白と黒

更科灰音

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第35話:免許センターとカフェ

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「ただいま、佳乃の分の書類もらってきたわ」
書類を渡すと佳乃は心底嫌そうな顔をする。
「私は学校を休んで弁護士の先生に会わなくてよいのでしょうか?」
うん、だから会わなくてもいいように書類を作ってもらったんだよ・・・
「佳乃にはちゃんと進級してもらわないと困るの!」
きつく叱るように言うのではなく、抱きしめて耳元で囁いた。
「この佳乃にお任せを!」
効果はてきめんだったようだ。
佳乃は早速書類の作成に取り掛かり、花子に確認しながら完成させた。

書類を提出してしばらくすると、
花子と佳乃の住民票と保険証が届いた。
これでようやく色々な申請が出来る。

「佳乃、明日は免許センターに免許の住所変更手続きに行くよ!」
警察署は土日は手続きが出来ないけど、免許センターは日曜日でもやっている。
「マスター黒音はどうすればいい?」
私の車は二人乗り、そして免許センターに用があるのは私と佳乃。
花子は留守番かな?
「むぅ、仕方がない。あの車はカッコいいけど2人しか乗れないのが難点・・・」

うーん、3人が乗れて荷物も積めるような車を買おうかな?
毎回花子がのけものなのはかわいそうだし。
しかし、今の車を手放したくはないし・・・
考えても仕方ない、まずは目の前の問題を一つずつ解決しよう。
まずは免許だ。
免許センターの受付時間を確認。予約とかできないから素直に朝早く行くしかない。
最近は学校に通う二人に合わせて起きてるから朝は早い。
そうでなくてもリーゼロッテのお子様ボディは朝早起きだ。夜明け前に起きたりする。
冒険者じゃないから、そんなに早く起きる必要はないんだよ。
その分夜は早く眠くなるんだよ・・・スヤァ・・・
「あら、お嬢様はおねむのようですね?」
佳乃に小脇に抱えられて風呂場に連れていかれる。
意識があやふやなまま、全身をくまなく洗われて湯船に。
その後も色々と佳乃がやってくれてた気がするけど、気づいたら朝だったんだよ!
そして、誰よりも早く寝たはずなのに、すでに佳乃は起きていて朝ご飯を作ってくれている。
「おはようございます。お嬢様」
おはよう佳乃。今朝はパン?
目玉焼きにトースト、そしてオニオンスープ。なんとなくよく食べてた気がするんだよ・・・
最近はリーゼロッテの記憶もだいぶ混じってきてるな。
さて、朝ご飯も食べたし免許センターに行くよ!

車に乗って走ること30分ほど、免許センターに到着。
駐車場が結構混んでるね。
結構並んでると思ったら、免許の更新の列だね。
危うく違う列に並んじゃうところだったんだよ・・・
免許の更新じゃなくて住所変更だからね。
「住所変更はこっちの窓口ですね」
そっちは全然並んでない。すぐに順番が回ってきた。

「え?お嬢ちゃんが!?って私よりも年上!?」
免許に記載されている生年月日を見て受付のお姉さんが失礼極まりない反応をする・・・
「私と後ろのメイドの免許の住所変更ね、住民票はこれ!」
手続きはすぐに終わった。申込用紙に記入して提出。
裏面に新しい住所を印刷して、ハンコを押して終わり。
手数料はタダなのね。更新の時はお金とるのに・・・
よし、これで今日のミッションは終了!
花子が待ってるからさっさと帰ろう。
「山田を放置して二人でデートなどは・・・」
じゃあ、今度は佳乃を放置して花子と二人でデート?
「でも、山田がお嬢様とマックでデートしたと自慢して・・・」
ああ、法律事務所に行くときに時間をつぶしたあれか・・・
なるほど。あれもデートとしてカウントされるのか・・・
じゃあ、帰りにスタバでもよる?
「そうですね、マックに対抗するにも適当かと・・・」
そうかな?まあ、本人が納得しているならいいのかな?

帰り道に見かけたスタバに寄る。
ドライブスルーではなく、駐車場に停めて店内に入る。
半端な時間だから、それほど混んでいない。
「私は、リストレットベンティツーパーセントアドエクストラソイエクストラチョコレートエクストラホワイトモカエクストラバニラエクストラキャラメルエクストラヘーゼルナッツエクストラクラシックエクストラチャイエクストラチョコレートソースエクストラキャラメルソースエクストラパウダーエクストラチョコレートチップエクストラローストエクストラアイスエクストラホイップエクストラトッピングダークモカチップクリームフラペチーノ」
なにそれ?私の知ってるメニューじゃない・・・店員さんがすごく大変そう・・・
「私は抹茶クリームフラペチーノ」
シンプルなヤツにした。抹茶の美味しいよね?
席に座って待っていると佳乃がドリンクを受け取って持ってきてくれた。
「ところで、佳乃が頼んだのは何なの?」
通常メニューじゃない気がする。
「スタバって、色々とカスタマイズが出来るんですけど、さっき頼んだのが一番長い名前らしいです。実際にはマイタンブラーで持ち帰りにする時が最長らしいんですけど・・・諸説ありますが」
そんなのよく覚えてたわね・・・
「ついついネットでこういうくだらない情報を探してしまいます・・・」
まあ。私もその気持ちはわからないでもないけど・・・
「ところで、結局どんな味なの?」
長すぎる名前というかほとんどはカスタマイズトッピング?
「うーん?色々なシロップのかかったココアっぽいというか・・・?」
よくわからないのね・・・
「一口ちょうだい」
佳乃から受け取って一口飲んでみる。
確かになんとも表現しづらい味。美味しいけど・・・
「抹茶もおいしそうですね?」
一口飲んでいいわよ?
そう言ってカップを佳乃に渡す。
「いただきます」
目をつぶってストローを咥え、かみしめるように味わって飲んでいる。
「ああ、これがお嬢様の味・・・」
え?
思わず顔が赤くなるのを自覚する。
「ふふっ、これで私の勝ちです!」
誰に何で勝ったのやら・・・
「もちろん、山田に勝利しました!思う存分ドヤります!」
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