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第三幕 学生期
214.アウロラの代行騎士2
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間も無くして、魔法座学の授業が始まった。
魔法座学の先生はジャック・クローバー(49歳)。クローバー先生は、理屈ぬきに感覚で魔法が使えてしまう器用な魔法使いで、その優秀さから教師になった人物だった。感覚的に魔法が使えてしまうこともあって、実は、その構造はあまり理解しておらず、人に教えるという行為には不向きであった。授業は教科書を右から左に読んで教えるタイプで、非常につまらない授業をしたのである。
その所為なのか、そうじゃないのか、授業が始まるやいなや、アウロラは椅子に座って爆睡し始めた。
ヴィクトー
「(おい、起きろ。任務中だぞ)」
ヴィクトーが小声で呼びかけると、アウロラは片目だけ開けてヴィクトーを見たが、また、目を瞑(つむ)った。
ヴィクトー
「(サクラーティ! お前それでも騎士か!?)」
アウロラ
「(...私は騎士ではありません)」
アウロラは目を瞑ったまま答える。
ヴィクトー
「(何を言ってるんだ!?)」
ヴィクトーがアウロラを起こそうと手を伸ばすと、ヴィクトーの体は途端に動かなくなった。
な!? 何で体が動かないんだ?
アウロラはやる気のない表情のまま、眉間にシワを寄せて目を開いた。
アウロラ
「(ちゃんと護衛はしてますから、放っておいて下さい)」
アウロラは再び目を閉じた。それと同時にヴィクトーの拘束は解かれた。
ヴィクトー
「???」
ヴィクトーは頭にいっぱいハテナマークを飛ばして困惑した。
______
授業が終わると、ヴィクトーはアウロラに詰め寄った。
ヴィクトー
「一体どういうことだ? 俺に何かしたのか!?」
アウロラ
「申し訳ありません。セクハラはジーンシャンでは禁止されておりますので、氷属性の拘束魔法を使わせて頂きました」
ヴィクトー
「セクハっ!?...な、何を言ってるんだ! 親切で起こそうとしただけだろ!?」
アウロラ
「それはとんだ勘違いを。申し訳ありません。ですが、女性に触れる際は細心の注意をなさって下さいませ。あれで実際に触れていたら、ジーンシャンではセクハラ扱いになります。場合によっては解雇されますので」
ヴィクトー
「あ、あぁ、分かった...だが、どうして拘束魔法が俺に効く? 俺は魔力が450もあるんだぞ?」
アウロラ
「私は500あるんです」
ヴィクトー
「な...!?」
魔力が500あるような人物は、大貴族か魔導騎士団の将軍クラスの騎士であり、世間に名前が知られているものだ。だが、ヴィクトーはアウロラ・サクラーティなんて名前は聞いた事がなかった。
ヴィクトー
「騎士ではないというのはどういうことだ?」
アウロラ
「私は魔導騎士団に所属していませんので、今回の任務は臨時バイトなんです」
ヴィクトー
「トニー様の護衛任務が臨時バイト!?」
アントニオ
「どうしたのですか? 何か揉めています?」
ヴィクトー
「いえ...サクラーティと勤務中の過ごし方ことで話をしておりました」
アントニオ
「アウロラの態度が悪かったですか? アウロラは合理主義でして、無意味だと思ったことはしない傾向があるのです。不愉快な思いをされていたら申し訳ありません」
ヴィクトー
「あ、いえ! トニー様に謝って頂くようなことではありません」
アウロラ
「そうです。私が授業中に眠っていたので、ルナール様が心配して下さったのです」
アントニオ
「え!? 眠っていたのですか? 具合が悪かったのですか?」
アウロラ
「いいえ? 眠かったから、眠っただけです」
アントニオ
「...た、確かに、ヴィクトーが心配するのも頷(うなず)けます。護衛って眠っていいのですね?」
アウロラ
「心配されなくて大丈夫ですよ。授業中はトニー様を含む大変真面目な学生10名と魔法のスペシャリストの先生の目がありますし、本格的な見張りはルナール様がして下さっています。私が起きて見張っている意味はありません。それよりも体力を温存して、トラブルが起きた時に、より良い体調でのぞむ方が理にかなっております。ルナール様が眠りたい時は交代しますので、いつでもお申し付け下さい」
アントニオはアウロラからヴィクトーに視線を移した。
アントニオ
「だそうです」
ヴィクトー
「...ですが、礼節は無視しても良いのですか?」
アントニオ
「私に対しては問題ありません。それよりも、体調が万全の状態で、トラブルに対処して頂ける方が嬉しいです」
ヴィクトー
「...そうですか...承知致しました」
リッカルド・ロッシといい、アウロラ・サクラーティといい、ジーンシャン領出身者は、ぶっ飛んでいる奴が多い。だが、1番ぶっ飛んでいるのはトニー様かもしれないと、ヴィクトーは思うのであった。
______
翌日。
歴史の授業を担当するタラール・ハーディ(50歳)は嬉々として教壇に立った。授業の駄目出しをする厄介なリッカルドがいないばかりか、滅多にお目にかかれないレベルの美女がやって来たからだ。講義にも力が入る。
タラール
「...ということで、神官の家系は、元々は王家とつながっており、そのため、髪の色は銀髪をされているわけですな。この銀髪は、最も魔力の高い血統であることを意味してます」
リッカルド・ロッシは以前、この講義の内容に異議申し立てをしてきた。銀髪は最高の魔力を保持する聖女様がいらっしゃるが、平均値で魔力がより高いのはジーンシャン家の黄金髪であると、リッカルドは主張したのだ。だが、今日、奴はいない! あの美しい魔導騎士はどう反応するかな?
