【完結】乙女ゲームに転生した転性者(♂→♀)は純潔を守るためバッドエンドを目指す

狸田 真 (たぬきだ まこと)

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第一章 乙女ゲームに転生した転性者は純潔を守るためバッドエンドを目指す

41.結婚式準備2

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 ドレスに着替え、髪をかっちりとアップにし、ジュエリーを身に纏い、純シルク製のベルベットマントを肩に装着すると、アンジェリカの装いは完成した。

ホワイト伯爵
「おぉ! アンジェリカ! こんなに立派に育って!」

ホワイト伯爵夫人
「綺麗だわ! 世界で一番素敵なレディよ!」

 ホワイト伯爵夫妻が感極まって涙を流した。

アンジェリカ
「何だよ! パパンもママンも! 大袈裟だなぁ~!」

 夫人はモジモジして溜息をついた。

アンジェリカ
「ママンどうしたの?」

ホワイト伯爵
「ほら、アンジェリカにプレゼントするんだろ?」

ホワイト伯爵夫人
「で、でも、こんなに豪華な衣装にこんな安もの...」

 夫人が手にもっていた箱をアンジェリカは素早く取り上げた。

ホワイト伯爵夫人
「まだ、あげるとは言ってないわ!」

アンジェリカ
「でも、くれるんでしょ?」

 アンジェリカが箱を開けると、中には夫人のティアラが入っていた。

 今時の華奢で宝石がいっぱいついたティアラではなく、金属の板を山脈の形に切り取って丸めたみたいな古いデザインのティアラである。

アンジェリカ
「あ、ママンが結婚式でパパンから戴冠してもらった、世にも珍しい、宝石の付いていないティアラ!」

ホワイト伯爵夫人
「もう! 笑わなくてもいいでしょ! 石はついていないけど、純金製なのよ!」

 アンジェリカはティアラをヘアセット担当者に渡す。

アンジェリカ
「ちょっと付けてみて!」

 カッチリまとまったアンジェリカの頭の上にティアラが座ると、不思議としっくりまとまったバランスになった。

 アンジェリカは鏡に映った自分の姿を見て、踏ん反りかえる。

アンジェリカ
「なんか今日の衣装に似合っちゃうし、お高そうなレディに見えない?」

ヘアセット担当者
「はい! とってもお綺麗です!」

アンジェリカ
「ほらね? じゃあ、ママンのティアラで今日の式典は参加しよ!」

ホワイト伯爵夫人
「アンジェリカちゃん!」

 ママンはハンカチに顔を埋めた。

アンジェリカ
「高そうに着飾っても、俺は(結婚するつもりはないから)非売品だけどね!」

ホワイト伯爵
「(ブレイデン殿に)売約済みと言った方が正しいのでは?」

ホワイト伯爵夫人
「すぐに販売(結婚)済みの非売品になりますから良いのです!」

アンジェリカ
「ん? 販売(結婚)しないよ? だって、ずっとここにいるんだし!」

ホワイト伯爵
「そうか! そうか! アンジェリカは(ブレイデン殿を)買う方か!」

アンジェリカ
「パパン、良いこと言うね! 買い手万歳!」

ブレイデン
「何が買い手万歳なのですか?」

 ブレイデンはホワイト領の騎士が着る軍服の正装で現れた。

 いつも垂らしているサラ毛をオールバックにし、真っ白な軍服には金色のレニヤードが付いた肩章が装着されている。

アンジェリカ
「うっわ! めっちゃ格好良い! ホワイト領軍の正装ってこんなだったっけ? 何か、ブレイデン君が着ると別の服みたいじゃない?」

ブレイデン
「有難うアンジェリカ。アンジェリカも綺麗だよ」

ホワイト伯爵
「うむ。同じ服だが、我が領の軍服は騎士の人数が少ない事もあって、1着1着、手縫いのオーダーメイドなのだ。騎士の体型に合わせて縫っているから、ワシの軍服とは違って見えるな!」

