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三章 月光の花魁
新たな国へ
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調理しようとした時、透かさずファシーノがテキパキと解体し肉を剥がしていく。そんな姿を見たデリカートは『私にも教えてください!』とファシーノに頼み込んでいた
「ええ、もちろん良いわよ。一緒に作りましょ!」
デリカートは誰かと一緒に料理した事はない。それは過去の経験を聞けば明らかだ。とても楽しそうに料理をしているその光景を俺は火加減を調整しながら見守っていた
下処理が終わり、肉を串に刺し焼いていく。所謂バーベキュー
無駄な油が落ち表面はこんがりころばしく焼ける最高の一品
野営と言ったらこれ一択と誰もがいうだろう
「良い匂いだな。もういけそうか?」
俺は一本串を取りかぶり付いた
「これは‥‥革命的うまさだ」
無駄な肉の脂が落ち、表面はパリパリ、中はジューシーで美味しい脂が喉を通る
二人は目を輝かせ、息を呑む音が聞こえて来た
「私も食べるわ!」
「わ、私もいただきます!」
二人も勢いよくかぶりつく
「なんて破壊力なの‥‥美味しい」
「うぅぅ‥‥グスンッ‥‥こんなに美味しいお肉初めて食べましたぁ」
デリカートは泣くほどに心に染みたんだろう。
隣のファシーノが優しく背中をさすり優しく語りかけている
「たくさん食べなさい。まだまだあるわ」
ファシーノとデリカート同じ歳でも姉と妹だな
「———そう言えばレオン。ヴァルネラ様を呼ばなくて良いの?」
不意にファシーノが訪ねて来る。俺は『しまった』と思いすぐにヴァルネラを呼んだ
瞬間、勢いよく光が現れ、その姿が形成されていく
「主よ、酷いではないか。我は待っていたのだが‥‥」
ヴァルネラは現れるとすぐ悲しそうにつぶやく。機嫌を損ねてしまったようだ
「悪かった。これを食って機嫌を治してくれ」
俺は一本串を渡す
すると待ってましたと言わんばかりの表情で串にかぶり付いた
「んぅぅ~!これは何という食べ物だ!?こんなに美味しい肉はいつぶりだ!」
(おい、さっきの機嫌が嘘みたいに上機嫌でかぶり付いてんな‥‥まあいい)
「これはバーベキューと言う。野営と言ったらこの料理が定番だ。他にもこれより美味しい料理はたくさんあるぞ。どうだ?こちらの世界は」
「ふむ。このような食べ物が他にたくさんあると言うのだからこちらの世界も悪くない。むしろこちらの世界にずっと居座り、世界中の美食を堪能したいと思う」
いつの間にか一本目を食べ終わり、二本目に手を伸ばしている
食欲旺盛で何よりだ
デリカートなんて獣のように平げ3本目だぞ。
俺なんて一本目の半分だと言うのに恐ろしい‥‥
「あと、食べ終えたら川にでもいってさっぱりして来るといい」
俺は彼女らに川に行くことを勧めると自分の匂いが気になったのか一斉に嗅ぎ出した
「そんなに匂っていたかしら‥‥」
「気付きませんでした‥‥」
「ああ、勘違いするな。匂うって事ではない、ただ川があるからどうぞと言う事だ」
ファシーノとデリカートは勘違いしたらしく恥ずかしそうに腕を下げた
「主は一人で入るのか?一人なら我と入ろうではないか」
ヴァルネラが今、絶対に言ってはいけない事を言ってしまう
なぜなら‥‥
「———精霊女帝様?それは禁句よ?」
「———ヴァルネラ様でも言ってはいけない事があります」
二人の美少女が鬼の形相になる瞬間を垣間見てしまい、俺は少し離れる
「あと、5年は待つ約束なのよ!」
ファシーノがこんなことを言っているがそんな約束をした覚えは無いぞ
三人で言い争っている中、俺は川に行くことにした
(あとは三人で仲良くよろしく)
そんなことで楽しくバーベキューと(女子会)をしながらその日は幕を閉じた
◊◊◊
———明朝、葉っぱを引いた地面から起き上がり背伸びをする
周りを見渡すとどうやら俺が一番の早起きらしい。三人はぐっすり寝ている
「さて、朝ご飯でも作るか」
俺は昨日のあまりのウサギを捌く。余り物のご飯ができたところで丁度よく三人が起きて来た
「おはよう。とても良い匂いね」
「おはようございます。良い匂いがします」
「はぁ~。おはよう主」
「三人とも随分とタイミングがよすぎるな?謀ったな」
三人に問い掛けると全力で首を横に振り出した
(いや、確信犯じゃないか‥‥)
「まあいい。冷めないうちに食べてくれ」
三人とも『いただきます』と言い食べている
進み具合からして美味しいのだろうな、よかった
食べ終えたところで後片付けをして出発の準備を整える
残り半日程、今からだと日が落ちたての頃につく計算になる
「ヴァルネラはどうする?戻るか?」
これから獣族国ベスティアに行くのにヴァルネラの気配を勘ぐる者がいるかもしれない。そのことに疑問を思った俺は問い掛ける
「そうだな。では変装しよう。我の気配を隠蔽すれば問題無い。ついでにローブか何かを被ろう。我の美貌を見ては噂になってしまうからな!」
ヴァルネラはわざとセクシーポーズを俺に見せびらかせて来るが無視を決め込む
「少しは見惚れてもいいぞ?」
