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譲れない時間と 4
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トキネに嘘をついてしまった。
長い回廊を歩きながら、アーレンは自嘲する。
――ヴェレッタが若返りの薬を欲したのは夫の気を惹くためではなく、アーレンの気を惹くためだ。
あの日魔力のほとんどをアーレンに奪われ、ヴェレッタは瀕死になった。と言っても死なせるつもりはなかったから最低限残してやったし、太陽の間のバルコニーに向かう前に適当な兵士を捕まえてヴェレッタの世話を押しつけたから、公妃はすぐに介抱され、長い昏睡状態のあと目が醒めるなり癇癪を起こしたと聞く。彼女はロンバルディア公邸に戻されていたから、屋敷は大変なことになっただろう。
ロンバルディア公が失脚することは間違いない。ロンバルディアという広い土地を奪われ、地方に飛ばされることになる。
ヴェレッタは当然それについていく。そしておそらく屋敷に軟禁されるだろうことは想像にかたくない。
そうなれば二度と顔を合わせることもあるまい。アーレンは安堵していた。これで、トキネを不安がらせることももうなくなる。何よりイディアスがヴェレッタについていくだろうことが安心材料だ。忌まわしい縁がいくつか消える。
さて、残る問題は……
アーレンは兵士に守られた賓客室のノッカーを叩く。
やがて開いた大きな扉。
中で、若すぎる皇女が振り向いた。
「おお、アーレン。待っていたぞ」
どうやら本を読んでいたようだ。「退屈すぎて死ぬところだった」と皇女らしからぬことを言い、「入れ」と入室の許可を出す。
アーレンが中に入ると、扉は閉まった。
中は皇女一人だった。護衛の男は別室に捕まっているため、今皇女を守っているのは扉の前のアルファンドジェラルドの兵士だけである。
「で、結局何がどうなったのだ?」
この国側が用意した部屋着でくつろいでいる皇女は、早く早くとアーレンの話を急かす。
アーレンはロンバルディア公の企みを全て話した。
ジュレーヌ皇女は「ふむ」とあごに手をやった。
「となると……すべてはロンバルディア公とイディアスとやらの責任で終わるか。ん? イディアスとやらは別の人間のために動いていたのだったか」
「全部ひっくるめてロンバルディア公家のしわざ……ということになります」
「そうか」
ジュレーヌ皇女はふふ、と十二歳とは思えぬ大人びた表情で微笑む。
「そなたの言う通りだったな。私が来ればこの国の均衡はすぐに崩れる。その通りだった」
「だから来ないでくれ、と言ったつもりだったのですがね、皇女」
「だがそなたにはありがたい方向に転んだのではないのか? アーレン」
くすくす。皇女は楽しげに笑う。アーレンは肩をすくめてそれに応える。
――すべては、アーレンとジュレーヌ皇女が文のやりとりをする関係であることから始まった。
先に接触してきたのは皇女のほうだ。当時わずか十歳だった天才少女は、アルファンドジェラルドにおける『信頼のおける人物』を的確に見抜いていた。
異世界人召喚が行われ、異世界人がいると報せたのはアーレンである。それがために、皇女はこうしてこの国に来ることになった。
アーレンはすっと目を細める。
「皇女」
「何だ?」
「――護衛に自分をわざと襲わせて、いったい何がしたかったんです」
皇女は一瞬目を見開いて――
それから、ゆったりと口元に笑みを広げた。
「我が国はアルファンドジェラルドという国を恐ろしく思っているのさ。だから何が何でも、魔法という力を見たかった。私が襲われれば誰かしらが魔法を使うだろうと思っていたのだが……やはり恐ろしい力であったな。イディアスという男があの異世界人の娘に行った愚行。私はしっかり見ていたぞ」
そうなのだ。あのとき吹き飛ばされて気絶していたように見えた皇女だったが、実はうっすら目を開けて事態を見守っていたというのである。
だから、ロンバルディア公が『狙うのは皇女だ』と言い放ったのも全部聞いていたのだ。
ジュレーヌ皇女はあんな状況でも恐ろしく冷静だった。冷静に、その場に適した行動を取っていた。
「……所詮は他国に出れば使えぬ力です」
「絶対に攻め落とせぬ国というのは脅威だ。異世界人を喚ぶような国を、安心して隣に置いておけるとでも?」
「………」
「だがそれ以前の問題であったなあ。人の命を使って若返りなど、この国の王族は腐っているのではないか。そなたの言う通りに」
「皇女、ですから――」
「だから我がディアグレッセス帝国は、私を襲う計画を立てた者がいたことを強く抗議する。本人の処断だけでは許さぬ。国王にも責任を取っていただこう」
それは冷ややかで、凜とした声。とても十二歳の発したものとは思えぬ、有無を言わせぬ口調。
アーレンはひざまずいた。感情が表に出ないよう、無表情を取り繕って。
「……承知致しました。国王に伝えましょう」
これで、現国王ならびに王妃も現在の地位にい続けることは不可能となる。彼らなりに抵抗するだろうが、帝国に勝てるわけがない。
