上 下
483 / 559

雨が降ったら大変だ!

しおりを挟む
 輝星に連絡を取り、今後の方針を決めているのだが……

「それじゃ俺は決定だな」
「自分もお供します!」
「今回はトシだけに任せる訳にもいかないし俺も参加だ」
「この流れだと自分もっすね」
「うちとアヤコは念の為に残らないとまずいだろう」
「カズがリーダーとして3人をうまく纏めてくれ」
「え?!トシじゃなくて俺!?なんで!?」
「カズおまえな副団長だろ!ミヤコとアヤコが残るんだカズがリーダーに決まってんだろ!」

 家を買うなら俺は絶対参加、光宙は少しでも役に立ちたいらしく立候補、カズは強制、太郎は流れで参加だな。

「なぁ帝王がサリアに対して侵略の声明だしたんだよな?って事はもう戦争状態なのか?」 
「判断は難しいが……フィリア、この場合どうなる?」
「そうね、私達は誰も国同士の戦争は経験ないのよね、小競り合いはあるのだけど帝王自ら宣言なんてね。普通はモンスターの被害を抑えるだけで……エル様でさえ国同士の戦争は経験ないはずよ」

 ラグナはフィリアさんに話を振ったがフィリアさんにもはっきりわからないみたいだ。

「戦争状態なら帝王ぶっ飛ばせばいいんだよな?そっちの方が楽でいいや」
「国同士の戦争は王を倒すのか?」
「普通はそこまでいかないだろ?敗北宣言して終わりではないのか?」
「戦国時代だと敵将の首を取れば勝利だな」
「軍の大将って事か?軍隊の大将誰だかわかんないし帝王でよくない?」
「……いや、ダメだ却下だ」
「一瞬考えなかったか?すぐ却下って言われると思ったけど」
「帝王を倒せば変なちょっかいも出されないと思ったが……だめだ」
「なにがだ?」
「お前は絶対帝王をぶっ飛ばす、そうなると帝国がサリアの領土になってしまう、サリアだけで手一杯だ!やっと軌道に乗り始めたのに領土なんか広げている場合ではない!」

 確かにサリア近辺は土地も豊かだし鉱石なんかも取れる山もある、わざわざリスクを冒して領土を広げる必要はないと思える。

「サリアに向けて軍が発ったって言うのは確かな情報なのよね?」
「輝星がガセ情報を握らせられてなかったらな、フィリアなにか案があるのか?」
「サリアに向かった帝国軍が正体不明の4人組と戦闘になり軍務実行不可能、帰国ってのはどうかしら?」
「俺たちの顔は知れ渡ってないですか?」
「変装すればいい、変な仮面とかいっぱいもってたろ?」
「ああ、うん、いっぱい持ってるな」

 ざっくり方針が決まり、太郎たちも自分のメンバーへの説明がある為、一度別れ1時間後に俺の屋敷に集合となった。

 転移で屋敷に戻り、念話でメランにいるヒカリに4人分の変装衣装を頼む。みんなに事情を説明していると荷物を持ったヒカリ達が……

「…お待たせ」
「沢山持ってきたな、4人分でいいんだけど?」
「…ヒカリはこれがいいと思う!」
「師匠!ミリヤはこっちが似合うと思います!」
「…む、ミリヤはそれ?でも絶対こっち」
「トシ様にはわたし、これが似合うと思いますね」
「えーメリルはそっちなの?僕はこっちがいいな!」
「メリルもリリィもまだまだね、トシさんこちらはどうですか?」

 なんだなんだ?ただの変装が大変なことに……手が空いていたメンバーが次々に転移で帰ってくる。

「あれ?エル?トルシュとジュリはどうしたんだ?」
「訓練所に置いてきたわ、オリビアに事情は説明してあるからトッシーは気にしなくていいわよ」
「任せちゃってすまないな」
「私もこの後は向こうに行くから大丈夫、でトッシーは私と最初に会った時の黒いコートがいいと思うわ」
「ちょっとまった!変装するならついでにこれ着て宣伝してきて」
「……おいヨシコ、ダメだろこれ!一切顔見えないし!パクリだし!」
「吉田屋マスコットキャラ、牛丼さん!パクリではない!」
「肉が牛になった以外の違いが俺にはわからねーよ!でも……宣伝ならだれでもいいな、カズにでも渡せばいいか」
「トシこっちは?ふざけて作ったんだけど処分に困ってて」
「ヤエさんや、これは?」
「パンで作った仮面?」
「あ!パンパンマンだ!」

