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メイドNo.1098 佐藤和 Ⅲ
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「お話したいことがあります。」
少し重苦しい雰囲気は、これから話されることが僕にとって良くない話なのだと物語っていた。
昔からこの感じは嫌いだ。何を言われるのか分からなくて、嫌な緊張が続くから…。
でも、これから和ちゃんに話されることはきっと真剣に聞かなければいけないこと。滲む手汗を服で荒く拭いた。
「壬生様。まず、こちらをご覧ください。私の"プロフィール"です。」
そう言うと、机の上に置かれたアイパッドから3Dの彼女の姿が映し出された。
「ホログラムか、これ読めばいいのかな?」
「はい。」
和ちゃんの返答を聞いたとき、ふと彼女の瞳に目が止まった。 透けそうな程に白い肌によく映えた、大きく底知れぬ深さを持つ翠目。しかし、よく見ると彼女の目は左右違う色を持っていた。右眼は優しい光を兼ねたエメラルドグリーンで、左眼には少しばかり陰影の入った海の様に深い翠だった。オッドアイか、初めて見た。
吸い込まれそうなこの目に、僕は如何して先程気づかなかったのだろう。こんなにも美しい色の目を僕は見たことなかった。
彼女の瞳から下に向かって、目を落としていった。
筋の伸びた高い鼻。一字に閉ざされた肉厚的な色っぽい唇。細く長い首の後ろにはすっきりと纏められた長いポニーテールが見える。
「あの……?壬生様?」
「あっ、ああ。ごめん、読ませてもらうね。」
「はい。」
まずい。見とれてしまっていた。変態か、僕は。改めてホログラムを覗き込んだ。
「えっと…… 」
和ちゃんの3Dモデルが1つ。
続いて幾つか書いてあった。
[メイドNo.1098 佐藤 和]
*Lv55
[年齢]15歳
[身長]156cm
[体重]42kg
[バスト]Cカップ
[魔術] 風操作
[武器]短刀
[属性] 無
15歳だったのか、確かに少し下がった眉が要因かもしれないが、和ちゃんの顔には話し方とは不似合いなあどけなさがあった。
いや、そうでなくて。
「これは、よ…読んでよかったの?」
「?」
首を右に傾けた彼女は何の事だと言わんばかりの表情だった。
「和ちゃん、「?」じゃなくて、これ僕読んだらダメな気がするよ!?バ、バストなんて特に,,,。」
「申し訳ございません、壬生様。私たちメイドは、そこに書かかれている内容を一切知らされていないのです。」
嘘だろう。個人情報というか、色々と駄々漏れなのだが。
「大丈夫だよぉ、ゆーやん。」
にこりと笑いながら椎名さんが言った。
「リツはこれでも幹部だから、そこに書かれてる事知ってるの。だからピチピチの20歳君が、15歳の少女のプロフィールを知っていいのか緊張しちゃうのは分かるけど、合法だから心配しないで♡」
合法だからと言われても困るのだが、椎名さんが続けて言った。
「Last Life youthには メイドが付けられるでしょ?そのメイドのプロフィールを守るのがゆーやん達、主人であるLast Life youthの役目なんだよ。メイドは自分のプロフィールを何一つ知らないからね。年齢も、生みの親も何もかも。勿論リツ自身も、他の子達のことを知っていても自分のは知らないから。」
"年齢も"?"親も"?自分の事を何も知らない人間がいるわけないだろう。困惑している僕を、和ちゃんが心配そうに見ていた。
「困惑するのは分かるけどね。でも、これだけでダメージ受けていたら困るんだ。もっとシリアスな事も話すからね。ゆーやんは繊細君なんだね。」
椎名さんはケラケラと笑って言った。その通りだと思う。僕は暗い話も苦手だし、男としては残念過ぎるほどチキンだと自覚していた。
「さっ、本題に入ろうか。なごりん、お願い。ここからは配属メイドの仕事だよ。」
「はい、承知しております。」
