【完結】乙女ゲームに転生した転性者(♂→♀)は純潔を守るためバッドエンドを目指す

狸田 真 (たぬきだ まこと)

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第一章 乙女ゲームに転生した転性者は純潔を守るためバッドエンドを目指す

32.舞踏会イベント3

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 次の瞬間、見事な平手打ちがアンジェリカの頬を直撃した。

デボラ
「アンタ! 何考えてるの!? 気でも狂った?」

アンジェリカ
「へ?」

デボラ
「しかも、私と仲良くするような素振りしてた癖に、ブレイデン様とパートナーって、どういうこと!?」

アンジェリカ
「ご、誤解です! ワタクシとブレイデン君はビジネスパートナーになっただけです!」

デボラ
「ビジネスパートナー!? 嘘おっしゃい! お揃いの衣装まで着ちゃって!」

アンジェリカ
「え? お揃い? あ、色がたまたま同じだっただけですって!」

デボラ
「どう見たってお揃いでしょ! 同じ生地に同じ刺繍がされていたじゃない!」

アンジェリカ
「ほ、本当ですよ! 一緒にホワイト領の街おこしをしているんです! だから多分、同じ生地を使って仕立てた方が安いから、同じ生地を使っただけだと思います!」

デボラ
「信じるもんですか! だって、そのドレス! ブレイデン様ルート攻略の時のドレスじゃない!」

アンジェリカ
「ブレイデン様ルート攻略!?」

デボラ
「何でもないわ! こっちの話しよ!」

アンジェリカ
「ま、待って! ブレイデン君は攻略対象じゃなくてバッドエンドのモブでしょ?」

デボラ
「は?」

アンジェリカ
「あ...あれ?」

 デボラとアンジェリカは10秒くらい見つめ合ったまま停止した。

デボラ
「アンタ、もしかして転生者なの? それか転移者?」

アンジェリカ
「転生者です! デボラ様も!?」

デボラ
「そうよ...」

アンジェリカ
「やっぱり!」

デボラ
「ふぅ~ん? 通りで変なヒロインだと思ったわ! なるほどね!」

アンジェリカ
「変なヒロインですみません。えへへ...」

デボラ
「このゲームのことは知っているのよね?」

アンジェリカ
「はい」

デボラ
「じゃあ、話が早いわ! 譲って頂戴!」

アンジェリカ
「譲る?」

デボラ
「ブレイデン様よ! 隠し攻略対象なの! 私の推し(好きな)キャラなのよ!」

アンジェリカ
「え!? そんな!?」

 アンジェリカは胸をえぐられたような衝撃に、胸を押さえた。

 りょ、両思いだと思っていたのに! 違ったどころか、デボラ様は、よりによって勇者君のことが好きだなんて!

デボラ
「アンタ、ブレイデン様ルートを知らなかったんだから、推しじゃないんでしょう? だったら、ブレイデン様は私に譲って他のと結婚しなさいよ! 金輪際、ブレイデン様には近付かないで!」

 そんな!? 失恋どころの騒ぎじゃない! デボラ様とラブラブ出来ないどころか、ビジネスパートナーまで取られてしまったら、俺は、ホワイト領は借金まみれになって破滅してしまう!

 アンジェリカの胸はキリキリ痛んだ。

アンジェリカ
「で、出来ません! どうか! それだけはご勘弁を! ブレイデン君がいないと生きて行けないんです!」

デボラ
「やっぱりアンタ! ブレイデン様の事が好きなのね!」

アンジェリカ
「お、俺はデボラ様のことを...」

デボラ
「私はアンタの事なんて友達だなんて思ってないから!」
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