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第三幕 学生期
213.アウロラの代行騎士1
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アウロラ
「今日からトニー様の護衛を代行することになりましたアウロラ・サクラーティでございます。」
青いジーンシャン魔導騎士団の軍服を着たアウロラは、人生というのはつくづく分からないものだと思っていた。
1年前までは、自分が結婚することも、ジーンシャン領を離れて王都に住むようなことも、出来ないと思っていたからだ。まして、兵士には絶対にならないと心に決めていた自分が、この軍服を着ることになるとは夢にも思わなかった。
母様も着ているし、リュシアン兄様も着ているジーンシャンの軍服。この青い軍服は、ジーンシャンのみならず、王国中に平和をもたらした勇者達の着た服であり、人々が憧れる平和の象徴だ。
だが、私にとっては父様を戦地に連れて行って、その命を落とさせ、母様まで戦地に連れて行ってしまう、憎きものの象徴であった。
あんなに、憎くてたまらなかったのに、自分が袖を通して、初めて、この軍服が持っている本当の意味に気が付いた。
この軍服は、愛する者を守りたいと願う人間に、恐ろしいものへ立ち向かう勇気と誇りを与えてくれるものであったのだ。
アウロラは、普段の無表情を崩して一瞬笑った。
トニー様は、過去に怯え、先の見えない未来に怯えていた私を救った天使だ。
私も、ジーンシャンに舞い降りた、この尊い天使を命がけで守ろう。トニー様を守ることは、世界中の人々の命や幸せを守ることと同義である。
リッカルドには、一刻も早く彼女を作ってもらわなくてはならない。パートナーの女性を作り、熱愛報道されることでゲイ疑惑を払拭(ふっしょく)し、1日でも早くトニー様の護衛騎士に復帰するように指示したが、一体いつの事になるやら...
とにかく、朝の1限目からの出勤は、マジで面倒臭い!
アルベルト邸の玄関で、迎えにやって来たヴィクトーと合流する。
アウロラ
「アウロラ・サクラーティです。リッカルドの代わりに、今日からしばらくの間は、私がトニー様の護衛の任務にあたります」
ヴィクトー
「私は王立騎士団のヴィクトー・ルナールだ。ロッシはどうしたんだ?」
ヴィクトーは、どう見てもやる気のない女騎士が代理で来た事に苛立っていた。
名誉ある任務の初日は、普通の騎士なら緊張して直立不動で待機しているものだ。だが、アウロラは、アントニオの支度が終わるまでの待ち時間に、ソファーに寝そべり、あくびをしていたのである。
この女騎士はトニー様の誘拐騒動で聖女様が暴走したときに駆け付けてきた女騎士だな? 一応、重要な場面に駆り出される精鋭のようだが、どうして、こんなにやる気がないんだ? トニー様の護衛なんだぞ? 若い騎士ということだけでも不安なのに、女で、しかも、こんなにやる気のない騎士を派遣するなんて、ジーンシャン魔導騎士団はどうなっているんだ!?
アウロラ
「リッカルドでしたら、彼女を作るのに忙しいんです」
ヴィクトー
「はぁ!? 何だって? ふざけてるのか!?」
アウロラ
「そうなんです。ちょっとだけふざけていたら、こんな結果に...あの時、ふざけずに大人しくしていたら、今頃はベッドで眠っていられたのに...」
ヴィクトー
「どういうことだ?」
アウロラ
「要するに、非常に面倒な状況ということです」
ヴィクトー
「...そうか」
ヴィクトーは、最近の若者の考えている事は理解不能だと頭を抱えた。
ちゃんとコミニュケーションをとって任務が出来るのか不安だ。
______
市松クラスにアントニオ、ヴィクトー、アウロラの3人が足を踏み入れると、クラスメイト達はアウロラに驚いた。
パンツスタイルなので脚の長さがよく分かる。アウロラの身長は173cmだが、スラッとのびた長い脚は、182cmあるヴィクトーとほとんど長さが変わらないように見える。色素の薄いプラチナブロンドの髪に、アイスブルーの瞳、白い肌。12歳の学生から見たら21歳はかなり年上であるが、それでもジーンシャンの青い軍服を着た男装の麗人に、男女問わず学生達はドキドキした。
何てゴージャスな美女なんだろうか?
だが、こんな美人が、護衛騎士として戦闘など出来るのだろうか?