タラールは生徒達から、アウロラの方に目線を動かした。
だが、そこで、信じられないものを目にする。
アウロラは、椅子を部屋の角にピッタリくっつけて、寄りかかるようにして盛大に眠っていた。しかも、いつの間にか、軍服のマントを脱いで、ブランケット代わりに体にかけているのである。本格的に眠る態勢だ。
タラールは衝撃のあまり、しばらく固まっていたが、我に帰ると「ウォッホン!」と大きく咳払いをした。
だが、アウロラはピクリとも反応しない。
タラール
「ウォッホン!!!」
今度は、もっと大きくわざとらしい咳払いをしたが、やはり、アウロラは無反応である。
生徒達からはクスクスと、嘲笑(ちょうしょう)する声が漏(も)れた。タラールが焦って咳払いする姿が滑稽に思えたのだ。
タラールは顔を真っ赤にすると、アウロラの目の前に来て立ち止まり、腕を組んで仁王立ちした。
アントニオが、そんなタラールにハラハラして狼狽(うろた)えはじめたので、見かねたヴィクトーが声をかける。
ヴィクトー
「サクラーティ、起きろ! 先生がお前に御用があるようだぞ?」
アウロラは、片目を開けてヴィクトーをみた。それからゆっくり両目を開くと、タラールの方へ視線を移した。
形の綺麗なアイスブルーの瞳と目が合って、タラールはドキッとする。
アウロラはおもむろに立ち上がった。173cmの長身が、背の低いタラールを見下ろす。
タラールは一瞬怯んだが、馬鹿にされてはならないと胸を張った。
するとアウロラは、柔らかくレディのお辞儀をした。
アウロラ
「私はトニー様の護衛を務めるアウロラ・サクラーティ、次期男爵夫人でございます」
タラール
「!?」
ヴィクトー
「は!? 次期男爵夫人!?」
大きな声で驚いたのはヴィクトーだったが、タラールはそれ以上にアウロラの身分に驚いていた。驚き過ぎて声が出なかったのである。
次期男爵夫人!? ただの騎士ではないのか!? こ、これはまずい! 私は男爵家だが爵位継承権を持たない分家だ、この女性の方が身分が上じゃないか...ハッ!?...サクラーティ男爵家!?...ジーンシャン領のサクラーティ男爵といえば、ロベルト・ジーンシャンの右腕として活躍したクラウディオ・サクラーティのことだ。次期男爵夫人ということは、クラウディオ・サクラーティ男爵の義理の娘ということになる。そんな相手に、悪態をついてしまったのか!? ま、まずいぞ! だが、このご婦人は目を閉じていたし気付かれていないかも? 何とか誤魔化さなくては!
