煌劉と煌劉を統べる者

ハーマ

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過去と現在

過去の記憶 夢

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嵐視点(夢から現実に戻ります)から彪雅視点→翼視点に変わります

嵐「うう……」

敵「結構耐えるな  だがこれならどうだ?」

嵐「ぐっ……ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

嵐の背後から焼けるかのような臭いと共に激痛が走り痛みで泣きながら声を出すと背後から嗤う声が聞こえ嵐は必死で声を抑える

嵐「Aile……(翼……)」

翼……嵐の双子の兄であり越前家当主であり長年姿を消していて消息のつかめない人物……

嵐は弱ると必ず翼を呼ぶ……無意識にフランス語で呼んで助けを求める

嵐「Aile……」

嵐  助けて……Aile……

拉致られてどのくらい立ったのかは嵐には分からないだが少なくとも1ヶ月は経っている

その間に拷問を受け続けた嵐の体は疲弊し弱くなってトラウマのせいで水等が怖く足腰が立たなく腕を上に上げる形で拘束されて漸く立っていられる現状……

???「舐め腐りすぎだ」

不意に声が聞こえた声はまたしても背後からだったが「シュッ」と音が聞こえ恐らく血しぶきと思われる音と共に「バタン」と人の倒れる音が聞こえ背後にいた人間が倒れたと分かる

嵐「!?」

何かを打たれたのか首の動脈あたりに何か冷たく細長いものが刺さる感覚がして驚くが背後にいる相手に「大丈夫  疲れを癒す物だ」と言われて少しして体にどっと疲れがやってきて眠気に襲われた

嵐  声が……翼と被る……

嵐の背後にいる相手の声が酷似していて後ろを向きたいが睡魔が強く少しずつ瞼が落ちていきもう一度声を聞くより先に嵐は意識を手放す

嵐「……ここ……彪雅の部屋?」

夢から覚めた嵐は自分が彪雅の部屋のベッドで眠っていたことを知る

嵐はトラウマがフラッシュバックし錯乱状態に陥るとその時の記憶が飛び何があったのかを理解ができない

彪雅「目  覚めた?」

嵐「彪雅……悪い何があった?」

彪雅「飯を食い終わってすぐに雨が降ってきてなちょうど雨が見える場所にお前が座っていたから雨を見てしまって錯乱したんだ」

彪雅が簡潔に説明すると嵐が頭を抱える

嵐「すまん」

彪雅「俺も俺で雨が降るとは知らなかったから俺の情報不足だ
取り敢えず……俺風呂入ってくるから待っててくれ」

嵐  ……もう夜の8時……?どれだけ長い事気絶してたんだ?

城に帰ってきたのは午前11時つまり9時間気絶していた

嵐「……そう言えば俺だけだっけ?彪雅の髪が長い事知ってるの」

暫くして能力で隠している長い髪を下ろした状態で彪雅がやって来てベッドから降りた嵐は彪雅に問う

彪雅「凪鑿と雅一、劉夜、流輝星の4人も知ってる」

嵐「そうか  悪いな彪雅ベッド占領して」

彪雅「別に嵐なら構わない」

嵐  でもやっぱり彪雅が好いているのは俺ではなく双子の兄である翼なんだろうな……

彪雅は翼の事が好きではあるが恋愛的なものでは無く唯単に「幼馴染み」としての好きであって彪雅が好きなのは消息を絶っている嵐の双子の兄である翼……

嵐「……翼はまだ見つからないのか?」

彪雅「情報軍のエリートが必死で探しているが過去にどこにいたのかさえ掴めない」

嵐「翼の奴どこに行ったんだろうな」

彪雅「…………」

彪雅  言えない……敵のテリトリー内の小組織に翼と良く似ている奴がいるなんて……

彪雅は個人的な情報で翼らしき人間を敵のテリトリー内の小組織にいる事を知ったがそれを言えば恐らく嵐は殲滅をしに行くと彪雅は分かりきっている

嵐は敵のテリトリー内に入る際命令無しの時は必ず一人残らず殲滅してしまう為言えることと言えないことがある

嵐「取り敢えず今日はもう部屋に戻って休むよ邪魔したな彪雅」

彪雅「ああ」

長らく彪雅の部屋にいた嵐は自室に戻る

彪雅視点

彪雅「はぁ……」

嵐が自室に戻り一人になった彪雅は溜息をついた

Espoir Crimson『溜息をすると幸せが逃げるぞ彪雅』

不意にずっと黙っていた翼が彪雅用の護身用の刀として作った人工知能を持つEspoir Crimsonがそう言うが「それを言われると余計に溜息が出るよ……」と彪雅が返しEspoir Crimsonも失言だったと気づく

