気にしながら他の兵士と組み、自分の腕を磨く事に専念するのだった。
翌日。リィはグルト王国兵と共にエンペスト帝国の鍛錬場へと来ていた。二国で合同練習をしようという話になったそうだ。
練習用の双剣を受け取り、リィは鍛錬場の中をうろうろとする。闘技場で華麗な戦いをしたリィの姿を見かけて何人ものエンペスト帝国兵が手合わせをしようと誘って来たが、全て断った。
リィはとある男の姿を探していた。その男を見つけるとリィは真っ直ぐ彼の元へと向かった。
「イム。ここにいたのか」
「ああー、リィか。どうしたんだよー。わざわざ話しかけてくるなんてさー」
リィが探していたのはイムだった。グルト王国弓兵隊長である彼は練習に参加する事無く、隅で座り用紙に何かを書き込んでいた。スケッチをしているわけではなく、兵士達の戦い方を分析して情報を書いているのだろう。面倒くさそうに顔をしかめる彼に、リィは「俺に戦いを教えて欲しい」とストレートに伝えた。
「うげー、何を言っているんだよー。リィは俺なんかに聞かなくても十分戦えるってー」
「……この前の戦いの時、イムの指示は的確だった。イムは人の戦い方を観察するのが得意だと聞いた。俺にも戦いを教えて欲しい」
リィの願いにイムはとても渋い顔をしたが、ため息を吐いて用紙を地面に置くと立ち上がった。
「はー、お前って結構脳筋なんだなー。まあいいよ。俺もリィには言っておきたい事があったからさー」
「ノウキンとは何だ」
「あー、別に知らなくても良い言葉だから気にするなー」
イムは軽くストレッチをしてから側に置いてあった弓を持ち、矢筒を担いだ。
「イムは弓だけか? 俺も弓の方が良いのか」
「あー、リィは気にしなくて良い。普通に向かってきてくれー」
気だるそうに言うイムに、リィは少々心配になるが言う通りにする。
まさか闘技場で共闘していた二人が手合わせをすると思わなかったのだろう。周りに見物人が集まって来た。
リィは双剣を構えるが、イムは矢を持つ事もせずに突っ立っている。
「イム」
「あー、もう来て良いよ」
全くやる気の無さそうなイムにリィは怪訝な表情を見せたが、来て良いと言われたので体勢を低くしてイムへと向かう。無防備なままのイムにリィは一瞬刃を振るう事を躊躇したが、構わずに彼の首筋を狙おうとして――
「リィ、気にしなくて良いって言ったよな?」
「!」
その直前、自分の首筋に強い衝撃を覚えた。驚いたリィが自分の首を手で押さえながらイムから離れる。彼の右手にはいつの間にか数十センチ程の木の棒が握られていた。
「お前は俺が弓しか持っていないという先入観から突っ込んで来ただろう。そして無防備な俺に一瞬攻撃の手を止めた。まさか俺が隠し武器を持っているなんて思っていなかっただろう?」
イムは得意げに言いながら鎧の腕当てに木の棒を入れる仕草をした。どうやら腕当てに武器が潜んでいたようだ。
「全く思わなかった。イムはすごいな」
「弓兵だと接近戦に弱いからっていう先入観を逆手に取って不意打ちをするっていう何とも卑怯なやり方だけどなー。卑怯だって罵っても良いよー。そうしてでも俺は生きたいんでね」
「いや、卑怯だとは思わない。普通、生は一つしか無いものだからそれを守る手段は大切だと思う」
リィは噓偽りの無い真っ直ぐな瞳でそう言った。ずるいと言われるかと思っていたのか、イムは少々居心地悪そうに後頭部へ手を当てた。
「あー、これだけだと悪いからちゃんと手合わせするよ。一応俺も接近戦は出来るんだよ。……面倒くさいけれど」
「うん、ありがとう」
イムは近くにいた兵士に模造剣と盾を持って来てもらった。
「今度は隠し武器を使わないから、普通に俺の命を奪う勢いで来てくれ」
「分かった」
二人は距離を取り、武器を構える。周りで見守る兵士達にも緊張が走る。
