悲しみと言う名の優しさ

ハーマ

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出会い

ジルウェーゼとジーファ

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ジルウェーゼ&ジーファ視点

シャルート「……なぁ……ジル」

ジルウェーゼ「………流石にこればっかりは想定外」

シャルート「あのピリピリモードでどう接触しろと?」

その日  シャルートとジルウェーゼはある人物との接触を試みて居酒屋に来ていたのだが………

シャルート、ジルウェーゼ「(ピリピリしすぎだろ………)」

遠目からでも相手がピリピリしているのが分かる

シャルート「頑張れよ………お前しか彼の事知ってる人いないんだから」

ジルウェーゼ「はぁ………」

ジルウェーゼ  確かに俺彼の事知ってるけど強制なんだよな………

シャルートに背中を押されてジルウェーゼが頑張って相手に接近

ジルウェーゼ「……「アルデバラン」」

ジルウェーゼは思い当たった一言を言い方を考えて頑張って言ったのだが………無反応と思った彼が反応し「座れ」とイライラした調子で一言で言われジルウェーゼは座る

ジーファ「俺は「ジーファ・フォン・ルーグ」だ「ジルウェーゼ・ヴィギン・ゼーバ」………元「アルタイル」のスナイパー現「アルナイル」銃撃部隊戦闘リーダー」

ジルウェーゼ  うわぁ………フルネームからの部隊まで知ってるのか………

シャルート「流石に御存知でしたか」

流石にピリピリモードのジーファとジルウェーゼを2人にしていられなかったシャルートも同じ席へ

ジーファ「情報屋舐めんなよ?そんぐらい知ってる  何の用だ」

シャルート「保護をしに来ました」

と言うシャルートの発言にジーファは「は?」と返答

シャルート「この写真に見覚えがあるはず」

シャルートがそう言いながら取り出したのはジーファも持っている1枚の写真

ジーファ「…………」

シャルート「この写真を撮ったのは俺です  レオン司令官からの遺書で貴方を保護をしに来ました」

ジーファは写真を見ながらチラ見でジルウェーゼとシャルートを見て少しピリピリ感が和らぐ

ジーファ「………お前がこの写真を撮ったんだな………親父がまだ生きている頃………笑っていた時の写真を………」

そう言ってジーファは立ち上がって勘定を済ませて2人を見て「保護するんだろ?」と言う

ジーファ「教えろよ  親父達がどんな人生を歩んできたのかを」

その言葉でジルウェーゼとシャルートはジーファを保護し3人で「アルナイル城」へ

ジルウェーゼ「改めまして………初めまして」

ジーファ「…………」

ジーファ  「初めまして」?何処かで会った気がするんだがな………

ジーファとジルウェーゼは1度会った事があるが覚えていない

ジーファ「1度会ったことあるだろ」

ジルウェーゼ「………覚えていらっしゃるんですか?」

ジルウェーゼ  確かに一度会ったけど覚えてるのか?

ジーファ「…覚えてはいない  だが1度会った事があるが筈だ」

ジルウェーゼ「………御名答  貴方がまだレオン副隊長を「お父さん」と呼んでいた頃に1度だけお会いしています」

ジーファ  それじゃあ覚えてねぇな………随分と前だし

余りにも見てきた世界が広すぎて幼い頃の記憶はほとんど覚えていない

ジーファ  なんかいけ好かないんだよな………「ジルウェーゼ」ってやつが

ジーファは目の前にいるジルウェーゼに対して不快感を抱いていた………理由はわからないが何故かジルウェーゼの何かが気に入らない

シャルート「この部屋をお使いになって下さい」

と言って案内したのはレオンがアルナイルにいた頃に使っていた部屋

ジーファ「………親父の使っていた部屋か」

シャルート「遺書にこの部屋を貴方に使わせて欲しいと残されていました」

ジーファ「懐かしい匂いだ………親父の匂いだ」

元々ジーファは人狼になれる力を持っているので嗅覚は鋭い

ジルウェーゼ、シャルート「…………」

部屋に入ってから辛そうな顔をしているジーファを気遣ってジルウェーゼとシャルートは退室し会議へ

ジーファ「…………」

ふとジーファはベッドの下に何かあることに気がつき手を入れてみると………取り出せたのは1枚の破られたであろう少し大きめの手紙の切れ端………

ジーファ「………あいつ親父のこと好きだったのか」

ジーファが読んだ手紙の内容はレオンが書いたであろうものだったが内容はジルウェーゼに対してだった

ジーファ  「ジルウェーゼの気持ちには答えられない」………多分気持ちを伝えずともわかっていたからこその言葉なんだろうが………あいつもしかして俺と親父を被せているのか?

