溺愛と溺愛

ハーマ

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実力者

兄の存在

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鳳凰視点

鳳凰「ふぁ……」

鳳凰  今は朝の3時か……颯斗は煌(きら)さんと朝の訓練かな……

「煌」とは颯斗の兄で一ノ瀬の長男  21歳  職業は殺し屋

鳳凰「あーやっぱり訓練してる」

???「おはよう  鳳凰」

鳳凰「琥珀  仕事後か?凄い……血腥い」

「琥珀」とは鳳凰の兄で城崎家の長男  21歳  職業は殺し屋

琥珀「今帰ってきたからな……さっき始まったばかりで当分は出てこないからその内にシャワー浴びてくる」

鳳凰「いてら」

鳳凰  俺も髪とか整えるか……

兄の琥珀と別れてから鳳凰も一旦部屋に戻って髪型等を整える(今日はブラックスーツ)

~1時間後~

煌「鳳凰  悪いな……颯斗を借りていた」

鳳凰「いえいえ  朝起きて颯斗も部屋にいないし煌さんの部屋が空いてたので予想できてました」

颯斗「すぐにシャワー浴びて髪とか整えてくる」

鳳凰「いくら慣れている所とは言え走るなよ?」

鳳凰の言葉に「分かってる」と答えた颯斗は急ぎ足で部屋へ向かう

煌「そう言えば今日は次のパーティー会場の視察だったね  琥珀は帰ってきてる?」

そう言いながら近づいた煌からは硝煙と血の臭い

鳳凰「今は部屋に居ると思いますよ  煌さんも少し血腥いですね……」

煌「仕事後だからな  俺や親父達は匂いに慣れてるとは言え昔嗅いだ事のある臭いでも嫌か?」

鳳凰「……前世を思い出すんです  颯斗が自分の首を切って俺も死んだ時の事を……」

煌「失言だったな  すまなかった」

と煌は言って「行く時には必ず声をかけてくれ」と言い残してそのまま部屋へ

~20分後~

颯斗「鳳凰  悪い待たせた」

鳳凰「やっぱり一ノ瀬家はホワイトスーツか」

颯斗「同じだと見分けがつかなくなるからな」

鳳凰「髪固めたのか……ワックスか?」

服装も髪型も普段と違う颯斗と鳳凰

颯斗「お前はワイルド系だな  さっさと行ってさっさと帰ってこよう  な?」

鳳凰  誘ってんのか……?

何となく颯斗の言動が鳳凰を誘っている

煌「んじゃ俺は車運転するから乗ってくれ  おーい琥珀~お前仕事だろー早くこーい」

煌の声はかなり響く為半分寝ていた琥珀は起きていそいそと仕事の準備

琥珀「……ねっみい」

煌「諦めろよ  夜勤貯めてたお前が悪い」

琥珀「お前は年がら年中仕事してんのに何でそんな元気なんだよ……意味わかんねぇ」

煌「残りの準備は車の中でやれ  行くぞ」

そう言って煌は琥珀を車の中に押し込み2人も車の中に入る

颯斗「兄さん  さっきの琥珀さんの言葉の返答俺も聞きたい」

煌「あー「年がら年中仕事してんのに何でそんな元気なんだよ」だっけ?俺と琥珀には不老不死の力が入っているし……使い方次第で常に元気な状態を保てるんだよ」

鳳凰「つまり琥珀は使い方が悪いと」

煌「単に使いすぎてるだけだ  休める日は寝てる方が力は保てる」

琥珀は力を使い過ぎで煌は持ち前の頭脳で上手くコントロール

~パーティー会場~

煌「多分お前達の視察が終わるまでには俺も琥珀も仕事が終わらないから、親父か執事に連絡して迎えを寄越してもらえよ?俺は今日夜勤だから親父にも伝えておいてくれ」

颯斗「分かった  頑張れ」

煌「おう(*`∀´*)仕事中に良いもん見っけたら買ってきてやるから楽しみにしておけよ(^-^)」

颯斗「うん(*`∀´*)」

鳳凰  兄弟だな……会話が

鳳凰「兄貴は今日も夜勤か?」

琥珀「今日は一応帰ってくるけど夜中だし直ぐに出るかな……明後日と明明後日は完全に休みだから家にいる」

鳳凰「了解  後これ」

そう言って鳳凰が手渡したのはエナジードリンク

琥珀「エナジードリンク?」

鳳凰「少しはマシになるかなって思ってさ  仕事頑張れ」

琥珀「……サンキュー」

そう言って琥珀はエナジードリンクを胸ポケットに入れて、扉を閉めたのでそのまま車は発進して鳳凰達はパーティー会場を視察

煌「……次の仕事  お前と合同だからな」

琥珀「知ってる  弟達にかなり気を使ってくれたんだろ?」

車の運転を煌から琥珀に変わり2人っきりで話をする

琥珀「時間に余裕があるな  お前わざと早く出たのか?」

煌「…………」

琥珀「煌」

煌「……俺や琥珀、親父達は不老不死の力を持ってる……だけど颯斗と鳳凰君は持っていない」

煌は恐れていた……弟達が自分達よりも先に逝く事を……

琥珀「恐れているのか?」

煌「……怖いんだ  俺や琥珀よりも先に弟達が先立つ事が」

琥珀「お前は昔から身内の死を恐れていた  それは悪い事じゃないしむしろ持っていてもいい感情だ」

煌「だが仕事をするに当たって不要になってしまう事だってある」

煌と琥珀は若いながらに殺し屋界のトップ……いつ弟達が危ない目に遭うかわからない

琥珀「……いつかは決断しなければならない日も来る」

静かな車内で琥珀の声が響いた……

~2時間後~

颯斗「結構中も広かったし設備も充実してたな」

鳳凰「親父達が選んだ場所だ  抜け目はない」

視察を終えて迎えの車待ち

鳳凰の父親「鳳凰、颯斗君  迎えに来たぞ」

鳳凰「サンキュー親父」

鳳凰の父親「どうだった?」

鳳凰「親父達が選んだ会場だからな  抜け目なし」

と鳳凰の言葉に鳳凰の父親は「そうか」と笑う

颯斗「あれ?父さんは?」

鳳凰の父親「今日は仕事  煌君と琥珀が護衛として任務を課せられてる」

颯斗「………そう……ですか」

鳳凰  やっぱり気にしてるんだな……前世での事を……

颯斗は兄である煌が殺し屋になった理由は自分にあると分かっていた……煌は颯斗を護る為にその道を選び今では罪を犯す日々……

鳳凰の父親「まぁ一日はまだ長い……2人でゆっくりしていなさい」

と言われ颯斗は頷いて自室に向かい鳳凰も向かう

颯斗「ん……んん」

鳳凰「……颯斗」

颯斗「ん?どうした?」

部屋に着き鳳凰は颯斗の唇を奪った……今日は優しくしたいのかキスが優しい

鳳凰「昔は昔  今は今」

颯斗「気がついてたのかよ」

鳳凰「前世からの付き合いだからな」

颯斗「……分かっているつもりでも……認めたくない事実が存在する」

鳳凰  颯斗は別に気にしすぎな訳ではなく優しいんだ……昔から

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