アンジェリカ
「え!? これ、同じ服??」

ホワイト伯爵
「同じ服だが、ワシは偉いから肩章が豪華で、ボタンの飾りもちょっとだけ豪華なのじゃ!」

アンジェリカ
「そういうレベルじゃなくて...パパンのジャケットはブレイデン君のみたいに、くびれのある逆三角形じゃないし、ウエストラインが真っ直ぐでストンってしてるよ? ジャケットの丈もブレイデン君のより長いし、ズボンもブレイデン君のは細長くてピタッとしてるけど、パパンのは幅広でダボっとしてない?」

ホワイト伯爵夫人
「まぁ、アンジェリカちゃん、あんまり言ったら可哀想よ? 胴長短足でお腹ポンポコリンのパパだって、今日のために頑張ってお洒落してるんだから」

アンジェリカ
「あ、そうだよね。ビックリし過ぎて、思わず本音が...パパンも格好良いよ! パパンにはパパンの良さがある!」

ホワイト伯爵
「いいんだよ、今日はブレイデン君が主役だからね! ホワイト領の男は寸胴短足だが、懐は広く温かいんだ!」

アンジェリカ
「いいぞ! パパン! 男前! 太っ腹! それでこそ、ホワイト領の男!」

ホワイト伯爵
「アンジェリカや、有難う!」

 アンジェリカは伯爵から視線をブレイデンに移し、頭のテッペンから爪先まで、何度も視線を泳がせた。

 いや、それにしてもパパンと違い過ぎだろ! 何だ!? この完璧なプロポーションは! 脚長! 胸が広いのにウエスト細(ほそ)!

 王子様みたいじゃね? ...いや、リチャード王子とは全然違うけど...。リチャード王子はアイドル系のヒョロっこいイケメンだけど、ブレイデン君は男が惚れる漢っていうか! 英雄然としてて逞しいというか...あ、本物の勇者様だった! こりゃ、デボラ様も惚れるわ。良いなぁ~、イケメン! 俺もこんな顔に生まれてみたい! そして、デボラ様のような美女と結婚したい!

ホワイト伯爵夫人
「あら、あら、アンジェリカちゃん。ブレイデン殿が格好良いのは分かるけど、凝視し過ぎよ! ブレイデン殿が困ってしまうわよ?」

 ブレイデンの顔を見ると、真っ赤になっている。

アンジェリカ
「御免、御免、あんまり格好良かったから、結婚する女性(デボラ様)は幸せだろうなぁ~と、しみじみ思っていた訳ですよ」

ブレイデン
「もちろんです! (アンジェリカを)幸せに致します! 絶対に!」

アンジェリカ
「ブレイデン君! (デボラ様を)宜しく頼むな!」

 少し涙目になったアンジェリカにブレイデンはハンカチを差し出した。

アンジェリカ
「おっと、化粧が崩れるところだった! 今日は(プロジェクトにとって)大切な日だから、気を付けないとね!」

 皆が笑顔で頷いた。

 今日はきっと良い日になるだろう!

_________________________________________
⭐︎[結婚式招待状]⭐︎

 暑さが柔らぎ、猛暑に耐えた蕾が、大輪のダリアの花を咲かせる季節になりました。

 皆様におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

 このたび、ホワイト家のアンジェリカとブラック家のブレイデンが結婚することとなりました。

 つきましては、ホワイトエンジェルの皆様に末永いお力添えをいただきたく、ご承認とご祝福をいただければ幸いに存じます。

 ご多用のところ誠に恐縮ではございますが、ご出席くださいますようご案内申し上げます。

日時 2020年9月12日

場所 アルファポリス「乙女ゲームに転生した転性者(♂→♀)は純潔を守るためバッドエンドを目指す」

 大変お手数をお掛けしますが、出席のお返事は【感想】へ書き込み頂ければ幸いです。

ブレイデン・ブラック男爵
アンジェリカ・ホワイト
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