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二章 穢れの少女
奪還
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———刹那、瞬きすら許さない『何かが』俺の身体を通りすぎた
「———ッ!」
————グハァ‥‥‥‥!
一瞬の瞬きの後、俺の体が十字に斬られていた
そのまま後ろに勢いよく倒れそうになるがギリギリ立ち止まり走馬灯が脳裏に浮かぶ
「カハァッ!な、何が?起こった‥‥?」
その正体不明の何かが俺の体を貫通していったのを感じた
まさか‥‥
俺は背後の壁に振り返る
横目で観るとそこには十字跡がどこまでも奥深くに続いていた。
ここはコルッセオ地下闘技場だ。四方八方は頑丈な壁に覆われている。そんな壁が粘土のように十字跡を模っていた
(なんて威力だ‥‥)
「おお?あんちゃんよく耐えたな。流石に死んだと思ったんだけどな」
俺は無理やり腹こら声を絞り出す
「案外頑丈なもんでね。ハァ‥‥‥ハァ‥‥‥でも流石に死んだと思ったよ」
(‥‥もうそろそろか?)
「ガッハッハ!!まさかこの技を受けて立ってられたのはあんちゃんで“二人目だ」
ファルコは感心したかのように俺を観る
「それはありがとさんそろそ————」
『———ネロ様!』
ファシーノが勢いよく俺とファルコの戦いに参入してきた。
その傍らには例のエルフもいる。
「ネロ様!標的を確保しました」
「良くやった‥‥‥」
このために時間を稼いでいた。危なく死んじまうとこだったが‥‥‥
ファシーノは良くやってくれた
「すまないな、隊長さん目的を達成したんで俺たちはお暇するよ」
それを聞きつけた隊長と何故か傷だらけの隊員は俺たちの周りを固めだした。
「悪いなあんちゃん、せっかく俺の魔法を受けて立ってられる奴に出会えたというのに、あんたを捕まえなきゃなんねーんだ。ついでにその仲間とエルフも一緒に同じ道へ送ってやるよ」
やはり見逃してはもらえないだろうな。
しかし俺には別の魔法があるからどうとなる。
「いいや、隊長さん。その必要はない、なぜなら俺たちは逃れる手があるからだ」
◊◊◊
————この囲まれた状況で何をほざくかと思えばネロは逃げられると言う。
なんと愚かな男だ
「———おいおいあんちゃん、それは拍子抜けだぜ。この状況で逃げれるだと?我ら特魔部隊を舐めないでほしい‥‥」
さすがの俺も拍子抜けした。
この俺ファルコ、今まで誰一人として対峙した者は全員捕まえてきた。
大概はあの魔法を使うまでもなく瞬殺で片付いてきたが、目の前のあんちゃんは違う。
俺のあの魔法を喰らってなお立っている、それどころか徐々に傷が塞がって行ってねーか?おかしい、このあんちゃんは何者だ?
この目の前の男が何者なのか、またどういう意図でこのエルフを欲しがっているのか思考を巡らせていた
もし‥‥‥この状況で仮に逃げられるとしたら”あの魔法のみ
上層部でしかその情報は解禁されていないある一つの魔法‥‥‥
いやしかし、このあんちゃんが使えるかって?
ありえねーだろ‥‥‥‥‥だがこいつはまだ何かを隠している
あの自信のある顔を観ると不安が過ぎる
考えれば考えるほど不安は消える事がなく逆に確信へと変っていった
————まさかッ!!
「あ、あんちゃん!!お前!まさか———」
「———そのまさかだ」
————突如俺の足下に魔法陣が浮かび上がる
「「な、なんだこの魔法陣は?!」」
「「自爆でもするつもりか?!」」
隊長以外の隊員が騒いでいるが構っている気はない
「じゃあな隊長。あの魔法のおかげで俺はもっと成長できると確信したよ。
——ファシーノ飛ぶぞ」
「———はい」
瞬間、魔法陣は輝きだし一瞬の閃光が周りを包み込むと、目の前からネロ達の姿が消えていた
「「「‥‥は?」」」
特魔部隊の隊員たちは目の前の人物が消えたことに驚きを隠せないでいた。
「‥‥おいおい、ありえねーだろ。あの魔法は“転移魔法‥‥‥」
(まさかあのあんちゃんが転移を使えるなんて‥‥本当に何者だ‥‥)
「た、隊長!!あの魔法は一体?!」
「———あれはな、俺らSSランク以上の上層部にしか情報が解禁されてねーが‥‥お前たちは見ちまったからな教えてやる。あれは転移魔法。かつて5000年前にしようされていた大戦時代の魔法だ」
俺は隊員達の前で包み隠さず話した
「転移とはあ、あの転移ですか?」
「ああ、あの転移だ」
隊員達はありえないといった表情で俺を凝視している。
「嘘じゃねーぞ。あれは本物だ。ハァ‥‥なるほどな、俺の魔法を喰らってピンピンしてたのも頷ける」
「追いますか?」
隊員がどうするか聞いてくるがそんな物『やめておけ』と言うしかない。
罰が悪そうに頭をかき、酒を飲む。
人生で初めて獲物を逃した喪失感と屈辱が混合した
「とんだ化け物がこの世界には存在した者だ‥‥面倒くせーが上に報告しねーとな‥‥」
俺はそのまま酒を浴びるように飲み、コルッセオ地下闘技場を後にした。
「———ッ!」
————グハァ‥‥‥‥!
