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第一章 乙女ゲームに転生した転性者は純潔を守るためバッドエンドを目指す
37.宰相の陰謀イベント1
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舞踏会から数日経ったある日。
ホワイト伯爵邸に、宰相のブルー侯爵が訪れた。
ホワイト伯爵
「これは、これは! このような辺鄙な所にようこそお越し下さいました!」
ブルー侯爵
「突然の訪問で失礼しました。本日は貸し付けたお金の件で参りました」
ホワイト伯爵
「お借りしたお金の件ですね! おぉ~い! アンジェリカや!」
呼ばれてやってきたアンジェリカは、舞踏会の美しい姿と打って変わって、いつも通りのスッピン着の身着のままスタイルである。
ブルー侯爵はニヤリと笑った。
やはりな! 普通の御令嬢ならば、着飾ることで頭がいっぱいの年頃だ。着飾る事が苦手な令嬢だって、それなりの服を着ているものだ! 事業が成功しているように見せていたが、粗末な服を着ているということは大変貧しいのだろう。もしかすると、渡した3,000万イェニは、先日の舞踏会衣装で全て使ってしまったのかもしれない。
いや、しかし! いくらなんでも酷過ぎる。何だこのワンピースは! ウエストを細く見せようとするコルセットが女性の間で流行っているというのに、ウエストが全く絞られていない! 見るからに売れ残った安物の生地に緑や赤の奇妙な生物の絵が描かれている! 何処で、そんな服が売っているというのだ!? 貧乏にも程があるだろう!?
だが、そうなれば、こちらのものだ! 借金の早期返済を要求し、お金を返せなければ、借金をチャラにするから嫁に来なさいと言えばいい。
アンジェリカ
「宰相様!? ご機嫌よう! こんな所までお忙しい中、来て下さったのですか! 嬉しいです!」
何て無邪気で飾らない笑顔だ! イマドキの子供でも、こんな笑顔をする者はほとんどいない。
ブルー侯爵
「あぁ、アンジェリカ嬢も元気そうで何よりだ。...随分と奇抜な服だが、どちらで買われたのかな?」
アンジェリカ
「この服に目がとまるとは! 流石、宰相様! ですが、この服は買ったのではありません!」
ブルー侯爵
「貰い物でしたか...」
アンジェリカ
「いえ? ワタクシが縫ったのです!」
ブルー侯爵
「縫った!? コレを!?」
確かに、両家のご令嬢は刺繍やパッチワークといった手芸を嗜むものだが...
アンジェリカ
「コレは簡単に縫えるんですよ! 布を2枚用意して肩の部分と脇の部分を縫えば完成です! あとは、好きな絵を染料でペイントすれば、お洒落度アップ!」
そう言ってアンジェリカが両腕を広げると、ワンピースだと思っていた物が四角い布を張り合わせただけの服だという事が分かった。
イマドキ、少数部族の人間だって、こんな原始的な服は着ていないだろう。
ブルー侯爵
「この絵もアンジェリカ嬢が描かれたと?」
アンジェリカ
「えへへ! 可愛いでしょ! この猫ちゃん! ワタクシは猫ちゃん大好きなのです! 猫の毛がついても目立たないし! この子はワタクシが描いて、コレはパパンが、こっちはママンで、この子はブレイデン君が...」
ブルー侯爵
「そ、そうか...それは猫か...」
アンジェリカ
「売れ残って捨てる予定だった布を商人さんからタダで譲って頂いたのです! 着心地もとっても良いんですよ!」
ブルー侯爵
「そ、そうか...タダで貰った布なのですね...」
やはり、とんでもない貧乏のようだ。
アンジェリカ
「ところで、今日はどのようなご用件で?」
ブルー侯爵
「そうだった! 大事な用件を忘れるところであった!」
ブルー侯爵は奇妙な服に驚くあまり、本当に用件を忘れていた。無駄にかいた汗をハンカチで拭い、咳払いをして体勢を整えた。
ブルー侯爵
「貸したお金をすぐに返して欲しいのだ」
アンジェリカ
「あ、そうなのですか? どうして急に?」
ブルー侯爵
「先日の舞踏会では大変素晴らしい衣装で参られたであろう? 事業も上手く行っているようだし、ホワイト領にだけお金を貸して肩入れするのは問題であると会議で決まったのだ!」
もちろん、そんな会議は存在しない。だが、王宮に勤めていないホワイト家の人間には真実を知る術などないのだ。
アンジェリカ
「あ、はい。承知致しました! お借りした3,000万イェニをお返しすれば良いのですね?」
何と! 衣装にお金を使ったと思っていたが、3,000万イェニは、まだ手付かずだったか! だが、その位のことは想定済みだ!
ブルー侯爵
「いや、利子があるので3,900万イェニだ」
アンジェリカ
「3,900万イェニ!?」
ブルー侯爵
「ほら、この借用書にも利率が3割と記載されている」
アンジェリカ
「ですが...そんな高額な利子は払えません!」
ふ、慌てているな。突然、900万イェニという大金をワンピース1枚買えない令嬢に捻出出来るわけがない! しかも、今日はブレイデン・ブラックが他領にあるギルドの支部へ出かけていて、ホワイト領にいないことは確認済みだ!
