煌劉と煌劉を統べる者

ハーマ

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感情

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翼視点

翼「…………」

部下「翼さん?」

会議の際No.2である翼は珍しく無言を貫いており何事かと思った部下が声をかけるが返事がない

翼  煌琥と翠琴が戻り劉夜が本当は裕之だったことが分かった……今回の彪雅の選択で未来は大きく変わるがこのまま行けば彪雅が1人で死ぬ……

未来が変わることを望んだ翼であったが変わった未来が余りにも残酷で「これなら自分が死んだ方がましだ」と思って未来の事と雅一の事を考えて会議どころではない

礼斗「翼」

考え込んで無表情だったのを心配したのか礼斗が声を掛け翼が今会議中だった事を思い出す

礼斗「俺らの話聞いてたか?」

翼「武器の製造過程と今回の件の煌劉内の部下の裏切り、死亡人数、武器の破損、運営側の客の妨害とテリトリー内の侵入者人数だろ」

礼斗「正解  順番も同じだ」

考え込みながらもちゃんと話を聞いていた翼にその場にいた首領も驚いている

翼「武器の製造過程と破損、テリトリー内の侵入者の件は俺がやってもいいですか?首領」

首領「武器の製造と破損に関しては翼の右に出るものはいないから任せる
テリトリー内の侵入者は他の者にやらせようと思ったんだがやってくれるか?」

翼「丁度身体が鈍り始めてきているので運動がてら暴れさせてもらいます
ついでに言えばテリトリー内の侵入者は俺のテリトリーに居座っているので根絶やしにさせてもらいますが構いませんね?」

首領「お前のテリトリー内に侵入者が居座っているのならお前に任せる」

翼  テリトリー内の侵入者は根絶やしにして 良い奴がいたら餌食にでもするか

なんとなく危ないことを考えながら会議が終わり構成員に用意された翼の自室に部屋に戻ると2枚の写真を入れられる写真立てがありその写真立てを持って翼はベッドに寝転がる

同じ指輪をして楽しげに笑う彪雅と翼のツーショットと満月の夜に仕事中で短く黒い髪を靡かせて背中に八咫烏の刺繍の入る黒いロングコートに指先の出る手袋をしてEspoir Crimsonを持つ彪雅の横を向いている姿……

翼「いつ見ても綺麗だな……」

翼  暗闇と月明かりが似合う彪雅はいつなんど見ても綺麗で顔や体の傷、返り血が綺麗さと強さを強調させていた……

何度見ても見飽きない彪雅の暗闇と月明かりがのコンビネーションはとても美しく返り血の付く姿は強さを強調させ怪我は戦った証として良く似合う

響『qualcosa e finito quando tutto ha cominciato a muoversi(全てが動き出した時何かが終わる)』(一部訂正)

気が付かぬうちに眠っていた翼はふと響きに言われた言葉が脳裏に響く

翼  「全てが動き出した時何かが終わる」……響さんは知っていたんだ…」いつかこうなる事を……

父『Uccidere le persone che ami la gente odia il popolo(人を憎み人を愛し人を殺せ)』

そう言われて育った翼は人を愛する事と人を憎む事をを知らずに育ち仲間と出会った

母『A volte preghiamo di vivere per se stessi a volte per compagno(時として仲間の為に自分の為に生きなさい)』

翼  母にはそう言われた……とても優しく厳しい人だったな……

翼の母はとても美しく人に厳しい人だったがとても優しかったが若くして亡くなり翼は母の事をあまり覚えていない

???『Ikiro minuto anche del popolo e ha preso la vita dei suoi persone uccidono le persone per vivere(生きる為にはその人の命を奪いその人の分も生きろ)』

翼  確かそう言ったのは初代だったか?……俺とすごく良く似ていて声も姿もそして性格までも俺とそっくりで「お前は賢い」と言い残した人……

白蘭『翼』

翼「ん……」

少し懐かしい思い出を夢として見ていた翼は住んでいた家に匿って翼の力で姿を眩ませている白蘭からの通信で目の覚めた翼は昔からの癖の目を擦ることはどうしても直せず少し擦ってから通信をする為イヤホンを押す

翼「どうした……」

白蘭『済まない眠っていたのか……
大地達が「翼に会いたい」と言って聞かないんだ来れないか?』

翼「良い歳して駄々こねてんのか……?」

寝起きの翼は言葉がゆっくりで覇気が無い

因みに大地が翼の「飼うペット」の中で最年長の33そして最年少が白蘭で19

白蘭『最近仕事で家に帰ってきてないから皆寂しがっているんだ』

翼「分かった分かった……どうせ少ししたらそっちに向かうところだったから丁度良い……」

翼  まだ眠いが今から行っても大体午後6時って感じか……久し振りに飯作るか……

そう思いながら翼は既に提出していた許可証を門番に見せ特定の荷物を持って愛車のPCR-1100-RR「黒神」に跨り発信させてから1時間程で彪雅のいなくなった家に着きセキュリティを解除すると大地がライオンの姿で猛アタックしてきて驚いた翼は後ずさりするがそれも虚しくでかい大地の下敷きになる  しかも玄関で……

