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さすがに食べすぎでしょ
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「ゴチソウ様。美味しかったよ」
超満面の笑顔である。
彼女に誘われ、夕暮れ時、駅前の喫茶店にいる。
皆川未亜はミイアである。まだ完全に信じている訳ではないけれど、それが現実であると受け入れいている俺がいるのもまた真実だ。
「そりゃよかった。それで、ミイアがゲーム世界からどうやってこの現実に飛び出して来たんだ?」
でもどうしても詰問口調になってしまう。
「なんかこわーい。そんなんじゃ。乙女の秘密は話せません。やり直し~」
「ぐ、どうやってこの世に現れなすったのでしょうかミイアさん?」
「知らない」
くそーっ。腹立つー。
半分引きこもりの俺にとって実は、ゲームではなく現実の女子とおしゃべりするのは苦手だ。というか、必要事項を伝達する事意外にはここ数年ほとんど女の子と会話した事が無い。
手玉に取られても仕方の無いことだろう?
「知らないって、どういうことだよ。どうにかしてこっちに来たんだろ?」
「だって知らない。いつもみたいに眠たくなって、眠ったらこの世界にいたんだよ。ホントだよ。イチゴミルク頼んでいい?」
「い、いいけど。何にも分からないのか?」
「やったー。うん。なんにも」
ゲーム世界から現実世界に来た理由や方法なんかどうでもいいことであるかのように、いそいそと店員を呼んでイチゴミルクを頼んでいるミイア。行動はやはり、ゲーム内の彼女がやりそうなことだ。
「ショー君は何も食べないの?」
「あ、ああ。ここで出される物はほとんどお尻に良くないみたいだからな」
「えっ、お尻?」
「いや、なんでもない」
動物性の脂肪や食品添加物、刺激物や冷えた物は痔に良くないらしい。近頃はなるべくお尻に優しい物を摂るようにしている。
「お尻といえば、ダンクさんなんだけど、ダンクさんもこっちで見かけたよ」
お尻といえばダンクさんも話しの繋げ方としてはどうかと思う。
「えっ、ヤツはヤバイだろ。あの露出狂はゲーム内だから許されるんであって、現実世界では完全に犯罪者だからな。いや、ゲーム内でも許す必要はあるのか?」
いやない。
「服は着ていたよ」
「それは何よりだ。それで、ゲーム世界にはいつ帰るんだ? 今晩も『Rondo Adventurer』で遊ぼうと思っているんだけれど」
ミイアやダンクがここにいるとなると、あっちの世界の二人はどうなっているんだろう。
「それ」
「どれ?」
「三角イチゴパイ食べていい?」
メニューを指で指して彼女は言う。
「いいけど、晩御飯は入るのか?」
「このミイアちゃんを見くびらないでね。晩御飯を食べるくらい朝飯前だよ」
「どういう意味だよ」
「ええと、じゃなくて。帰り方。そう、帰り方が分からないからずっとショー君、君を探してたんだよ」
「分からないのか。で、どうして俺が帰り方を知っていると思ったんだ?」
俺が尋ねると、未亜は少し俯いて、
「それはその……、ショー君以外頼れる人いないから……」
「そ、そうか。ま、まあ仕方ないな」
口の端っこに生クリームの髭を生やしてはいるが、急にしおらしくなった未亜にドギマギしてしまう。今ならだいたいのお願いは聞いてしまうだろう。我ながらチョロいぜ。
「あと、山盛りベリーのタルト、頼んでいい?」
さすがに食べすぎでしょ。
超満面の笑顔である。
彼女に誘われ、夕暮れ時、駅前の喫茶店にいる。
皆川未亜はミイアである。まだ完全に信じている訳ではないけれど、それが現実であると受け入れいている俺がいるのもまた真実だ。
「そりゃよかった。それで、ミイアがゲーム世界からどうやってこの現実に飛び出して来たんだ?」
でもどうしても詰問口調になってしまう。
「なんかこわーい。そんなんじゃ。乙女の秘密は話せません。やり直し~」
「ぐ、どうやってこの世に現れなすったのでしょうかミイアさん?」
「知らない」
くそーっ。腹立つー。
半分引きこもりの俺にとって実は、ゲームではなく現実の女子とおしゃべりするのは苦手だ。というか、必要事項を伝達する事意外にはここ数年ほとんど女の子と会話した事が無い。
手玉に取られても仕方の無いことだろう?
「知らないって、どういうことだよ。どうにかしてこっちに来たんだろ?」
「だって知らない。いつもみたいに眠たくなって、眠ったらこの世界にいたんだよ。ホントだよ。イチゴミルク頼んでいい?」
「い、いいけど。何にも分からないのか?」
「やったー。うん。なんにも」
ゲーム世界から現実世界に来た理由や方法なんかどうでもいいことであるかのように、いそいそと店員を呼んでイチゴミルクを頼んでいるミイア。行動はやはり、ゲーム内の彼女がやりそうなことだ。
「ショー君は何も食べないの?」
「あ、ああ。ここで出される物はほとんどお尻に良くないみたいだからな」
「えっ、お尻?」
「いや、なんでもない」
動物性の脂肪や食品添加物、刺激物や冷えた物は痔に良くないらしい。近頃はなるべくお尻に優しい物を摂るようにしている。
「お尻といえば、ダンクさんなんだけど、ダンクさんもこっちで見かけたよ」
お尻といえばダンクさんも話しの繋げ方としてはどうかと思う。
「えっ、ヤツはヤバイだろ。あの露出狂はゲーム内だから許されるんであって、現実世界では完全に犯罪者だからな。いや、ゲーム内でも許す必要はあるのか?」
いやない。
「服は着ていたよ」
「それは何よりだ。それで、ゲーム世界にはいつ帰るんだ? 今晩も『Rondo Adventurer』で遊ぼうと思っているんだけれど」
ミイアやダンクがここにいるとなると、あっちの世界の二人はどうなっているんだろう。
「それ」
「どれ?」
「三角イチゴパイ食べていい?」
メニューを指で指して彼女は言う。
「いいけど、晩御飯は入るのか?」
「このミイアちゃんを見くびらないでね。晩御飯を食べるくらい朝飯前だよ」
「どういう意味だよ」
「ええと、じゃなくて。帰り方。そう、帰り方が分からないからずっとショー君、君を探してたんだよ」
「分からないのか。で、どうして俺が帰り方を知っていると思ったんだ?」
俺が尋ねると、未亜は少し俯いて、
「それはその……、ショー君以外頼れる人いないから……」
「そ、そうか。ま、まあ仕方ないな」
口の端っこに生クリームの髭を生やしてはいるが、急にしおらしくなった未亜にドギマギしてしまう。今ならだいたいのお願いは聞いてしまうだろう。我ながらチョロいぜ。
「あと、山盛りベリーのタルト、頼んでいい?」
さすがに食べすぎでしょ。
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