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第三章 結婚してから乙女ゲームのヒロインである妻が愛してると言ってくれない
14.正直に言ってみる
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ブレイデンとアンジェリカは、馬車で2人きりになった。
ブレイデン
「いつから、妊娠に気が付いていらっしゃったのですか?」
アンジェリカ
「うぅ~ん、2、3ヶ月位前かな?」
アンジェリカは窓の外を見ながら話す。
ブレイデン
「そんなに前から!?」
アンジェリカ
「俺ってば、健康優良児だし、周期がきっちり決まってるから、周期が来なくなってすぐに気が付いたんだ」
ブレイデン
「どうして、おっしゃって下さらなかったのですか!?」
アンジェリカ
「言おうと思ってたけど...何かタイミングが良く分からなくてさ。デボラ様の妊娠騒ぎもあったし、ブレイデン君も忙しそうだったし、最近は特に、様子が変だったから...」
ブレイデン
「す、すみません」
馬車が揺れて、蹄の音と車輪が回る音が聞こえて来る。
アンジェリカ
「もしかして、ブレイデン君も何か言いたい事があったりする?」
ブレイデン
「あ、その...はい...」
少しばかり沈黙の時間が流れた。
沈黙に、アンジェリカが振り返る。
目と目が合う。
ブレイデン
「結婚してから『愛してる』と言って下さらないなと...」
アンジェリカの瞳が大きく見開く。
アンジェリカ
「そ、それは、あれだ! 本当に愛していたら軽々しく愛してるとかは言えないものなんだ!」
ブレイデン
「お義父上やお義母上、召使いの皆様にはよく言っていらっしゃいますが?」
アンジェリカ
「その人達には言えるのです」
ブレイデン
「何故、私にだけ言って下さらないのですか?」
アンジェリカはほっぺを膨らませて「む~ぅ」と唸った。
それでブレイデンに少しばかりのイタズラ心が芽生える。両手でアンジェリカの二の腕を掴み、顔を息のかかる距離まで近付けた。
ブレイデン
「何故?」
ブレイデンが甘い声で囁くとアンジェリカは視線を逸らした。
アンジェリカ
「照れてるんだから察しろよ」
ブレイデン
「今日も愛してると言って下さらないのですか?」
アンジェリカ
「むぅ」
ブレイデンはガッカリして、アンジェリカのデコルテ(胸元)に顔を埋めた。
アンジェリカ
「おぉ~い、ブレイデン君?」
頭を指でツンツン押して来るアンジェリカが憎たらしい。
悔しいので、アンジェリカの白い首筋に歯を立てて、ガジガジ甘噛みしてやる。
アンジェリカはビクッっと反応した後、指じゃなくてゲンコツで頭をぼかぼか殴って来た。
アンジェリカ
「馬鹿じゃないのか!? ここは馬車の中だけど、まだ外! まだ昼!」
アンジェリカのゲンコツはちっとも痛くはなかったが、ブレイデンはアンジェリカの手首を捕まえて殴られるのを防ぐ。
ブレイデン
「郊外の田舎道ですから大丈夫です」
アンジェリカ
「何が大丈夫!? 大丈夫じゃない!」
ブレイデン
「大丈夫じゃないのは私の方です。愛してるとも言ってもらえないし、夫婦のスキンシップも拒絶されて、心が砕けそうです! いっぱいアンジェリカのために頑張っているのに!」
アンジェリカ
「あぁ~、ブレイデン君はいつだって俺のピンチを助けてくれる勇者様で...だから、その...うぅ~...俺の(ごにょごにょ)ブレイデン君だけだよ」
アンジェリカは真っ赤になっている。
ブレイデン
「何が、私だけなのですか?」
アンジェリカ
「...グリーン卿みたいに上手くは言えないんだけどぉ~...」
ブレイデン
「何でここで他の男の名前が出て来るのですか!?」
アンジェリカ
「だ、だからぁ~...俺の蜂蜜を食べられるのはブレイデン君だけだよって...」
ブレイデン
「ア、アンジェリカ!」
ブレイデンが野生の熊のように覆い被さろうとするので、アンジェリカは叫んだ。
アンジェリカ
「ブレイデン君! ハウス!(犬に犬小屋へ入るように促す命令) 俺は妊婦! めっちゃお疲れなの!」
ブレイデン
「そ、そんな...で、では、せめて、壁でなく、私に寄りかかって下さい」
アンジェリカ
「仕方ないなぁ~! 仕方ないからゴロニャーンしてやるぜ」
アンジェリカはグニャンとブレイデンに枝垂れかかって、ブレイデンの肩に自身の頭や顎をグリグリ擦り付けた。
ブレイデン
「アンジェリカ!? 止まって! 止まってくれないと止まれなくなります!」
アンジェリカは止まったが、馬車は止まる事なく帰路を進んだ。
_____________
作者:狸田真より
(2話でどう思っているかとブレイデン君に聞かれたアンジェリカに注目!)
