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最終章
第三部 伝えたいこと――9 ★
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「……ご立派なものだと、思います……」
なぜかそんなことを言ってしまってから、わたくしは慌てました。いったい何を言っているんでしょうか? 感想なんか言う女なんて、普通いるのでしょうか。
騎士が思いきり噴き出しました。
大笑いする彼の前で、わたくしは膝を抱えていじいじしました。
「だって……あなたはきれいとかかわいいとか、言ってくださるのに……」
こっちも何か言わなきゃ不公平です。一方的に褒められるなんて。
「だからって、別にここを褒める必要はなかったんだぞ?」
騎士はまだ肩を震わせ笑いをこらえています。「いいじゃないですかっ」わたくしはやけになって声を上げました。
「本当にかわいいなああなたは」
彼に抱き寄せられ、口づけられる。
優しくついばむようなキスに、荒れていた心がだんだんと落ち着いてきます。
キスはだんだんと深くなっていきました。唇ごと舌をむさぼられ、体の中に再び火がつく――
「――そんなにかわいくされたら、俺もそろそろ我慢の限界になる」
ぺろりと唇を舐められ、耳たぶを甘噛みされました。わたくしは再びベッドに押し倒され、彼の手の愛撫を受けました。
するすると胸元からお腹、太ももと滑っていった指はやがて内ももの奥へたどり着き、
「指を入れるぞ、あまり動かないで……気をつけて」
慎重な声で騎士は言いました。「俺の指は太いからな。中を傷つけたら大変だ」
その意味ぐらいは分かりました。わたくしは緊張してこくんとうなずきながら、
「き、きっと大丈夫です……」
「まあ後で俺の指より太いものを入れてもらわなきゃ困るんだが」
「!!!」
こんなときに思い切り騎士をつねってしまったわたくしを許してください……
騎士は自分の指を舐め、唾液をまぶしました。
ゆっくりゆっくりと、騎士の指が中に沈み込んでくるのが分かりました。
くちゅり、とみだらな音がします。先ほどのキスでまたあふれてしまったようです。彼が指を動かすたび、粘着質な音がわたくしの耳を犯しました。
「狭いな。当たり前か」
動かされるもののふしぎな異物感。くちゅ、くちゅ、と抜き差しされるたび、また奥から蜜があふれてくる。
彼の指は、中をほぐすようにゆっくりと確実に動きました。やがて指が二本になり、中を開くようにたしかめます。
開いた中を覗かれている――わたくしは羞恥のあまりに顔をそらしました。もちろんそんなことで彼がやめてくれるはずがありません。
「うん……いい感じだ。よく濡れるし、これなら少しは痛くないかもしれない」
騎士のほっとしたような声。
どうやら彼は、女の初体験に伴う痛みのことを心配してくれているようでした。
わたくしは声を上げました。
「い、痛くても平気ですからっ」
だって、痛いなんていう理由でこんな大切な行為を中断させたくない。
ようやく――ここまでこれたのに。
もっともわたくしも、初体験の痛みなど想像もつきません。はたして我慢できるのか、分からないのですが――
「まあ、あれだ。あなたは案外いやらしいから、最初から気持ちいいかもしれないな。うん」
「!」
ひどい! 人が決心してるそばからそんなことを言うなんて。
わたくしは騎士に枕を投げつけました。騎士の顔面に直撃して、騎士の鼻がちょっとだけ赤くなりました。
ぷりぷりと怒るわたくしのことが騎士にはツボだったようで、また大笑い。
そして、
「ははっ。本当にもう、かわいすぎてどうしようもなくなった」
改めてわたくしの膝を割り、体を乗り入れる――
「あ……」
体が何かを期待しました。腰の奥が、きゅうと締まりました。胸がどきどきして、顔が熱い。
騎士は前に倒れ、わたくしにキスをしました。
深くて熱いキス。情熱の高まりを教えてくれるキス。何度も舌を絡めて、媚薬のような唾液を交換する。
「あなたを俺のものにする。いいか?」
――ここまできてわざわざ確認をするのですね。
あなたは本当にふしぎな人です。強引なのかと思えば、こんな風に一線を引いているときもある。
わたくしは彼の唇に噛みつくようにキスをして。
「……女に言わせるなんて、無粋ですよ?」
