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3章 ルダマン帝国編
第309話 指名手配犯?
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琉海は情報屋を後にして宿に戻った。
「どうだった?」
「特にこれといったものはなかったな」
そう言ってローブを片付ける琉海を見つめるリーリア。
「俺の顔に何か付いているか?」
「何かあったんじゃないかなと思って……」
「特に何もなかったよ」
「そう。でも、何か言いたくなったら言いなさいよ」
「ああ、ありがとう。さっさと寝よう。明日の朝には王都を発つぞ」
「わかっているわよ」
リーリアはすぐにベッドに入った。
琉海もベッドに入って眠りに就く。
***
日がまだ昇る前に琉海は目を覚ました。
琉海は隣のベッドを見るとリーリアも目を覚ましていた。
「物騒な目覚ましだな」
『気づいたのね』
気づかなければエアリスが起こすつもりだったようだ。
「これだけ多くの気配が周囲を囲んでいたらな」
琉海とリーリアが目を覚ましたのは、この宿を囲うように配備された人の気配だ。
「目的が俺たちじゃなければいいんだけど……」
「その可能性は低いみたいよ」
「みたいだな」
琉海たちが借りている部屋の扉の前で2人ほどの気配が足を止める。
「どうする?」
リーリアが対応を聞いてくる。
ルダマン帝国でもあったなと思いつつも対応を考える。
(さて、どうしたものか……)
一蹴するのは簡単だ。
そこまで外の相手は強くなさそうだ。
「ひとまずリーリアは窓から出てくれ」
おそらくここから逃げることになるだろう。
気配を消す能力は琉海よりもリーリアのほうが長けている。
窓を開けて外に出るぐらいならリーリアにとっては朝飯前だろう。
「騒ぎが起きたらすぐに塀の外へ出てくれ。あれぐらいの高さなら超えられるだろ」
琉海は窓から微かな灯りで見える大きな外壁に視線を向ける。
「ええ、あれぐらいなら超えられると思うけど大丈夫なの?」
「ああ、脅威になりそうなやつはいないと思うから大丈夫だ」
とはいえ、気配を完全に消されていればわからないが――
『少しそこら辺を見てきたけど、大丈夫そうよ』
「エアリスが調べても大丈夫みたいだから問題ないだろ」
「わかったわ。気を付けてね」
リーリアは窓を開き、気配を消して外に出た。
「さて、まずは相手の目的でも確認するか」
琉海はドンドンとうるさくノックされる扉を開いた。
「どうされたんですか」
あたかも今起きたかのように琉海は瞼を擦る。
「指名手配犯の疑いがと報告があってな」
「指名手配犯ですか?」
琉海は部屋の中を見せる。
誰もいないことを示すが、二人の兵士はそんなことには見向きもしない。
「指名手配犯の疑いは君だ」
「俺ですか?」
なんのことだろうかと考える素振りをする。
まあ、なんで指名手配犯なんかの疑いが向けられているのかも琉海はわからないが、情報を引き出すために子芝居をする。
兵士たちはお互いに視線を交すと――
「つべこべ言わずにさっさと来い!」
同時に二人が琉海に掴み掛かってくる。
(ここまでか……)
もう少し会話を繋いで、なんで狙われているのか情報を引き出したかったが、先に痺れを切らしてしまったようだ。
琉海は精霊術で身体強化を施し、一瞬で兵士二人の頭を掴んで床に叩き付けた。
「「ぐぁ!?」」
衝撃で二人の意識を刈り取る。
「理由がわからないので遠慮させてもらいます」
今の物音でリーリアは外壁に向かっただろう。
琉海も窓から出ようとしたとき――
パリンッという音と共に窓から人が乱入してきた。
「どうだった?」
「特にこれといったものはなかったな」
そう言ってローブを片付ける琉海を見つめるリーリア。
「俺の顔に何か付いているか?」
「何かあったんじゃないかなと思って……」
「特に何もなかったよ」
「そう。でも、何か言いたくなったら言いなさいよ」
「ああ、ありがとう。さっさと寝よう。明日の朝には王都を発つぞ」
「わかっているわよ」
リーリアはすぐにベッドに入った。
琉海もベッドに入って眠りに就く。
***
日がまだ昇る前に琉海は目を覚ました。
琉海は隣のベッドを見るとリーリアも目を覚ましていた。
「物騒な目覚ましだな」
『気づいたのね』
気づかなければエアリスが起こすつもりだったようだ。
「これだけ多くの気配が周囲を囲んでいたらな」
琉海とリーリアが目を覚ましたのは、この宿を囲うように配備された人の気配だ。
「目的が俺たちじゃなければいいんだけど……」
「その可能性は低いみたいよ」
「みたいだな」
琉海たちが借りている部屋の扉の前で2人ほどの気配が足を止める。
「どうする?」
リーリアが対応を聞いてくる。
ルダマン帝国でもあったなと思いつつも対応を考える。
(さて、どうしたものか……)
一蹴するのは簡単だ。
そこまで外の相手は強くなさそうだ。
「ひとまずリーリアは窓から出てくれ」
おそらくここから逃げることになるだろう。
気配を消す能力は琉海よりもリーリアのほうが長けている。
窓を開けて外に出るぐらいならリーリアにとっては朝飯前だろう。
「騒ぎが起きたらすぐに塀の外へ出てくれ。あれぐらいの高さなら超えられるだろ」
琉海は窓から微かな灯りで見える大きな外壁に視線を向ける。
「ええ、あれぐらいなら超えられると思うけど大丈夫なの?」
「ああ、脅威になりそうなやつはいないと思うから大丈夫だ」
とはいえ、気配を完全に消されていればわからないが――
『少しそこら辺を見てきたけど、大丈夫そうよ』
「エアリスが調べても大丈夫みたいだから問題ないだろ」
「わかったわ。気を付けてね」
リーリアは窓を開き、気配を消して外に出た。
「さて、まずは相手の目的でも確認するか」
琉海はドンドンとうるさくノックされる扉を開いた。
「どうされたんですか」
あたかも今起きたかのように琉海は瞼を擦る。
「指名手配犯の疑いがと報告があってな」
「指名手配犯ですか?」
琉海は部屋の中を見せる。
誰もいないことを示すが、二人の兵士はそんなことには見向きもしない。
「指名手配犯の疑いは君だ」
「俺ですか?」
なんのことだろうかと考える素振りをする。
まあ、なんで指名手配犯なんかの疑いが向けられているのかも琉海はわからないが、情報を引き出すために子芝居をする。
兵士たちはお互いに視線を交すと――
「つべこべ言わずにさっさと来い!」
同時に二人が琉海に掴み掛かってくる。
(ここまでか……)
もう少し会話を繋いで、なんで狙われているのか情報を引き出したかったが、先に痺れを切らしてしまったようだ。
琉海は精霊術で身体強化を施し、一瞬で兵士二人の頭を掴んで床に叩き付けた。
「「ぐぁ!?」」
衝撃で二人の意識を刈り取る。
「理由がわからないので遠慮させてもらいます」
今の物音でリーリアは外壁に向かっただろう。
琉海も窓から出ようとしたとき――
パリンッという音と共に窓から人が乱入してきた。
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