ブレイデン
「いつから、妊娠に気が付いていらっしゃったのですか?」
アンジェリカ
「うぅ~ん、2、3ヶ月位前かな?」
アンジェリカは窓の外を見ながら話す。
ブレイデン
「そんなに前から!?」
アンジェリカ
「俺ってば、健康優良児だし、周期がきっちり決まってるから、周期が来なくなってすぐに気が付いたんだ」
ブレイデン
「どうして、おっしゃって下さらなかったのですか!?」
アンジェリカ
「言おうと思ってたけど...何かタイミングが良く分からなくてさ。デボラ様の妊娠騒ぎもあったし、ブレイデン君も忙しそうだったし、最近は特に、様子が変だったから...」
ブレイデン
「す、すみません」
馬車が揺れて、蹄の音と車輪が回る音が聞こえて来る。
アンジェリカ
「もしかして、ブレイデン君も何か言いたい事があったりする?」
ブレイデン
「あ、その...はい...」
少しばかり沈黙の時間が流れた。
沈黙に、アンジェリカが振り返る。
目と目が合う。
ブレイデン
「結婚してから『愛してる』と言って下さらないなと...」
アンジェリカの瞳が大きく見開く。
アンジェリカ
「そ、それは、あれだ! 本当に愛していたら軽々しく愛してるとかは言えないものなんだ!」
ブレイデン
「お義父上やお義母上、召使いの皆様にはよく言っていらっしゃいますが?」
アンジェリカ
「その人達には言えるのです」
ブレイデン
「何故、私にだけ言って下さらないのですか?」
アンジェリカはほっぺを膨らませて「む~ぅ」と唸った。
それでブレイデンに少しばかりのイタズラ心が芽生える。両手でアンジェリカの二の腕を掴み、顔を息のかかる距離まで近付けた。
ブレイデン
「何故?」
ブレイデンが甘い声で囁くとアンジェリカは視線を逸らした。
アンジェリカ
「照れてるんだから察しろよ」
ブレイデン
「今日も愛してると言って下さらないのですか?」
アンジェリカ
「むぅ」
ブレイデンはガッカリして、アンジェリカのデコルテ(胸元)に顔を埋めた。
アンジェリカ
「おぉ~い、ブレイデン君?」
頭を指でツンツン押して来るアンジェリカが憎たらしい。
悔しいので、アンジェリカの白い首筋に歯を立てて、ガジガジ甘噛みしてやる。
アンジェリカはビクッっと反応した後、指じゃなくてゲンコツで頭をぼかぼか殴って来た。
アンジェリカ
「馬鹿じゃないのか!? ここは馬車の中だけど、まだ外! まだ昼!」
アンジェリカのゲンコツはちっとも痛くはなかったが、ブレイデンはアンジェリカの手首を捕まえて殴られるのを防ぐ。
ブレイデン
「郊外の田舎道ですから大丈夫です」
アンジェリカ
「何が大丈夫!? 大丈夫じゃない!」
ブレイデン
「大丈夫じゃないのは私の方です。愛してるとも言ってもらえないし、夫婦のスキンシップも拒絶されて、心が砕けそうです! いっぱいアンジェリカのために頑張っているのに!」
アンジェリカ
「あぁ~、ブレイデン君はいつだって俺のピンチを助けてくれる勇者様で...だから、その...うぅ~...俺の(ごにょごにょ)ブレイデン君だけだよ」
アンジェリカは真っ赤になっている。
ブレイデン
「何が、私だけなのですか?」
アンジェリカ
「...グリーン卿みたいに上手くは言えないんだけどぉ~...」
ブレイデン
「何でここで他の男の名前が出て来るのですか!?」
アンジェリカ
「だ、だからぁ~...俺の蜂蜜を食べられるのはブレイデン君だけだよって...」
ブレイデン
「ア、アンジェリカ!」
ブレイデンが野生の熊のように覆い被さろうとするので、アンジェリカは叫んだ。
アンジェリカ
「ブレイデン君! ハウス!(犬に犬小屋へ入るように促す命令) 俺は妊婦! めっちゃお疲れなの!」
ブレイデン
「そ、そんな...で、では、せめて、壁でなく、私に寄りかかって下さい」
アンジェリカ
「仕方ないなぁ~! 仕方ないからゴロニャーンしてやるぜ」
アンジェリカはグニャンとブレイデンに枝垂れかかって、ブレイデンの肩に自身の頭や顎をグリグリ擦り付けた。
ブレイデン
「アンジェリカ!? 止まって! 止まってくれないと止まれなくなります!」
アンジェリカは止まったが、馬車は止まる事なく帰路を進んだ。
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作者:狸田真より
(2話でどう思っているかとブレイデン君に聞かれたアンジェリカに注目!)
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