_________________________________________
作者:狸田真より
皆の大好きな陰謀ですよ! ちなみに1イェニは3円位のイメージです。900万イェニは2,700万円位の価値になります。
ホワイト伯爵邸に、宰相のブルー侯爵が訪れた。
ホワイト伯爵
「これは、これは! このような辺鄙な所にようこそお越し下さいました!」
ブルー侯爵
「突然の訪問で失礼しました。本日は貸し付けたお金の件で参りました」
ホワイト伯爵
「お借りしたお金の件ですね! おぉ~い! アンジェリカや!」
呼ばれてやってきたアンジェリカは、舞踏会の美しい姿と打って変わって、いつも通りのスッピン着の身着のままスタイルである。
ブルー侯爵はニヤリと笑った。
やはりな! 普通の御令嬢ならば、着飾ることで頭がいっぱいの年頃だ。着飾る事が苦手な令嬢だって、それなりの服を着ているものだ! 事業が成功しているように見せていたが、粗末な服を着ているということは大変貧しいのだろう。もしかすると、渡した3,000万イェニは、先日の舞踏会衣装で全て使ってしまったのかもしれない。
いや、しかし! いくらなんでも酷過ぎる。何だこのワンピースは! ウエストを細く見せようとするコルセットが女性の間で流行っているというのに、ウエストが全く絞られていない! 見るからに売れ残った安物の生地に緑や赤の奇妙な生物の絵が描かれている! 何処で、そんな服が売っているというのだ!? 貧乏にも程があるだろう!?
だが、そうなれば、こちらのものだ! 借金の早期返済を要求し、お金を返せなければ、借金をチャラにするから嫁に来なさいと言えばいい。
アンジェリカ
「宰相様!? ご機嫌よう! こんな所までお忙しい中、来て下さったのですか! 嬉しいです!」
何て無邪気で飾らない笑顔だ! イマドキの子供でも、こんな笑顔をする者はほとんどいない。
ブルー侯爵
「あぁ、アンジェリカ嬢も元気そうで何よりだ。...随分と奇抜な服だが、どちらで買われたのかな?」
アンジェリカ
「この服に目がとまるとは! 流石、宰相様! ですが、この服は買ったのではありません!」
ブルー侯爵
「貰い物でしたか...」
アンジェリカ
「いえ? ワタクシが縫ったのです!」
ブルー侯爵
「縫った!? コレを!?」
確かに、両家のご令嬢は刺繍やパッチワークといった手芸を嗜むものだが...
アンジェリカ
「コレは簡単に縫えるんですよ! 布を2枚用意して肩の部分と脇の部分を縫えば完成です! あとは、好きな絵を染料でペイントすれば、お洒落度アップ!」
そう言ってアンジェリカが両腕を広げると、ワンピースだと思っていた物が四角い布を張り合わせただけの服だという事が分かった。
イマドキ、少数部族の人間だって、こんな原始的な服は着ていないだろう。
ブルー侯爵
「この絵もアンジェリカ嬢が描かれたと?」
アンジェリカ
「えへへ! 可愛いでしょ! この猫ちゃん! ワタクシは猫ちゃん大好きなのです! 猫の毛がついても目立たないし! この子はワタクシが描いて、コレはパパンが、こっちはママンで、この子はブレイデン君が...」
ブルー侯爵
「そ、そうか...それは猫か...」
アンジェリカ
「売れ残って捨てる予定だった布を商人さんからタダで譲って頂いたのです! 着心地もとっても良いんですよ!」
ブルー侯爵
「そ、そうか...タダで貰った布なのですね...」
やはり、とんでもない貧乏のようだ。
アンジェリカ
「ところで、今日はどのようなご用件で?」
ブルー侯爵
「そうだった! 大事な用件を忘れるところであった!」
ブルー侯爵は奇妙な服に驚くあまり、本当に用件を忘れていた。無駄にかいた汗をハンカチで拭い、咳払いをして体勢を整えた。
ブルー侯爵
「貸したお金をすぐに返して欲しいのだ」
アンジェリカ
「あ、そうなのですか? どうして急に?」
ブルー侯爵
「先日の舞踏会では大変素晴らしい衣装で参られたであろう? 事業も上手く行っているようだし、ホワイト領にだけお金を貸して肩入れするのは問題であると会議で決まったのだ!」
もちろん、そんな会議は存在しない。だが、王宮に勤めていないホワイト家の人間には真実を知る術などないのだ。
アンジェリカ
「あ、はい。承知致しました! お借りした3,000万イェニをお返しすれば良いのですね?」
何と! 衣装にお金を使ったと思っていたが、3,000万イェニは、まだ手付かずだったか! だが、その位のことは想定済みだ!
ブルー侯爵
「いや、利子があるので3,900万イェニだ」
アンジェリカ
「3,900万イェニ!?」
ブルー侯爵
「ほら、この借用書にも利率が3割と記載されている」
アンジェリカ
「ですが...そんな高額な利子は払えません!」
ふ、慌てているな。突然、900万イェニという大金をワンピース1枚買えない令嬢に捻出出来るわけがない! しかも、今日はブレイデン・ブラックが他領にあるギルドの支部へ出かけていて、ホワイト領にいないことは確認済みだ!
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