王太子は想わせ令嬢の虜〔R18〕

彩葉ヨウ(いろはヨウ)

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リリベルのお礼

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次の日私とクロエはワンピースドレスを着て2人で準備を楽しんでいた。

「街に行くのは楽しみだわ。」
ずっとオエストにいたクロエは、グリニエルの街に行くのは、もう20年ぶりくらいだと言う。

準備をして馬車へと向かうと、エドウィン陛下とウィルがいた。
「おはようございます。陛下。」
私はそう言って綺麗に礼をする。

「リリィ。おはよう。クロエから聞いたよ。リリィに頼み込んだんだって?申し訳なかったね。クロエをよろしく頼むよ。」

「はい、お任せください。」
そう言って姿勢を直した。

すると陛下はクロエを抱きしめる。
「気をつけていっておいで。」
「ええ。ありがとうございます。」
仲睦まじい2人に私は温かい気持ちになる。レオンもこのくらい寛大に見送ってくれれば良いのにと思わなくもない。

エドウィン陛下はクロエをエスコートし、ウィルは私をエスコートしてくれた。そのまま馬車へと乗る。
「ウィル。頼んだぞ。」
「仰せのままに。」

未来の王妃と王太子妃を任されるウィルはどれ程 重荷だろうかと思ってしまう。

「ごめんね。急に無理を頼んじゃって。」
馬車が走り出し、私はウィルに言う。

「いいさ。私はリリィの騎士なんだ。その為に鍛えているのだから、頼ってもらえて嬉しいよ。」そう言って笑ってくれた。

「ところで、殿下をどうやって説得したの?」気にしないようにはしたものの、やはり気になるのだ。あんなに束縛をする殿下をどうやって宥めたのだろうか。と。

「ああ。リリィには悪いけど、「リリィが殿下との行為のために新しいネグリジェを選びに行くそうだ。恥ずかしいから言いたくないと言っていた。」と伝えただけだ。」

それを聞いた私は
「なっ。なんでそんな事を言うのよ。」とウィルに反抗する。

「仕方がないだろう。言えない理由がなんなのか分からないのだから庇いようが無かったんだ。」

「だからって。もっと他に考えられたでしょう…」
私は少しウィルに怒る。ウィルはそれを大して気にしない。それをみたクロエが笑い出した。

「ふふっ本当に仲が良いのね。こりゃレオンノアもヤキモチ焼くの分かる気がするわ。うふふ。」

「やっぱりもっと気をつけなければいけないのかしら?」私はクロエにそう聞く。

「気をつけることに越したことはないわ。どこでどんな噂が立つか分からないのだもの。でも、なのだから仲が良くても仕方がないわよね。」そう言ってもらえたことに少しホッとした。



「ミアリサのところに行ったら、私は部屋には入らないようにしますので、女性だけで楽しんでください。私は終わるまで別の部屋で待っておりますので。」そう言ってクロエを見る。

「もしかして何となく気付いているのかしら?」

「ええ。…陛下はまだ40、まだまだお元気かと思いますし。気にするようであればミアリサに相談するのは間違っていないと思います。」ウィルがそういうとクロエは恥ずかしそうに笑っていた。


「そんなに頭が働くのにどうしてもっと上手くリリィのことを庇ってあげなかったの?」
クロエが私に聞こえないようにこっそりと言う。

「あれは1番庇い方だと思ったまでです。」

それを聞いたクロエは納得しているようだった。



ミアリサの館に付くと、私はいつものように客間へと向かう。ウィルは広間にあるベンチに座っていた。

大きな扉を開け、軽く挨拶をする。
「お久しぶりです。リリベルでございます。」

そしてクロエも同じように礼をした。
「クロエ・ミラーでございます。。」

窓際にいたミアリサが振り返る。

「良く来たわね。リリィ。。」

ミアリサは慣れたようにお茶を用意する。
私は買ってきたフィナンシェを開けて並べた。

「自己紹介は必要ないわね。今日はどうしたの?」

ミアリサの質問にクロエが応えた。
「ミアリサ。私を転生させてくれたのはあなたじゃなくて?」
その言葉にミアリサは反応しなかった。
「あなたのおかげでまたエドウィンに出会うことができた。本当にありがとう。」クロエは涙を浮かべてそう言った。

「クロエ。あなたに礼を言われることではないの。私がそうしなければ気が済まなかったのよ。…私あの時は未熟だったわ。1ことに気付かなかったの。あなたとエドウィンの運命を否定しないで、解決策を知らせればよかったと後悔したわ。本当にごめんなさい。」
ミアリサはいつもの強気な態度とは違い、とても静かに話していた。

「ミアリサ。あなたがのことを教えてくれていたとしても、私はきっとあの水を飲んでいたと思うわ。」

「え?」

「あの時の私はエドウィン以外に味方はいなかった。だから毒だと知っていて飲んだのよ。私を認めてもらうために。まさか死ぬとは思わなかったけど…。だからミアリサは悪くないのよ。」
クロエはミアリサを見て優しく笑っていた。

