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第一章 乙女ゲームに転生した転性者は純潔を守るためバッドエンドを目指す
2.ゴールド王家リチャード王子
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今日も結婚相手探しの社交界に、我がホワイト家のなけなしの予算で参加している。
だが、俺は、まだ希望を失ったわけではない! この乙女ゲームにはモブ(名前のない脇キャラ)と仮面夫婦になるバッドエンドがあるのだ! しかも、それが一番簡単なエンドだったりする。要するに、どの攻略対象もクリア出来ないと、そのバッドエンドになる!
俺は誰にも純潔を捧げるつもりはない! 目指せ! バッドエンド!
名前はわからないが、そいつの顔は知っている。黒い髪で平凡な顔の...
そんなことを考えていたら、会場から歓声が上がった。この国の王子、リチャード・ゴールドが会場入りしたのである。
リチャード王子は、人だかりをかき分け、俺の前に立ちはだかった。
リチャード
「ふん! アンジェリカじゃないか! 貧乏な伯爵令嬢がせっせと着飾って婚活か? 涙ぐましい努力だな」
金髪碧眼の王子様は、俺様でツンデレで、人の話を聞かないヤヴァイ男だ。俺は、まじでコイツとは結婚したくない。結婚すれば王妃という重圧までのしかかってくる。だが攻略対象なので、ゲームの強制力が働くのか? 毎度毎度、俺のところまでやって来ては絡んでくるのである。
少しムカつくが何にも問題ない! 何せ、リチャードは型にハマったテンプレートしか口にしないご令嬢が大嫌いなのだ!
アンジェリカ
「コレハ、コレハ、リチャード殿下! 大変ゴ機嫌ウルワシク! ワタクシメのヨウナ、チカラ無キ者ニマデ、オ声ガケ下サッテ、アリガトウゴザイマス! トッテモ、オ優シイノデスネ!」
俺は思いっきり頭を下げて会釈した。
決まった!!
どうだ! 必死に練習した俺のテンプレート挨拶! ちょっと緊張して声が変になった気がするが、これで王子も退屈して去って行くはずだ!
リチャード
「べ、別に褒めてるんじゃないからな!」
アンジェリカの予想通り、リチャード王子はその場を足早に立ち去った。
リチャード王子は人気のない部屋まで移動してから呟いた。
リチャード
「は!? 何だアイツ! ...可愛すぎかよ!!」
危うく、人前でニヤケ顔を晒すところだった!
初めて見た時は、ガニ股で歩いている変な女がいるなと思った。
地方の貧乏伯爵の娘で、平凡な顔の女だ。
だが、丁寧で面白みのない挨拶もアンジェリカ・ホワイトが言うと、他の誰とも違って聞こえた。
何故か、カタコトの外国人? いや、宇宙人みたいな喋り方で、思わず吹き出しそうになった。
礼儀をわきまえず、王子である俺を馬鹿にする無礼な奴もいるが、アンジェリカはそういう奴らとは違う。
変な喋り方ではあるが、アンジェリカは真面目に話していることが分かる。顔を真っ赤にして小刻みに震えながら、懸命に喋る姿には、グッと来るものがあった。
お辞儀は、脳筋体力馬鹿の騎士達ですら、なかなか真似出来ないような、実に豪快で男らしいお辞儀である。作法がなっていないのではない、動作が早過ぎるだけなのである。
それに、その後の満足気なドヤ顔! 噛まずに言えて喜んでいたのだろうか?
リチャード
「性格が悪くて有名な俺のことを、『オ優シイ』とか言って!」
アイツ...絶対に俺の事が好きだな!
だが、俺は、まだ希望を失ったわけではない! この乙女ゲームにはモブ(名前のない脇キャラ)と仮面夫婦になるバッドエンドがあるのだ! しかも、それが一番簡単なエンドだったりする。要するに、どの攻略対象もクリア出来ないと、そのバッドエンドになる!
俺は誰にも純潔を捧げるつもりはない! 目指せ! バッドエンド!
名前はわからないが、そいつの顔は知っている。黒い髪で平凡な顔の...
そんなことを考えていたら、会場から歓声が上がった。この国の王子、リチャード・ゴールドが会場入りしたのである。
リチャード王子は、人だかりをかき分け、俺の前に立ちはだかった。
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「ふん! アンジェリカじゃないか! 貧乏な伯爵令嬢がせっせと着飾って婚活か? 涙ぐましい努力だな」
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少しムカつくが何にも問題ない! 何せ、リチャードは型にハマったテンプレートしか口にしないご令嬢が大嫌いなのだ!
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「コレハ、コレハ、リチャード殿下! 大変ゴ機嫌ウルワシク! ワタクシメのヨウナ、チカラ無キ者ニマデ、オ声ガケ下サッテ、アリガトウゴザイマス! トッテモ、オ優シイノデスネ!」
俺は思いっきり頭を下げて会釈した。
決まった!!
どうだ! 必死に練習した俺のテンプレート挨拶! ちょっと緊張して声が変になった気がするが、これで王子も退屈して去って行くはずだ!
リチャード
「べ、別に褒めてるんじゃないからな!」
アンジェリカの予想通り、リチャード王子はその場を足早に立ち去った。
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リチャード
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