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第一章 乙女ゲームに転生した転性者は純潔を守るためバッドエンドを目指す
47.イベント検証2
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デボラ
「それじゃ、ブレイデン様ルートのイベントを説明していくわ!」
アンジェリカ
「はい!」
デボラ
「まず、ゲームでは、通常の攻略対象者ルートの場合、ブレイデン様にはエンドまで出会わない」
アンジェリカ
「確かに! でも、それはゲームだからなのでは?」
デボラ
「そうかもしれないけど、ノーマルバッドエンドでは、ヒロインは顔も知らない人と結婚した感じだったわ。」
アンジェリカ
「そ、そうだったっけ...」
デボラ
「次に、ブレイデン様ルートに突入すると、ブレイデン様が勇者として男爵の爵位をもらう式典イベントが発生する」
アンジェリカ
「参加した! でも、他の攻略対象者ルートでも、あの晩餐会には招待されるし、ゲームで描かれていないだけかも」
デボラ
「普通、あの日のイベントはルートに入っている攻略対象者から、ドレスが贈られるの。マダム・テイラーは誰からの依頼でドレスを作ると手紙に書いていたの?」
アンジェリカ
「あの時もお金が無かったし、セールスは断るようにしていたので、あんまり覚えてないんだけど、ドレス販売の手紙には攻略対象者の名前なんて無かったような?」
デボラ
「ギルドからの案内状だったんでしょ?」
アンジェリカ
「ブレイデン君が送ってくれたと?」
デボラ
「そうよ! 普通のヒロインなら、ドレスを買って晩餐会に行くか、ドレスを買わないで晩餐会に出席出来なくなるか、二択なのよ。ドレスが無いのに、晩餐会に出席するなんて選択肢はないの!」
アンジェリカ
「えぇ? そうなの? でも、古いドレスならあったし...」
デボラ
「普通の神経なら、あの着古したサイズの合わないドレスで晩餐会に出席出来る訳ないでしょ!」
アンジェリカ
「だって、お金がないし仕方ないじゃん?」
デボラ
「なけなしのお金でドレスを買おうと、注文の手紙を出すと、ブレイデン様がお金を支払ってくれて、代済のドレスが届くイベントだったのよ」
アンジェリカ
「やっぱり、ブレイデン君っていい奴だな。じゃあ、そのイベントでドレスを注文しなかった俺は、ブレイデン君ルートから逸れたってこと?」
デボラ
「でも、晩餐会でブレイデン様の隣に座ったでしょ?」
アンジェリカ
「そうですね」
デボラ
「そして、王宮のビッグ3(スリー)からお金を借りた」
アンジェリカ
「借りた!」
デボラ
「通常なら、『貧乏領なのに、豪華なドレスを着てきて、領の財政は大丈夫なのか?』と宰相様に問い詰められるの。そこでブレイデン様が助けてくれるはずなんだけど...」
アンジェリカ
「助けてくれた! ドレスが貧相過ぎたから宰相様が財政の心配をされて、危うくホワイト領が没収されるところだったんだ!」
デボラ
「やっぱり! だいぶ様子は違うけど、ちゃんとイベントは実行されたんだわ!」
アンジェリカ
「そうなのかな?」
デボラ
「晩餐会で選択肢を間違えなければ、お金を借りることが出来て、次のイベントが発生するの。借りたお金を狙った詐欺師がホワイト領に尋ねて来なかった?」
アンジェリカ
「来た!」
デボラ
「ブレイデン様が助けに来てくれた?」
アンジェリカ
「来てくれた!」
デボラ
「そこで、ブレイデン様と婚約イベントが発生するのよ」
アンジェリカ
「婚約はしてないよ?」
デボラ
「おかしいわね? でも、舞踏会にブレイデン様のエスコートで来てたでしょ?」
アンジェリカ
「うん」
デボラ
「ドレスも宝石も、全部買ってもらったんでしょ?」
アンジェリカ
「あれはプロジェクトのためにレンタルしてくれただけだよ?」
デボラ
「全部、アンタに似合うようにデザインされて、細部までジャストサイズで縫った特注品だったでしょ!?」
アンジェリカ
「そ、そういえば!?」
デボラ
「そして、悪役令嬢である私の断罪イベントも発生してた」
アンジェリカ
「やっぱり、あれ、そうだったんだ?」
デボラ
「あの時は有難う。アンタ、私が皆に嫌われないように助けてくれたでしょ? 私はアンタを叩いちゃったのに...御免ね」
アンジェリカ
「いいよ。デボラ様がブレイデン君のことを想ってした事だっていうのは本当だし」
デボラ
「有難う」
はぁ~、素直なデボラ様、やっぱり、めっちゃ可愛い! 恋は実らなかったけど、友達になれて良かった!