翼「お前……重い退け馬鹿」

大地『すまんすまん  久方振りに翼が帰ってきたからついな』

翼『33の奴が何言ってんだ……取り敢えず飯作っから真面目に退け』

大地『久し振りに翼の飯が食える!!』

翼  不老不死だからというのもあるんだろうが子供みたいだな……だがまぁ大人じみているよりましか

大地の変わりなさと家の綺麗さでなんとなく彪雅を思った翼は無意識の内に顔を覆って声を出さずに泣いていた

大地『翼……?』

翼は察しがついていたのだ……運命の歯車が動き出しそうになっていることを……

翼  このまま行けば彪雅は……

「死んでしまう」……と彪雅を愛しているからこそ生きていて欲しい……翼は「自分が死んでもいいから彪雅だけは生きて欲しい」と昔から願っている……例え彪雅に刃を向けられたとしても……

翼「……悪い  大丈夫だ」

心配して他の颯斗達も翼を見ていたが落ち着いた翼は持ってきていた荷物をリビングに置き久々に包丁を持って料理を作る

颯斗『久々の翼の和食か……』

翼「最近外食が多かったんだろ?と言っても俺も最近外食が多かったし自分で作るのは久々だから味の保証が出来ない」

白蘭『翼の作る物は基本旨い』

そう言って白蘭達は翼の作った和食を食べると昔よりも味が良い事に気がつく

大地『……前より味が良くなっている』

翼「多分武器の製造とかを主としてやっているからその時に武器の整備と一緒にレベルが上がってるんじゃないのか?」

白蘭、颯斗『そう言うものなのか?』

久々の家族との料理を食べながら雑談に華を咲かせる翼は顔こそ笑っているが目が笑っていない

翼「彪雅は一度も戻ってきていないのか?」

白蘭『……ああ  彪雅殿は翼が死んで以降ここには帰ってきていない』

翼「俺のせい……か……運命と言えど彪雅にとっては余りにも残酷すぎたんだな……」

大騎『友も家族も最愛の人も亡くし生きる糧の消えてしまった彪雅殿には煌劉しかなかったのだろう……だから戦争には参加せずに日の本が負けるのを見透かした彪雅殿は自らのテリトリー内では戦争が起こる前の日の本を維持しテリトリー内に暮らす者を密かに介護している
去る者は追わず来る者は歓迎する彪雅殿のスタイルに皆が感謝しているが……』

大騎は「常識人?」ではあるが時折とても複雑で意味の深い言葉をいう

今がそうだ

わざわざ言葉を切った

大騎『……1人だけ自らの幸せは愚か自身の感情も押し殺して生きている者がいる』

翼「…………」

翼  雅一だよな……

翼は分かっていた雅一がどんな思いで自分の下についたのかを

白蘭、大地、颯斗『…………』

大騎『白銀  雅一  雅一だけが幸せになれていない
翼  分かっているんだろ?雅一がどんな思いでお前に付いていたと思う?悲恋を背負い通じない想いを延々と抱え想いを伝える事も出来ず2人の幸せを願っていても本心は……』

翼「愛して欲しい……だろ?」

大騎『……てめぇは馬鹿か』

大騎の声はとても低くドスが効いている

初めて大騎が翼に対して怒りを顕にしたのだ  分かっているのに何もしようとしない翼の姿が癪に障ったのだろう

翼「つ……!!」

狼から擬人化した大騎は翼の胸ぐらを掴み押し倒した

目に怒りが篭もり大騎と雅一が本来死ななければ共に生きていた事を決定づけている

それでも翼と共に生きることを選んだのには訳があった……狼となった大騎は雅一の前では永遠に人にはなれない呪いがその身にかけられており会っても話せない

大騎『分かっているのならなぜ動かない!?雅一と長い付き合いならどれ程辛いか分かるだろ!?
雅一はお前に惚れて強くなっていく彪雅殿をいつも遠くから見てきた!!雅一も白銀家の当主であり穂高のリーダー故に自身の感情を押し殺さなければならない!!
翼も自分の感情一つで組織を動かせる訳に行かないことぐらい分かってる!!だが少しは雅一の気持ちも汲んでやれよ!?雅一がどれ程辛い想いをしながら敵を殲滅し仲間を護り彪雅殿や翼、仲間達とともに歩いてきたのか翼  お前にはわからないのか!!』

その言葉の後すぐ大騎が翼を殴り「くっそ!!」と言い残した大騎は擬人化した時間のみに持つ防具などを持って家から出て行った

白蘭『翼  大丈夫か?切れただろ?』

翼「……大騎の怒りは正当な理由だ
大騎は元々雅一と恋仲で本来死ななければ雅一と共に死ぬまで生きていた筈の人間……誇り高く名誉もあった霧夜家の当主と白銀家の当主なら死ぬ迄(まで)共にいたとしても誰も文句は言わない
たけど大騎は死に最愛の人である大騎を失った雅一は大騎に似ていた彪雅に恋に落ち辛くてもいいと思いながら日々を過ごした……
……凄い複雑なんだよ……雅一と大騎と彪雅は」

