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篠崎空
不思議の国のアリス
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「あ…ありがとう…ございます」
しゃっくりの止まらない中必死に声を絞り出してお礼を言うと、イオリさんはにこりと優しく笑いました。
その笑顔を見て、イオリさんとあの人が重なりました。そうだ。イオリさんは……
「ん、どうした?」
「イオリさんが誰かに似ていると思っていたんですが、誰だか分かりました。イオリさんは陸斗君に似ています」
「……リクトクン?」
「はい。陸斗君は高校生で僕に優しいんです」
泣いている僕を撫でる仕草も、微笑む表情も雰囲気が似ています。だから僕はイオリさんとすぐに打ち解けられたのかもしれません。
「……陸斗、ね」
一瞬、イオリさんの表情が歪んだような気がしましたが、気のせいみたいです。
「そうだ。今度一緒に会いに行きませんか? イオリさんと陸斗君ならきっと仲良くなれますよ」
僕の仲の良い人が仲良くなるのは、とても良い事です。イオリさんと陸斗君なら、きっと仲良くなれます。でも、イオリさんの口から飛び出したものは、予想外のものでした。
「俺とあいつじゃ……仲良くはなれないよ」
「え? イオリさん、陸斗君を知っているんですか?」
まるで知っているような言い方に、僕は驚いて聞くと、イオリさんは頷く代わりに、にこりと笑いました。
「……前に一度、ね」
「わぁっ! 本当ですか? 何だかすごい偶然ですね」
今日初めて会った人が友達の知り合いだったなんて何だかすごいです。……でも、陸斗君とは仲良くないのでしょうか……?
「……根本的に合わなかっただけだよ」
「コンポンテキ?」
意味は分からないけど、仲良くないと言っているのは分かりました。
「……でも、陸斗君は優しいのに……」
「陸斗が優しくても、俺が優しくないからね」
「そんな事ない――?」
イオリさんは優しいです、と言おうとしたその時、初めてイオリさんの異変に気付きました。
イオリさんはたくさんの汗をかいて胸を抑えていました。激痛に耐えるように、必死に顔を歪めながら。
「イオリさん!?」
僕は慌てて椅子から飛び降りてイオリさんに駆け寄りました。
「どうしたんですか!? どこか痛いんですか!?」
「…………うぐ」
僕に応える余裕も無く、イオリさんは歯を食いしばりながら腰を折って痛みに耐えます。黒い帽子が白い床へと落ちてしまいました。
ここには僕とイオリさんしかいません。僕が何とかしないといけません。何をすればいいのか分からなかったけど、やらないよりはやった方がいいとイオリさんの背中をさすりました。
「……っ」
「イオリさん……!」
「…………だ、大丈夫だよ」
しばらくして聞こえた声は、弱々しいものでした。イオリさんはゆっくりと顔を上げて僕を見ると、微笑んで見せました。でも、やっぱり無理をしているのは見て分かりました。
「驚かせちゃってごめんね。もう大丈夫」
「本当ですか?」
さっきまでイオリさんが握り締めていた胸の部分は、しわくちゃになっていました。あの痛がり方は明らかに普通じゃない。
「イオリさん、怪我しているんですか……? それとも病気……?」
地面に落ちている帽子を拾って頭に被せると、イオリさんはフフと鼻で笑いました。
「病気……そんなものじゃないよ」
イオリさんは僕を見て首を振りました。でも、その瞳はどこか僕を見ていないような気がしました。
「イオリさん……?」
遠くを見るように僕を見つめるイオリさんが、何だか怖く思えました。それに。
イオリさん、目は赤かったでしたっけ?
「イオリ、さん?」
何だか、その瞳から目が離せなくなりました。体は固まったように動きません。
そんな中イオリさんはパチンと指を慣らしました。すると、テーブルや椅子が消えて、僕がやってきた時と同じ畳の部屋になりました。
イオリさんはずっと僕を見つめています。今までの笑顔はなく、無表情で。
「……空、君は俺を惑わせる。純粋無垢なその魂に触れると、俺はいつもの自分でいられなくなる」
「……あ……」
そこにさっきまでの優しいイオリさんはいませんでした。顔は笑っているけど、心は笑っていない。
「それに君を見ていると、遠い昔を思い出してしまいそうで……怖い」
そう言った時、イオリさんは顔を歪めて自分の胸を掴みましたが、それは一瞬で何事もなかったかのように無表情に戻りました。
イオリさんは突然どうしてしまったのでしょう。さっきまで仲良く卵焼きを作っていたというのに、何で?