デボラ
「あ、そうだ! もしも、トゥルーハッピーエンドなら、明日、アンタのクローゼットに今までの舞踏会のドレスが全部収納されるはず」
アンジェリカ
「明日になれば結果が分かるってこと?」
デボラ
「そうだけど、もう少し聞かせて? 宰相様の借金回収のイベントが発生してるでしょ?」
アンジェリカ
「してる!」
デボラ
「婚約イベントが発生しないと、ギルドアカデミーのイベントも発生しないし、たとえ、婚約してギルドアカデミーのイベントが発生していたとしても、親密度が高くないと、思うように資金集めが出来ないの。そうすると、借りたお金を返せなくなって、他の攻略対象者と嫌々結婚する隠れバッドエンドになるの」
アンジェリカ
「そういえば、宰相様が借金の早期返済の取り立てに来てた!」
デボラ
「隠れバッドエンドは、リチャード王子やミカエル様、ジョージ様のファンにはトゥルーハッピーエンドよりも人気があるのよ!」
アンジェリカ
「へぇ~、そうなんだ」
デボラ
「アンタ、ゲームで遊んでいた癖に、あの3人にはまるで興味ないのね?」
アンジェリカ
「うん。だって、俺は姉貴や妹の手伝いでゲームしてただけなんだ」
デボラ
「あぁ~、そうなのね? それで、ブレイデン様のルートも知らなかったのね? なら、何でブレイデン様を好きになったの? 他の攻略対象キャラもイケメンでお金持ちでしょ?」
アンジェリカ
「いや、隠れキャラがいることは知っていたけど、まさかブレイデン君だとは思わなくて、最初は望まない結婚をして嫌いな相手に押し倒される位なら、仮面夫婦のブレイデン君と結婚したいなぁ~、なんて思ってたんだ」
デボラ
「ふぅ~ん? あの3人のこと嫌いなんだ? どうして?」
アンジェリカ
「悪口を言いたい訳じゃないんだけど...」
デボラ
「俺様なツンデレ王子がウザイ?」
アンジェリカ
「いや、まぁ、それに、将来の王妃様とか重圧だし」
デボラ
「ファザーコンプレックスの根暗な側近が面倒臭い?」
アンジェリカ
「城住まいだと、イケメン好きの王宮の女性達からも虐められそうだし」
デボラ
「脳筋馬鹿の騎士とか暑苦しい?」
アンジェリカ
「やっぱり、TPOの分別がつく方じゃないとね?」
デボラ
「分かる! やっぱり、そうよね! ゲームとしては面白かったけど、正直、あの3人はないわよね!」
アンジェリカ
「デボラ様とマジで話しが合う! デボラ様は姉貴みたいにハーレムエンド大好きじゃないし!」
デボラ
「ハーレムエンドとか、倫理観なさ過ぎでしょ!」
アンジェリカ
「そうなんだよ! 姉貴の奴マジで頭おかしい!」
デボラ
「でも、あの3人が嫌なら、他の男性とじゃダメだったの? ゲームと違って、実際には、もう少し選択肢があるでしょ?」
アンジェリカ
「俺、実は...前世は男だったんだ」
デボラ
「な、何それ!? 詳しく!」
デボラは身を乗り出して、アンジェリカに熱い視線を向けた。
アンジェリカ
「いや、だから、男だったから、男の記憶があるわけで、男と結婚して身体の関係を持つなんて、考えただけでおぞましいというか...でも、結婚しないと、ホワイト領の財政は貧しくて領民が苦しむだろ?」
デボラ
「結婚したくないなら、ノーマル友情エンドでもいいのに...ブレイデン様を好きになった!? 何それ! めっちゃ、萌える!」
アンジェリカ
「あ、いや...」
ブレイデン君はいい奴だし好きだけど、異性として好きになったわけじゃない。同性的な感覚の好きだ。でも、デボラ様の好きな人を奪って結婚しちゃった状況で、そんな事を言ったら絶交されちゃわないか? 恋愛じゃなくて友情です!って言ったら、また殴られそう...