Espoir Crimson『……煌琥が死に翠琴も死に残されたお主は翼を求めた
日の本が戦争に負けて早3世紀翼も戻り嵐が翼の双子の弟として生を受けて今を生きている
この世界には煌琥も翠琴も居らん
過去の記憶が残っておるのはお主と我の2人だけよどんなに求めても我しか話が通じるものは居らんことぐらい分かろう?故に諦めた方が早いと言いたいところだが翼にも記憶がある可能性があるのだろう?だから組織外のルーツで翼に似る者の存在を知った』

彪雅「翼には記憶があるし敵組織のテリトリー内の小組織にいるのは確実に翼だ
だがそれを悟られてはいけない」

Espoir Crimson『お主も難儀よの』

彪雅「一言でまとめんな」

そう言って彪雅はまた溜息をつく

彪雅「っ……」

Espoir Crimson『…………』

彪雅は本気で長年ずっと探しているのだ……かつての彪雅が本気で愛した翼を……

彪雅「分かってるんだ……もう……昔のあいつはいない事ぐらい……」

彪雅  分かっているのに……

彪雅「もう一度会いたい……昔の煌に……もう2度と一緒に生きることが出来ないことぐらい知ってるよ……もう2度と……永遠に昔の煌に会えない事ぐらい……」

子供のように泣き出した彪雅を擬人化したEspoir Crimsonが慰めるかのように頭を撫でる

Espoir Crimson  死者蘇生能力……それによって嵐の知らない時に1度死んだ翼を大きな代償と共に蘇らせ彪雅の代償は髪の色が白くなり翼と共に生きられる事の出来なくなり翼はかつての彪雅が愛した翼ではなくなった……

翼が翼ではなくなり彪雅は最愛の人を無くし瓜二つの嵐を愛することに恐怖を感じるようになった彪雅は人を愛せない

彪雅「Future ...... demain ...... sort ...... mort ......(未来……明日……運命……死……)」

Espoir Crimson『彪雅?』

彪雅「...... Des engins autour ...... sort quand tout lien Shi(全てが繋がりし時……運命の歯車は回り出す……)」

Espoir Crimson  こやつまさか未来が見えているのか?

彪雅は死者蘇生能力を使った時かは未来が見えるようになった時として予知夢として見たり今のように突然口にすることもある

彪雅  未来……明日……運命……死……全てが繋がりし時……運命の歯車は回り出す……か……もしこれを変えられるのだとしたら俺だけか……

彪雅「Espoir Crimson  もし運命を変えることが出来るとして俺が死にに逝くと言ったらお前はどうする?」

Espoir Crimson『馬鹿か止めるに決まっているだろう
彪雅は煌劉のトップだそんな奴が死ねば煌劉内で分裂が起こるそうなればテリトリー内が血の海と化すぞ』

彪雅「言うと思ったよ  だが俺に変わって煌が煌劉を率いるとしたら?煌劉は煌もいた訳だし実際嵐を煌だと思っている部下の方が多い
今日の食堂での挨拶は極小数の人間しかいなくて偶々嵐の事を知っているやつだけだったからできた事
嵐だと気がついているのは凪鑿と劉夜、流輝星、Espoir Crimson、その他流輝星の部下しか嵐だと知らないのは知っているか?
つまり煌なら煌劉を率いり仲間を護り愛することが出来る嵐だってそうだ若手の越前家の当主補佐として煌と同じ技術と術を持っている
力量も煌とは変わらないのなら俺が死んだ後も2人でやっていけるだろ?双子ってのは2人で1人の力量になるのに対し嵐と煌の力量は1人だけだとしても相当なもの  故に2人でやれば敵無しで行ける」