愛に近いものを教えてくれると言ったのに……何で?
イオリさんも、僕を嫌うんですか?僕がいい子じゃないから……?
「……フフ、違うよ。君には本当の愛を教えてあげるよ……」
そう言って赤い目のイオリさんは怪しく笑いました。
「本当の、愛?」
欲しいものの名を聞いた途端、僕の心臓はドキドキします。
でもそれよりも気になるのは、イオリさん。
僕は「愛」と言うあなたが、とても悲しそうに見えるんです。僕よりも辛い思いをしているんですか?その無表情の裏に、どれだけ重い物を背負っているんですか……?
「……俺の事はどうでもいいんだよ」
僕の心を呼んだイオリさんが低い声で呟きました。初めて聞いた棘のある声に、僕は思わずびくりと肩を跳ね上げました。イオリさんの裏に、深い闇を見たような気がしました。
「……でも僕は」
「……不思議の国のアリス」
僕の言葉は、イオリさんによってかき消されてしまいました。そして突然出てきた、さっきまで話していた童話の題名。僕は「へっ」と間抜けな声を出してしまいました。
何で突然アリスが……?
声には出さずに心の中で疑問に思っていると、イオリさんは赤い瞳を少しだけ細めました。
「もし君が不思議の国の住人だったら………配役は白うさぎだろうね」
「……白うさぎ?」
アリスが不思議の国に行くきっかけとなった白うさぎ。大きな懐中時計を持って女王様のお城へと急ぐ白うさぎ。
「そう、女王に仕えているうさぎ……女王はとても怖い人だ。怒ったら首も刎ねかねない」
女王様は不思議の国で一番偉い人。気に入らない人は首を刎ねてしまうわがままで恐ろしい女王様。
「その女王様は……さしずめ、君のお母さんと言った所かな」
「……お、母さん? な、何でここにお母さんが出てくるんですか……?」
どくんどくんと心臓が嫌な音を立てた気がした。
お母さんが女王で、僕が白うさぎ。動揺する僕を楽しそうに見つめて、イオリさんは語るように話しだしました。
「女王の機嫌を損ねない為に急ぐ白うさぎ。数分でも遅刻をしたら大変だ。最悪は首が飛ぶ」
――こんな時間まで何をやっていたの!
明君と遊んでいて日が沈むまで遊んでしまってぶたれたあの日。僕は罰として夕ご飯を抜きにされた。
でも、僕は黙って我慢した。お腹の音が鳴っても、喉が渇いても。全てはお母さんに嫌われたくない為に。
いや、違う。機嫌を損ねない為に、だ。
「命令されたら必ず言う事を聞かなくてはいけない。……たとえ辛くて苦しくても」
――しばらく外で遊んでいなさい。
そう言って僕を外へ出す時は必ず知らない男の人が来て。その男の人が帰るまで僕は家の中に入ってはいけないからたとえどんなに遅くなっても玄関の外で待っていなくてはいけない。
全てはお母さんのお願い。いや、違う。命令だ。
「しかし……ついに君はお母さんの機嫌を損ねてしまった。我慢の限界を迎えて」
――私の言う事が聞けないっていうの!? 私の言う事を素直に聞くしか脳が無い癖に!
だって、お母さんが僕を愛してくれないから。どんなに頑張っても愛をくれないから……だから僕は……
「……あぐっ!」
突然頭が痛くなって、僕は頭を押さえた。初めて感じる程の激しい痛みに、僕は思わずその場に倒れていた。
痛い、痛い、痛い……!
僕はその場でのたうちまわる。それでも痛みは消えなくて、僕の目からは涙が溢れていた。
「痛い?」
痛みに耐えている中、イオリさんの声が聞こえる。僕に応える余裕は無く、代わりに自分の頭を力強く掴んだ。
「あ……うぅ……」
喉から呻き声が漏れる。痛い、痛くてたまらない。
僕はどうなるの?……死んでしまうの?
…………死?