どことなくジルウェーゼのジーファへの視線は悲しいような視線だった………ジルウェーゼがレオンに何をやったのかは知らないがレオンの死に直結することをしたのは分かる

ジーファ  まぁ本人に直接聞けばいいんだがな

などと思いながら数少ない荷物を部屋に置いて武器の整備

ジルウェーゼ「…………」

シャルート「ジルウェーゼ  話聞いてるか?」

ジルウェーゼ「………聞いてます」

シャルート「集中力が切れてるぞ」

とシャルートに指摘されてジルウェーゼはため息

シャルート「気になってるのはわかるが会議はちゃんと話を聞いてくれ」

ジルウェーゼ「すいません」

ジルウェーゼ  どうしても副隊長と隊長に被せてしまうんだよな………

シャルート「ジルウェーゼ  現在の銃撃部隊の人数と各々のランクは?」

ジルウェーゼ「現在の銃撃部隊は総員50万で全員Sです」

内心考え事をしていても受け答えはきちっとしているジルウェーゼ

幹部「全員Sなんですか?」

ジルウェーゼ「最初はFから入った者もいたが長期間に及ぶ訓練と実績で気がついたらそこまで強くなっていた、訓練と努力、信念を貫き通せばそこまで行ける」

ジルウェーゼはレオン直伝の訓練法で部下達を訓練し飴と鞭を使い分けながら指導を行う

シャルート「ジルウェーゼの訓練法は血反吐を吐くレベルだが俺を乗り越えれば強くなれる  部下がSランクになった場合の訓練等は?」

ジルウェーゼ「個々に任せています  手抜きをしたら罰を下しますが全員手を抜かないので」

シャルート「まさかとは思うが………実際にやったのか?」

ジルウェーゼ「やってませんよ失礼ですね  単に洗脳じみたやり方をさせてもらいました」

と言うジルウェーゼの言葉にシャルートを含めその場にいた幹部達は悪寒が走った

シャルート「………何をやってそうなったんだ?」

ジルウェーゼ「まぁ最初は恐怖政治をして訓練中に同じ言葉を延々と繰り返し………極めつけは聞かれると効果ないので1人1人別々に耳元で、「もし訓練を怠れば……貴様の〇〇〇を切り落として△△を潰した後にそれをミンチや飲み物にして飲食させるぞ」って言ったんです」

その場にいた全員「ひぇっ」

完全に表示禁止用語を言い放ったのだがそれよりもジルウェーゼの発言の方が恐ろしい

※本来は「放送禁止用語」です

ジーファ  あいつ敵に回したらやべぇやつだ

たまたま話を聞いていたジーファも下半身が一瞬冷えそそくさと退散

ジーファ  こぇぇよあいつ………それで親父に恋してたってまじか

部屋に戻ってジルウェーゼの怖さを知ったジーファは平常心を保とうと必死

ジルウェーゼ「………失礼」

不意に何かを感じたのかジルウェーゼがパソコンを開きキーボードを打つ

ジルウェーゼ「………銃撃部隊リーダーが命ずる  銃撃部隊全隊員は戦闘準備を行い戦闘に備えろ」

ジルウェーゼのパソコンの画面には敵の行動が表示されていて銃撃部隊を動かす

シャルート「敵か?」

ジルウェーゼ「銃撃部隊を始動させれば簡単に沈められる」

シャルート「了解だ  会議は終わりにしよう」

という事で会議は終わりジルウェーゼは戦闘服へ

ジーファ「さっき凄い音がしたが」

たまたまジルウェーゼの部屋の近くにいたジーファにそう言われたがジルウェーゼはテンションが低い

ジルウェーゼ「気にしなくていい」

ジーファ「…………」

ジーファ  戦闘になると性格が変わるタイプか

等と思いながら歩いているジルウェーゼの後を追うジーファ

ジルウェーゼ「状況は」

隊員「敵部隊はこちらを警戒してまだ前進はしていませんが………恐らく時期に前進し出すかと思われます」

ジルウェーゼ「大方の状況は把握出来た  一旦そこを退け」

ジーファ  なんか雰囲気が………

「バキィン」

ジルウェーゼ「っ!」

ジルウェーゼはライフルを見ている最中に敵に発砲されたのか片目から大量の血を流す

ジルウェーゼ「α部隊戦闘を開始せよ!!!!」

α部隊隊員「はい!」

ジーファ  固めから大量に出血している状態で接近戦とか馬鹿か

片目が見えなければ視界が悪くなる上に接近戦は不利

ジルウェーゼ「足りないか……β部隊戦闘を開始せよ!!!!」

β部隊隊員「はい!」

ジルウェーゼ  残るはΩ部隊………だがΩ部隊は最終手段だからな………取っておかないと

ジーファ  普通に考えてα部隊が1番強い部隊だと思われるがジルウェーゼの率いる部隊は逆………

銃撃部隊の3種ある部隊………α、β、Ω………その中でも雰囲気が一番あるのはαだが人数はΩが一番多いのだ

ジーファ「考え方としては確かに頭が良いし個々の実力を見比べた上で行えている………しかもトップはアルタイル時代からの最強の狙撃手………恐らく右に出る者はいないだろうしランクも上位………敵はそれを理解した上で戦術を考えているがいささか甘いな………しかし敢えてその甘さを表に出して隙を突く方法も考えられる………そのどちらかを見極められなければ指導者としては甘いし………」

