【完結】乙女ゲームに転生した転性者(♂→♀)は純潔を守るためバッドエンドを目指す

狸田 真 (たぬきだ まこと)

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第一章 乙女ゲームに転生した転性者は純潔を守るためバッドエンドを目指す

3.ブルー侯爵(宰相)子息ミカエル

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 アンジェリカが、去っていったリチャード王子を見送ると、王子の側近である青髪赤瞳の男が話しかけてきた。

ミカエル
「王子は照れ屋でして、気分を害されたのでしたら、申し訳ありません。」

 ミカエル・ブルー、宰相閣下の息子で、キザでスカした野郎だ。女性を取っ替え引っ替えして遊ぶ女たらしで、泣いている女性は数知れないらしい。コイツに下手に近付くと、他の女性達に袋叩きされるという、1番関わってはいけない男である。

アンジェリカ
「いえ! とんでもありません! むしろ、とても光栄なことでございます!」

 この男は、優秀過ぎる父親(宰相)にコンプレックスをもっており、父親と比べられるのが大嫌いだ。ゲームでは宰相の息子と知らずに話しかけたヒロインに好感を抱く。

 要するに、宰相と比べる発言をすれば嫌われるのだ!

アンジェリカ
「ブルー様! お父上の宰相様はお元気ですか?」

ミカエル
「元気にしておりますが、それが貴女と何か関係があるのですか?」

 お! やっぱりな! さっそく、不機嫌全開だ!

アンジェリカ
「関係ありませんね! 全く!」

ミカエル
「そうですよね! 貴女なら、そう仰って下さると思っていました」

 何故だ!? 何故、満面の笑みになった? あ、『社交辞令できいただけで、宰相には興味がないんです』って、言ったことになるのか...えぇ~、好感度上げちゃった?

 ヤヴァイ! 急いで好感度を下げないと!

アンジェリカ
「け、決して、宰相様に興味がないわけじゃないのですよ! あんな立派な方は、滅多におりませんし!」

ミカエル
「ははは、お世辞は結構ですよ! 気を遣わないで下さい!」

アンジェリカ
「お世辞などではありません! 本心です本心!」

ミカエル
「では、父のどんな所が良いと思うのですか?」

 えぇ~!? 宰相様の良い所??? 宰相だから頭がいいとか? でも、政策とかは他の文官が考えてるのかも? そもそも、宰相様ってどんな顔だったっけ? あ! あれだ! この間、白い服着てて洒落乙な感じの!

アンジェリカ
「ほら! えぇ~っと、派手というか、目立つというか、白鳥みたいな!」

ミカエル
「白鳥ですか?」

アンジェリカ
「そうそう! 白いマントはためかせて、バサバサ~って感じで! なんか、よく分かんないけどカッコイイ感じです!」

ミカエル
「そうですか」

 宰相様を褒めたのに、何故かミカエルは笑顔のままだ。

ミカエル
「この間の閲兵式でしたら、皆、白い軍服を着ていましたからね」

アンジェリカ
「あれ? そうですっけ?」

ミカエル
「かく言う私も白い軍服でしたが...ところで...私のことはどう思っています? 私も白鳥ですか?」

アンジェリカ
「いや、ブルー様はどちらかというとペンギンかなぁ~?」

ミカエル
「ペンギン!? どうしてですか??」

アンジェリカ
「ペンギンって実はめっちゃ長距離移動したりするヤツラがいるってご存知ですか?」

ミカエル
「い、いえ...」

アンジェリカ
「アイツら、空は飛ばないけど、海流にのってめっちゃ速く泳いだり、自慢のアンヨで陸を旅したり出来るんですよ! 正式には渡り鳥って言わないのかもしれないけど、渡り鳥みたいな? 世の中の人々は、白鳥みたいな空を飛ぶ渡り鳥をみて、遠くまで行けて凄~い! とか、思ってるけど、実はペンギンの方が遠くまで移動してたりするっていう。人知れずに頑張ってるのに、評価されなくて不器用っていうんですか? ブルー様ってそんな感じです!」

 ちょっと可哀想な感じもするけど、これだけ父親と比べられて貶されたら、俺を嫌いになるだろう!

 ミカエルは、眉間にシワを寄せ、口元を歪めた。

ミカエル
「そう、ですか。ペンギン...貴重なご意見を有難う御座います。」

アンジェリカ
「いえいえ、どう致しまして!」

ミカエル
「それでは、王子の様子が気になりますので、この辺りで失礼致します」

アンジェリカ
「はい。ご機嫌よう!」

 ミカエルを見送ってアンジェリカはガッツポーズを決めた。

 うっし! 順調! 順調! だが、苦しそうな表情のミカエルには、同情してしまう。でも、仕方がないんだ! そうじゃないと、御令嬢方の集団リンチや望まない結婚が待っている!(涙)
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