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第三章 結婚してから乙女ゲームのヒロインである妻が愛してると言ってくれない
9.出来る男をアピールしてみる
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デボラは詩集のページを次々とめくり、マジマジと眺めた。ジャケットのポッケに入る様な小さな本で、表紙にも、どのページにも、フルカラーのイラストがついている。
色鮮やかな花々、朝露の滴る草、豊かな雲が流れる青空、月がかかる星空、その間を飛ぶ銀色の蜜蜂。
詩に造詣の無い人でも挿絵だけで楽しめる本だ。貴婦人がファッションで持ち歩くのにも最適である。
こんな可愛い本を広げて、お茶をしていれば、紳士から声を掛けられる確率はグンと上がるだろう。
しかも、内容について男女で話し合えば、恋の駆け引きが出来てしまいそう。
挿絵を描いているのは?
詩集をひっくり返して名前を探す。
詩:ピーター・グリーン、絵:ブレイデン・B・ホワイトと書かれていた。
デボラ
「ブレイデン様が挿絵を!?」
ブレイデン
「はい。描かせて頂きました」
アンジェリカ
「ほわっ! そうなの!?」
ブレイデン
「昔(前世)は絵(マンガ)を描いて食べておりましたので」
アンジェリカ
「ふぅ~ん、そうなんだ。知らなかった」
デボラ
「ど、どうしてブレイデン様が挿絵を!?」
ブレイデン
「この詩集はギルドアカデミーで製作・販売している商品なんです」
ピーター
「シルバー公爵閣下にお金持ちになりなさいと、ご指示頂きまして、途方に暮れたワタクシメは、同じく平民出身のホワイト子爵にご相談申し上げたのです」
デボラ
「売れているの?」
ピーター
「売れております」
アンジェリカ
「売れているのでっす!」
ブレイデン
「大人気商品ですよ!」
周囲にいた人々は詩集に興味津々だった。もちろん、シャーリーンも。
ブレイデン様が挿絵を描いた詩集!? しかも、デボラ・シルバー公爵令嬢の婚約者が書いた詩集...き、気になる!
グリーン卿はブレイデン様と同じ平民上がりだと言っていたわ...それなのに、あの公爵閣下が結婚をお許しになった相手...ブレイデン様と組んで仕事が出来る人物...
もしかして、めちゃくちゃ優秀なの!? 天才...とか?
悔しい! 悔しい! 悔し~い!
あ、あの詩集...気になるけど、悔しいから、絶対に買ってやったりしないわ!
「あの、ちょっと拝見しても?」
「何て素敵な本!? これは何処で買えるのですか?」
ブレイデン
「有難うございます! 今日は持参しておりますので、すぐにでも購入は可能です。また、全国の商人ギルドでもお取り扱いがございますよ」
「買います!」
「ワタクシにも一つ売って頂けないかしら?」
「私には3冊! 娘達へのお土産に」
「私にも!」
詩集は次々に売れて行き、売れるたびにシャーリーンはヤキモキした。
そして、あっという間に完売した。
か、完売!? べ、別に! 欲しくなんてなかったんだから! ちょっと気になっただけよ! ちょっと...
ブレイデン
「ピンク伯爵夫人、お話したい事があるのですが、宜しいでしょうか?」
シャーリーン
「え!? も、もちろんですわ」
な、何かしら? も、もしかして...ワタクシを先程睨んでいたのはワタクシの事が好きだったからなの!?
シャーリーンの妄想は広がった。
妄想の中のブレイデン
『私が本当に愛しているのは、シャーリーンです。アンジェリカとは別れます! だから、貴女様も伯爵と別れて、私と結婚して下さい! 何処か遠い所で2人きりで暮らしましょう!』
シャーリーン
「何処へでもついて行きますわ」
ブレイデン
「では、あちらで」
色鮮やかな花々、朝露の滴る草、豊かな雲が流れる青空、月がかかる星空、その間を飛ぶ銀色の蜜蜂。
詩に造詣の無い人でも挿絵だけで楽しめる本だ。貴婦人がファッションで持ち歩くのにも最適である。
こんな可愛い本を広げて、お茶をしていれば、紳士から声を掛けられる確率はグンと上がるだろう。
しかも、内容について男女で話し合えば、恋の駆け引きが出来てしまいそう。
挿絵を描いているのは?
詩集をひっくり返して名前を探す。
詩:ピーター・グリーン、絵:ブレイデン・B・ホワイトと書かれていた。
デボラ
「ブレイデン様が挿絵を!?」
ブレイデン
「はい。描かせて頂きました」
アンジェリカ
「ほわっ! そうなの!?」
ブレイデン
「昔(前世)は絵(マンガ)を描いて食べておりましたので」
アンジェリカ
「ふぅ~ん、そうなんだ。知らなかった」
デボラ
「ど、どうしてブレイデン様が挿絵を!?」
ブレイデン
「この詩集はギルドアカデミーで製作・販売している商品なんです」
ピーター
「シルバー公爵閣下にお金持ちになりなさいと、ご指示頂きまして、途方に暮れたワタクシメは、同じく平民出身のホワイト子爵にご相談申し上げたのです」
デボラ
「売れているの?」
ピーター
「売れております」
アンジェリカ
「売れているのでっす!」
ブレイデン
「大人気商品ですよ!」
周囲にいた人々は詩集に興味津々だった。もちろん、シャーリーンも。
ブレイデン様が挿絵を描いた詩集!? しかも、デボラ・シルバー公爵令嬢の婚約者が書いた詩集...き、気になる!
グリーン卿はブレイデン様と同じ平民上がりだと言っていたわ...それなのに、あの公爵閣下が結婚をお許しになった相手...ブレイデン様と組んで仕事が出来る人物...
もしかして、めちゃくちゃ優秀なの!? 天才...とか?
悔しい! 悔しい! 悔し~い!
あ、あの詩集...気になるけど、悔しいから、絶対に買ってやったりしないわ!
「あの、ちょっと拝見しても?」
「何て素敵な本!? これは何処で買えるのですか?」
ブレイデン
「有難うございます! 今日は持参しておりますので、すぐにでも購入は可能です。また、全国の商人ギルドでもお取り扱いがございますよ」
「買います!」
「ワタクシにも一つ売って頂けないかしら?」
「私には3冊! 娘達へのお土産に」
「私にも!」
詩集は次々に売れて行き、売れるたびにシャーリーンはヤキモキした。
そして、あっという間に完売した。
か、完売!? べ、別に! 欲しくなんてなかったんだから! ちょっと気になっただけよ! ちょっと...
ブレイデン
「ピンク伯爵夫人、お話したい事があるのですが、宜しいでしょうか?」
シャーリーン
「え!? も、もちろんですわ」
な、何かしら? も、もしかして...ワタクシを先程睨んでいたのはワタクシの事が好きだったからなの!?
シャーリーンの妄想は広がった。
妄想の中のブレイデン
『私が本当に愛しているのは、シャーリーンです。アンジェリカとは別れます! だから、貴女様も伯爵と別れて、私と結婚して下さい! 何処か遠い所で2人きりで暮らしましょう!』
シャーリーン
「何処へでもついて行きますわ」
ブレイデン
「では、あちらで」
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