本で学んだ言葉を言ってみました。
彼は嬉しそうに、わたくしに噛みつかれた下唇を舌で舐めました。
そして、熱心な口づけを落としてきました。
そのキスの合間に、わたくしの内ももを撫で上げ、秘裂をなぞり、敏感な場所を指先で何度もこね回します。わたくしの唇から甘い吐息がこぼれ落ちました。初体験だというのに、もう早々に、そこをいじられることの虜になったよう。
体がとろとろにとろけて、足の間からあふれる蜜が止まりません。奥の奥がきゅうきゅうと啼いて、もう待てないと叫んでいました。
彼は頃合いをみはからって体を起こし――
猛り返る雄を、濡れそぼつわたくしの入り口に添えました。
濡れた秘裂にぬるぬると滑らせる。まるでわたくしの情欲を導きだそうとしているかのように。
――子を、作るつもりはまだないと言いました。
けれど避妊するつもりもないと。
子どもは授かり物です。授かるなら授かるで、それはまさしく星の神の思し召し。わたくしたちは元々、そんな内容の託宣で結ばれたのです。
幸いわたくしにはたくさんの味方がいます。一人で育てることにはきっとならない。
だから、いいのだと――言ったのはわたくし自身。
「行くぞ」
ぐ、と騎士が腰を押し出しました。
先ほどの指とは比べものにならないほど大きな異物感。それが狙い違うことなく、わたくしの中へと――ゆっくりと。
先端を入れたぐらいのところで、は、と騎士が熱い息を吐きました。
「ああ……すごいな。熱くて……気持ちいい」
そしてそこからは一気に貫くように。
狭い中を、押し広げるように進んで。
それは灼熱のような塊でした。男性のものがこんなにも脈打つものだと、わたくしは初めて知りました。
とくとくと、それはたしかに脈動しているのです。わたくしの……中で。
「あっ……」
ある瞬間に、わたくしは痛烈な痛みを感じました。
たぶん顔に出てしまったのでしょう。騎士がすぐさま腰をとめました。
「アルテナ?」
心配げに呼ぶ声。わたくしはふるふると首を横に振ります。
――やめないで――
その思いを、騎士は正確にくみ取ってくれたようでした。
「いきなり奥はつらいだろう。ここで動くぞ?」
そうして始まる、ゆっくりとした抽送。
大きな熱の塊がわたくしの中を無理やり押し開くように動く。擦り立て、抉り、そして抜かれていく。
痛みとぬめり気も混じって、とてもおかしな感覚でした。それが次第に――当然になっていく。
わたくしの入り口近くで繰り返される小刻みな抜き差しは、だんだんペースを早くしていきました。彼が腰を使うたび、わたくしはあえかな息を吐きました。
呼吸が、彼によって乱される。
彼に、すべてを支配されていく。
痛みはたしかにありました。けれど――我慢できないほどではない。
この身は魔物やら神の力やらを宿した身。強くなってしまったのかもしれません。
彼の拍動を中で感じる。けれど足りません。逞しい彼の打つ脈動が、こんなにも小さなはずがないのです。
わたくしは彼の背中に手を回し、すがりつきました。
「お願い……奥まで、来て」
そうすればきっと……彼のすべてが感じられる。
彼の目が大きく見開かれ――
何かが、ぷつんと切れた音が聞こえたような気がしました。
ずん、といきなり押し込まれた灼熱。
先端が奥に、当たる――
わたくしの中は、彼の猛々しい情熱でいっぱいになったのです。
思った通りの強い脈動。彼の生命の象徴。
「そんなことを言われたら、我慢できるわけがないじゃないか……」
切なそうな彼の声が聞こえました。その声が、わたくしの胸をはかなくときめかせました。
そこからはもう、――
最初は規則正しく動いていた彼の腰が、だんだんと荒々しくなっていく。「アルテナ、アルテナ」と何度もわたくしを呼ぶ声。
動きが激しければ痛みも激しい。けれどちっとも気にならない。
それどころか彼が動きやすいように、どんどん蜜の量が増していくのが分かる。
「あっ、あっ、……あ、あっ、ああああっ!」
奥を突かれ、内部を擦り立てられる。彼の先端の引っかかりがわたくしを狂おしいほどに感じさせ、引き抜かれると中が切なく啼くのです。
肌と肌が打ち合わされ、大きな音を立てました。繋がった場所からはくちゅりくちゅりとかすかな、それでいてみだらな音。いっそういやらしく思えて、わたくしは興奮が高まっていくのを抑えられませんでした。