Espoir Crimson『…………』

Espoir Crimsonを論破……滅多に彪雅でさえEspoir Crimsonを論破するのは難しいが今回ばかりは論破されて当然の正論並びに同じことを思ったので何も言えない

彪雅  ごめんなEspoir Crimson

口に出さずにそう言った彪雅はEspoir Crimsonを刀に戻して珍しく置いて行きとある場所に向かった……

翼視点

翼「邪魔だどけ」

仲間「この時間帯からは外に出るなと言われなかったのか?」

翼「……降格されてその妬みか?
許可は受けてある」

金と銀の入り交じる長い髪を靡かせながら翼は翼が組織に入る前のNo.2にそう言うと図星だったのか言葉に詰まり許可証を提示してそのまま城の外に出る

翼「…………」

翼はよく1人で酒を飲みに行く

その飲み屋はかつて翼が彪雅にプロポーズし今尚翼が経営している店……

劉「翼悩み事か?」

酒を飲みながら溜息を漏らしているとバーテンダーの劉に声をかけられる

翼「……彪雅の奴ここに来たか?」

劉「お前が性格を変えてからは一度も来てない
そろそろ話してやれよ翼 度々外にいると彪雅を見かけるが俺からしてみればかなり黄昏てたし少し無理をしているような感じもした
しかもそれでいて後ろ姿がとても寂しげで元気がない」

翼「…………」

翼は彪雅の行動は把握済みだがどんな感じなのかは知らない為劉の言葉に返事が詰まる

今の翼はかつての翼であり彪雅と会うと性格をあえて変えているので彪雅を騙す形で今を生きている  勿論罪悪感は半端ない

翼「……未来を変えられるのは彪雅だけだ……」

ふと呟いた翼の言葉……翼は自分で言っておいて自分で嗤う……

翼「……矛盾  してるな」

翼は弟である嵐に殺されることを望んでいるだが彪雅に未来を変えて欲しい思いもある

翼「くっそ……」

言葉と思いの矛盾……そのことを考えれば考える程苛立ちが増す

劉「ちょっ……お前大丈夫か?つかグラス割るなよ……血が出てるから手を出せ」

翼「……悪い後で請求書送ってくれ弁償する」

苛立ちで思わず酒の入っていたグラスを割ってしまい他の客から注目を浴びる

翼「つ……」

劉「破片が入ってるな……ちょっと待て」

かなり強く握ったからか破片が肉に刺さり細かいからかカウンター越しからでは遣りづらいのか劉がカウンターから出て翼の隣に座り破片を除き包帯を巻く

部下『翼様  白陵様が桜の木の下におりますが如何なさいますか?』

翼「何もしないならそのままにしておけ
テリトリー内で先に彪雅が攻撃してこない限りは安全だから見回り程度で済ませろ
……あの桜には少し思い入れがあるから偶に来るんだ基本見るだけで何もしないで帰るだろうから放っておけ」

部下『畏まりました』

翼は組織のテリトリー内の中にかつて彪雅と見ていた桜がありその場所周辺を自身のテリトリーとして管理している

???「翼お前こんなところで何やってるんだ?」

翼「…………」

不意に背後から声が聞こえ振り向くとそこには翼が今腰を置いている組織の首領がいた

翼「外出許可は受けたはずですが……」

首領「いや……別に取って食おうなんて思ってねぇけど……
外出許可は出してあるのに酒を飲みに言ってるなんて思わなくてな」

翼は外出許可が無くとも外で飲めるのだ

翼「もう少ししたらお暇しますよ
首領余り夜道を出歩かないでくださいよ?」

珍しく翼が人の心配をしている

首領「分かってるよ  帰りに気をつけろよ翼」

酒を飲み終え店から出る直前首領に忠告を受けた翼はフードを被り頷いてから店を後にする

翼「Future ...... demain ...... sort ...... mort ......(未来……明日……運命……死……)
...... Des engins autour ...... sort quand tout lien Shi(全てが繋がりし時……運命の歯車は回り出す……)」

彪雅と同じ事を口にした翼は予感していた……「大嵐がやってくる」……「彪雅の選択で全てが始まる……」と……
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