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最終話
しおりを挟む「ま、…まさかさっきまでのは全部っ…」
「…ん?何のことだろう?」
ニッコリと笑う彼は先程までの悲しそうな顔はしておらず、演技だったのかもしれないという予想はすぐに確信に変わった。
「っ!
人が本当に申し訳ないと思ったのに…っ」
「…ごめんごめん。
でも、本当に待ったよ…。
もう十何年と君を想っているんだ。
…ここ最近ではまともに欲求を発散できていなかったしね。」
「……。
でも、お店には来たじゃないですか。」
「それはレィナとしての君だろう?
私はエミリーとがいいんだ。
レィナの脚を見てずっとエミリーを想像していたのに、まさか本人だったなんて…
ね。まさか…断りはしないだろう?」
「っ……い、嫌です!
そもそも、脚で営業したことなんてないんです!グリニエル様を満足させられる技術がないんです!」
「さっきは、いつでもそばにいると言っていたのに、もう手のひらを返すのかい?
それに、私は営業されたいんじゃない。
エミリーに触れたいんだ。
勘違いは悲しいな。」
「っ…」
彼と繋がることに抵抗はない。
しかし、一度経験したことのあるあの辱めを思い出すと、どうしても頷けないのだ。
「…やはり、君も気持ちが悪いと思うかい?
…脚が好きな私は嫌いかな…?」
「そ、そういう訳では……っ」
「………。」
「…うっ」
お願いされるように見つめられてしまえば、弱い。
そう知られていてされているものだと理解していても、私はその視線に勝てなかった。
「…本当に嫌なら止めるよ。」
そう言った彼が、私に被さると、ゆっくりとドレスが擦り上げられる。
「っ…」
「本当に…綺麗な脚だよ…。
白く、艶やかで…いつまでも見ていられる…
…………触るよ?…」
「っ。」
スリット入りのドレスは太ももまで上げられ、私はその恥ずかしさから少し内股気味で顔を逸らした。
「前はベールで見ることができなかったが、とてもいい表情をしているね…」
「っん…」
下から上へと、足を数本の指で撫で上げられた私の体がゾクゾクと反応すると、それを見た彼は満足そうに続ける。
片足を少しだけ開かされ、くるぶしにあった手はさらに奥へと進むと、太ももがあまり開ききらなかった場所で手が止まる。
「……ぇ?」
「ほら……見えるかい?
…手が柔らかい太ももに挟まるんだよ。」
「っ。」
途端に顔を赤らめる私に、彼は続けた。
「ほら…自分で開いてごらん」
「っ」
そう言われて私が唇を噛むと、彼の手は私の脚の内側を撫でていく。
「…ん。」
「大丈夫、気持ち良くしてあげるから…」
「…ふぅ…んっ」
それ以上はいられないようにと足に力を入れると、反対の手がツイっと腰を撫でる。
それにピクリと反応した私が体を丸めると、足は勝手に膝から曲げられ、その場所が露わとなった。
「……思っていた以上に綺麗な眺めだね」
「~~っ」
以前よりもさらに恥ずかしさが増したことに、私は慣れることができなかったと俯く。
「…エミリー。
ちゃんとこっちを見ておくれ。
…気持ちいいんだろう?
