【完結】乙女ゲームに転生した転性者(♂→♀)は純潔を守るためバッドエンドを目指す

狸田 真 (たぬきだ まこと)

文字の大きさ
46 / 88
第一章 乙女ゲームに転生した転性者は純潔を守るためバッドエンドを目指す

46.イベント検証1

しおりを挟む
 ほとんどの客が帰り、酔っ払い共が宿泊施設に搬送された後、悪役令嬢改め、大親友のデボラ様が残っている事にアンジェリカは気が付いた。

アンジェリカ
「来て下さっていたのですね!」

デボラ
「えぇ、だって、推しのイベントスチル(ゲーム中に表示されるイラスト)は、生で全部見たいし...」

アンジェリカ
「有難うございます。イベントスチル目当てでも嬉しいです」

デボラ
「トゥルーハッピーエンドおめでとう」

アンジェリカ
「ん? トゥルー(真実の)ハッピーエンド?」

デボラ
「そうよ」

アンジェリカ
「ハーレムエンド的な奴ですか? まぁ、皆とは仲良くなったけど、ハーレムにはなってないですよ?」

デボラ
「あぁ、アンタ、ブレイデン様ルートの攻略はしたことなかったんだっけ?」

アンジェリカ
「攻略してないですけど、友情エンドとかがあるんですか?」

デボラ
「は? 何言ってるの? 結婚式まであげて、友情エンドもクソもないでしょ!?」

アンジェリカ
「け、結婚式!? だ、だ、だ、誰が!? 誰と!?」

デボラ
「ちょっと、大きな声で叫ばないでよ! アンタとブレイデン様に決まってるじゃない!」

アンジェリカ
「い、いつ!?」

デボラ
「さっきよ! どうなってるの!? こっちに来なさい! ゆっくり説明して! ここだと他人に聞かれる!」

 アンジェリカは困惑して、混乱した。フィレンツェの伝統工芸のようなマーブル模様が頭の中を染めて行く。

 誰もいないギルドアカデミーの中庭まで移動し、2人でベンチに腰掛けた。

アンジェリカ
「ちょっと、待って! さっきのは結婚式じゃなくて、騎士任命式だよ? そんでもって爵位授与式! デボラ様誤解してない?」

デボラ
「はぁ~? そんなわけないでしょ! 結婚証明書に皆で署名したじゃない!」

アンジェリカ
「え? あの書類は、達筆で読めなかったけど、ブレイデン君をホワイト家に迎え入れるための書類で...」

デボラ
「だから、それが結婚証明書でしょ!」

アンジェリカ
「ほえあ?」

デボラ
「私も署名したけど、あれは間違いなく結婚証明書って書いてあったわ!」

アンジェリカ
「デボラ様読めたの!? 凄い!」

デボラ
「凄い! じゃないわよ! 自分の結婚式に気が付かないっていったいどういう事よ!?」

アンジェリカ
「でも、領民の結婚式に何度も出たことあるけど、あんなんじゃなかったよ?」

デボラ
「当たり前でしょ! アンタは伯爵家の貴族なんだから! 平民のする結婚式と同じなわけないでしょ!」

アンジェリカ
「でも、愛とか誓ってないような?」

デボラ
「ブレイデン様が永遠を誓ってたじゃない! アンタも花を受け取って、認めるって言ってたでしょ!」

アンジェリカ
「えぇ、あれって騎士が主君に忠誠を誓うって意味じゃないの?」

デボラ
「愛する人と共にって言ってたし、杯の交換もしたでしょ!」

アンジェリカ
「あれは、ホワイト領民を愛してる的な...杯の交換は結婚式でもするけど、同盟結んだり、義兄弟の契りを結んだりするときにもするじゃん?」

デボラ
「ブレイデン様とキスもしてたでしょ!」

アンジェリカ
「あれは酒に酔っ払ったブレイデン君が、キス魔だっただけで...」

デボラ
「ブレイデン様はアンタ以外の他の誰ともキスしてないでしょ!?」

アンジェリカ
「いや、知らないし。ブレイデン君だけ見てる訳じゃないから」

デボラ
「見てなさいよ! 私はブレイデン様だけガン見してたわよ!」

アンジェリカ
「だって、式の主催者だよ? そういう訳にはいかないじゃん?」

デボラ
「式の主催者が何で、自分の結婚式に気が付かないで式を終了するのよ? マジ意味不明! 理解に苦しむんですけど!」

アンジェリカ
「え...じゃあ、俺、本当に結婚したの!?」

デボラ
「だから、そう言ってるでしょ!?」

 アンジェリカは目眩がした。

 今まで何のために懸命に頑張って来たんだ? 野郎なんかと結婚したくなかったからだ! それなのに、何故? こんなことに!?

デボラ
「ちょっと、嫌だ! アンタ、泣いてるの? どうして? 嬉しくないの?」

 気が付くと、俺の頬に涙がつたっていた。

アンジェリカ
「ブ、ブレイデン君はデボラ様が好きだったはず...」

デボラ
「そんな訳ないでしょ! アンタのこと愛してるって言ってたじゃない!」

アンジェリカ
「俺のこと? デボラ様じゃなくて?」

デボラ
「少なくとも、私にはそう聞こえたけど?」

アンジェリカ
「そんな...もしかして、ゲームの強制力とかで、仮面夫婦バッドエンドになったのでは?」

デボラ
「もう! そんなことを心配してたの? 愛されている自信がないのね?」

アンジェリカ
「自信がないというか、何というか...」

デボラ
「いいわ! スチルコンプリート(イベント画像のコレクション完了)のために全てのハッピーエンドとバッドエンドをクリアした、ゲームマスターの私が、発生したイベントからアンタがどんなエンドになったのかを検証してあげる!」

アンジェリカ
「デボラ様! マジで女神! 有難う!」
しおりを挟む
感想 110

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

痩せすぎ貧乳令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます

ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。 そして前世の私は… ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。 とあるお屋敷へ呼ばれて行くと、そこには細い細い風に飛ばされそうなお嬢様がいた。 お嬢様の悩みは…。。。 さぁ、お嬢様。 私のゴッドハンドで世界を変えますよ? ********************** 転生侍女シリーズ第三弾。 『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』 『醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』 の続編です。 続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。 前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます

ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。 そして前世の私は… ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。 とある侯爵家で出会った令嬢は、まるで前世のとあるホラー映画に出てくる貞◯のような風貌だった。 髪で顔を全て隠し、ゆらりと立つ姿は… 悲鳴を上げないと、逆に失礼では?というほどのホラーっぷり。 そしてこの髪の奥のお顔は…。。。 さぁ、お嬢様。 私のゴットハンドで世界を変えますよ? ********************** 『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』の続編です。 続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。 前作も読んでいただけるともっと嬉しいです! 転生侍女シリーズ第二弾です。 短編全4話で、投稿予約済みです。 よろしくお願いします。

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~

こひな
恋愛
市川みのり 31歳。 成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。 彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。 貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。 ※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?

六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」 前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。 ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを! その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。 「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」 「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」 (…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?) 自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。 あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか! 絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。 それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。 「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」 氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。 冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。 「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」 その日から私の運命は激変! 「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」 皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!? その頃、王宮では――。 「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」 「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」 などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。 悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!

処理中です...