 トキは小さい頃大好きだったからな……

「貴様らの心の飢えは俺様が満たしてやる……俺様の顔を喰らえ!」
「あれ?そんなセリフだっけか?とりあえず却下だ、途中で雨でも降ったら力が出なくなる」


 そんなこんなでカズたちが集まるまで議論が続いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

残念ながら、定員オーバーです!お望みなら、次期王妃の座を明け渡しますので、お好きにしてください

mios
恋愛
ここのところ、婚約者の第一王子に付き纏われている。 「ベアトリス、頼む!このとーりだ!」 大袈裟に頭を下げて、どうにか我儘を通そうとなさいますが、何度も言いますが、無理です! 男爵令嬢を側妃にすることはできません。愛妾もすでに埋まってますのよ。 どこに、捻じ込めると言うのですか! ※番外編少し長くなりそうなので、また別作品としてあげることにしました。読んでいただきありがとうございました。

婚約者と幼馴染が浮気をしていたので、チクチク攻撃しながら反撃することにしました

柚木ゆず
恋愛
 ※3月25日、本編完結いたしました。明日26日からは番外編として、エドゥアルとカーラのその後のお話を投稿させていただきます。  8年間文通をしている姿を知らない恩人・『ハトの知人』に会うため、隣街のカフェを訪れていた子爵家令嬢・ソフィー。  一足先に待ち合わせ場所についていた彼女は、そこで婚約者・エドゥアルと幼馴染・カーラの浮気を目撃してしまいます。  婚約者と、幼馴染。  大切な人達に裏切られていたと知り、悔し涙を流すソフィー。  やがて彼女は涙を拭いて立ち上がり、2人への復讐を決意するのでした――。

追放された調香師の私、ワケあって冷徹な次期魔導士団長のもとで毎日楽しく美味しく働いています。

柳葉うら
恋愛
【第一章完結済です】 「お前はクビだ! 荷物をまとめてさっさと出て行け!」 調香師のフレイヤはモラハラ気味の工房長に妬まれ、クビにされてしまった。他の工房を訪ねてみたけれど、前職をクビにされた彼女を雇ってくれる工房はない。 諦めて故郷に帰ることにしたフレイヤは、行きつけのレストランの店主に最後の挨拶をしに行くと、シルと呼ばれる美形でぶっきらぼうな魔導士の青年シルヴェリオと出会い、成り行きで彼に愚痴を吐露した。 その後、故郷に帰って実家が営む薬草雑貨店で働いていたフレイヤのもとにシルヴェリオが再び現れた。伯爵家の令息の――巷では冷徹と噂されている次期魔導士団長として。シルヴェリオはフレイヤが作る香水には不思議な力が宿るという話をレストランの店主から聞いて、彼女を自分の専属調香師としてスカウトしに来たのだった。 「眠ったまま目を覚まさない友人を助けるために力を貸してほしい。たとえ君の作った香水が奇跡を起こさなくても責任を問わない」 元上司によって調香師を追放されたせいで権力者を信用できないでいるフレイヤのために、シルヴェリオは誓約魔法を交わすのも厭わないと言う。冷徹と噂されている彼の熱意に感銘を受けたものの承諾を躊躇うフレイヤ。シルヴェリオはそんな彼女を誘い込むために、好物と聞いていたお菓子で釣った。そしてフレイヤは見事に釣られた。こうしてシルヴェリオの専属調香師となったフレイヤは、再び王都へと向かう。初めはお互いに仕事仲間としか見ていなかったフレイヤとシルヴェリオは、いつしかお互いに惹かれて意識するようになる。 これは、不器用な二人が力を合わせて周りの人たちが抱える問題を解決して、そんな二人をくっつけるために周囲があれこれと応援するお話です。 じれじれな恋と魔法と香りの世界と美味しい料理をご堪能ください。 ※小説家になろう様にも掲載しております ※本作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。また、香りや薬草の効能につきましては諸説や個人差があることをご留意ください

