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第一章 ルシュディーと俺
捧げ物
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翌日、俺は作った作品をメイドに任せて、また黙々と作業を進めていた。
売り子を引き受けてくれたメイドは、元気な性格だった。最近、この宮殿の使用人と認められた子爵家の四女だそう。
先輩使用人と反りが合わないのか、スキップ混じりに城下町へと出かけて行ったそう。
そんな中、雨を降らせた日から止めどなく届き続ける民からの捧げ物に埋もれていた。衣服やアクセサリー、作物など民からは沢山の感謝の印が届いている。
大店の商人たちが競うようにして己の商品を送ってくることもあるようだ。どこから情報を仕入れているのか、俺用に作ったと見られるサイズぴったりの服が沢山。
日本にいた俺の好みとしては、シンプルでサラッと着用できる服なのだが、ここでは神子様として人前には華美な衣装を着なければならない。
見栄と虚勢こそが貴族のマナーのようだ。
その大量の荷物から、美しい他国の技術で織られた布や天然石に宝石と、物作りに使えそうなものを仕分けしていた。
雑貨屋に来た時のような気分で、非常に楽しい。
「こちら、神官長様より頂いた茶葉から淹れた紅茶でございます。神子様、数十時間とそうして没頭されていますが、そろそろ休憩をとりましょう」
「うん、そうする」
フリューリくんの勧めで座っていたソファから、足の長い椅子へと移動した。
「うお、いい香り……! あの筋肉神官長、贈り物のセンスはいいんだよなあ」
前回は絵画の贈り物で、創作意欲を掻き立てられるような絵は俺のお気に入りだ。今も寝室の隅に飾ってある。
「俺の作品、売れたかなぁ」
「様子を見て、出品数を増やすのですか? 今回はあまり商品を持たせていなかった様にお見受けしますが」
「そう。今回は十作品しか持たせなかった。すぐに売れるとは思わないし。一応、材料費もかかってるからさ。万が一にでも、預けたメイドに盗まれたり、メイドが襲われて商品を取られたりしたら損するから。まぁ、今回は様子見だね」
元々、使用人とは総じて仲が悪いのだ。フリューリくんしか身の回りの事を任せていないし、侍従長にしか俺の金銭管理は手を付けさせていない。
侍従長も侍従長というが、この宮殿内の神子の管轄である使用人のなかでは、家令のような扱いを任されているのだ。それもこれも、俺とその他使用人との軋轢が酷いから。
別に俺自身がなにかした訳ではないが、ルシュディーとしては何かをしたらしい。だから俺も無理やり距離を詰めることはしない。
ルシュディーも、侍従長とフリューリくんしか信頼していなかったのか、他の使用人と接触すると、理由不明の嫌悪感に襲われるのだ。
「そろそろ、売り子をしてくれたメイドが戻ってくる頃だろう。呼んでくれるか?」
「畏まりました。それではメイドが帰るまでは、しっかりと休憩をとってくださいね!」
素材を引き寄せようと伸ばした俺の手を鋭く見つめながら、フリューリくんが言った。
「オチャ、オイシイナー」
最近、フリューリくんが怖い。段々と近所のおばちゃんの様になって来た。
おばちゃん、作業に没頭する俺にたまに夕食を作ってくれたんだよね。
気が付いたら家の中におばちゃんがいて、ビックリした。
『あんた、ちゃんと返事してたわよ!!』と不法侵入を疑った俺を𠮟りつけてくれたんだけど。田舎だからって不用心はやめなさいって、よく怒られたっけ。
売り子を引き受けてくれたメイドは、元気な性格だった。最近、この宮殿の使用人と認められた子爵家の四女だそう。
先輩使用人と反りが合わないのか、スキップ混じりに城下町へと出かけて行ったそう。
そんな中、雨を降らせた日から止めどなく届き続ける民からの捧げ物に埋もれていた。衣服やアクセサリー、作物など民からは沢山の感謝の印が届いている。
大店の商人たちが競うようにして己の商品を送ってくることもあるようだ。どこから情報を仕入れているのか、俺用に作ったと見られるサイズぴったりの服が沢山。
日本にいた俺の好みとしては、シンプルでサラッと着用できる服なのだが、ここでは神子様として人前には華美な衣装を着なければならない。
見栄と虚勢こそが貴族のマナーのようだ。
その大量の荷物から、美しい他国の技術で織られた布や天然石に宝石と、物作りに使えそうなものを仕分けしていた。
雑貨屋に来た時のような気分で、非常に楽しい。
「こちら、神官長様より頂いた茶葉から淹れた紅茶でございます。神子様、数十時間とそうして没頭されていますが、そろそろ休憩をとりましょう」
「うん、そうする」
フリューリくんの勧めで座っていたソファから、足の長い椅子へと移動した。
「うお、いい香り……! あの筋肉神官長、贈り物のセンスはいいんだよなあ」
前回は絵画の贈り物で、創作意欲を掻き立てられるような絵は俺のお気に入りだ。今も寝室の隅に飾ってある。
「俺の作品、売れたかなぁ」
「様子を見て、出品数を増やすのですか? 今回はあまり商品を持たせていなかった様にお見受けしますが」
「そう。今回は十作品しか持たせなかった。すぐに売れるとは思わないし。一応、材料費もかかってるからさ。万が一にでも、預けたメイドに盗まれたり、メイドが襲われて商品を取られたりしたら損するから。まぁ、今回は様子見だね」
元々、使用人とは総じて仲が悪いのだ。フリューリくんしか身の回りの事を任せていないし、侍従長にしか俺の金銭管理は手を付けさせていない。
侍従長も侍従長というが、この宮殿内の神子の管轄である使用人のなかでは、家令のような扱いを任されているのだ。それもこれも、俺とその他使用人との軋轢が酷いから。
別に俺自身がなにかした訳ではないが、ルシュディーとしては何かをしたらしい。だから俺も無理やり距離を詰めることはしない。
ルシュディーも、侍従長とフリューリくんしか信頼していなかったのか、他の使用人と接触すると、理由不明の嫌悪感に襲われるのだ。
「そろそろ、売り子をしてくれたメイドが戻ってくる頃だろう。呼んでくれるか?」
「畏まりました。それではメイドが帰るまでは、しっかりと休憩をとってくださいね!」
素材を引き寄せようと伸ばした俺の手を鋭く見つめながら、フリューリくんが言った。
「オチャ、オイシイナー」
最近、フリューリくんが怖い。段々と近所のおばちゃんの様になって来た。
おばちゃん、作業に没頭する俺にたまに夕食を作ってくれたんだよね。
気が付いたら家の中におばちゃんがいて、ビックリした。
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