男性を知らず狭く閉じていた場所が、彼によって押し広げられていく。犯されていく。
そのことが、心が震えるほどに嬉しい。
ああやっぱり、わたくしはみだらな女なのでしょう。
「アルテナ」
途中で彼は、動きをゆっくりとしたものに変えました。ふしぎに思ってわたくしが見つめると、
「さっさとイッてしまうのがもったいないものでな。いや、一回で終わらせるつもりはないんだが、何と言うか、うん」
彼は照れたように言いました。
くすりと、わたくしは笑いました。
ああ、あなた。愛しいあなた。
腰をゆっくりと揺さぶられながら、わたくしは騎士の顔を両手で包み込みます。
大好きな彼の夕日の瞳。まっすぐとわたくしをとらえて放さない。
「――わたくし、魔物に憑かれたときに思ったんです。あなたにもう一度会いたいと。会えたら、伝えたいことがあると」
すると彼は目を丸くして、
「奇遇だな、俺もあなたから魔物をはがしたときに思った。あなたにもう一度会って、伝えたいことがあると」
腰の動きを止めて、わたくしたちは悪戯に額を寄せ合いました。
笑顔があふれます。何て幸せな時間。わたくしたちは繋がったまま、お互いを見つめたまま――
「……愛してる」
騎士の律動がペースを増しました。
荒々しい呼吸は彼らしく、雄々しくて逞しい熱さでした。汗が流れ、わたくしの汗と混じって肌をすべり落ちていく。
中を激しく擦り上げられ、肉壁をこねまわされ、引っかかれ――
最奥を、まるでこじあけようとするように深く。深く――
彼の愛の象徴を、そこに注ぐために。
「アルテナ。アルテナ……っ」
「ああ、ヴァイス様、ヴァイス様」
世界が真っ白になっていく。何も見えない。彼以外何も見えない。
お願いあなた。どうかこのままこの世の果てまで連れ去って――
彼はわたくしの奥に突き立て突き立て精を吐き出しました。
わたくしは真っ白になった心で、それを受け止めました。
熱く、たっぷりとあふれたもので満たされていくわたくしの中――
わたくしを強く抱きしめる腕は、わたくしを決して放さずに。
静かな夜気が、わたくしたちを包み込んでいました。
わたくしたちは抱き合ったまま、長い間――ずっと互いの鼓動を聞いていました。
幸せの意味を教えてくれる、愛しい人の鼓動を、ずっと。
なぜかそんなことを言ってしまってから、わたくしは慌てました。いったい何を言っているんでしょうか? 感想なんか言う女なんて、普通いるのでしょうか。
騎士が思いきり噴き出しました。
大笑いする彼の前で、わたくしは膝を抱えていじいじしました。
「だって……あなたはきれいとかかわいいとか、言ってくださるのに……」
こっちも何か言わなきゃ不公平です。一方的に褒められるなんて。
「だからって、別にここを褒める必要はなかったんだぞ?」
騎士はまだ肩を震わせ笑いをこらえています。「いいじゃないですかっ」わたくしはやけになって声を上げました。
「本当にかわいいなああなたは」
彼に抱き寄せられ、口づけられる。
優しくついばむようなキスに、荒れていた心がだんだんと落ち着いてきます。
キスはだんだんと深くなっていきました。唇ごと舌をむさぼられ、体の中に再び火がつく――
「――そんなにかわいくされたら、俺もそろそろ我慢の限界になる」
ぺろりと唇を舐められ、耳たぶを甘噛みされました。わたくしは再びベッドに押し倒され、彼の手の愛撫を受けました。
するすると胸元からお腹、太ももと滑っていった指はやがて内ももの奥へたどり着き、
「指を入れるぞ、あまり動かないで……気をつけて」
慎重な声で騎士は言いました。「俺の指は太いからな。中を傷つけたら大変だ」
その意味ぐらいは分かりました。わたくしは緊張してこくんとうなずきながら、
「き、きっと大丈夫です……」
「まあ後で俺の指より太いものを入れてもらわなきゃ困るんだが」
「!!!」
こんなときに思い切り騎士をつねってしまったわたくしを許してください……
騎士は自分の指を舐め、唾液をまぶしました。
ゆっくりゆっくりと、騎士の指が中に沈み込んでくるのが分かりました。
くちゅり、とみだらな音がします。先ほどのキスでまたあふれてしまったようです。彼が指を動かすたび、粘着質な音がわたくしの耳を犯しました。
「狭いな。当たり前か」
動かされるもののふしぎな異物感。くちゅ、くちゅ、と抜き差しされるたび、また奥から蜜があふれてくる。
