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リリベルの腹痛
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体が重い。今朝レオンが執務に向かってから、月に一度くる乙女の日だということが分かった。
以前と比べて、少し重い気がするが、執務の書類を持っていかなければならない為ドレスに着替えた。
ああ、お腹が痛い、そう思いながら別邸を出る。念のためにと護衛につけられたリオネルと一緒に執務室へと向かった。
「リリィ。顔色悪いですよ?大丈夫ですか?」リオネルが心配してくれるのはありがたいが、毎月あることなので、大丈夫よと答えた。
執務室について礼をする。
するとすぐにガタっと立ち上がる音がした。
「リリィっ」
その声はレオンのものではなく、ウィルの声だった。
「何て格好してきたんだ。」少し怒った口調で、私に上着をかけてくれた。
「フレッド。リリィは体調が悪いのか?顔が真っ青だ。」
レオンは焦ったように私に駆け寄ると、自分の上着とウィルの上着をさり気なく交換した。
心配しつつも嫉妬心が表に出ているレオンに苦笑いする。
「殿下、説明は後でします。とりあえずリリィをソファに座らせてください。」
そう言われたレオンは私をソファに座らせて、ウィルはお湯の準備をした。
「リリィ。体調が優れないなら、こちらまでくることはなかったんだぞ。リリィの体が1番大事なのだから。」レオンがそう言うので、私は出来るだけ大丈夫だとアピールする。
「で、殿下。私はこの通り元気です。ウィルが少し大袈裟なだけです。」
そう言ってニッコリと笑う。
「リリィ。大袈裟とはなんだ。甘く見ていて殿下との子を成せなかったらリリィが苦しい思いをすることになるんだぞ。」
その言葉に私はアワアワと慌てるしかなかった。その言葉にみんな気付いたようだった。
「ああ、お嬢、乙女の日か。」
ヴィヴィのその言葉に私はカァァっと顔が熱くなった。
「もう、ヴィヴィ。デリカシーなさすぎるわよ。」そう言って私はヴィヴィを睨む。
「ああ、悪い。でも恥ずかしいことじゃないんだから、言ってくれれば良いものを。」
ヴィヴィは慌てて謝るが、悪いとは思ってなさそうだった。
「リリィ。気づかなくて申し訳なかった。私がさっき会った時に気付いて部屋に戻らせれば良かったんだ。」
リオネルは自分を責めていた。
「リオネルは悪くないわ。私が大丈夫と言ったらそれ以上言うことができなかったんだもの。」仮ではあるが、王太子妃の私が大丈夫だと言えば、それを覆すのは不敬罪にあたる。私の言葉を覆すのは陛下や殿下、そしてウィルくらいだろうと思うのだ。
「リリィ。無理はしないでくれ。ただでさえ王族は子がなかなかできないのだから、リリィに負担がかかるなんて私には耐えられない。」レオンは私の手を握って困ったように言う。
「ぅっ…ごめんなさい。」
レオンの悲しそうな顔は私には大ダメージだ。
「殿下がどれほどリリィを大切にしているか分かったら、ちゃんと乙女の日は暖かい格好をするんだ。いいね?」そう言うウィルに逆らうことは出来なかった。
「にしても副たいちょ…隊長は何で分かったんだ?」ヴィヴィは疑問を投げかけた。
「長年ずっと騎士をしているんだ。周期くらい分かってて当然だろう。」当たり前のようにウィルが言う。そしてそれに反応したのはリオネルだった。
「いや、兄さん。いくらなんでも私はティオラの周期までは把握してないからな。」その言葉に直様ウィルが反応した。
「ティオラの周期など知らなくていいんだ。分かったか?」有無を言わさない圧迫に、私は違和感を感じた。
「ティオラ嬢とフレッドは婚約をしたんだ。」レオンが教えてくれて私の違和感が晴れる。
「ええー!全然分からなかった。おめでとう。」ウィルとティオラがそんな仲だとは知らなかったものの、とっても嬉しい気持ちになった。
「やった、これでウィルが私のお兄ちゃんになってくれるのね。」ニコニコとした顔がやめられない。そんな私を義理の弟だよと訂正するヴィヴィの声が聞こえる。
「まだ婚約するという約束をしただけなのだから、気が早い。」
そう言いながらも顔を緩めたウィルは蜂蜜入りの生姜湯を入れてくれた。
「フレッド、リリィの痛みを緩和する方法が知りたいのだが。」
母親がいなかったからか、女性の体に疎いレオンがフレッドに教養を受ける。
「リリィは冷え性なので、とにかく体が温まるものがいいでしょう。あと、生姜が入った飴も効果的です。あとはゆっくりさせておくと2.3日で痛みがなくなります。」
その姿を見て思う。
「ウィルってたまにお兄ちゃんってよりお姉ちゃんっぽいのよね。」
その言葉を発すると、ウィルはショックを受けて動かなくなってしまったので、そんなところもティオラは気にしないと思うわ!と適当にフォローしておいた。
すると知識を得たレオンが口を開いた。「よし、分かった。リリィ。今日から3日は必ず休むこと。」
王太子命令だ。と言われてしまえば、私は断ることが出来なくなったのだった。
私は書類だけ置いて別邸へと戻る。
「あ、そうだ、ちょっぴり庭園に…」
「ダメです。」
手厳しいストップがかかる。
「リオネル…少しだけだから。」
「ヴィヴィには通用しても私には効きません。」
手を合わせてうるうるとしてみるが私の攻撃は通用しなかった。