その顔をさせることができるなんて、夢のようだ。」
「………ん。」
クイっと顎を固定された私は、そのまま彼のキスを受け、そのまま彼の手に翻弄された。
「…ぐ…りにえる様…っ。
恥ずかしすぎて、どうにかなりそうです…っ」
キスの合間。
私はその隙に彼に縋ると、彼は満足そうに微笑んだ。
「…ああ。エミリー。
私はね、ずっとそうさせたかったんだ…。
君のその悦ぶ顔が見られて、とても気分がいい…
だけど……」
「…っんぁ!」
「グレン…だろう?」
「ぅ…あ……っん」
先程まで太ももにあった手が、秘部へと伸ばされていたことに今更気付いた私は、その刺激を受けてただただ素直に応える。
「ん…ぁ……ぐ、グレン様っ…待っ…ん」
「~~っ」
「エミリー…大丈夫かい?」
「は…い…っ」
急に手を止めそう聞く彼に、物足りなさを感じつつ、私は彼を見る。
すると、彼の目が私をまっすぐと映しているのが見えた。
「やっと、こっちを見てくれたね。」
「え…?」
「フッ……好きだよ、エミリー。
私の全てを君に捧げたい…。
王は諦めても君だけは譲れなかった…
それくらい私はずっとエミリーが好きだったんだ。」
「…。」
「そんな私を…受け止めてくれるだろうか…?」
「っ。もちろんです…
どんなグレン様でも、私はあなたが好きです…。」
「…ありがとう」
「…。」
ベッドに横たわり、上から覆い被さりながらに抱きしめてくれる彼の首に、私の腕を回すと、彼はそっと私の耳にキスをした。
「ん…」
「ごめんね、もう少し…」
「っ…」
抱きしめられたまま、太ももの裏に手を当てがわれると、グイッと足が持ち上げられ、彼の肩へと足が乗せられた。
「っや!グリニエル様っ!」
「…グレン。」
「ぐ、グレン様!」
「本当は遠目から見たいんだ。
それを我慢しているのだから、これくらいは、いいだろう?」
「~~っ…」
さらに自分の方へと押された太ももは、私の腹部を押し、私は苦しさと恥ずかしさでいっぱいいっぱいだ。
「柔らかいな…」
「っ……もう!感想は結構ですから!」
「それじゃ、堪能させてもらうことにするよ。」
「っ!」
持ち上げられた脚に顔を擦り寄せ、グリニエル様はそこにキスと落とす。
そしてすぐ伸ばされたふくらはぎに舌が伝うと、また私の腰は浮いた。
「ん…」
「今夜は長く楽しませてもらおうか。」
「~~っ。」
それから私は、彼のいう通りに長い夜を過ごし、その間、彼と繋がることはしなかった。
初夜はしっかりと迎えたいという彼の要望を聞き、私はそれを受け入れたのだが、尚のこと長い夜となったのはいうまでもない。
夜が明け、城へと向かった私たちは、息つく間も無く、数時間で準備が進められていた婚約式を終え、貴族たちへのお披露目は後日という話を聞かされた。
きっと、やっと上手く纏まった話がまた狂ってしまわないようにと、ブルレギアス様が早急に準備を進めさせたのだろう。
私達は想いを確かめ合って数時間で、晴れて婚約者となった。
そして、王宮敷地内に第二王子夫妻の宮を設ける話を断り、私は母が暮らした神殿での暮らしを選んだ。
第一王子と第二王子がいつまでも城にいるのは、やはり派閥のあるその中ではあまりいいものではない。
政権から逸れる意味と、母であるレティシアーナの意を継ぐことを示そうと、2人で話し合った結果だった。
まぁ、もし国に何かがあれば、勇者である隊長と、グリニエル様は尽力することを誓い、ブルレギアス様は日頃から防壁を張ることを決めた。
そして、テテとサターシャが手を組み、開発した薬によってニーヴローズの毒は消え、ただの綺麗な薔薇だけが咲き誇るようになったディストネイルは花の流通が始まり、景気が良くなった。
それはセレイン従姉様とリーフの働きかけで、2人は恋仲にも近いパートナーという立場で仕事をしている。
つまり、全ては収まるべきところに収まった…と言えるだろう。
そうして、私とグレン様の長く拗れた恋はやっと実りを迎えた…
fin
__________________
ここまでお読み下さり、
ありがとうございます。
初夜も書きたいなーとは思いつつ、
本業の方が忙しくなってきたため、
少し時間が掛かりそうなので、
ここで終わりとなります。
もし、先が気になるカップリングだったり、
次回作や先の作品でこんなシチュエーションがあったらいいという話があれば、
ぜひ気軽にコメント下さい。
まだまだ未熟ですが、応援してくださる方々がいてくれるおかげで頑張れています。
これからもよろしくお願いします。
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