ディーデリック
「おはようございます。ロッシ様はどうされたのですか?」
アントニオ
「おはようございます。ディック、リッカルドは、その...なんと説明したらよいか...」
アウロラ
「ゲイ疑惑を晴らすために、彼女を探しに行きました」
アントニオは思わずアウロラに拍手を送った。
アントニオ
「おぉ! アウロラ凄い! 何て簡潔な説明!」
アウロラ
「お褒めに預かり光栄でございます」
ディーデリック
「昨日の新聞記事の所為ですか?」
アウロラ
「そうですね。読んだ時は愉快で楽しい記事だと思ったのに、残念です」
アントニオ
「可哀想ですが、リッカルドにとっては良い教訓になったと思います。人にした事は必ず自分に返ってきてしまうものですからね」
アウロラ
「はい。左様でございます」
アントニオ
「ですが、あの記者さんの記事は、一つも嘘は書いてなくて、名誉毀損どころか、リッカルドの人気は爆発しているようなのです。ジーンシャン領にもブロマイドの売り上げという利益が入りそうなのですよ」
アウロラ
「さっそく全国の商店から、リッカルドのブロマイドはないのかと、問い合わせがありましたし、結構な収入になると思います」
ディーデリック
「ロッシ様はゲイ疑惑をかけられて怒っていないのですか? 名誉毀損で訴えるとか」
アウロラ
「まぁ、リッカルドは怒っておりますが、名誉毀損で訴える事が出来るのは、世間からの評判が下がった場合なんですよ。この場合は評判は上がっておりますし、ブロマイドの収入により、リッカルドにも特別ボーナスが見込まれますから、訴えるのは難しいんじゃないですかね? それに、新聞記者相手に訴訟を起こすと、話題が拡大して、より多くの人がゲイ疑惑の記事を目にしますし。そうなれば、ゲイ疑惑のある人物として知名度が上がってしまうでしょうね。
それに、あの記者を敵に回すことは得策ではありません。ゲイではないとリッカルドが強く主張すれば、あの記者は『ゲイではないなら、何故、私の上着の中に手を入れたんですか?』と、今度は本当のスクープを狙って来るかもしれませんから」
アントニオ
「そうですね。あの記者さんが優しい人で良かったです。ジーンシャン家の者達が少し感じ悪く接したのに、好意的な記事を書いて下さったわけですから、仲良くしたいですね。やっぱり人は、助け合って生きなくてはいけません!」
アウロラ
「左様にございます。流石、トニー様は分かっていらっしゃる!」
アントニオ
「ふふ、そうでしょう!」
アントニオとアウロラが笑い合うのを見て、ヴィクトーはほんの少しだけだがホッとした。
この女騎士も、一応、トニー様のことは大切に思っているようだな。
「今日からトニー様の護衛を代行することになりましたアウロラ・サクラーティでございます。」
青いジーンシャン魔導騎士団の軍服を着たアウロラは、人生というのはつくづく分からないものだと思っていた。
1年前までは、自分が結婚することも、ジーンシャン領を離れて王都に住むようなことも、出来ないと思っていたからだ。まして、兵士には絶対にならないと心に決めていた自分が、この軍服を着ることになるとは夢にも思わなかった。
母様も着ているし、リュシアン兄様も着ているジーンシャンの軍服。この青い軍服は、ジーンシャンのみならず、王国中に平和をもたらした勇者達の着た服であり、人々が憧れる平和の象徴だ。
だが、私にとっては父様を戦地に連れて行って、その命を落とさせ、母様まで戦地に連れて行ってしまう、憎きものの象徴であった。
あんなに、憎くてたまらなかったのに、自分が袖を通して、初めて、この軍服が持っている本当の意味に気が付いた。
この軍服は、愛する者を守りたいと願う人間に、恐ろしいものへ立ち向かう勇気と誇りを与えてくれるものであったのだ。
アウロラは、普段の無表情を崩して一瞬笑った。
トニー様は、過去に怯え、先の見えない未来に怯えていた私を救った天使だ。
私も、ジーンシャンに舞い降りた、この尊い天使を命がけで守ろう。トニー様を守ることは、世界中の人々の命や幸せを守ることと同義である。
リッカルドには、一刻も早く彼女を作ってもらわなくてはならない。パートナーの女性を作り、熱愛報道されることでゲイ疑惑を払拭(ふっしょく)し、1日でも早くトニー様の護衛騎士に復帰するように指示したが、一体いつの事になるやら...
とにかく、朝の1限目からの出勤は、マジで面倒臭い!