1度だけふっと息を吐き、和ちゃんが言った。
「では、本題に入ります。」
少し重苦しい雰囲気は、これから話されることが僕にとって良くない話なのだと物語っていた。
昔からこの感じは嫌いだ。何を言われるのか分からなくて、嫌な緊張が続くから…。
でも、これから和ちゃんに話されることはきっと真剣に聞かなければいけないこと。滲む手汗を服で荒く拭いた。
「壬生様。まず、こちらをご覧ください。私の"プロフィール"です。」
そう言うと、机の上に置かれたアイパッドから3Dの彼女の姿が映し出された。
「ホログラムか、これ読めばいいのかな?」
「はい。」
和ちゃんの返答を聞いたとき、ふと彼女の瞳に目が止まった。 透けそうな程に白い肌によく映えた、大きく底知れぬ深さを持つ翠目。しかし、よく見ると彼女の目は左右違う色を持っていた。右眼は優しい光を兼ねたエメラルドグリーンで、左眼には少しばかり陰影の入った海の様に深い翠だった。オッドアイか、初めて見た。
吸い込まれそうなこの目に、僕は如何して先程気づかなかったのだろう。こんなにも美しい色の目を僕は見たことなかった。
彼女の瞳から下に向かって、目を落としていった。
筋の伸びた高い鼻。一字に閉ざされた肉厚的な色っぽい唇。細く長い首の後ろにはすっきりと纏められた長いポニーテールが見える。
「あの……?壬生様?」
「あっ、ああ。ごめん、読ませてもらうね。」
「はい。」
まずい。見とれてしまっていた。変態か、僕は。改めてホログラムを覗き込んだ。
「えっと…… 」
和ちゃんの3Dモデルが1つ。
続いて幾つか書いてあった。
[メイドNo.1098 佐藤 和]
*Lv55
[年齢]15歳
[身長]156cm
[体重]42kg
[バスト]Cカップ
[魔術] 風操作
[武器]短刀
[属性] 無
15歳だったのか、確かに少し下がった眉が要因かもしれないが、和ちゃんの顔には話し方とは不似合いなあどけなさがあった。
いや、そうでなくて。
「これは、よ…読んでよかったの?」
「?」
首を右に傾けた彼女は何の事だと言わんばかりの表情だった。
「和ちゃん、「?」じゃなくて、これ僕読んだらダメな気がするよ!?バ、バストなんて特に,,,。」
「申し訳ございません、壬生様。私たちメイドは、そこに書かかれている内容を一切知らされていないのです。」
嘘だろう。個人情報というか、色々と駄々漏れなのだが。
「大丈夫だよぉ、ゆーやん。」
にこりと笑いながら椎名さんが言った。
「リツはこれでも幹部だから、そこに書かれてる事知ってるの。だからピチピチの20歳君が、15歳の少女のプロフィールを知っていいのか緊張しちゃうのは分かるけど、合法だから心配しないで♡」
合法だからと言われても困るのだが、椎名さんが続けて言った。
「Last Life youthには メイドが付けられるでしょ?そのメイドのプロフィールを守るのがゆーやん達、主人であるLast Life youthの役目なんだよ。メイドは自分のプロフィールを何一つ知らないからね。年齢も、生みの親も何もかも。勿論リツ自身も、他の子達のことを知っていても自分のは知らないから。」
"年齢も"?"親も"?自分の事を何も知らない人間がいるわけないだろう。困惑している僕を、和ちゃんが心配そうに見ていた。
「困惑するのは分かるけどね。でも、これだけでダメージ受けていたら困るんだ。もっとシリアスな事も話すからね。ゆーやんは繊細君なんだね。」
椎名さんはケラケラと笑って言った。その通りだと思う。僕は暗い話も苦手だし、男としては残念過ぎるほどチキンだと自覚していた。
「さっ、本題に入ろうか。なごりん、お願い。ここからは配属メイドの仕事だよ。」
「はい、承知しております。」
1度だけふっと息を吐き、和ちゃんが言った。
「では、本題に入ります。」
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