アンジェリカ
「ん? ノーマル友情エンド?」
デボラ
「そうそう、そのエンドも知らないんだ? まぁ、そうよね。ブレイデン様ルートを失敗するとなるやつだから」
アンジェリカ
「そ、そんなエンドがあったとは! あ! でも...今回、その、ノーマル友情エンドになったという可能性は!?」
デボラ
「ないわよ? だって結婚式したじゃない? ノーマル友情エンドは、友情を育んでギルドアカデミーを成功させて終わるんだけど、今日みたいな結婚式はしないのよ」
アンジェリカ
「どうするとなったんですか?」
デボラ
「イベントを全部こなしつつ、『愛してる』とか、決定的な台詞を言っていないと、式の前日のキスイベントが発生しないのよ。『私達は結婚しなくても友情で繋がってる!』とかいって、結婚式がただの叙勲式になるのよ。ブレイデン様はホワイト領には定住せずに旅立っていくエンドなの。ある意味でトゥルーハッピーエンドより難しかったわ! ブレイデン様が旅立つスチル(画像)が手に入るんだけど、ほとんど幻の1枚!」
アンジェリカ
「キスイベントなんか発生してないよ?」
デボラ
「えぇ!? でも、結婚式したじゃない! 友情エンドは結婚式しないんだって!」
アンジェリカ
「じゃあ、やっぱり、仮面夫婦バッドエンドでは?」
デボラ
「ブレイデン様ルートに入ったら仮面夫婦バッドエンドにはならないのよ。バッドエンドはあの3人との結婚になるから。
イレギュラーなことがあり過ぎて不安な気持ちになるのは分かるけど、アンタ、トゥルーエンドのドレス着てたし、何より、ブレイデン様は誰がどう見たってアンタのこと好きでしょ!」
アンジェリカ
「そうかなぁ? 俺にはそんな風に見えないけど? デ、デボラ様は、ブレイデン君を好きなのに、俺に離婚して欲しいって思わないの?」
デボラ
「思わないわよ! 今でも、ブレイデン様の事は好きだけど、私の好きはファンとしての好きだったみたい。アンタいい子だし、何よりTS(転性)的なネタにときめいたわ!」
アンジェリカ
「何それ...デボラ様の美しいイメージが崩れていく...」
デボラ
「ちょっと! 私に幻想を抱くのはやめてよ! 気持ち悪い!」
アンジェリカ
「あぁ~、そういうのが好きなら、俺とデボラ様の百合エンド的なのは興味あったり...」
デボラ
「しないわ!」
光の速さでツッコミが入り、俺は再び失恋した。
デボラ
「恋愛が怖いからって、安易な友情に逃げないの! 前世が男だからって、今世はちゃんと可愛い女の子なんだし、心配しなくて大丈夫だって!」
アンジェリカ
「逃げてるわけじゃないけど...」
デボラ
「それに...ブレイデン様を不幸にしたら許さないから!」
アンジェリカ
「うっ...」
デボラはハヤブサが獲物をロックオンしたような目でアンジェリカを見つめた。
デボラ
「ブレイデン様を幸せにするわね?」
アンジェリカ
「...はい」
デボラはひまわりが咲いたような明るい笑顔になった。
デボラ
「それでこそ我が友! じゃ、私はもう、帰るわね! あとで手紙でどうなったか教えて!」
アンジェリカ
「う、うん」
デボラ
「うふふ、今日は失恋で焼け酒かと思ったけど、TSで精神的BLとかメシウマだわぁ~」
何にも解決出来ていない俺を残して、デボラ様は去っていった。
だが、明るい言葉とは裏腹に、デボラ様の頬には涙がつたっていた事を俺は知っている。
「それじゃ、ブレイデン様ルートのイベントを説明していくわ!」
アンジェリカ
「はい!」
デボラ
「まず、ゲームでは、通常の攻略対象者ルートの場合、ブレイデン様にはエンドまで出会わない」
アンジェリカ
「確かに! でも、それはゲームだからなのでは?」
デボラ
「そうかもしれないけど、ノーマルバッドエンドでは、ヒロインは顔も知らない人と結婚した感じだったわ。」
