【完結】乙女ゲームに転生した転性者(♂→♀)は純潔を守るためバッドエンドを目指す

狸田 真 (たぬきだ まこと)

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第二章 ワタクシが妊娠!? ...子供の父親は誰なのです!?

3.相手は王子?

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 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い! デボラは吐き気と目眩がして、真っ青になった。

リチャード
「おい、お前、なんか顔色が悪いぞ?」

 心配して近寄ったリチャードを跳ね飛ばし、執務室にある化粧室に駆け込むと、デボラは激しく嘔吐した。

 ひとしきり吐き終え、デボラが化粧室を出ると、リチャードが扉の前に張り付いていた。

リチャード
「大丈夫か!?」

 レディの後をつけて化粧室に入ろうとするなんて、どうかしてるとも思ったが、本気で心配している様子のリチャードを見て、『悪い奴ではないのよね』と、デボラは心の中で呟いた。

デボラ
「大丈夫な様に見えますの?」

リチャード
「いや、医者を呼ぼう」

デボラ
「いらないわ。原因は分かっていますの。病気じゃありませんのよ」

リチャード
「なんだ、飲み過ぎか? 相変わらずだな」

デボラ
「何ですって!? いつも飲み過ぎてるのはアナタ様の方でございましょう!?」

リチャード
「俺は付き合いで仕方なく飲んでいるのだ! お前と一緒にするな!」

デボラ
「あら? そうでしたの? てっきり、ホワイト子爵夫人(アンジェリカ)にフラれて、ヤケ酒していらっしゃるのかと思いましたわ?」

リチャード
「ホワイト子爵(ブレイデン)にフラれて、ヤケ酒していたのはお前だろ! あの晩だって...」

 リチャードは赤くなっていた顔を更に赤くして押し黙った。

デボラ
「あの晩だって? 何かあの晩にありまして? その...」

 ワタクシ達の間に、体の関係とか...

リチャード
「何にもない!」

 リチャードは大きな声で叫んだ。

デボラ
「何にもないのでしたら、その反応はおかしいですわ」

 やっぱり、子供の父親はリチャードなのね!?

リチャード
「何もないって言ったら、何にもないんだ! 俺は何にも覚えていない!」

 リチャードの声は執務室に響き渡った。

 ガチャ

 その時、執務室の扉が開き、宰相子息のミカエル・ブルーが入って来た。

 ミカエルは綺麗な顔と柔らかい物言いで、女性達から人気がある人物だ。だけど、ファザコンで女ったらしだから、ワタクシはあんまり好きじゃない。

ミカエル
「本当に? 本当に何にも覚えていらっしゃらないのですか!?」

リチャード
「だ、だから、そう言っているだろ!」

 ミカエルはワタクシなど眼中にない様子でリチャードに駆け寄り、その肩に手をかける。

 ワタクシだって、アンタに興味はないけど、ワタクシは公爵令嬢でアンタは侯爵子息でしょ! 礼儀は何処へ行ったのよ!?

ミカエル
「2人で慰めあった事も、忘れてしまわれたのですか?」

 はい!?

 デボラは目が点になり、彫像のように固まった。

リチャード
「そうだ! しつこいぞ! 離せ!」

 ミカエルはリチャード王子の側近だが、いくら何でも2人の距離が近過ぎる。

 いえ、そういう問題ではないわよね...何というか...

ミカエル
「そんな!」

リチャード
「離せって言ってるだろ!」

ミカエル
「離しません!」

 ミカエルがリチャードを抱きしめたところで、デボラは無言で執務室を後にした。


 何だか見てはいけないものを見てしまった気がしますわ。

 2人はアンジェリカが好きだったから、あの晩は失恋してお酒を飲んでいたはず...まさか、あの2人があんな関係になっているなんて...お酒って怖い!

 でも、これで、あの2人とは関係がない事が分かった。

 まさか、騎士長子息のジョージが相手だったなんて!
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