一瞬の瞬きの後、俺の体が十字に斬られていた
そのまま後ろに勢いよく倒れそうになるがギリギリ立ち止まり走馬灯が脳裏に浮かぶ
「カハァッ!な、何が?起こった‥‥?」
その正体不明の何かが俺の体を貫通していったのを感じた
まさか‥‥
俺は背後の壁に振り返る
横目で観るとそこには十字跡がどこまでも奥深くに続いていた。
ここはコルッセオ地下闘技場だ。四方八方は頑丈な壁に覆われている。そんな壁が粘土のように十字跡を模っていた
(なんて威力だ‥‥)
「おお?あんちゃんよく耐えたな。流石に死んだと思ったんだけどな」
俺は無理やり腹こら声を絞り出す
「案外頑丈なもんでね。ハァ‥‥‥ハァ‥‥‥でも流石に死んだと思ったよ」
(‥‥もうそろそろか?)
「ガッハッハ!!まさかこの技を受けて立ってられたのはあんちゃんで“二人目だ」
ファルコは感心したかのように俺を観る
「それはありがとさんそろそ————」
『———ネロ様!』
ファシーノが勢いよく俺とファルコの戦いに参入してきた。
その傍らには例のエルフもいる。
「ネロ様!標的を確保しました」
「良くやった‥‥‥」
このために時間を稼いでいた。危なく死んじまうとこだったが‥‥‥
ファシーノは良くやってくれた
「すまないな、隊長さん目的を達成したんで俺たちはお暇するよ」
それを聞きつけた隊長と何故か傷だらけの隊員は俺たちの周りを固めだした。
「悪いなあんちゃん、せっかく俺の魔法を受けて立ってられる奴に出会えたというのに、あんたを捕まえなきゃなんねーんだ。ついでにその仲間とエルフも一緒に同じ道へ送ってやるよ」
やはり見逃してはもらえないだろうな。
しかし俺には別の魔法があるからどうとなる。
「いいや、隊長さん。その必要はない、なぜなら俺たちは逃れる手があるからだ」
◊◊◊
————この囲まれた状況で何をほざくかと思えばネロは逃げられると言う。
なんと愚かな男だ
「———おいおいあんちゃん、それは拍子抜けだぜ。この状況で逃げれるだと?我ら特魔部隊を舐めないでほしい‥‥」
さすがの俺も拍子抜けした。
この俺ファルコ、今まで誰一人として対峙した者は全員捕まえてきた。
大概はあの魔法を使うまでもなく瞬殺で片付いてきたが、目の前のあんちゃんは違う。
俺のあの魔法を喰らってなお立っている、それどころか徐々に傷が塞がって行ってねーか?おかしい、このあんちゃんは何者だ?
この目の前の男が何者なのか、またどういう意図でこのエルフを欲しがっているのか思考を巡らせていた
もし‥‥‥この状況で仮に逃げられるとしたら”あの魔法のみ
上層部でしかその情報は解禁されていないある一つの魔法‥‥‥
いやしかし、このあんちゃんが使えるかって?
ありえねーだろ‥‥‥‥‥だがこいつはまだ何かを隠している
あの自信のある顔を観ると不安が過ぎる
考えれば考えるほど不安は消える事がなく逆に確信へと変っていった
————まさかッ!!
「あ、あんちゃん!!お前!まさか———」
「———そのまさかだ」
————突如俺の足下に魔法陣が浮かび上がる
「「な、なんだこの魔法陣は?!」」
「「自爆でもするつもりか?!」」
隊長以外の隊員が騒いでいるが構っている気はない
「じゃあな隊長。あの魔法のおかげで俺はもっと成長できると確信したよ。
——ファシーノ飛ぶぞ」
「———はい」
瞬間、魔法陣は輝きだし一瞬の閃光が周りを包み込むと、目の前からネロ達の姿が消えていた
「「「‥‥は?」」」
特魔部隊の隊員たちは目の前の人物が消えたことに驚きを隠せないでいた。
「‥‥おいおい、ありえねーだろ。あの魔法は“転移魔法‥‥‥」
(まさかあのあんちゃんが転移を使えるなんて‥‥本当に何者だ‥‥)
「た、隊長!!あの魔法は一体?!」
「———あれはな、俺らSSランク以上の上層部にしか情報が解禁されてねーが‥‥お前たちは見ちまったからな教えてやる。あれは転移魔法。かつて5000年前にしようされていた大戦時代の魔法だ」
俺は隊員達の前で包み隠さず話した
「転移とはあ、あの転移ですか?」
「ああ、あの転移だ」
隊員達はありえないといった表情で俺を凝視している。
「嘘じゃねーぞ。あれは本物だ。ハァ‥‥なるほどな、俺の魔法を喰らってピンピンしてたのも頷ける」
「追いますか?」
隊員がどうするか聞いてくるがそんな物『やめておけ』と言うしかない。
罰が悪そうに頭をかき、酒を飲む。
人生で初めて獲物を逃した喪失感と屈辱が混合した
「とんだ化け物がこの世界には存在した者だ‥‥面倒くせーが上に報告しねーとな‥‥」
俺はそのまま酒を浴びるように飲み、コルッセオ地下闘技場を後にした。
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