アンジェリカ
「そ、そうだったっけ...」
デボラ
「次に、ブレイデン様ルートに突入すると、ブレイデン様が勇者として男爵の爵位をもらう式典イベントが発生する」
アンジェリカ
「参加した! でも、他の攻略対象者ルートでも、あの晩餐会には招待されるし、ゲームで描かれていないだけかも」
デボラ
「普通、あの日のイベントはルートに入っている攻略対象者から、ドレスが贈られるの。マダム・テイラーは誰からの依頼でドレスを作ると手紙に書いていたの?」
アンジェリカ
「あの時もお金が無かったし、セールスは断るようにしていたので、あんまり覚えてないんだけど、ドレス販売の手紙には攻略対象者の名前なんて無かったような?」
デボラ
「ギルドからの案内状だったんでしょ?」
アンジェリカ
「ブレイデン君が送ってくれたと?」
デボラ
「そうよ! 普通のヒロインなら、ドレスを買って晩餐会に行くか、ドレスを買わないで晩餐会に出席出来なくなるか、二択なのよ。ドレスが無いのに、晩餐会に出席するなんて選択肢はないの!」
アンジェリカ
「えぇ? そうなの? でも、古いドレスならあったし...」
デボラ
「普通の神経なら、あの着古したサイズの合わないドレスで晩餐会に出席出来る訳ないでしょ!」
アンジェリカ
「だって、お金がないし仕方ないじゃん?」
デボラ
「なけなしのお金でドレスを買おうと、注文の手紙を出すと、ブレイデン様がお金を支払ってくれて、代済のドレスが届くイベントだったのよ」
アンジェリカ
「やっぱり、ブレイデン君っていい奴だな。じゃあ、そのイベントでドレスを注文しなかった俺は、ブレイデン君ルートから逸れたってこと?」
デボラ
「でも、晩餐会でブレイデン様の隣に座ったでしょ?」
アンジェリカ
「そうですね」
デボラ
「そして、王宮のビッグ3(スリー)からお金を借りた」
アンジェリカ
「借りた!」
デボラ
「通常なら、『貧乏領なのに、豪華なドレスを着てきて、領の財政は大丈夫なのか?』と宰相様に問い詰められるの。そこでブレイデン様が助けてくれるはずなんだけど...」
アンジェリカ
「助けてくれた! ドレスが貧相過ぎたから宰相様が財政の心配をされて、危うくホワイト領が没収されるところだったんだ!」
デボラ
「やっぱり! だいぶ様子は違うけど、ちゃんとイベントは実行されたんだわ!」
アンジェリカ
「そうなのかな?」
デボラ
「晩餐会で選択肢を間違えなければ、お金を借りることが出来て、次のイベントが発生するの。借りたお金を狙った詐欺師がホワイト領に尋ねて来なかった?」
アンジェリカ
「来た!」
デボラ
「ブレイデン様が助けに来てくれた?」
アンジェリカ
「来てくれた!」
デボラ
「そこで、ブレイデン様と婚約イベントが発生するのよ」
アンジェリカ
「婚約はしてないよ?」
デボラ
「おかしいわね? でも、舞踏会にブレイデン様のエスコートで来てたでしょ?」
アンジェリカ
「うん」
デボラ
「ドレスも宝石も、全部買ってもらったんでしょ?」
アンジェリカ
「あれはプロジェクトのためにレンタルしてくれただけだよ?」
デボラ
「全部、アンタに似合うようにデザインされて、細部までジャストサイズで縫った特注品だったでしょ!?」
アンジェリカ
「そ、そういえば!?」
デボラ
「そして、悪役令嬢である私の断罪イベントも発生してた」
アンジェリカ
「やっぱり、あれ、そうだったんだ?」
デボラ
「あの時は有難う。アンタ、私が皆に嫌われないように助けてくれたでしょ? 私はアンタを叩いちゃったのに...御免ね」
アンジェリカ
「いいよ。デボラ様がブレイデン君のことを想ってした事だっていうのは本当だし」
デボラ
「有難う」
はぁ~、素直なデボラ様、やっぱり、めっちゃ可愛い! 恋は実らなかったけど、友達になれて良かった!