私は仕方なくそのまま部屋へと戻った。
以前と比べて、少し重い気がするが、執務の書類を持っていかなければならない為ドレスに着替えた。
ああ、お腹が痛い、そう思いながら別邸を出る。念のためにと護衛につけられたリオネルと一緒に執務室へと向かった。
「リリィ。顔色悪いですよ?大丈夫ですか?」リオネルが心配してくれるのはありがたいが、毎月あることなので、大丈夫よと答えた。
執務室について礼をする。
するとすぐにガタっと立ち上がる音がした。
「リリィっ」
その声はレオンのものではなく、ウィルの声だった。
「何て格好してきたんだ。」少し怒った口調で、私に上着をかけてくれた。
「フレッド。リリィは体調が悪いのか?顔が真っ青だ。」
レオンは焦ったように私に駆け寄ると、自分の上着とウィルの上着をさり気なく交換した。
心配しつつも嫉妬心が表に出ているレオンに苦笑いする。
「殿下、説明は後でします。とりあえずリリィをソファに座らせてください。」
そう言われたレオンは私をソファに座らせて、ウィルはお湯の準備をした。
「リリィ。体調が優れないなら、こちらまでくることはなかったんだぞ。リリィの体が1番大事なのだから。」レオンがそう言うので、私は出来るだけ大丈夫だとアピールする。
「で、殿下。私はこの通り元気です。ウィルが少し大袈裟なだけです。」
そう言ってニッコリと笑う。
「リリィ。大袈裟とはなんだ。甘く見ていて殿下との子を成せなかったらリリィが苦しい思いをすることになるんだぞ。」
その言葉に私はアワアワと慌てるしかなかった。その言葉にみんな気付いたようだった。
「ああ、お嬢、乙女の日か。」
ヴィヴィのその言葉に私はカァァっと顔が熱くなった。
「もう、ヴィヴィ。デリカシーなさすぎるわよ。」そう言って私はヴィヴィを睨む。
「ああ、悪い。でも恥ずかしいことじゃないんだから、言ってくれれば良いものを。」
ヴィヴィは慌てて謝るが、悪いとは思ってなさそうだった。
「リリィ。気づかなくて申し訳なかった。私がさっき会った時に気付いて部屋に戻らせれば良かったんだ。」
リオネルは自分を責めていた。
「リオネルは悪くないわ。私が大丈夫と言ったらそれ以上言うことができなかったんだもの。」仮ではあるが、王太子妃の私が大丈夫だと言えば、それを覆すのは不敬罪にあたる。私の言葉を覆すのは陛下や殿下、そしてウィルくらいだろうと思うのだ。
「リリィ。無理はしないでくれ。ただでさえ王族は子がなかなかできないのだから、リリィに負担がかかるなんて私には耐えられない。」レオンは私の手を握って困ったように言う。
「ぅっ…ごめんなさい。」
レオンの悲しそうな顔は私には大ダメージだ。
「殿下がどれほどリリィを大切にしているか分かったら、ちゃんと乙女の日は暖かい格好をするんだ。いいね?」そう言うウィルに逆らうことは出来なかった。
「にしても副たいちょ…隊長は何で分かったんだ?」ヴィヴィは疑問を投げかけた。
「長年ずっと騎士をしているんだ。周期くらい分かってて当然だろう。」当たり前のようにウィルが言う。そしてそれに反応したのはリオネルだった。
「いや、兄さん。いくらなんでも私はティオラの周期までは把握してないからな。」その言葉に直様ウィルが反応した。
「ティオラの周期など知らなくていいんだ。分かったか?」有無を言わさない圧迫に、私は違和感を感じた。
「ティオラ嬢とフレッドは婚約をしたんだ。」レオンが教えてくれて私の違和感が晴れる。
「ええー!全然分からなかった。おめでとう。」ウィルとティオラがそんな仲だとは知らなかったものの、とっても嬉しい気持ちになった。
「やった、これでウィルが私のお兄ちゃんになってくれるのね。」ニコニコとした顔がやめられない。そんな私を義理の弟だよと訂正するヴィヴィの声が聞こえる。
「まだ婚約するという約束をしただけなのだから、気が早い。」
そう言いながらも顔を緩めたウィルは蜂蜜入りの生姜湯を入れてくれた。
「フレッド、リリィの痛みを緩和する方法が知りたいのだが。」
母親がいなかったからか、女性の体に疎いレオンがフレッドに教養を受ける。
「リリィは冷え性なので、とにかく体が温まるものがいいでしょう。あと、生姜が入った飴も効果的です。あとはゆっくりさせておくと2.3日で痛みがなくなります。」
その姿を見て思う。
「ウィルってたまにお兄ちゃんってよりお姉ちゃんっぽいのよね。」
その言葉を発すると、ウィルはショックを受けて動かなくなってしまったので、そんなところもティオラは気にしないと思うわ!と適当にフォローしておいた。
すると知識を得たレオンが口を開いた。「よし、分かった。リリィ。今日から3日は必ず休むこと。」
王太子命令だ。と言われてしまえば、私は断ることが出来なくなったのだった。
私は書類だけ置いて別邸へと戻る。
「あ、そうだ、ちょっぴり庭園に…」
「ダメです。」
手厳しいストップがかかる。
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「ヴィヴィには通用しても私には効きません。」
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私は仕方なくそのまま部屋へと戻った。
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