「でもっ。あなたに解毒薬でも作ってあげてればっ。」ミアリサは今まで余程自分を責め続けてきたのか、とても苦しそうに話す。

「…ああ。たしかに。そうね。解毒薬はいい考えだわ。」
急なクロエの言葉に私もミアリサも驚いた。

「それじゃ、ミアリサ。私が毒を飲んだら、その時は解毒薬を作って頂戴。」にっこりと笑うクロエは向日葵のように眩しいと思った。

ミアリサはツーっと涙を流す。
「もう次にあなたが毒を飲むことなんてないわ。」何があっても阻止するわ。とミアリサは笑っていた。

2人の蟠りは解けたようだった。私は2人のその場に立ち会えて良かったと思う。


「さてと。もうひとつあるんでしょう?」
ミアリサはそれが何かを知っているようにクロエに問う。

一方のクロエはモジモジと恥ずかしそうにしていた。
「あのね、避妊薬が欲し…」
クロエが言い終わる前にミアリサが紙袋を取り出す。

それをクロエに手渡した。クロエは中身を確認して顔を赤らめる。
「ミアリサっ!」
私も少しのぞいてみると、袋一杯に避妊薬が入っていた。

「避妊薬、50回分よ。」ミアリサはそう言って笑っていた。

「こんなに欲しいなんて言ってないわ。」
クロエは余程恥ずかしいのか袋を閉じる。

「クロエ。良く聞いて。愛し合っている2人が、むしろ50回しないと思っているの?週に1回やったとして1年分よ?18年離れていたエドウィンが、出会った頃と同じ姿をしたあなたを見て、50回しないで済むと思っているの?」

するとクロエは納得したようで、そのまま持って帰ることにしたみたいだった。

ちなみに支払いは私の薬草で済むらしい。

「そうそう、リリィ。前に来た時に殿方を喜ばせる方法を教えてあげるって言ったけど、どうする?」

今日は丁度良くレオンがいない。こんなチャンスはない と私はミアリサに教えてもらうことにした。そしてクロエも意外と乗り気で、そのレッスンを受けることになったのだ。


そのレッスンを終えるころには1時間が過ぎていた。


私たちはミアリサの館でランチをご馳走になり、気の重い買い物へと向かった。ウィルに聞くと、ウィルにもサンドイッチが運ばれたようで、ウィルの空腹の心配をすることなくそのままお店へと向かった。

「ネグリジェなんて侍女が選んでくれるから選んだことないわよね。何を着たいとかもないし。」そう口にするのはクロエだ。

「確かに、私も露出が激しくなければ何でもいいと思っています。」

「殿方はどんな風なネグリジェだと嬉しいのかしら?」クロエはウィルに聞く。

「私に聞いたところで、私の好みにしかなりません。陛下も殿下も、2人が考えてくれるから嬉しいのだと思いますよ。」ウィルの言うことはもっともだが、私とクロエは本当に特に拘りがないのだ。

「それでは、下着にしたらいかがですか?陛下と殿下しか見ないものですから、喜んでくれるのではないでしょうか?」クロエと私があまりにも悩んでいるからかウィルは打開案を出す。

「それならいいかもしれないわ。」クロエが乗り気になってランジェリーのお店を見て回る。

「ウィルフレッドも付いてくるの?」
「当たり前です。離れたら護衛ではないでしょう。私は1人で2人を守らなければならないのだから、守りやすいように行動させて頂きます。」
ミアリサの館は結界が張ってあるため安全だが、街中は何が起こるか分からないのだと言う。

クロエに何かあっては私もウィルも首が飛ぶので、ウィルに側にいてもらえるとありがたいと思う。

「買うものは見ませんので、どうかゆっくりと見ていてください。不審な者がいないか、私は周りを警戒するだけですので。」そう言うウィルは本当に興味がなさそうだ。

休日だと言うのに仕事をしているウィルが可哀想に思えてくる。それは私だけなのだろうかと1人で思った。

「リリィは何色にするの?」
そう言うクロエの手にはもう黄色の下着があった。
「私はパステルの色が多いので、今回はダークな色にしようかと思うのだけれど…どっちがいいかしら?」私はクロエに聞く。

「そうね。リリィに合うのはワインレッドとかいいと思うわ。いつも付けない色なら、私もそうしようかしら。」そう言ってクロエは黄色の下着を戻して私に聞いてきた。

「コレとコレならどうかしら?」
「うーん。それなら紫が似合うと思うわ。」

あーでもないこーでもないと言い合いながら納得する下着を買う。
買い物が終わるとウィルは少し険しい顔をしていた。

「ウィル?どうしたの?」
私がそう聞くと、ウィルはなんでもないと答えて遠くの方を見ていた。

「買いたい物は買えたか?」
「ええ。あとは王宮に帰るだけよ。」
そう言って中身の見えない袋を見せる。

「そうか。それじゃ馬車まで戻ろうか。」
私とクロエが先に乗る。御者の隣に座っていた近衛騎士に指示を出し、そして馬車へと乗り込んだ。

話し込む私達をよそに、ウィルは腕を組んで考え事をしていた。
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