【完結】乙女ゲームに転生した転性者(♂→♀)は純潔を守るためバッドエンドを目指す

狸田 真 (たぬきだ まこと)

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第二章 ワタクシが妊娠!? ...子供の父親は誰なのです!?

9.不倫だったらどうしよう!?

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ブレイデン
「あの晩の事を聞いてくださるのですか!?」

デボラ
「えぇ、お聞きしたいわ。何があったのかを」

 あの晩の相手が、好きな男であって欲しいという気持ちと、ドロドロの三角関数になりたくないという気持ちがせめぎ合う。

 妊娠した事を告げてブレイデン様がワタクシを選んで下さったらアンジェリカはどうなるのかしら? ブレイデン様をホワイト領の騎士に任命したホワイト伯爵は? ブレイデン様に子爵の位を授与なさった国王陛下のお立場は?

 それよりも、もし、ブレイデン様がワタクシを選ばず、アンジェリカを選んだら...ワタクシを未婚の母にしたことがワタクシの父であるシルバー公爵に知られたら...公爵家とギルドアカデミーの衝突は避けられない! 国を二分する内戦が始まってしまう!?

 そうなったら、ワタクシはどうすれば良いの?

 デボラは、緊張で手に汗を握った。

ブレイデン
「アンジェリカがそれはそれはもう可愛くって! 肌はモチモチだし、髪は艶々だし、目なんか、こうウルウルして、小動物のようにプルプル震えて...」

 何となく感じていたけど、ブレイデン様は本当にアンジェリカの事がお好きなんだわ。こんなに、アンジェリカの事がお好きなのに、お酒の過ちでワタクシと関係を持ったりするかしら?

ブレイデン
「あんなに好きだったゲームのスチル(画像)が、最近はゴミのようだなって思えるんです! 本物は可愛いさが違う! アンジェリカは本当に天使なのです。アンジェリカは全財産を手放す事になっても、私が幸せになるならそれでいいとまで言ってくれたんです...」

 ちょっと待って! ブレイデン様ってこういうキャラだったの!? あ、転生者だからキャラは関係ないのでしたわ。中身は黒田先生でしたわね。

 30分経過。

ブレイデン
「私がキスをすると真っ赤になって、目を瞑って...子猫が鳴くみたいに、アンジェリカが可愛い声でにゃ~って言うんです! もう可愛くて可愛くて...」

 こ、こんなにラブラブな夜を過ごしていらっしゃったのなら、ワタクシとどうのこうのという時間は無さそうね。不倫ではなくてホッとしたような、悲しいような...複雑な気持ちだわ。

 というか、この話って夫婦の営みの話でしょう? ワタクシが聞いてしまっていいのかしら?

 1時間経過。

ブレイデン
「翌日、家族だけの特別な挨拶をすると言って、アンジェリカから私にキスをしてくれたんですけど、恥ずかしかったみたいで...」

 ワタクシは何を聞かされているのかしら?

 3時間経過

ブレイデン
「夜にはしゃぎ過ぎてしまったから、ハネムーンでは始終、お姫様抱っこで移動して、朝から晩までゼロ距離で過ごしたんです。ご飯も私がアーンして食べさせて...」

デボラ
「も、もう、結構ですわ! 十分に分かりました!」

ブレイデン
「そうですか? もう少しお話しさせて頂きたかったので残念です。今日はお話し出来てとても楽しかったです! また、お会いしましょう!」

デボラ
「え、えぇ...そうですわね」


 ブレイデンを見送って、デボラはガックリと自室のソファーに寝そべった。

 何だか、色んな意味で精神が削られてしまったわ。結局、最初からブレイデン様はアンジェリカの事が好きで、ワタクシの努力は全くの無駄だったのね!

 重苦しい溜息を、気怠く吐き散らす。

 ずっと品行方正に生きてきたのに、失恋のヤケ酒の所為で、未婚のまま子供なんか出来ちゃって...本当に馬鹿みたい。

 こんなワタクシの事を愛してくれる方なんて、本当にいるのかしら?

 そっと、謎の手紙を胸に抱いた。

_____________
作者:狸田真より

 赤裸々にブレイデン君が語るのは、前世で赤裸々オタクトークなメールを交換していたからです。
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