その言葉が僕の頭の中で浮かんだ時、突然痛みが嘘のようになくなった。恐る恐る頭から手を離してみる。
痛くない。もう、きっと僕は痛くなんてならない。その時、僕はそう思った。
「……そろそろ、君に渡す時が来たかもしれないね」
シルクハットを被り直しながら、イオリさんがポツリと呟いた。
しゃっくりの止まらない中必死に声を絞り出してお礼を言うと、イオリさんはにこりと優しく笑いました。
その笑顔を見て、イオリさんとあの人が重なりました。そうだ。イオリさんは……
「ん、どうした?」
「イオリさんが誰かに似ていると思っていたんですが、誰だか分かりました。イオリさんは陸斗君に似ています」
「……リクトクン?」
「はい。陸斗君は高校生で僕に優しいんです」
泣いている僕を撫でる仕草も、微笑む表情も雰囲気が似ています。だから僕はイオリさんとすぐに打ち解けられたのかもしれません。
「……陸斗、ね」
一瞬、イオリさんの表情が歪んだような気がしましたが、気のせいみたいです。
「そうだ。今度一緒に会いに行きませんか? イオリさんと陸斗君ならきっと仲良くなれますよ」
僕の仲の良い人が仲良くなるのは、とても良い事です。イオリさんと陸斗君なら、きっと仲良くなれます。でも、イオリさんの口から飛び出したものは、予想外のものでした。
「俺とあいつじゃ……仲良くはなれないよ」
「え? イオリさん、陸斗君を知っているんですか?」
まるで知っているような言い方に、僕は驚いて聞くと、イオリさんは頷く代わりに、にこりと笑いました。
「……前に一度、ね」
「わぁっ! 本当ですか? 何だかすごい偶然ですね」
今日初めて会った人が友達の知り合いだったなんて何だかすごいです。……でも、陸斗君とは仲良くないのでしょうか……?
「……根本的に合わなかっただけだよ」
「コンポンテキ?」
意味は分からないけど、仲良くないと言っているのは分かりました。
「……でも、陸斗君は優しいのに……」
「陸斗が優しくても、俺が優しくないからね」
「そんな事ない――?」
イオリさんは優しいです、と言おうとしたその時、初めてイオリさんの異変に気付きました。
イオリさんはたくさんの汗をかいて胸を抑えていました。激痛に耐えるように、必死に顔を歪めながら。
「イオリさん!?」
僕は慌てて椅子から飛び降りてイオリさんに駆け寄りました。
「どうしたんですか!? どこか痛いんですか!?」
「…………うぐ」
僕に応える余裕も無く、イオリさんは歯を食いしばりながら腰を折って痛みに耐えます。黒い帽子が白い床へと落ちてしまいました。
ここには僕とイオリさんしかいません。僕が何とかしないといけません。何をすればいいのか分からなかったけど、やらないよりはやった方がいいとイオリさんの背中をさすりました。
「……っ」
「イオリさん……!」
「…………だ、大丈夫だよ」
しばらくして聞こえた声は、弱々しいものでした。イオリさんはゆっくりと顔を上げて僕を見ると、微笑んで見せました。でも、やっぱり無理をしているのは見て分かりました。
「驚かせちゃってごめんね。もう大丈夫」
「本当ですか?」
さっきまでイオリさんが握り締めていた胸の部分は、しわくちゃになっていました。あの痛がり方は明らかに普通じゃない。
「イオリさん、怪我しているんですか……? それとも病気……?」
地面に落ちている帽子を拾って頭に被せると、イオリさんはフフと鼻で笑いました。
「病気……そんなものじゃないよ」
イオリさんは僕を見て首を振りました。でも、その瞳はどこか僕を見ていないような気がしました。
「イオリさん……?」
遠くを見るように僕を見つめるイオリさんが、何だか怖く思えました。それに。
イオリさん、目は赤かったでしたっけ?
「イオリ、さん?」
何だか、その瞳から目が離せなくなりました。体は固まったように動きません。
そんな中イオリさんはパチンと指を慣らしました。すると、テーブルや椅子が消えて、僕がやってきた時と同じ畳の部屋になりました。
イオリさんはずっと僕を見つめています。今までの笑顔はなく、無表情で。
「……空、君は俺を惑わせる。純粋無垢なその魂に触れると、俺はいつもの自分でいられなくなる」
「……あ……」
そこにさっきまでの優しいイオリさんはいませんでした。顔は笑っているけど、心は笑っていない。
「それに君を見ていると、遠い昔を思い出してしまいそうで……怖い」
そう言った時、イオリさんは顔を歪めて自分の胸を掴みましたが、それは一瞬で何事もなかったかのように無表情に戻りました。
イオリさんは突然どうしてしまったのでしょう。さっきまで仲良く卵焼きを作っていたというのに、何で?