アルベルト邸の玄関で、迎えにやって来たヴィクトーと合流する。
アウロラ
「アウロラ・サクラーティです。リッカルドの代わりに、今日からしばらくの間は、私がトニー様の護衛の任務にあたります」
ヴィクトー
「私は王立騎士団のヴィクトー・ルナールだ。ロッシはどうしたんだ?」
ヴィクトーは、どう見てもやる気のない女騎士が代理で来た事に苛立っていた。
名誉ある任務の初日は、普通の騎士なら緊張して直立不動で待機しているものだ。だが、アウロラは、アントニオの支度が終わるまでの待ち時間に、ソファーに寝そべり、あくびをしていたのである。
この女騎士はトニー様の誘拐騒動で聖女様が暴走したときに駆け付けてきた女騎士だな? 一応、重要な場面に駆り出される精鋭のようだが、どうして、こんなにやる気がないんだ? トニー様の護衛なんだぞ? 若い騎士ということだけでも不安なのに、女で、しかも、こんなにやる気のない騎士を派遣するなんて、ジーンシャン魔導騎士団はどうなっているんだ!?
アウロラ
「リッカルドでしたら、彼女を作るのに忙しいんです」
ヴィクトー
「はぁ!? 何だって? ふざけてるのか!?」
アウロラ
「そうなんです。ちょっとだけふざけていたら、こんな結果に...あの時、ふざけずに大人しくしていたら、今頃はベッドで眠っていられたのに...」
ヴィクトー
「どういうことだ?」
アウロラ
「要するに、非常に面倒な状況ということです」
ヴィクトー
「...そうか」
ヴィクトーは、最近の若者の考えている事は理解不能だと頭を抱えた。
ちゃんとコミニュケーションをとって任務が出来るのか不安だ。
______
市松クラスにアントニオ、ヴィクトー、アウロラの3人が足を踏み入れると、クラスメイト達はアウロラに驚いた。
パンツスタイルなので脚の長さがよく分かる。アウロラの身長は173cmだが、スラッとのびた長い脚は、182cmあるヴィクトーとほとんど長さが変わらないように見える。色素の薄いプラチナブロンドの髪に、アイスブルーの瞳、白い肌。12歳の学生から見たら21歳はかなり年上であるが、それでもジーンシャンの青い軍服を着た男装の麗人に、男女問わず学生達はドキドキした。
何てゴージャスな美女なんだろうか?
だが、こんな美人が、護衛騎士として戦闘など出来るのだろうか?
ディーデリック
「おはようございます。ロッシ様はどうされたのですか?」
アントニオ
「おはようございます。ディック、リッカルドは、その...なんと説明したらよいか...」
アウロラ
「ゲイ疑惑を晴らすために、彼女を探しに行きました」
アントニオは思わずアウロラに拍手を送った。
アントニオ
「おぉ! アウロラ凄い! 何て簡潔な説明!」
アウロラ
「お褒めに預かり光栄でございます」
ディーデリック
「昨日の新聞記事の所為ですか?」
アウロラ
「そうですね。読んだ時は愉快で楽しい記事だと思ったのに、残念です」
アントニオ
「可哀想ですが、リッカルドにとっては良い教訓になったと思います。人にした事は必ず自分に返ってきてしまうものですからね」
アウロラ
「はい。左様でございます」
アントニオ
「ですが、あの記者さんの記事は、一つも嘘は書いてなくて、名誉毀損どころか、リッカルドの人気は爆発しているようなのです。ジーンシャン領にもブロマイドの売り上げという利益が入りそうなのですよ」
アウロラ
「さっそく全国の商店から、リッカルドのブロマイドはないのかと、問い合わせがありましたし、結構な収入になると思います」
ディーデリック
「ロッシ様はゲイ疑惑をかけられて怒っていないのですか? 名誉毀損で訴えるとか」
アウロラ
「まぁ、リッカルドは怒っておりますが、名誉毀損で訴える事が出来るのは、世間からの評判が下がった場合なんですよ。この場合は評判は上がっておりますし、ブロマイドの収入により、リッカルドにも特別ボーナスが見込まれますから、訴えるのは難しいんじゃないですかね? それに、新聞記者相手に訴訟を起こすと、話題が拡大して、より多くの人がゲイ疑惑の記事を目にしますし。そうなれば、ゲイ疑惑のある人物として知名度が上がってしまうでしょうね。
それに、あの記者を敵に回すことは得策ではありません。ゲイではないとリッカルドが強く主張すれば、あの記者は『ゲイではないなら、何故、私の上着の中に手を入れたんですか?』と、今度は本当のスクープを狙って来るかもしれませんから」
アントニオ
「そうですね。あの記者さんが優しい人で良かったです。ジーンシャン家の者達が少し感じ悪く接したのに、好意的な記事を書いて下さったわけですから、仲良くしたいですね。やっぱり人は、助け合って生きなくてはいけません!」
アウロラ
「左様にございます。流石、トニー様は分かっていらっしゃる!」
アントニオ
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