ヴァルネラがガッカリしているところで合図を出す
「それでは出発だ」
俺が指示を告げ、三人を率いて森を駆ける
新たな仲間を求めて、そして敵の情報を掴むため獣族国ベスティアへ
「ええ、もちろん良いわよ。一緒に作りましょ!」
デリカートは誰かと一緒に料理した事はない。それは過去の経験を聞けば明らかだ。とても楽しそうに料理をしているその光景を俺は火加減を調整しながら見守っていた
下処理が終わり、肉を串に刺し焼いていく。所謂バーベキュー
無駄な油が落ち表面はこんがりころばしく焼ける最高の一品
野営と言ったらこれ一択と誰もがいうだろう
「良い匂いだな。もういけそうか?」
俺は一本串を取りかぶり付いた
「これは‥‥革命的うまさだ」
無駄な肉の脂が落ち、表面はパリパリ、中はジューシーで美味しい脂が喉を通る
二人は目を輝かせ、息を呑む音が聞こえて来た
「私も食べるわ!」
「わ、私もいただきます!」
二人も勢いよくかぶりつく
「なんて破壊力なの‥‥美味しい」
「うぅぅ‥‥グスンッ‥‥こんなに美味しいお肉初めて食べましたぁ」
デリカートは泣くほどに心に染みたんだろう。
隣のファシーノが優しく背中をさすり優しく語りかけている
「たくさん食べなさい。まだまだあるわ」
ファシーノとデリカート同じ歳でも姉と妹だな
「———そう言えばレオン。ヴァルネラ様を呼ばなくて良いの?」
不意にファシーノが訪ねて来る。俺は『しまった』と思いすぐにヴァルネラを呼んだ
瞬間、勢いよく光が現れ、その姿が形成されていく
「主よ、酷いではないか。我は待っていたのだが‥‥」
ヴァルネラは現れるとすぐ悲しそうにつぶやく。機嫌を損ねてしまったようだ
「悪かった。これを食って機嫌を治してくれ」
俺は一本串を渡す
すると待ってましたと言わんばかりの表情で串にかぶり付いた
「んぅぅ~!これは何という食べ物だ!?こんなに美味しい肉はいつぶりだ!」
(おい、さっきの機嫌が嘘みたいに上機嫌でかぶり付いてんな‥‥まあいい)
「これはバーベキューと言う。野営と言ったらこの料理が定番だ。他にもこれより美味しい料理はたくさんあるぞ。どうだ?こちらの世界は」
「ふむ。このような食べ物が他にたくさんあると言うのだからこちらの世界も悪くない。むしろこちらの世界にずっと居座り、世界中の美食を堪能したいと思う」
いつの間にか一本目を食べ終わり、二本目に手を伸ばしている
食欲旺盛で何よりだ
デリカートなんて獣のように平げ3本目だぞ。
俺なんて一本目の半分だと言うのに恐ろしい‥‥
「あと、食べ終えたら川にでもいってさっぱりして来るといい」
俺は彼女らに川に行くことを勧めると自分の匂いが気になったのか一斉に嗅ぎ出した
「そんなに匂っていたかしら‥‥」
「気付きませんでした‥‥」
「ああ、勘違いするな。匂うって事ではない、ただ川があるからどうぞと言う事だ」
ファシーノとデリカートは勘違いしたらしく恥ずかしそうに腕を下げた
「主は一人で入るのか?一人なら我と入ろうではないか」
ヴァルネラが今、絶対に言ってはいけない事を言ってしまう
なぜなら‥‥
「———精霊女帝様?それは禁句よ?」
「———ヴァルネラ様でも言ってはいけない事があります」
二人の美少女が鬼の形相になる瞬間を垣間見てしまい、俺は少し離れる
「あと、5年は待つ約束なのよ!」
ファシーノがこんなことを言っているがそんな約束をした覚えは無いぞ
三人で言い争っている中、俺は川に行くことにした
(あとは三人で仲良くよろしく)
そんなことで楽しくバーベキューと(女子会)をしながらその日は幕を閉じた
◊◊◊
———明朝、葉っぱを引いた地面から起き上がり背伸びをする
周りを見渡すとどうやら俺が一番の早起きらしい。三人はぐっすり寝ている
「さて、朝ご飯でも作るか」
俺は昨日のあまりのウサギを捌く。余り物のご飯ができたところで丁度よく三人が起きて来た
「おはよう。とても良い匂いね」
「おはようございます。良い匂いがします」
「はぁ~。おはよう主」
「三人とも随分とタイミングがよすぎるな?謀ったな」
三人に問い掛けると全力で首を横に振り出した
(いや、確信犯じゃないか‥‥)
「まあいい。冷めないうちに食べてくれ」
三人とも『いただきます』と言い食べている
進み具合からして美味しいのだろうな、よかった
食べ終えたところで後片付けをして出発の準備を整える
残り半日程、今からだと日が落ちたての頃につく計算になる
「ヴァルネラはどうする?戻るか?」
これから獣族国ベスティアに行くのにヴァルネラの気配を勘ぐる者がいるかもしれない。そのことに疑問を思った俺は問い掛ける
「そうだな。では変装しよう。我の気配を隠蔽すれば問題無い。ついでにローブか何かを被ろう。我の美貌を見ては噂になってしまうからな!」
ヴァルネラはわざとセクシーポーズを俺に見せびらかせて来るが無視を決め込む
「少しは見惚れてもいいぞ?」
ヴァルネラがガッカリしているところで合図を出す
「それでは出発だ」
俺が指示を告げ、三人を率いて森を駆ける
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