デボラ
「あ、そうだ! もしも、トゥルーハッピーエンドなら、明日、アンタのクローゼットに今までの舞踏会のドレスが全部収納されるはず」
アンジェリカ
「明日になれば結果が分かるってこと?」
デボラ
「そうだけど、もう少し聞かせて? 宰相様の借金回収のイベントが発生してるでしょ?」
アンジェリカ
「してる!」
デボラ
「婚約イベントが発生しないと、ギルドアカデミーのイベントも発生しないし、たとえ、婚約してギルドアカデミーのイベントが発生していたとしても、親密度が高くないと、思うように資金集めが出来ないの。そうすると、借りたお金を返せなくなって、他の攻略対象者と嫌々結婚する隠れバッドエンドになるの」
アンジェリカ
「そういえば、宰相様が借金の早期返済の取り立てに来てた!」
デボラ
「隠れバッドエンドは、リチャード王子やミカエル様、ジョージ様のファンにはトゥルーハッピーエンドよりも人気があるのよ!」
アンジェリカ
「へぇ~、そうなんだ」
デボラ
「アンタ、ゲームで遊んでいた癖に、あの3人にはまるで興味ないのね?」
アンジェリカ
「うん。だって、俺は姉貴や妹の手伝いでゲームしてただけなんだ」
デボラ
「あぁ~、そうなのね? それで、ブレイデン様のルートも知らなかったのね? なら、何でブレイデン様を好きになったの? 他の攻略対象キャラもイケメンでお金持ちでしょ?」
アンジェリカ
「いや、隠れキャラがいることは知っていたけど、まさかブレイデン君だとは思わなくて、最初は望まない結婚をして嫌いな相手に押し倒される位なら、仮面夫婦のブレイデン君と結婚したいなぁ~、なんて思ってたんだ」
デボラ
「ふぅ~ん? あの3人のこと嫌いなんだ? どうして?」
アンジェリカ
「悪口を言いたい訳じゃないんだけど...」
デボラ
「俺様なツンデレ王子がウザイ?」
アンジェリカ
「いや、まぁ、それに、将来の王妃様とか重圧だし」
デボラ
「ファザーコンプレックスの根暗な側近が面倒臭い?」
アンジェリカ
「城住まいだと、イケメン好きの王宮の女性達からも虐められそうだし」
デボラ
「脳筋馬鹿の騎士とか暑苦しい?」
アンジェリカ
「やっぱり、TPOの分別がつく方じゃないとね?」
デボラ
「分かる! やっぱり、そうよね! ゲームとしては面白かったけど、正直、あの3人はないわよね!」
アンジェリカ
「デボラ様とマジで話しが合う! デボラ様は姉貴みたいにハーレムエンド大好きじゃないし!」
デボラ
「ハーレムエンドとか、倫理観なさ過ぎでしょ!」
アンジェリカ
「そうなんだよ! 姉貴の奴マジで頭おかしい!」
デボラ
「でも、あの3人が嫌なら、他の男性とじゃダメだったの? ゲームと違って、実際には、もう少し選択肢があるでしょ?」
アンジェリカ
「俺、実は...前世は男だったんだ」
デボラ
「な、何それ!? 詳しく!」
デボラは身を乗り出して、アンジェリカに熱い視線を向けた。
アンジェリカ
「いや、だから、男だったから、男の記憶があるわけで、男と結婚して身体の関係を持つなんて、考えただけでおぞましいというか...でも、結婚しないと、ホワイト領の財政は貧しくて領民が苦しむだろ?」
デボラ
「結婚したくないなら、ノーマル友情エンドでもいいのに...ブレイデン様を好きになった!? 何それ! めっちゃ、萌える!」
アンジェリカ
「あ、いや...」
ブレイデン君はいい奴だし好きだけど、異性として好きになったわけじゃない。同性的な感覚の好きだ。でも、デボラ様の好きな人を奪って結婚しちゃった状況で、そんな事を言ったら絶交されちゃわないか? 恋愛じゃなくて友情です!って言ったら、また殴られそう...
