24 / 141
三章 月光の花魁
精霊の混乱
しおりを挟む
———時同じくして、レオン達が精霊女帝ヴァルネラを召喚した直後のエルフ大国では、精霊と契約しているエルフ達の混乱が起きていた。
エルフ軍本部最上階会議室
現在、週一の会議兼報告を上層部、ディアナ、カレン、リーラ、ファルコの四人で報告をしていた
「———それで今回の軍内での模擬戦では———‥‥ッ!」
カレンが近況報告をしていると突然、契約精霊が姿を現した。
「サ、サラちゃん!どうしましたの?!」
サラちゃんこと火の精霊王サラマンダー。喋る蜥蜴である
サラちゃんは動揺などしないクールな蜥蜴だが主人の前で初めて動揺を示した
「馬鹿な‥‥ありえヌ。まさかこんな事が起きようとハ」
サラちゃんが飛び出してきたことで他の精霊王一行が次々に姿を現した
「まさかこの様な事態になるとは」
「まあまあ!大変ですわ!」
「ちょっとどう言うことよ!もう!」
それぞれ上から順に 土の精霊王ノーム、水の精霊王ウンディーネ、風の精霊王シルフ達が騒ぎ立てる。
「おいノーム!何があった?!」
ノームの契約者リーラ・ライラックがノームに激しく詰め寄る
「まさかそんな、この圧は‥‥」
ノームは口籠ってしいそのまま口を閉ざしてしまう
その光景を見兼ねたファルコがシルフに話しかける
「シルフの嬢ちゃんどうしたんだ、そんなに慌てて」
「どうしたんじゃないわよ!もう!なんであのお方が‥‥」
シルフも最後には口籠ってしまい、頼みの綱であるウンディーネにディアナが問いかける
「ウンディーネ。急に現れて何が起こっている? シルフが言う『あのお方』とは一体」
ディアナの鋭い眼差しを受けウンディーネは意を結したのか精霊王代表で説明をする
「まず、急に現れてしまった事をお詫びします。なぜ我々精霊王が急に現れてしまったのか。それは『女帝』がこちらの世界に召喚されたからです‥‥」
四人の主はウンディーネの衝撃な言葉を聞き、驚愕する
「おいおい、それって『あの』女帝か?」
ファルコがウンディーネに問い掛けると『肯定』と発言する
その後サラちゃんが付け加えて説明をする
「精霊女帝ヴァルネラ様。我々、精霊界を統べるお方であル。そして最後に姿を現したのは5000年前の大戦のミ。それ以降、決してこちら側の世界に召喚されることはなかったというのニ———」
サラちゃんの話を鋭い眼光で聞いていたディアナが話に加わる
「精霊女帝ヴァルネラ様。我らエルフが崇拝するお方、また世界樹を創造されたお方でもある。伝説の存在にして至高なるそのお姿を見た者は現在生きてはいないか‥‥‥」
「そう、その通りであるディアナ嬢よ。我々精霊を召喚し契約できる者はエルフのみ。それは女帝も同じことよ」
「ではエルフの誰かが召喚したと言うのか? ヴァルネラ様を召喚できそうなエルフなど、私は未だかつて出会ったことはないぞ?」
それもそのはずエルフの現トップはディアナなのだから‥‥
精霊王達とディアナ達は頭を抱える事しかできなかった
沈黙の中、何か『ハッ!』と思いついたシルフがとても的確な分析をしだす
「でも召喚されたってことはエルフで間違いないわけじゃない?でもエルフでそんな強大な魔力を持っているのはディアナだけじゃん?てことは女帝をも召喚できる化け物がエルフに魔力を分けたのじゃないかしら?どう?名推理でしょ!」
沈黙を破ったシルフの思わぬ考察に皆が納得した
「確かにその手があるか。だがこれがもしも良からぬ者が召喚したとすると大事だ」
「ああ、そりゃ俺も同意見だ」
「私も同意見です。すぐにでも軍を動かしますか?」
カレンがディアナにどうするか迫るがディアナからの発言は『監視』の二文字
「今我々が動いたとして、どこで召喚されたかわからない女帝をどうやって探す?」
ディアナは腕を組み考え込む。
もしかしたら四大精霊が束になれば精霊女帝ヴァルネラ様に勝てるのではと‥‥
「ウンディーネ。君たち四大精霊が束になって女帝に勝利できるか?」
しかし、ウンディーネから発せられた答えは『否定』であった