タラールは出来る限りの笑顔を作り、揉み手した。
タラール
「歴史教師のタラール・ハーディでございます。こんな美しくて身分のある方が護衛だなんて、流石、アントニオ様は違いますな。ははは...」
アウロラ
「お褒めの言葉有難うございます。それで、ご用事は何でしょうか?」
タラール
「いえ、初めての方にご挨拶をと思いまして!」
アウロラ
「そうでしたか。ご丁寧に有難うございます。私にはお気を使わず、どうぞ、授業を進めて下さい。私はルナール様と交代で休息をとりながら護衛の任務にあたらないといけませんので、授業の全てを拝聴出来ませんが、この授業が学生の皆様にとって素晴らしい授業となることを願っております」
タラール
「ははは、有難うございます。精一杯務めさせて頂きます」
タラールはスゴスゴと教卓まで退散し、それを見たアウロラは着席し、再び目を閉じた。
ヴィクトーは、自由過ぎるアウロラをみて、リッカルドの勤務態度がいかに可愛げのあるものだったかを思い知った。
魔法座学の先生はジャック・クローバー(49歳)。クローバー先生は、理屈ぬきに感覚で魔法が使えてしまう器用な魔法使いで、その優秀さから教師になった人物だった。感覚的に魔法が使えてしまうこともあって、実は、その構造はあまり理解しておらず、人に教えるという行為には不向きであった。授業は教科書を右から左に読んで教えるタイプで、非常につまらない授業をしたのである。
その所為なのか、そうじゃないのか、授業が始まるやいなや、アウロラは椅子に座って爆睡し始めた。
ヴィクトー
「(おい、起きろ。任務中だぞ)」
ヴィクトーが小声で呼びかけると、アウロラは片目だけ開けてヴィクトーを見たが、また、目を瞑(つむ)った。
ヴィクトー
「(サクラーティ! お前それでも騎士か!?)」
アウロラ
「(...私は騎士ではありません)」
アウロラは目を瞑ったまま答える。
ヴィクトー
「(何を言ってるんだ!?)」
ヴィクトーがアウロラを起こそうと手を伸ばすと、ヴィクトーの体は途端に動かなくなった。
な!? 何で体が動かないんだ?
アウロラはやる気のない表情のまま、眉間にシワを寄せて目を開いた。
アウロラ
「(ちゃんと護衛はしてますから、放っておいて下さい)」
アウロラは再び目を閉じた。それと同時にヴィクトーの拘束は解かれた。
ヴィクトー
「???」
ヴィクトーは頭にいっぱいハテナマークを飛ばして困惑した。
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授業が終わると、ヴィクトーはアウロラに詰め寄った。
ヴィクトー
「一体どういうことだ? 俺に何かしたのか!?」
アウロラ
「申し訳ありません。セクハラはジーンシャンでは禁止されておりますので、氷属性の拘束魔法を使わせて頂きました」
ヴィクトー
「セクハっ!?...な、何を言ってるんだ! 親切で起こそうとしただけだろ!?」
アウロラ
「それはとんだ勘違いを。申し訳ありません。ですが、女性に触れる際は細心の注意をなさって下さいませ。あれで実際に触れていたら、ジーンシャンではセクハラ扱いになります。場合によっては解雇されますので」
ヴィクトー
「あ、あぁ、分かった...だが、どうして拘束魔法が俺に効く? 俺は魔力が450もあるんだぞ?」
アウロラ
「私は500あるんです」
ヴィクトー
「な...!?」
魔力が500あるような人物は、大貴族か魔導騎士団の将軍クラスの騎士であり、世間に名前が知られているものだ。だが、ヴィクトーはアウロラ・サクラーティなんて名前は聞いた事がなかった。
ヴィクトー
「騎士ではないというのはどういうことだ?」
アウロラ
「私は魔導騎士団に所属していませんので、今回の任務は臨時バイトなんです」
ヴィクトー
「トニー様の護衛任務が臨時バイト!?」
アントニオ
「どうしたのですか? 何か揉めています?」
ヴィクトー
「いえ...サクラーティと勤務中の過ごし方ことで話をしておりました」
アントニオ
「アウロラの態度が悪かったですか? アウロラは合理主義でして、無意味だと思ったことはしない傾向があるのです。不愉快な思いをされていたら申し訳ありません」
ヴィクトー
「あ、いえ! トニー様に謝って頂くようなことではありません」
アウロラ
「そうです。私が授業中に眠っていたので、ルナール様が心配して下さったのです」
アントニオ
「え!? 眠っていたのですか? 具合が悪かったのですか?」
アウロラ
「いいえ? 眠かったから、眠っただけです」
アントニオ
「...た、確かに、ヴィクトーが心配するのも頷(うなず)けます。護衛って眠っていいのですね?」
アウロラ
「心配されなくて大丈夫ですよ。授業中はトニー様を含む大変真面目な学生10名と魔法のスペシャリストの先生の目がありますし、本格的な見張りはルナール様がして下さっています。私が起きて見張っている意味はありません。それよりも体力を温存して、トラブルが起きた時に、より良い体調でのぞむ方が理にかなっております。ルナール様が眠りたい時は交代しますので、いつでもお申し付け下さい」
アントニオはアウロラからヴィクトーに視線を移した。
アントニオ
「だそうです」
ヴィクトー
「...ですが、礼節は無視しても良いのですか?」
アントニオ
「私に対しては問題ありません。それよりも、体調が万全の状態で、トラブルに対処して頂ける方が嬉しいです」
ヴィクトー
「...そうですか...承知致しました」
リッカルド・ロッシといい、アウロラ・サクラーティといい、ジーンシャン領出身者は、ぶっ飛んでいる奴が多い。だが、1番ぶっ飛んでいるのはトニー様かもしれないと、ヴィクトーは思うのであった。
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翌日。
歴史の授業を担当するタラール・ハーディ(50歳)は嬉々として教壇に立った。授業の駄目出しをする厄介なリッカルドがいないばかりか、滅多にお目にかかれないレベルの美女がやって来たからだ。講義にも力が入る。
タラール
「...ということで、神官の家系は、元々は王家とつながっており、そのため、髪の色は銀髪をされているわけですな。この銀髪は、最も魔力の高い血統であることを意味してます」
リッカルド・ロッシは以前、この講義の内容に異議申し立てをしてきた。銀髪は最高の魔力を保持する聖女様がいらっしゃるが、平均値で魔力がより高いのはジーンシャン家の黄金髪であると、リッカルドは主張したのだ。だが、今日、奴はいない! あの美しい魔導騎士はどう反応するかな?