白蘭の言葉を返しながら切れた口の橋から流れる血を拭う

雅一『……Che e quello di vivere insieme con ampio soggiorno era stato pensato che lui e di essere fino a morire nella sale della vita(大騎と共に生きる事が生き甲斐で死ぬ迄一緒にいれるのだと思っていた……)』

翼「……Che e quello di vivere insieme con ampio soggiorno era stato pensato che lui e di essere fino a morire nella sale della vita……雅一と出会って何度か戦って大騎の話をされた時に言われた言葉……最初は意味がわからなかったが今ならわかる」

(※異国語は一部訂正あり)

大地『「大騎と共に生きる事が生き甲斐で死ぬ迄一緒にいれるのだと思っていた」……か……雅一殿ならそういう事を言いそうだ』

翼「……雅一は大騎の存在に気がついている
だけど雅一の前では人にはなれない大騎と話がしたくてもできないのが現状でどうすることも出来ずに何年もたってしまった……
奇跡が起きることを願うがそうそう起こる事でもないし……」

部下『翼様!!』

白蘭と話をしていると突然イヤホンから下手をすれば耳の鼓膜が切れるレベルの音量で部下の声が響き「キーン」と耳鳴りが終わってすぐに翼が応答する

翼「どうした」

部下『翼様が大切にしている桜のあるテリトリー内で抗争が起きています  このまま行けば翼様が大切にしている桜にも被害が!!』

翼「わかったすぐに行く」

そう言って翼は立ち上がり武器と防具を瞬時に装備して鼻や目の効く白蘭達も連れていくとそこは既に戦場と化していた

大地『……大騎が来た形跡がある』

翼「本当か?」

大地『間違いない  障害物の破損の仕方が大騎独特のモノだし人の倒し方が雅一殿と共にいた頃と変わらない』

大騎と大地は双子だ

だが転生した時間に差があり大地の方が歳上で大騎の癖などを把握している

翼「大騎がここに来たのだとしたらかなりやばいな……大騎は戦闘に没頭すると敵味方関係無く襲うからここ一帯血の海になるぞ」

翼  ……そう言えばここ……僅かに俺のテリトリーから外れて敵のテリトリー内だ……

敵「貴様……!!」

敵が翼がテリトリー内に侵入した事を理解した敵は翼に襲いかかるが大地が1発で沈める

大地『行け翼!!ここは俺等に任せろ』

翼「すまない」

大地達が命懸けで翼を護り翼はその援護あってなんとか敵を殲滅し大騎の戦った場所を頼りに敵と応戦せずに行くと……

雅一「つば……さ?」

翼「雅一……?」

翼  どうしてここに雅一が……

走って大騎を探していると傷だらけで血が色々なところから出ている雅一と遭遇し翼は意識が保たなかったであろう倒れた雅一を優しく抱きしめ白蘭を呼び雅一を保護するが雅一がどうして敵のテリトリーで捕まっていたのに逃げることが出来たのかが分からない

翼「……だい……き……」

雅一の血痕と大騎の戦闘の痕跡を辿って翼は走ったが着いた場所に大騎は返り血と自身の身体から流れた血で染まり事切れていた……

翼「……不自然だな……」

翼  大騎の血が流れた形跡がない

その場で倒れたのならその場に血が流れた形跡があるはずなのにその場に大騎の血はない

翼「ここ……か……」

暫くほぼ放心状態で歩いていた翼は壁に誰かが持たりかかり大量の出血をした場所を見つけ能力でDNA検査をするとその血が大騎の物と一致する

翼「雅一が運んだんだな……泣きながら敵の銃弾を受けて意識が朦朧としながらわかりやすい場所に運んで俺と遭遇した……」

翼  ……四角関係という物か……

彪雅は翼が好きで雅一は彪雅に惚れていて大騎は彪雅を尊敬し長年雅一の想いを隠して生きてきていて雅一は大騎の存在を知っていたが喋ることが出来ず思いを隠していて翼は彪雅が好きで雅一の事も大騎の事も大切に思っていて……

えらく複雑な4角関係なのだ

翼「大地  完了した……」

大地『……大騎は死んでしまったのか……?』

翼「俺が見つけた時には既に事切れていた  だけど痛みはなかったと思うぞ
……とても嬉しそうに……幸せそうに笑って逝ったようだから顔に悔いはない」

敵の返り血に染まりながら事切れている大騎を抱き抱えて歩いて家に帰る翼の腕の中にいる大騎の顔に一切の悔いはない

大地『そうか……雅一殿は?』

白蘭『家のベッドに安静に眠っている
だけどとても悲しげに眠っていた……私がここに来る前に雅一殿は大騎の名を呼びながら泣いていた』

翼「…………」

翼の中で渦巻く罪悪感と深い悲しみがいずれ晴れるのか……それとも罪悪感を永遠に背負う事になるかはまだ……翼には分からない……
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