「絶対に無理ね。そもそもヴァルネラ様に挑もうなんて愚者のすることよ。指を少し動かしただけで我々は消されてしまうわ」
ウンディーネの発言に他の精霊王達も相槌を打つ
「ああ、全くその通りダ。絶対に敵わなイ」
「愚かとしかいえぬ」
「ばっかじゃないの?!ヴァルネラ様に挑もうなんて馬鹿よ!馬鹿!私たち消されて次の精霊王達に世代交代よ!何千年も生きてきたのにこんなところでヴァルネラ様の怒りを買いたくないわ!」
精霊王達は絶対に戦いたくないと、戦えば消されてしまうと身震いして恐れている。
こんなに怯えている精霊王を見たのは四人とも初めての事であった
エルフのトップ四人が知恵を絞った所で精霊女帝ヴァルネラ様とはどれほどの存在か想像などできはしない
「そこまでの存在であったか‥‥」
「あの世界樹を創造されたお方だ。我々にその力の深淵を図ることはできぬと言うことだろう」
「クソがッ!どうすりゃーいいんだよ!」
「これはゆっくりとしていられませんわね」
全員が何らかの案を探る中、窓の外が急に騒がしくなる
「「うわ!どうした!?」」
「「な!勝手に現れる?!」」
「「おい!精霊達が勝手に現れるぞ?!」」
外で訓練をしていた兵士たちが突如現れる精霊に混乱しだしたのだ
その光景を最上階から見下ろしていたファルコ達は呆れ返っていた
「はあ~。シルフの嬢ちゃんこれからどうするんだ?」
ファルコは人生で一番大きいため息を吐く
「そんなの決まっているじゃない!ヴァルネラ様の居場所を探るわ!」
シルフが断言すると皆同意見であったのか一斉に頷き今後の方針を固めた。
また軍の外、大国の町でも精霊と契約していた者たちは次々と混乱していった
後にエルフの国ではこの事件を『精霊女帝の帰還』と言われ続け、女帝が現れた日は国中で政殿をすることになるのだった
エルフ軍本部最上階会議室
現在、週一の会議兼報告を上層部、ディアナ、カレン、リーラ、ファルコの四人で報告をしていた
「———それで今回の軍内での模擬戦では———‥‥ッ!」
カレンが近況報告をしていると突然、契約精霊が姿を現した。
「サ、サラちゃん!どうしましたの?!」
サラちゃんこと火の精霊王サラマンダー。喋る蜥蜴である
サラちゃんは動揺などしないクールな蜥蜴だが主人の前で初めて動揺を示した
「馬鹿な‥‥ありえヌ。まさかこんな事が起きようとハ」
サラちゃんが飛び出してきたことで他の精霊王一行が次々に姿を現した
「まさかこの様な事態になるとは」
「まあまあ!大変ですわ!」
「ちょっとどう言うことよ!もう!」
それぞれ上から順に 土の精霊王ノーム、水の精霊王ウンディーネ、風の精霊王シルフ達が騒ぎ立てる。
「おいノーム!何があった?!」
ノームの契約者リーラ・ライラックがノームに激しく詰め寄る
「まさかそんな、この圧は‥‥」
ノームは口籠ってしいそのまま口を閉ざしてしまう
その光景を見兼ねたファルコがシルフに話しかける
「シルフの嬢ちゃんどうしたんだ、そんなに慌てて」
「どうしたんじゃないわよ!もう!なんであのお方が‥‥」
シルフも最後には口籠ってしまい、頼みの綱であるウンディーネにディアナが問いかける
「ウンディーネ。急に現れて何が起こっている? シルフが言う『あのお方』とは一体」
ディアナの鋭い眼差しを受けウンディーネは意を結したのか精霊王代表で説明をする
「まず、急に現れてしまった事をお詫びします。なぜ我々精霊王が急に現れてしまったのか。それは『女帝』がこちらの世界に召喚されたからです‥‥」
四人の主はウンディーネの衝撃な言葉を聞き、驚愕する
「おいおい、それって『あの』女帝か?」
ファルコがウンディーネに問い掛けると『肯定』と発言する
その後サラちゃんが付け加えて説明をする
「精霊女帝ヴァルネラ様。我々、精霊界を統べるお方であル。そして最後に姿を現したのは5000年前の大戦のミ。それ以降、決してこちら側の世界に召喚されることはなかったというのニ———」
サラちゃんの話を鋭い眼光で聞いていたディアナが話に加わる
「精霊女帝ヴァルネラ様。我らエルフが崇拝するお方、また世界樹を創造されたお方でもある。伝説の存在にして至高なるそのお姿を見た者は現在生きてはいないか‥‥‥」