タラールは生徒達から、アウロラの方に目線を動かした。
だが、そこで、信じられないものを目にする。
アウロラは、椅子を部屋の角にピッタリくっつけて、寄りかかるようにして盛大に眠っていた。しかも、いつの間にか、軍服のマントを脱いで、ブランケット代わりに体にかけているのである。本格的に眠る態勢だ。
タラールは衝撃のあまり、しばらく固まっていたが、我に帰ると「ウォッホン!」と大きく咳払いをした。
だが、アウロラはピクリとも反応しない。
タラール
「ウォッホン!!!」
今度は、もっと大きくわざとらしい咳払いをしたが、やはり、アウロラは無反応である。
生徒達からはクスクスと、嘲笑(ちょうしょう)する声が漏(も)れた。タラールが焦って咳払いする姿が滑稽に思えたのだ。
タラールは顔を真っ赤にすると、アウロラの目の前に来て立ち止まり、腕を組んで仁王立ちした。
アントニオが、そんなタラールにハラハラして狼狽(うろた)えはじめたので、見かねたヴィクトーが声をかける。
ヴィクトー
「サクラーティ、起きろ! 先生がお前に御用があるようだぞ?」
アウロラは、片目を開けてヴィクトーをみた。それからゆっくり両目を開くと、タラールの方へ視線を移した。
形の綺麗なアイスブルーの瞳と目が合って、タラールはドキッとする。
アウロラはおもむろに立ち上がった。173cmの長身が、背の低いタラールを見下ろす。
タラールは一瞬怯んだが、馬鹿にされてはならないと胸を張った。
するとアウロラは、柔らかくレディのお辞儀をした。
アウロラ
「私はトニー様の護衛を務めるアウロラ・サクラーティ、次期男爵夫人でございます」
タラール
「!?」
ヴィクトー
「は!? 次期男爵夫人!?」
大きな声で驚いたのはヴィクトーだったが、タラールはそれ以上にアウロラの身分に驚いていた。驚き過ぎて声が出なかったのである。
次期男爵夫人!? ただの騎士ではないのか!? こ、これはまずい! 私は男爵家だが爵位継承権を持たない分家だ、この女性の方が身分が上じゃないか...ハッ!?...サクラーティ男爵家!?...ジーンシャン領のサクラーティ男爵といえば、ロベルト・ジーンシャンの右腕として活躍したクラウディオ・サクラーティのことだ。次期男爵夫人ということは、クラウディオ・サクラーティ男爵の義理の娘ということになる。そんな相手に、悪態をついてしまったのか!? ま、まずいぞ! だが、このご婦人は目を閉じていたし気付かれていないかも? 何とか誤魔化さなくては!
タラールは出来る限りの笑顔を作り、揉み手した。
タラール
「歴史教師のタラール・ハーディでございます。こんな美しくて身分のある方が護衛だなんて、流石、アントニオ様は違いますな。ははは...」
アウロラ
「お褒めの言葉有難うございます。それで、ご用事は何でしょうか?」
タラール
「いえ、初めての方にご挨拶をと思いまして!」
アウロラ
「そうでしたか。ご丁寧に有難うございます。私にはお気を使わず、どうぞ、授業を進めて下さい。私はルナール様と交代で休息をとりながら護衛の任務にあたらないといけませんので、授業の全てを拝聴出来ませんが、この授業が学生の皆様にとって素晴らしい授業となることを願っております」
タラール
「ははは、有難うございます。精一杯務めさせて頂きます」
タラールはスゴスゴと教卓まで退散し、それを見たアウロラは着席し、再び目を閉じた。
ヴィクトーは、自由過ぎるアウロラをみて、リッカルドの勤務態度がいかに可愛げのあるものだったかを思い知った。
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