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新しい出会い・2
目を覚ますと、ベッドの上で眠っていたようだった。
部屋は広く、高そうな家具が置いてあった。
窓に近付くと、空は真っ黒で月が出ていた。庭は広く、何処かの御屋敷に連れてこられたのだと分かる。
「私なんかを捕まえてどうする気なんだろう?」
確か、白咲家の人間だと言っていた。だが、白咲家の人間が黒咲家の人間に何の用だ?
部屋の扉がノックされ、扉が開く。
「あら、お目覚めになっていたんですね」
「えっと、おはようございます」
私は玄関で出会った綺麗な女の人にペコリと頭を下げた。
「あら、気にしないで。私たち、将来は夫婦になるんですから」
「……はい?」
将来、夫婦って。夫婦って言うのは、男と女がなるものでは?
「えっと、白咲さんは女性に見えるんですが?」
「はい、私は女性ですよ」
綺麗な笑みを返された。まるで氷の様な冷たい笑みだ。まるで、作り物の様な美しさ。
「えっと、私を連れてきたのは誘拐ですか?」
「そうですね、貴方は薫さんにお金と引き換えに渡して頂きました」
「え?」
薫さんが私を売った?
「離婚した奥さんとの間に子供さんが病気でお金がいるんですって。だから、貴方を引き取ってお金に換えたという訳です」
「ははっ、何処でも私は邪魔者って訳ですか!」
どうして、こんなに生きている事に価値が無いのだろうか。それなら、産まないで欲しかった。捨てる位なら、本当に本当に!
「私達には咲さんは必要な方ですよ」
「……は?」
私が必要?
「なんで、私なんかを必要としてくれるんですか?」
「貴方は貴方が思っている以上に必要なお方と言う事です。私と比較しても、貴方の方がずっと必要です。私の代わりなんていくらでもいますから。あ、名前を名乗り忘れていましたね。私は白咲いずなと申します。どうか、宜しくお願いします」
「いずなさんですか?」
「はい、私の事はどうか呼び捨てでお願いします」
「えっと……、いずな?」
「はい!」
私が呼び捨てにすると、嬉しそうにいずなは笑った。さっきの氷の様に冷たい笑みではなく、花が咲いたような温かな笑みだった。なんだか、ほっと安心した。しかし、夫婦とは一体どういう事なんだろうか?
「あの、いずなは私と夫婦になるために私を買ったの?」
「はい、だって咲さんは男性におなりになりますから」
「男性って……」
いろいろと知られているって訳か。だが、私は男になる気がないのだが。どう説明したらいいのだろうか?
「明日になったら、この近くでお祭りがあります。行ってみますか?」
「お祭りですか?」
「はい、花火大会とか楽しいと思いますよ」
「花火大会か……」
「私とのデートは嫌でしょうか?」
デートって、女性同士なら友達同士で行っている様に見えると思うんだが。
いずながクスリと小さく笑った。
「今どきのカップルには、異性同士じゃなくてもデートしていると思いますよ」
「そうですけど、私がその括りに入れられるのは、ちょっと抵抗が」
「大丈夫ですよ」
そう言って、いずなは私の左手をとった。
「私が駄目でも白咲家には優秀で美しい方がいらっしゃいますから、安心してくださいね」
「はぁ……?」
どうも、話が分からない。
ただ、私はいずなとの明日の花火大会が少し楽しみになっていた。
馬鹿だから嫌な事はスグに忘れてしまう。
そう、薫さんに売られてしまったのに。なんでか思ったよりも平気だった。
理由は分かっている。いずなが本当に嬉しそうに私を見てくれるからだ。
私が居る事によってどう白咲家に影響があるのか分からないが。私はいずなが居てくれるならちょっとばかりのデートというのにも参加してもいいと思っている。
本当に自分は単純だ。
いずなが言った。
「明日は楽しみです」
嬉しそうに笑うので、私までつられて笑ってしまった。
部屋は広く、高そうな家具が置いてあった。
窓に近付くと、空は真っ黒で月が出ていた。庭は広く、何処かの御屋敷に連れてこられたのだと分かる。
「私なんかを捕まえてどうする気なんだろう?」
確か、白咲家の人間だと言っていた。だが、白咲家の人間が黒咲家の人間に何の用だ?
部屋の扉がノックされ、扉が開く。
「あら、お目覚めになっていたんですね」
「えっと、おはようございます」
私は玄関で出会った綺麗な女の人にペコリと頭を下げた。
「あら、気にしないで。私たち、将来は夫婦になるんですから」
「……はい?」
将来、夫婦って。夫婦って言うのは、男と女がなるものでは?
「えっと、白咲さんは女性に見えるんですが?」
「はい、私は女性ですよ」
綺麗な笑みを返された。まるで氷の様な冷たい笑みだ。まるで、作り物の様な美しさ。
「えっと、私を連れてきたのは誘拐ですか?」
「そうですね、貴方は薫さんにお金と引き換えに渡して頂きました」
「え?」
薫さんが私を売った?
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「ははっ、何処でも私は邪魔者って訳ですか!」
どうして、こんなに生きている事に価値が無いのだろうか。それなら、産まないで欲しかった。捨てる位なら、本当に本当に!
「私達には咲さんは必要な方ですよ」
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私が必要?
「なんで、私なんかを必要としてくれるんですか?」
「貴方は貴方が思っている以上に必要なお方と言う事です。私と比較しても、貴方の方がずっと必要です。私の代わりなんていくらでもいますから。あ、名前を名乗り忘れていましたね。私は白咲いずなと申します。どうか、宜しくお願いします」
「いずなさんですか?」
「はい、私の事はどうか呼び捨てでお願いします」
「えっと……、いずな?」
「はい!」
私が呼び捨てにすると、嬉しそうにいずなは笑った。さっきの氷の様に冷たい笑みではなく、花が咲いたような温かな笑みだった。なんだか、ほっと安心した。しかし、夫婦とは一体どういう事なんだろうか?
「あの、いずなは私と夫婦になるために私を買ったの?」
「はい、だって咲さんは男性におなりになりますから」
「男性って……」
いろいろと知られているって訳か。だが、私は男になる気がないのだが。どう説明したらいいのだろうか?
「明日になったら、この近くでお祭りがあります。行ってみますか?」
「お祭りですか?」
「はい、花火大会とか楽しいと思いますよ」
「花火大会か……」
「私とのデートは嫌でしょうか?」
デートって、女性同士なら友達同士で行っている様に見えると思うんだが。
いずながクスリと小さく笑った。
「今どきのカップルには、異性同士じゃなくてもデートしていると思いますよ」
「そうですけど、私がその括りに入れられるのは、ちょっと抵抗が」
「大丈夫ですよ」
そう言って、いずなは私の左手をとった。
「私が駄目でも白咲家には優秀で美しい方がいらっしゃいますから、安心してくださいね」
「はぁ……?」
どうも、話が分からない。
ただ、私はいずなとの明日の花火大会が少し楽しみになっていた。
馬鹿だから嫌な事はスグに忘れてしまう。
そう、薫さんに売られてしまったのに。なんでか思ったよりも平気だった。
理由は分かっている。いずなが本当に嬉しそうに私を見てくれるからだ。
私が居る事によってどう白咲家に影響があるのか分からないが。私はいずなが居てくれるならちょっとばかりのデートというのにも参加してもいいと思っている。
本当に自分は単純だ。
いずなが言った。
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嬉しそうに笑うので、私までつられて笑ってしまった。
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