「そう、その通りであるディアナ嬢よ。我々精霊を召喚し契約できる者はエルフのみ。それは女帝も同じことよ」
「ではエルフの誰かが召喚したと言うのか? ヴァルネラ様を召喚できそうなエルフなど、私は未だかつて出会ったことはないぞ?」
それもそのはずエルフの現トップはディアナなのだから‥‥
精霊王達とディアナ達は頭を抱える事しかできなかった
沈黙の中、何か『ハッ!』と思いついたシルフがとても的確な分析をしだす
「でも召喚されたってことはエルフで間違いないわけじゃない?でもエルフでそんな強大な魔力を持っているのはディアナだけじゃん?てことは女帝をも召喚できる化け物がエルフに魔力を分けたのじゃないかしら?どう?名推理でしょ!」
沈黙を破ったシルフの思わぬ考察に皆が納得した
「確かにその手があるか。だがこれがもしも良からぬ者が召喚したとすると大事だ」
「ああ、そりゃ俺も同意見だ」
「私も同意見です。すぐにでも軍を動かしますか?」
カレンがディアナにどうするか迫るがディアナからの発言は『監視』の二文字
「今我々が動いたとして、どこで召喚されたかわからない女帝をどうやって探す?」
ディアナは腕を組み考え込む。
もしかしたら四大精霊が束になれば精霊女帝ヴァルネラ様に勝てるのではと‥‥
「ウンディーネ。君たち四大精霊が束になって女帝に勝利できるか?」
しかし、ウンディーネから発せられた答えは『否定』であった
「絶対に無理ね。そもそもヴァルネラ様に挑もうなんて愚者のすることよ。指を少し動かしただけで我々は消されてしまうわ」
ウンディーネの発言に他の精霊王達も相槌を打つ
「ああ、全くその通りダ。絶対に敵わなイ」
「愚かとしかいえぬ」
「ばっかじゃないの?!ヴァルネラ様に挑もうなんて馬鹿よ!馬鹿!私たち消されて次の精霊王達に世代交代よ!何千年も生きてきたのにこんなところでヴァルネラ様の怒りを買いたくないわ!」
精霊王達は絶対に戦いたくないと、戦えば消されてしまうと身震いして恐れている。
こんなに怯えている精霊王を見たのは四人とも初めての事であった
エルフのトップ四人が知恵を絞った所で精霊女帝ヴァルネラ様とはどれほどの存在か想像などできはしない
「そこまでの存在であったか‥‥」
「あの世界樹を創造されたお方だ。我々にその力の深淵を図ることはできぬと言うことだろう」
「クソがッ!どうすりゃーいいんだよ!」
「これはゆっくりとしていられませんわね」
全員が何らかの案を探る中、窓の外が急に騒がしくなる
「「うわ!どうした!?」」
「「な!勝手に現れる?!」」
「「おい!精霊達が勝手に現れるぞ?!」」
外で訓練をしていた兵士たちが突如現れる精霊に混乱しだしたのだ
その光景を最上階から見下ろしていたファルコ達は呆れ返っていた
「はあ~。シルフの嬢ちゃんこれからどうするんだ?」
ファルコは人生で一番大きいため息を吐く
「そんなの決まっているじゃない!ヴァルネラ様の居場所を探るわ!」
シルフが断言すると皆同意見であったのか一斉に頷き今後の方針を固めた。
また軍の外、大国の町でも精霊と契約していた者たちは次々と混乱していった
後にエルフの国ではこの事件を『精霊女帝の帰還』と言われ続け、女帝が現れた日は国中で政殿をすることになるのだった
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。
棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
「元」面倒くさがりの異世界無双
空里
ファンタジー
死んでもっと努力すればと後悔していた俺は妖精みたいなやつに転生させられた。話しているうちに名前を忘れてしまったことに気付き、その妖精みたいなやつに名付けられた。
「カイ=マールス」と。
よく分からないまま取りあえず強くなれとのことで訓練を始めるのだった。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる