元現代人はそれでも安定を切望する

眼鏡から鱗

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1の章

12.あれよあれよと

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あれから、家は長男シーマスが後を継ぎ商会名も元に戻しカイザス商会で規模を縮小して経営を建て直すらしい。

そして、伯父様が我が家へ私を訪ねて来てくれた。

どうやら、神父様の質問状が王宮経由で届いたことで、直接神父様へ弁明をしに行った後で私に会いに来てくれたのだそう。

「はじめまして、ローレンちゃん。今回は、馬鹿な弟のせいで要らない不安を抱かせたこと、あの弟にかわり兄として心より詫びよう。」

応接間に通され、座っていた伯父様は10歳の子供に、丁寧にお詫びをしてくれる貴重な大人だわ。

「いえ、もとは父が逆に男爵様へ勝手な言い分を振りかざして、ご迷惑をお掛けしてしまいました。若輩の身ではありますが、家族を代表してお詫び致します。大変申し訳御座いませんでした。」

私は、立ったまま話をして言い終わると同時に90度腰を折り頭を下げた。土下座は、絵的にやり過ぎだと思った。子供ならこれが精一杯の誠意表現でしょ。

伯父様は、一拍おいて話し始めた。

「頭をあげてくれないか。可愛い姪に、まだまだ話をしなくてはならないからね。」

私は、頭をあげ伯父様と対面するようにソファに座った。

「実は君のお母さんから、魔法学校にかかる保障金を貸して欲しいとお願いがあったんだ。勿論、快く貸すつもりだよ。それと突然だが、私の養女として我が家へ来て欲しいんだ。」

なんですと?

「神父様から、君の魔法適性・スキルを見せて貰ったんだ。ちなみに、君の家族には見せていないよ。あれを見せてしまったら、意地でも君を商会に縛りつけてコキ使うだろうからね。」

うっわぁ、コキ使われる未来が容易に分かるわぁ~

そう、転生前に創造神様より頂いた魔法・スキルが以下の通りあるのよ。おまけに、ステータスがおかしな事になってる気がする。

◎*◎*◎*◎*◎*◎*◎*◎*◎ *◎

名 前:ローレン・コッポラ/コッポラ家次女
年 齢:10歳
職 業:学生(予定)
レベル:49
体 力:2,020
魔 力:18,549
運  :250

●スキル
▽詳細鑑定(極上級)
▽空間収納(無限)
▽言語通訳(古代語通訳可能)
▼異世界通販■

●魔法:火・水・土・風・白・黒・空間・生活

●創造神の愛し子

【※この部分は、鑑定石では視えない。レベルは、前世と合算数だ。▼スキル、通販は■を押してお金を入れれば使えるが、人目を避けて使うんだぞ。魔法は、全て付けておいたから自由に思うまま使いなさい。何かあれば、教会で祈りに来るといい、私と会話出来る様にしておいたからな。】

◎*◎*◎*◎*◎*◎*◎*◎*◎*◎

レベルは、年齢を彷彿とさせるなぁ。しかも、魔力数値がバグってるし全魔法適正が有れば、伯父様じゃなくても目もつけるよね。愛し子ってのも、とんでもないのが付いてるし。

学校のことを考えれば、学生期間中は後見人としてもらえないかな?貴族なんて、礼儀作法なんて、わからないんだよね。男爵家に恥はかけられないよぉ。
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