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3章 ルダマン帝国編
第237話 密会と手紙
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レオンスはフードを深く被って雑踏の中を歩く。
気配を殺して人気のない路地裏に入った。
誰もいない暗い道。
レオンスは横に並ぶ建物を数えていく。
そして、とある建物の前で足を止めた。
看板なども下げられていない。
扉も一か所のみだ。
レオンスはその扉の前でノックを3回、2回、3回と区切って行った。
すると、ガチャッガチャッという音が中から聞こえてくる。
鍵を外しているのだろう。
音の回数からしてかなり厳重に鍵をかけているようだ。
扉が開かれると口元を布で隠した黒装束の黒髪女性が出迎えた。
琉海たち現代人が見ればくノ一を想像したかもしれない。
「レオンス ・クレイダーマンね」
「ああ、そうだ」
「入って」
女性はレオンスを建物の中に入れる。
その後、扉が閉まる。
その時の音は重厚感のある音だった。
周囲の他の建造物と同じような見た目をしているが、使っている素材は相当丈夫な物を使用しているのかもしれない。
「好きな場所に座って」
レオンスは女性に従って向かい合ったソファの片方側に腰を下ろした。
その向かい側に黒装束の女性が座る。
「それでこれはどういうことだ?」
レオンスは懐から一通の手紙を取り出して、お互いの前にある机に置いた。
「中は読んだ?」
「ああ、読んだよ」
レオンスが机の上に置いた手紙には皇帝の紋章が刻まれた封蝋がされていた。
その手紙の趣きはルジアス皇帝が自分の息子と会えることを願うものだった。
その中に待ち合わせ場所と時間が書かれていた。
つまり、傍から見たら手紙の内容は息子に宛てたものだった。
ただ、ルダマン帝国の皇帝ルジアス・ルダマンの子供は全員不慮の事故で亡くなっている。
それもここ数年のことだ。
この世に存在しない相手への手紙。
そんな物を綴ったと中央貴族たちが知れば、ルジアス皇帝が狂ったと吹聴して皇帝の座から降ろすだろう。
そんなルジアス皇帝が存在しない息子に綴った手紙がレオンスの元に届いた。
中央貴族たちは知らないだろう。
ルジアス皇帝にはまだ息子がいることを。
ルジアス・ルダマンが父親から皇帝の座を継ぐ前に一人の侍女と体の関係を持っていたことを。
気配を殺して人気のない路地裏に入った。
誰もいない暗い道。
レオンスは横に並ぶ建物を数えていく。
そして、とある建物の前で足を止めた。
看板なども下げられていない。
扉も一か所のみだ。
レオンスはその扉の前でノックを3回、2回、3回と区切って行った。
すると、ガチャッガチャッという音が中から聞こえてくる。
鍵を外しているのだろう。
音の回数からしてかなり厳重に鍵をかけているようだ。
扉が開かれると口元を布で隠した黒装束の黒髪女性が出迎えた。
琉海たち現代人が見ればくノ一を想像したかもしれない。
「レオンス ・クレイダーマンね」
「ああ、そうだ」
「入って」
女性はレオンスを建物の中に入れる。
その後、扉が閉まる。
その時の音は重厚感のある音だった。
周囲の他の建造物と同じような見た目をしているが、使っている素材は相当丈夫な物を使用しているのかもしれない。
「好きな場所に座って」
レオンスは女性に従って向かい合ったソファの片方側に腰を下ろした。
その向かい側に黒装束の女性が座る。
「それでこれはどういうことだ?」
レオンスは懐から一通の手紙を取り出して、お互いの前にある机に置いた。
「中は読んだ?」
「ああ、読んだよ」
レオンスが机の上に置いた手紙には皇帝の紋章が刻まれた封蝋がされていた。
その手紙の趣きはルジアス皇帝が自分の息子と会えることを願うものだった。
その中に待ち合わせ場所と時間が書かれていた。
つまり、傍から見たら手紙の内容は息子に宛てたものだった。
ただ、ルダマン帝国の皇帝ルジアス・ルダマンの子供は全員不慮の事故で亡くなっている。
それもここ数年のことだ。
この世に存在しない相手への手紙。
そんな物を綴ったと中央貴族たちが知れば、ルジアス皇帝が狂ったと吹聴して皇帝の座から降ろすだろう。
そんなルジアス皇帝が存在しない息子に綴った手紙がレオンスの元に届いた。
中央貴族たちは知らないだろう。
ルジアス皇帝にはまだ息子がいることを。
ルジアス・ルダマンが父親から皇帝の座を継ぐ前に一人の侍女と体の関係を持っていたことを。
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