【完結】乙女ゲームに転生した転性者(♂→♀)は純潔を守るためバッドエンドを目指す

狸田 真 (たぬきだ まこと)

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第一章 乙女ゲームに転生した転性者は純潔を守るためバッドエンドを目指す

44.結婚式イベント3

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 その時、赤い髪の立派な騎士が2人の間に立った。

レッド侯爵
「お前達...」

 騎士長様! ナイス仲裁! 良かった! これで丸く収まる。

レッド侯爵
「騎士長である私が立ち会おう」

 うおぉ~!? コイツも酔ってやがる!

ホワイト伯爵
「お待ち下さい!」

 パ、パパン! 流石! 俺のパパン!

ホワイト伯爵
「建物の中では、建設したばかりの部屋に傷がつくかもしれません! 庭に移動して下さい!」

 よく見たらパパンの顔も真っ赤じゃないかぁ~!

ホワイト伯爵夫人
「ブレイデンちゃん頑張ってぇ~!」

 ママンもか!?

 いや、だが、待てよ! 今日の式典にはレッド侯爵夫人もいらしているはず!

レッド侯爵夫人
「ジョージ! 負けんじゃないわよ! 勇者なんかぶっ飛ばせぇ~!」

 えぇ~!? 何言っちゃってんのこの人!? 侯爵夫人って、そんなキャラ!?

 ブレイデン君のご両親は? 平民だけどギルドの偉い人だし、貴族同士に争いでも止めてくれるかな?

 ブレイデンのパパンであるブラックさんは無言で『いいね』の手を突き出した。

 ブレイデンのママンも同じように『いいね』サインを送る。

ブラック夫人
「ブレイデン! ギルドの雑草魂を見せてあげなさい! 貴族のボンボンなんか瞬殺よ!」

 お前らもか!

 ブレイデンとジョージは、ギルドアカデミーの庭で剣を構えて向きあった。

 訓練用の木刀ではない、真剣なのである。一歩間違えれば、大怪我どころの騒ぎではない。何と、しかも! 2人ともベロンベロンに酔っ払っているのである!

 お前ら馬鹿だろ! 俺も酔っていたが、一気に酔いが覚めてしまった! くそう、良い酒飲めて、今日は良い気分だったのに!

レッド侯爵
「両者構えて! 始め!」

 ブレイデンとジョージはお互いに睨みあったまま動かない。

 ギャラリーに緊張が走る。

 いや、めっちゃ危ないし、決闘なんて怖いけど、ぶっちゃけ、勇者のブレイデンと騎士長の息子のジョージ、どっちが強いか興味ある!

 何ていうの? 男のロマン? 強い騎士には、やっぱり憧れちゃうでしょ?

 沈黙を破って、先に動いたのはジョージだった。振り上げた剣は、かなりの大振りで、ハッキリ言ってノロノロである。

 うっわ! 予想以上に酔ってるじゃん! これならブレイデン君の圧勝だな。

 だが、迎え撃とうとしたブレイデンの剣もヘロヘロと波打った軌道を描く。

 わぁ~酷い! これは酷い! ある意味でいい勝負だ!

 カキンッ!

 剣と剣が合わさり金属音が鳴るが、その音は弱々しい。

 両者の力は拮抗しているらしく、激しく? せめぎ合っている。

 ハッキリ言って泥仕合いである。

ジョージ
「う、うおぉ~~!!!」

 ジョージが声だけは気合いの入った雄叫びを上げた。ブレイデンよりも一回り体格の大きいジョージが押し始める。

 えぇ~!? ブレイデン君、負けちゃうの? 勇者様なのに!?

アンジェリカ
「ブレイデン君! ホワイト領の騎士になったんだから、もうちょっと頑張れぇ~!!」

 俺が叫んだ次の瞬間、ブレイデンはジョージの剣を押し返し、その剣を弾き飛ばした。

 そして、そのまま自分の剣も手放した。

 えぇ~!? 2人とも丸腰になったけど、これどうなの? ブレイデン君の勝ちでいいの? レッド侯爵の方をチラ見すると、レッド侯爵は立ったまま目を閉じて、うつらうつらしている。

 ちょ! 騎士長様!? なに寝ちゃってるの? 嘘だろぉ~? え? どうなんの? これ?

ジョージ
「うっ...うおぇ~!!!」

 ゲロゲロと嘔吐するジョージ。

 あたりにアルコール臭い嘔吐物の臭いが漂う。

ジョージ
「お前...中々やるな! 今日のところは、この位で勘弁してやろう!」

 いやいやいや、ジョージさん負けたんだよね? たぶん、きっと。

ブレイデン
「何度でもいらして下さい! 私はいついかなる時だって、必ず勝利し、お守りします!」

 なんか格好良さ気に言ってるけど、全然格好良くないぞ~! それに、もう、当分、ジョージさんには来て欲しくない! 真新しいアカデミーの庭をゲロまみれにしやがって! 誰が掃除すると思ってるんだ!? 清掃費が掛かるんだぞ!

ジョージ
「ふっ...負けたよ。俺の完敗だ! これで安心して帰ることが出来る」

 はいはい、早く帰ってくれ!

レッド侯爵
「ジョージ! お前はよく戦った! とくに最後の一撃は最高だったぞ!」

 おぉ~い! 騎士長様、最後の一撃はゲロだったぞ~! というか、寝てて見てなかったですよねぇ~?
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