彼の指は、中をほぐすようにゆっくりと確実に動きました。やがて指が二本になり、中を開くようにたしかめます。
開いた中を覗かれている――わたくしは羞恥のあまりに顔をそらしました。もちろんそんなことで彼がやめてくれるはずがありません。
「うん……いい感じだ。よく濡れるし、これなら少しは痛くないかもしれない」
騎士のほっとしたような声。
どうやら彼は、女の初体験に伴う痛みのことを心配してくれているようでした。
わたくしは声を上げました。
「い、痛くても平気ですからっ」
だって、痛いなんていう理由でこんな大切な行為を中断させたくない。
ようやく――ここまでこれたのに。
もっともわたくしも、初体験の痛みなど想像もつきません。はたして我慢できるのか、分からないのですが――
「まあ、あれだ。あなたは案外いやらしいから、最初から気持ちいいかもしれないな。うん」
「!」
ひどい! 人が決心してるそばからそんなことを言うなんて。
わたくしは騎士に枕を投げつけました。騎士の顔面に直撃して、騎士の鼻がちょっとだけ赤くなりました。
ぷりぷりと怒るわたくしのことが騎士にはツボだったようで、また大笑い。
そして、
「ははっ。本当にもう、かわいすぎてどうしようもなくなった」
改めてわたくしの膝を割り、体を乗り入れる――
「あ……」
体が何かを期待しました。腰の奥が、きゅうと締まりました。胸がどきどきして、顔が熱い。
騎士は前に倒れ、わたくしにキスをしました。
深くて熱いキス。情熱の高まりを教えてくれるキス。何度も舌を絡めて、媚薬のような唾液を交換する。
「あなたを俺のものにする。いいか?」
――ここまできてわざわざ確認をするのですね。
あなたは本当にふしぎな人です。強引なのかと思えば、こんな風に一線を引いているときもある。
わたくしは彼の唇に噛みつくようにキスをして。
「……女に言わせるなんて、無粋ですよ?」
本で学んだ言葉を言ってみました。
彼は嬉しそうに、わたくしに噛みつかれた下唇を舌で舐めました。
そして、熱心な口づけを落としてきました。
そのキスの合間に、わたくしの内ももを撫で上げ、秘裂をなぞり、敏感な場所を指先で何度もこね回します。わたくしの唇から甘い吐息がこぼれ落ちました。初体験だというのに、もう早々に、そこをいじられることの虜になったよう。
体がとろとろにとろけて、足の間からあふれる蜜が止まりません。奥の奥がきゅうきゅうと啼いて、もう待てないと叫んでいました。
彼は頃合いをみはからって体を起こし――
猛り返る雄を、濡れそぼつわたくしの入り口に添えました。
濡れた秘裂にぬるぬると滑らせる。まるでわたくしの情欲を導きだそうとしているかのように。
――子を、作るつもりはまだないと言いました。
けれど避妊するつもりもないと。
子どもは授かり物です。授かるなら授かるで、それはまさしく星の神の思し召し。わたくしたちは元々、そんな内容の託宣で結ばれたのです。
幸いわたくしにはたくさんの味方がいます。一人で育てることにはきっとならない。
だから、いいのだと――言ったのはわたくし自身。
「行くぞ」
ぐ、と騎士が腰を押し出しました。
先ほどの指とは比べものにならないほど大きな異物感。それが狙い違うことなく、わたくしの中へと――ゆっくりと。
先端を入れたぐらいのところで、は、と騎士が熱い息を吐きました。
「ああ……すごいな。熱くて……気持ちいい」
そしてそこからは一気に貫くように。
狭い中を、押し広げるように進んで。
それは灼熱のような塊でした。男性のものがこんなにも脈打つものだと、わたくしは初めて知りました。
とくとくと、それはたしかに脈動しているのです。わたくしの……中で。
「あっ……」
ある瞬間に、わたくしは痛烈な痛みを感じました。
たぶん顔に出てしまったのでしょう。騎士がすぐさま腰をとめました。
「アルテナ?」
心配げに呼ぶ声。わたくしはふるふると首を横に振ります。
――やめないで――
その思いを、騎士は正確にくみ取ってくれたようでした。
「いきなり奥はつらいだろう。ここで動くぞ?」
そうして始まる、ゆっくりとした抽送。
大きな熱の塊がわたくしの中を無理やり押し開くように動く。擦り立て、抉り、そして抜かれていく。
痛みとぬめり気も混じって、とてもおかしな感覚でした。それが次第に――当然になっていく。
