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更科灰音

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第29話:家具を決めよう

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手続きをするために一度不動産屋に戻る。
「まず必要な書類を教えて取ってくるから」
書類は自分で取りに行く。代理人だと委任状とか必要になって面倒が増えるだけだし。
必要書類を市役所に取りに行く。

市役所は駅前に支所が有って書類だけならそこで事足りる。
ここからも歩いてすぐだ。急いで取りに行く。
「もらってきた!」
住民票と印鑑証明を不動産屋に渡す。
「家賃はとりあえず半年分くらい払うけど、連帯保証人って必要?」
ダメ元で聞いてみる。連帯保証人とかあてがないし。
「一応、形式上必要なんだけど。まあ半年分払えるなら大丈夫かな?」
よし、どうにか乗り切った。

「家賃が込み込みで18万円。敷金礼金が2ヶ月ずつ。今月分の日割りを入れて186万円ね」
不動産屋の口座番号を聞いてすぐにスマホで振り込む。
なんだかんだで今のところの倍近い家賃になってしまった。
「入金を確認したよ。鍵はコレね」
鍵を受け取る。鍵は二つある。住むのは三人。一つ足りない。合鍵も作らないと。

「次は家具と家電ね!」
家具を買うにも寸法を測らないと部屋に入るかわからない。
「あの部屋の間取り図ってある?できれば寸法の入った設計図に近いやつ」
不動産屋に図面をもらって家具屋にゴー!

日本有数の巨大家具屋に行ってみる。ここからだと電車で30分ほど。
端が見えないほど広いフロアに家具が大量に展示していて、店員さんが案内してくれる。
「三人で寝られるベッドが欲しいの」
店員さんに案内されてクイーンサイズやキングサイズのベッドの売り場に到着。

確かに大きい。今のベッドの倍くらいの大きさだ。
試しに横になってみる。三人で寝ても大分余裕がある。
コレって部屋に入るのかな?もう少し小さい方がいいのかな?
そう思っていると背中に違和感を感じる。
「コレなんか変。背中に溝がある」
マットレスに折り目がついてるのかな?
「こちらはマットレスが二分割されているタイプになります」
マットレスが二個有るってこと?サイズが大きいから?
「今度から佳乃が真ん中ね」
なんか真ん中だけ寝心地がよくない。敷きパッドとかでどうにかなるのかな?

「それでしたら、こちらはマットレスが一つのタイプになります」
なんだ有るんじゃない。
「ただし、お部屋によってはドアを通らない場合もあります」
なるほど。フレームはばらして中で組み立てられるけど、マットレスはそのまま運ばないとダメだと。
図面を見る。自分では判断できない。ならばプロに任せる。

「この玄関入ってすぐ左の部屋なんだけど、大丈夫?」
さすがは家具屋の店員図面を見てすぐに判断する。
「ああ、コレなら大丈夫です」
よし、プロのお墨付きをもらった。後はデザインだ。

「丸いベッドはないのでしょうか?」
決まりかけたところで、佳乃がとんでもないことを言う。
ベッドは四角いものでは?
「現在は回るベッドは取り扱っておりません」
回る?なぜにベッドが回る?
「回る必要はありません。円形のベッドはないのですか?」
すると花子が何かを思いついたようだ。
「メイドにしてはナイスなアイデア。シーツに魔法陣を描けば龍脈から魔力を吸収できる」
魔法陣の描かれた円形のベッド。何の儀式を始めるつもりなんだろう?
「龍脈から魔力が吸い取れるならあたしからは要らないのね?」
花子の顔が青くなる。あまりにもわかりやすい。
それでも珍しく頭を抱えている。
「ベッドは四角いもの。やはりメイドはメイドだった」
そういう結論に達したのか。

「でも、見るだけ見てみたいです。ほかにも変わったベッドがあればそれも見たいです」
佳乃は変わったベッドに興味があるらしい。
「こちらに少し変わり種のベッドがございます」
案内された先にあったのは、いわゆる普通の四角いベッドじゃないものばかり。
佳乃が言ってた様な丸いベッドや、吊り下げられたベッドなど。

「マスター向こうにリンゴがある」
リンゴ?ベッド売り場に?
そう言われて花子の指さす方を見れば確かにリンゴがある。
籐でできたリンゴをくりぬいたような形のかごの中にクッションがいっぱい詰まっている。
「面白いけど、コレだとちょっと窮屈じゃない?特に佳乃が」
あたしは問題ない。花子も大丈夫だろう。でも、佳乃は少し身体を丸めないとダメかもしれない。
毎日身体を休めるところとしては不適格だと思う。
こっちの吊すベッドだってどこから吊していいのやら。

特殊なベッドは設置にも気をつけないと。ここにあるのは一般的な家庭にはおけないと思う。
そういうわけで、普通のクイーンサイズのベッドにする。
あたしの意見でデザインよりも寝心地を優先した。テンピュールのマットレス最高!
しかし、コレはあくまでもマットレスだけ。マットレスだけではベッドとして使えない。
フレームが必要になる。なので、フレームは花子に選ばせた。
「マスター。部屋の写真を見せて」
スマホを操作して寝室の写真を表示する。
少し濃いめの茶色のフローリング。壁は白。至って普通の部屋だ。
意外にも、花子が選んだのはシンプルなベッド。

黒とかピンクとかではなく白木っぽい感じの木目調。
床の色とも壁の色ともマッチする感じだ。
なのでベッドはそれに即決。

次は作業用の机。一部屋に三つの机を設置するからレイアウトも考えないといけない。
オフィス用の机でいいかな?それとも勉強机?
店員さんに机売り場に案内してもらう。
パーティションで仕切って小部屋を三つにしてもいいかもしれない。
あたしは狭いところの方が考えがまとまって効率がいい気がする。
オーダーメイドで作ってもらった方がいいかもしれない。

食器棚も同様にスペースぴったりのサイズのが欲しい。
店員さんに相談すると、現地で採寸してセミオーダーの家具を設置してくれるらしい。
ついでに他の家具なんかも部屋に合わせて選んでくれるみたい。
そういうサービスがあるなら最初に言ってよ。
家具の選定は一旦白紙に戻して、明日の打ち合わせを予約して次の店に。次は家電だ。
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