最初に動いたのはリィだった。姿勢を低くして地を蹴るとイムの間合いに入る。イムは一歩引くとリィの攻撃を盾で防いだ。リィは何度も双剣で攻撃を繰り出すが全て盾によって防がれてしまう。
「流石グランデル騎士隊長と互角の戦いをしただけあるな」
「……あれはグランが本気では無かったからだ」
「まあそうだろうね」
盾の陰から剣の切っ先が現れてリィの心臓を狙う。リィは後ろへ跳躍してそれを避けた。
イムを守る盾が厄介だ。どう攻撃しようにも見切られてしまい、すぐに防がれてしまう。背後を取って切りつけるしかない。だが、真正面から行っても背後は取らせてくれないだろう。それならば、とリィはイムの持つ盾に視線を向けた。
盾を使い、上手く死角に入り込み背後を取る。盾を持つ左側から回り込まれたらイムも攻撃が出来ないだろう。
リィはイムに悟られないよう双剣で連撃をする。そして少しずつ左側へと移動し、タイミング良く姿勢を低くして死角へと入った。今がチャンスだと彼のがら空きの脇腹へと攻撃を仕掛けようとした時だった。
イムはクルリと回転してその勢いのままリィの側頭部へと剣が振るわれた。ゴッという嫌な音が響き、リィの身体が吹き飛んだ。地面に何度も転がり、ピタリと止まる。
「あー……リィ、生きている?」
まさかここまで派手に転がるかと思っていなかったようで、イムが気まずそうに聞く。ピクリと動かないリィの周りにはグルト王国兵が何人かが心配そうに駆け寄っていた。
だが、どんなに致命傷の怪我を負ってもリィが死ぬ事はない。リィはむくりと起き上がると頷いた。
「生きている。負けた。やっぱりイムは強い」
「まあ、これでも王都専属隊長なんでね。簡単に負けるわけにはいかないんだわ」
イムはリィに近寄り、その場で腰を下ろした。
「リィ、お前は見過ぎだ」
「見過ぎ?」
「何処へ攻撃をするか、お前の視線を見ていると分かる。お前の速さだったら大抵の兵士は付いて来られないだろうが、強い相手だとそうはいかない。自分の攻撃の手を読まれてしまっては強くても全て無駄になってしまう。リィは視線が弱点だから気を付ける事が課題だと思う」
「視線……そうか、それは気が付かなかった」
確かにリィは視線で自分の行動を示していたようだ。魔物と戦う事が多かった為、そのような事に気を回した事が無かった。
「やはりイムはすごいな」
「あー……そんな事はないけれどー。それとリィは戦っている時に感情が制御出来なくなる事は経験があるか?」
「それはない」
リィは即答する。迷いの無いものだったが、イムは何故か難しい表情を見せた。
「うーん、そうか。それは厄介だな」
「何故?」
「今のリィは冷静に戦っているから大丈夫だと思うけれど、もし感情が制御出来なくなる事が起こったら動きが単調になってしまい、隙だらけになる可能性が高い。もし、以前そういう事があったのなら聞いておきたかったと思ったんだけれど。何か対策が出来るからさ」
「多分、大丈夫だと思う。俺がそういう事になるとは思えない」
「そうかな。人はどうなるか分からない。……例えば、アメルシア王女の身に何かあったらお前は冷静じゃいられなくなるだろう?」
「アメの身に?」
何故ここでアメリーの名前が出て来たのか分からず、リィは首を傾げる。そんな彼に、イムは珍しく笑みを見せた。
「あー、別に分からなければ良いよ。いつか分かるだろうし」
「そうか……」
イムの言葉はよく理解が出来なかったが、いつか分かるのならば良いかとリィは気にしない事にした。
リィは更にイムへアドバイスを貰おうとしたが、彼の戦い方に感動を覚えた兵士達が「私にも手合わせをしてください!」と詰め寄り始めたので出来なかった。
イムはとても面倒くさがり、結局誰かと手合わせをする事は無かった。リィはイムからの教えを気にしながら他の兵士と組み、自分の腕を磨く事に専念するのだった。
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