わたくしの入り口近くで繰り返される小刻みな抜き差しは、だんだんペースを早くしていきました。彼が腰を使うたび、わたくしはあえかな息を吐きました。
呼吸が、彼によって乱される。
彼に、すべてを支配されていく。
痛みはたしかにありました。けれど――我慢できないほどではない。
この身は魔物やら神の力やらを宿した身。強くなってしまったのかもしれません。
彼の拍動を中で感じる。けれど足りません。逞しい彼の打つ脈動が、こんなにも小さなはずがないのです。
わたくしは彼の背中に手を回し、すがりつきました。
「お願い……奥まで、来て」
そうすればきっと……彼のすべてが感じられる。
彼の目が大きく見開かれ――
何かが、ぷつんと切れた音が聞こえたような気がしました。
ずん、といきなり押し込まれた灼熱。
先端が奥に、当たる――
わたくしの中は、彼の猛々しい情熱でいっぱいになったのです。
思った通りの強い脈動。彼の生命の象徴。
「そんなことを言われたら、我慢できるわけがないじゃないか……」
切なそうな彼の声が聞こえました。その声が、わたくしの胸をはかなくときめかせました。
そこからはもう、――
最初は規則正しく動いていた彼の腰が、だんだんと荒々しくなっていく。「アルテナ、アルテナ」と何度もわたくしを呼ぶ声。
動きが激しければ痛みも激しい。けれどちっとも気にならない。
それどころか彼が動きやすいように、どんどん蜜の量が増していくのが分かる。
「あっ、あっ、……あ、あっ、ああああっ!」
奥を突かれ、内部を擦り立てられる。彼の先端の引っかかりがわたくしを狂おしいほどに感じさせ、引き抜かれると中が切なく啼くのです。
肌と肌が打ち合わされ、大きな音を立てました。繋がった場所からはくちゅりくちゅりとかすかな、それでいてみだらな音。いっそういやらしく思えて、わたくしは興奮が高まっていくのを抑えられませんでした。
男性を知らず狭く閉じていた場所が、彼によって押し広げられていく。犯されていく。
そのことが、心が震えるほどに嬉しい。
ああやっぱり、わたくしはみだらな女なのでしょう。
「アルテナ」
途中で彼は、動きをゆっくりとしたものに変えました。ふしぎに思ってわたくしが見つめると、
「さっさとイッてしまうのがもったいないものでな。いや、一回で終わらせるつもりはないんだが、何と言うか、うん」
彼は照れたように言いました。
くすりと、わたくしは笑いました。
ああ、あなた。愛しいあなた。
腰をゆっくりと揺さぶられながら、わたくしは騎士の顔を両手で包み込みます。
大好きな彼の夕日の瞳。まっすぐとわたくしをとらえて放さない。
「――わたくし、魔物に憑かれたときに思ったんです。あなたにもう一度会いたいと。会えたら、伝えたいことがあると」
すると彼は目を丸くして、
「奇遇だな、俺もあなたから魔物をはがしたときに思った。あなたにもう一度会って、伝えたいことがあると」
腰の動きを止めて、わたくしたちは悪戯に額を寄せ合いました。
笑顔があふれます。何て幸せな時間。わたくしたちは繋がったまま、お互いを見つめたまま――
「……愛してる」
騎士の律動がペースを増しました。
荒々しい呼吸は彼らしく、雄々しくて逞しい熱さでした。汗が流れ、わたくしの汗と混じって肌をすべり落ちていく。
中を激しく擦り上げられ、肉壁をこねまわされ、引っかかれ――
最奥を、まるでこじあけようとするように深く。深く――
彼の愛の象徴を、そこに注ぐために。
「アルテナ。アルテナ……っ」
「ああ、ヴァイス様、ヴァイス様」
世界が真っ白になっていく。何も見えない。彼以外何も見えない。
お願いあなた。どうかこのままこの世の果てまで連れ去って――
彼はわたくしの奥に突き立て突き立て精を吐き出しました。
わたくしは真っ白になった心で、それを受け止めました。
熱く、たっぷりとあふれたもので満たされていくわたくしの中――
わたくしを強く抱きしめる腕は、わたくしを決して放さずに。
静かな夜気が、わたくしたちを包み込んでいました。
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幸せの意味を教えてくれる、愛しい人の鼓動を、ずっと。
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