アンジェリカ
「ん? ノーマル友情エンド?」
デボラ
「そうそう、そのエンドも知らないんだ? まぁ、そうよね。ブレイデン様ルートを失敗するとなるやつだから」
アンジェリカ
「そ、そんなエンドがあったとは! あ! でも...今回、その、ノーマル友情エンドになったという可能性は!?」
デボラ
「ないわよ? だって結婚式したじゃない? ノーマル友情エンドは、友情を育んでギルドアカデミーを成功させて終わるんだけど、今日みたいな結婚式はしないのよ」
アンジェリカ
「どうするとなったんですか?」
デボラ
「イベントを全部こなしつつ、『愛してる』とか、決定的な台詞を言っていないと、式の前日のキスイベントが発生しないのよ。『私達は結婚しなくても友情で繋がってる!』とかいって、結婚式がただの叙勲式になるのよ。ブレイデン様はホワイト領には定住せずに旅立っていくエンドなの。ある意味でトゥルーハッピーエンドより難しかったわ! ブレイデン様が旅立つスチル(画像)が手に入るんだけど、ほとんど幻の1枚!」
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「キスイベントなんか発生してないよ?」
デボラ
「えぇ!? でも、結婚式したじゃない! 友情エンドは結婚式しないんだって!」
アンジェリカ
「じゃあ、やっぱり、仮面夫婦バッドエンドでは?」
デボラ
「ブレイデン様ルートに入ったら仮面夫婦バッドエンドにはならないのよ。バッドエンドはあの3人との結婚になるから。
イレギュラーなことがあり過ぎて不安な気持ちになるのは分かるけど、アンタ、トゥルーエンドのドレス着てたし、何より、ブレイデン様は誰がどう見たってアンタのこと好きでしょ!」
アンジェリカ
「そうかなぁ? 俺にはそんな風に見えないけど? デ、デボラ様は、ブレイデン君を好きなのに、俺に離婚して欲しいって思わないの?」
デボラ
「思わないわよ! 今でも、ブレイデン様の事は好きだけど、私の好きはファンとしての好きだったみたい。アンタいい子だし、何よりTS(転性)的なネタにときめいたわ!」
アンジェリカ
「何それ...デボラ様の美しいイメージが崩れていく...」
デボラ
「ちょっと! 私に幻想を抱くのはやめてよ! 気持ち悪い!」
アンジェリカ
「あぁ~、そういうのが好きなら、俺とデボラ様の百合エンド的なのは興味あったり...」
デボラ
「しないわ!」
光の速さでツッコミが入り、俺は再び失恋した。
デボラ
「恋愛が怖いからって、安易な友情に逃げないの! 前世が男だからって、今世はちゃんと可愛い女の子なんだし、心配しなくて大丈夫だって!」
アンジェリカ
「逃げてるわけじゃないけど...」
デボラ
「それに...ブレイデン様を不幸にしたら許さないから!」
アンジェリカ
「うっ...」
デボラはハヤブサが獲物をロックオンしたような目でアンジェリカを見つめた。
デボラ
「ブレイデン様を幸せにするわね?」
アンジェリカ
「...はい」
デボラはひまわりが咲いたような明るい笑顔になった。
デボラ
「それでこそ我が友! じゃ、私はもう、帰るわね! あとで手紙でどうなったか教えて!」
アンジェリカ
「う、うん」
デボラ
「うふふ、今日は失恋で焼け酒かと思ったけど、TSで精神的BLとかメシウマだわぁ~」
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