【完結済】ラスボスの使い魔に転生したので世界を守るため全力でペットセラピーしてみたら……【溺愛こじらせドS攻め】

綺沙きさき(きさきさき)
BL
【溺愛ヤンデレ魔術師】×【黒猫使い魔】のドS・執着・溺愛をこじらせた攻めの話 <あらすじ> 魔術師ギディオンの使い魔であるシリルは、知っている。 この世界が前世でプレイしたゲーム『グランド・マギ』であること、そしてギディオンが世界滅亡を望む最凶のラスボスで、その先にはバッドエンドしか待っていないことも……。 そんな未来を回避すべく、シリルはギディオンの心の闇を癒やすため、猫の姿を最大限に活用してペットセラピーを行う。 その甲斐あって、ギディオンの心の闇は癒やされ、バッドエンドは回避できたと思われたが、ある日、目を覚ますと人間の姿になっていて――!? ======================== *表紙イラスト…はやし燈様(@umknb7) *表紙デザイン…睦月様(https://mutsuki-design.tumblr.com/) *9月23日(月)J.GARDEN56にて頒布予定の『異世界転生×執着攻め小説集』に収録している作品です。

ネコ科に愛される加護を貰って侯爵令嬢に転生しましたが、獣人も魔物も聖獣もまとめてネコ科らしいです。

ゴルゴンゾーラ三国
ファンタジー
 猫アレルギーながらも猫が大好きだった主人公は、猫を助けたことにより命を落とし、異世界の侯爵令嬢・ルティシャとして生まれ変わる。しかし、生まれ変わった国では猫は忌み嫌われる存在で、ルティシャは実家を追い出されてしまう。  しぶしぶ隣国で暮らすことになったルティシャは、自分にネコ科の生物に愛される加護があることを知る。  その加護を使って、ルティシャは愛する猫に囲まれ、もふもふ異世界生活を堪能する!

悪女だと言うのなら、その名に相応しくなってみせましょう

ごろごろみかん。
恋愛
無実の罪を着せられ悪女と罵られたミレイユは憎悪の中、処刑された。 真面目に生きてきたのになぜ? もし"次"があるのなら、その時は必ず復讐してやる。 自分を貶めた義妹と自分を捨てた婚約者、自分を冷遇する家──全てにやり返してやる。 ギロチンの刃が落ちる音を聞きながら、ミレイユはその一生を閉ざした、はずだった。 だけど気がつけばミレイユは過去に戻っているようで……? 「悪女だと言うのなら、その名に相応しくなってみせましょうか」 一方、それまで律儀にご機嫌伺いをしていたミレイユから頼りがなくなり違和感を持つ婚約者・ゲオルド。 ある日を境にミレイユの様子が変わったことをきっかけに、ゲオルドはミレイユを気にするようになるが……? これは耐えることをやめた娘が悪女として華々しく生きる話であり、なおかつ幸福を諦めた娘を幸せにしようとする青年の話でもある。 ※以前掲載したもののリメイクで書けるところまで書きます ※小説家になろうにも投稿してます

【完結】浮気者と婚約破棄をして幼馴染と白い結婚をしたはずなのに溺愛してくる

ユユ
恋愛
私の婚約者と幼馴染の婚約者が浮気をしていた。 私も幼馴染も婚約破棄をして、醜聞付きの売れ残り状態に。 浮気された者同士の婚姻が決まり直ぐに夫婦に。 白い結婚という条件だったのに幼馴染が変わっていく。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ

転移先は薬師が少ない世界でした

饕餮
ファンタジー
★この作品は書籍化及びコミカライズしています。 神様のせいでこの世界に落ちてきてしまった私は、いろいろと話し合ったりしてこの世界に馴染むような格好と知識を授かり、危ないからと神様が目的地の手前まで送ってくれた。 職業は【薬師】。私がハーブなどの知識が多少あったことと、その世界と地球の名前が一緒だったこと、もともと数が少ないことから、職業は【薬師】にしてくれたらしい。 神様にもらったものを握り締め、ドキドキしながらも国境を無事に越え、街でひと悶着あったから買い物だけしてその街を出た。 街道を歩いている途中で、魔神族が治める国の王都に帰るという魔神族の騎士と出会い、それが縁で、王都に住むようになる。 薬を作ったり、ダンジョンに潜ったり、トラブルに巻き込まれたり、冒険者と仲良くなったりしながら、秘密があってそれを話せないヒロインと、ヒロインに一目惚れした騎士の恋愛話がたまーに入る、転移(転生)したヒロインのお話。

処理中です...