愛に近いものを教えてくれると言ったのに……何で?
イオリさんも、僕を嫌うんですか?僕がいい子じゃないから……?
「……フフ、違うよ。君には本当の愛を教えてあげるよ……」
そう言って赤い目のイオリさんは怪しく笑いました。
「本当の、愛?」
欲しいものの名を聞いた途端、僕の心臓はドキドキします。
でもそれよりも気になるのは、イオリさん。
僕は「愛」と言うあなたが、とても悲しそうに見えるんです。僕よりも辛い思いをしているんですか?その無表情の裏に、どれだけ重い物を背負っているんですか……?
「……俺の事はどうでもいいんだよ」
僕の心を呼んだイオリさんが低い声で呟きました。初めて聞いた棘のある声に、僕は思わずびくりと肩を跳ね上げました。イオリさんの裏に、深い闇を見たような気がしました。
「……でも僕は」
「……不思議の国のアリス」
僕の言葉は、イオリさんによってかき消されてしまいました。そして突然出てきた、さっきまで話していた童話の題名。僕は「へっ」と間抜けな声を出してしまいました。
何で突然アリスが……?
声には出さずに心の中で疑問に思っていると、イオリさんは赤い瞳を少しだけ細めました。
「もし君が不思議の国の住人だったら………配役は白うさぎだろうね」
「……白うさぎ?」
アリスが不思議の国に行くきっかけとなった白うさぎ。大きな懐中時計を持って女王様のお城へと急ぐ白うさぎ。
「そう、女王に仕えているうさぎ……女王はとても怖い人だ。怒ったら首も刎ねかねない」
女王様は不思議の国で一番偉い人。気に入らない人は首を刎ねてしまうわがままで恐ろしい女王様。
「その女王様は……さしずめ、君のお母さんと言った所かな」
「……お、母さん? な、何でここにお母さんが出てくるんですか……?」
どくんどくんと心臓が嫌な音を立てた気がした。
お母さんが女王で、僕が白うさぎ。動揺する僕を楽しそうに見つめて、イオリさんは語るように話しだしました。
「女王の機嫌を損ねない為に急ぐ白うさぎ。数分でも遅刻をしたら大変だ。最悪は首が飛ぶ」
――こんな時間まで何をやっていたの!
明君と遊んでいて日が沈むまで遊んでしまってぶたれたあの日。僕は罰として夕ご飯を抜きにされた。
でも、僕は黙って我慢した。お腹の音が鳴っても、喉が渇いても。全てはお母さんに嫌われたくない為に。
いや、違う。機嫌を損ねない為に、だ。
「命令されたら必ず言う事を聞かなくてはいけない。……たとえ辛くて苦しくても」
――しばらく外で遊んでいなさい。
そう言って僕を外へ出す時は必ず知らない男の人が来て。その男の人が帰るまで僕は家の中に入ってはいけないからたとえどんなに遅くなっても玄関の外で待っていなくてはいけない。
全てはお母さんのお願い。いや、違う。命令だ。
「しかし……ついに君はお母さんの機嫌を損ねてしまった。我慢の限界を迎えて」
――私の言う事が聞けないっていうの!? 私の言う事を素直に聞くしか脳が無い癖に!
だって、お母さんが僕を愛してくれないから。どんなに頑張っても愛をくれないから……だから僕は……
「……あぐっ!」
突然頭が痛くなって、僕は頭を押さえた。初めて感じる程の激しい痛みに、僕は思わずその場に倒れていた。
痛い、痛い、痛い……!
僕はその場でのたうちまわる。それでも痛みは消えなくて、僕の目からは涙が溢れていた。
「痛い?」
痛みに耐えている中、イオリさんの声が聞こえる。僕に応える余裕は無く、代わりに自分の頭を力強く掴んだ。
「あ……うぅ……」
喉から呻き声が漏れる。痛い、痛くてたまらない。
僕はどうなるの?……死んでしまうの?
…………死?
その言葉が僕の頭の中で浮かんだ時、突然痛みが嘘のようになくなった。恐る恐る頭から手を離してみる。
痛くない。もう、きっと僕は痛くなんてならない。その時、僕はそう思った。
「……そろそろ、君に渡す時が来たかもしれないね」
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