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二章 穢れの少女
任務開始
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———時は戻り、レオン達がいるのはエルフ大国一の高さを誇る時計塔
世界樹の二番目に高いと言われている建築物であり、何百年も前に建てられた歴史ある時計塔。その屋上にはいるはずの無い二つの黒い影が存在していた
黒い衣装が月明かりに照らされ、マスク下の顔が町を見下している。
———カチッカチッカチッ
———コーンコーン
深夜12時を告げる鐘が大国中に響き渡る。数百mある高さでは地上から決して時計塔の屋上は見えない。そんな屋上で二つの人影が今まさに、飛び降りようとしていた。
「———時間だ——任務開始《ラ・ミシィオネ・シ・パルテ》——」
「———了解《ヴァベーネ》」
二人は躊躇なく屋上から飛び降りたが、その影を見た者はいなかった
◊◊◊
ここはコロッセオ地下闘技場の入り口。この入り口では会員証を提示し、中に入ることができる。周りを見渡せば皆、裕福な服を着ている者ばかりが目立つ。
どこかの貴族、あるいは裏組織のトップなど様々いる。
そろそろオークションが始まろうとする頃、俺たちは一番後ろの席に座った
一番後ろは眺めが良く、あたり一帯を見渡せるからな
「‥‥200!」 「300!」 「350!」
少ししてオークションが始まった。観客は番号が書かれた看板を持ち、金額を言い放つ。金額は当然万単位である。オークション主催者兼司会者が自らマイクをとり、仕切っているのが窺える。
「結構な人数がいる者だ。観た所あいつは肉体労働専用の奴隷にされるだろう」
俺は奴隷を見ながら隣のファシーノに話しかけていた
すると近くに腰掛けていた酒乱の髭長ジジイが近寄ってくる。そして俺の会員証を見てはさらに近寄ってきた。
「———おいおいプラート達じゃねーかあ?ウィ!なんかちょっと縮んだかあ?ああいつものことかあウィ!今夜もあの汚れを見ながら一緒に引っ掛けよーじゃねーか。今夜が最後の酒かも知んねーぞう?」
なんだこのジジイは?プラートの知り合いだそうだが、いき、臭ッ!!
一体どんだけひっかけてきてんだよ!
オークションどころじゃねーだろこのジジイ
酒乱のジジイが話しかけて来たが何やら奇妙なことを言っていたので話を合わせることにしよう
「今夜が最後とはどういう意味だ?」
「そりゃーなあ———」
ジジイは片手に瓶を持ちながらフラフラと足元が覚束ない。ジジイが何かを言いかけた時に会場中に木を叩く音が響き渡った
———カンッカンッ!
オークション会場中に響き渡る、木を力強く叩く音。どうやら司会者兼主催者の男が鳴らしたらしい。皆が音の方に注目する
「———さあさあ!皆さん!今宵も楽しんでくれている事と存じますが、そろそろオークションも終盤に迫ってまいりました!最後の大トリは無論このエルフ!」
司会者が盛大に告げた後、奥の方からタイヤ付きの檻が壇上に運び込まれた。
世界樹の二番目に高いと言われている建築物であり、何百年も前に建てられた歴史ある時計塔。その屋上にはいるはずの無い二つの黒い影が存在していた
黒い衣装が月明かりに照らされ、マスク下の顔が町を見下している。
———カチッカチッカチッ
———コーンコーン
深夜12時を告げる鐘が大国中に響き渡る。数百mある高さでは地上から決して時計塔の屋上は見えない。そんな屋上で二つの人影が今まさに、飛び降りようとしていた。
「———時間だ——任務開始《ラ・ミシィオネ・シ・パルテ》——」
「———了解《ヴァベーネ》」
二人は躊躇なく屋上から飛び降りたが、その影を見た者はいなかった
◊◊◊
ここはコロッセオ地下闘技場の入り口。この入り口では会員証を提示し、中に入ることができる。周りを見渡せば皆、裕福な服を着ている者ばかりが目立つ。
どこかの貴族、あるいは裏組織のトップなど様々いる。
そろそろオークションが始まろうとする頃、俺たちは一番後ろの席に座った
一番後ろは眺めが良く、あたり一帯を見渡せるからな
「‥‥200!」 「300!」 「350!」
少ししてオークションが始まった。観客は番号が書かれた看板を持ち、金額を言い放つ。金額は当然万単位である。オークション主催者兼司会者が自らマイクをとり、仕切っているのが窺える。
「結構な人数がいる者だ。観た所あいつは肉体労働専用の奴隷にされるだろう」
俺は奴隷を見ながら隣のファシーノに話しかけていた
すると近くに腰掛けていた酒乱の髭長ジジイが近寄ってくる。そして俺の会員証を見てはさらに近寄ってきた。
「———おいおいプラート達じゃねーかあ?ウィ!なんかちょっと縮んだかあ?ああいつものことかあウィ!今夜もあの汚れを見ながら一緒に引っ掛けよーじゃねーか。今夜が最後の酒かも知んねーぞう?」
なんだこのジジイは?プラートの知り合いだそうだが、いき、臭ッ!!
一体どんだけひっかけてきてんだよ!
オークションどころじゃねーだろこのジジイ
酒乱のジジイが話しかけて来たが何やら奇妙なことを言っていたので話を合わせることにしよう
「今夜が最後とはどういう意味だ?」
「そりゃーなあ———」
ジジイは片手に瓶を持ちながらフラフラと足元が覚束ない。ジジイが何かを言いかけた時に会場中に木を叩く音が響き渡った
———カンッカンッ!
オークション会場中に響き渡る、木を力強く叩く音。どうやら司会者兼主催者の男が鳴らしたらしい。皆が音の方に注目する
「———さあさあ!皆さん!今宵も楽しんでくれている事と存じますが、そろそろオークションも終盤に迫ってまいりました!最後の大トリは無論このエルフ!」
司会者が盛大に告げた後、奥の方からタイヤ付きの檻が壇上に運び込まれた。
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