とブツブツジーファが考えていると………

ジルウェーゼ「っ」

ジーファ「…………」

ジルウェーゼが腹を撃たれ蹲ったのでジーファが動き出す

ジーファ「死にてぇのかてめぇは」

と言いつつもジーファはジルウェーゼのところに駆け寄り傷の具合をチェック

ジーファ  腹に銃弾が3発も………これじゃあ最悪の場合死ぬぞ………

ジルウェーゼ「こちらも事情持ちでして…………総員一時撤退!!!!………いててて………」

ジルウェーゼ  腹に直撃してるのは流石にいてぇ……

ジーファ「何考えてんだ」

ジルウェーゼ「複雑な復唱ですので離れて下さい」

と答えにもなっていない言葉を言われて苛立ちつつもジーファは離れて避難………

ジルウェーゼ「我組織を支える者………神よ主よ………我が血と共に勝利の旗を………我が声を聞け!!「トゥウェール・シューガン」!!!!」

ジルウェーゼが痛みを堪えて立ってそう叫ぶと敵のいる広範囲に魔法陣が現れ敵を殲滅していく

ジーファ「おいおいおいおいおいおい………」

ジーファ  敵を殲滅するのは良いが出血が酷くなりすぎて血溜まりができ始めてんぞ!?

Ω部隊隊員「隊長!!!!」

ジルウェーゼ「…………」

ジーファ「おい馬鹿無理すんな!!!!!!」

ジルウェーゼの努力によって敵はもうα部隊隊員だけで倒せるまで減ったがジルウェーゼは既に失神寸前

ジルウェーゼ「は………」

「バツン」と言う大きな音で魔法陣が消えると同時にジルウェーゼが倒れかけジーファがキャッチ

ジーファ「…………」

ジルウェーゼ「…………」

ジーファは失神しているジルウェーゼに止血を施しながらレオンの言葉を思い出した………

レオン『俺の部下に勝つ為に………自分の部下を生き残らせるために無茶をするヤツがいてな………そいつ自分が死のうと他の奴が生き残ればいいって頭でさ?ほんと見てる方がハラハラするんだよ』

ジーファ  ジルウェーゼの事だったんだ………親父の「部下」って………

ジーファ「………やれやれ  おいそこの」

β部隊隊員「はいっ」

なんとか止血は完了したが生傷だらけのジルウェーゼは完全に失神しているし、α部隊隊員だけじゃ心細いのでジーファが動き出す

ジーファ「ジルウェーゼを頼むぞ」

とそう少し微笑んでジーファは刀を鞘から抜いて援護

~そして30分後~

ジルウェーゼ「…………」

Ω部隊隊員「隊長  目が覚めましたか?」

ジルウェーゼ「………車の中か ここ…………あの後どうなった………?」

α部隊隊員「御子息の方の援護のおかげで20分で終わりました」

ジルウェーゼ  手伝ってくれたのか………?

ジーファ「………すー………」

ジルウェーゼが痛みを堪えて上半身を起き上がらせると向かいの席にジーファは座りながら眠っている

ジルウェーゼ「っ………」

β部隊隊員「余り動かないで下さい  止血しかできてないんです」

ジルウェーゼ「シャルートに怒られそうだな………」

「ズキズキ」と痛む身体に組織に戻ったら説教をされるであろうジルウェーゼは、寝顔がかつて恋焦がれ一生叶わない想いを抱いた人にジーファを被せてしまう………勿論ジーファがそれをよく思わないのもわかっていてだ

ジルウェーゼ「いてぇなぁ………」

Ω部隊隊員「隊長?」

ジルウェーゼ「何でもない  後どのくらいで着く?」

β部隊隊員「後5分で着くかと思われます」

ジルウェーゼは痛む胸を抑えながらその返答を聞いてちゃんと座り直し目を伏せた………「今では懐かしい」と思いいつつも閉じられた瞳から意識せずに静かに涙を流しながら………ジルウェーゼはかつての幸せだった日々を思い起こす………その姿をジーファや隊員が見ていたとは知らずに………
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