国はリオン王子が継ぐことになるだろう。
リオン王子の統治下となってようやく、アルファンドジェラルドは落ち着くに違いなかった。今の国王たちの愚かさゆえに、面従腹背が当たり前になっていた王宮も次第に形を変えていくだろう。
先日のパーティで自分のエスコート役にリオン王子を指名したのはジュレーヌ皇女自身だ。たった十二歳で、彼女は先を見通している。
リオン王子ならば帝国との関係もうまく操るだろう。彼はこの国の分をわきまえている。この国の強みも弱みも、正しく把握している。
ある意味でリオン王子のほうが帝国にとっては扱いにくいだろうが、それでもジュレーヌ皇女は、彼が王になることを選ぶのだろう。
――リオン王子であれば、人の命を軽んじて『薬を作る』などとは言い出さないだろうから。
ジュレーヌ皇女が突然「ふふふ」とにんまりした顔になり、
「それにしてもそなたの力はすごかったな……! あのような金色の力を、たったひとりの娘のために使ったか。ふふふ、ふふふ、下手な物語よりもよい見物だった」
子どものように無邪気でありながら、男女の機微を知っている者のいやらしい目つきだ。
しかしアーレンは動じない。
「愛する者のために力を使うことを、この歳でようやく学びました。ジュレーヌ皇女、あなたもそのような相手に出会うことですね」
「堂々と生意気を申すことだ! ふふふ、やはり人の色恋は楽しい!」
……どこまでも皇女らしからぬ言葉を吐いて、ジュレーヌ皇女は楽しそうに笑った。
それはアルファンドジェラルドとの未来を予見する、とても開放的な笑顔だった。
* * *
ジュレーヌ皇女の帰国とともに――
私たちの軟禁は無事解かれ、私はアーレン様とグロリア様と一緒に、アーレン様のお宅へと帰りました。
「良かった……! 心配しました!」
真っ先に飛び出してきたのはローランさん。次いでレンジュ君とイオリスさん。もう本当に、彼らには心配かけっぱなしです。
もっともローランさんは軟禁されている私たちに一度会いにきてくれたので、事情は全て知っています。
「今夜ハ、ごちそう用意すルヨ!」
レンジュ君は張り切っています。イオリスさんは無言で、私たちの荷物を持ってくれました。
「それじゃ、早速私もお茶を淹れなくちゃ!」
私は跳びはねました。今日はお休みモードです。ここでお茶を出さなくてどうしますか!
「お前も少しは休んだらどうだ」
アーレン様が少し心配そうに言いますが、私の情熱は止まりません!
「今すぐいいお茶淹れますからねっ!」
と風のように屋敷内へと飛び込み――
そして勢い余ってすってんころりん転びました。
「……馬鹿なのか、お前は」
「何をおっしゃるアーレン様、今さらです!」
「そうだったな」
アーレン様は呆れ顔で私に手を差し出します。後ろでグロリア様がお腹を抱えて笑っています。
ああ、平和な日常が戻ってきました!
長い回廊を歩きながら、アーレンは自嘲する。
――ヴェレッタが若返りの薬を欲したのは夫の気を惹くためではなく、アーレンの気を惹くためだ。
あの日魔力のほとんどをアーレンに奪われ、ヴェレッタは瀕死になった。と言っても死なせるつもりはなかったから最低限残してやったし、太陽の間のバルコニーに向かう前に適当な兵士を捕まえてヴェレッタの世話を押しつけたから、公妃はすぐに介抱され、長い昏睡状態のあと目が醒めるなり癇癪を起こしたと聞く。彼女はロンバルディア公邸に戻されていたから、屋敷は大変なことになっただろう。
ロンバルディア公が失脚することは間違いない。ロンバルディアという広い土地を奪われ、地方に飛ばされることになる。
ヴェレッタは当然それについていく。そしておそらく屋敷に軟禁されるだろうことは想像にかたくない。
そうなれば二度と顔を合わせることもあるまい。アーレンは安堵していた。これで、トキネを不安がらせることももうなくなる。何よりイディアスがヴェレッタについていくだろうことが安心材料だ。忌まわしい縁がいくつか消える。
さて、残る問題は……
アーレンは兵士に守られた賓客室のノッカーを叩く。
やがて開いた大きな扉。
中で、若すぎる皇女が振り向いた。
「おお、アーレン。待っていたぞ」
どうやら本を読んでいたようだ。「退屈すぎて死ぬところだった」と皇女らしからぬことを言い、「入れ」と入室の許可を出す。
アーレンが中に入ると、扉は閉まった。
中は皇女一人だった。護衛の男は別室に捕まっているため、今皇女を守っているのは扉の前のアルファンドジェラルドの兵士だけである。
「で、結局何がどうなったのだ?」
この国側が用意した部屋着でくつろいでいる皇女は、早く早くとアーレンの話を急かす。
アーレンはロンバルディア公の企みを全て話した。
ジュレーヌ皇女は「ふむ」とあごに手をやった。
「となると……すべてはロンバルディア公とイディアスとやらの責任で終わるか。ん? イディアスとやらは別の人間のために動いていたのだったか」
「全部ひっくるめてロンバルディア公家のしわざ……ということになります」
「そうか」
ジュレーヌ皇女はふふ、と十二歳とは思えぬ大人びた表情で微笑む。
「そなたの言う通りだったな。私が来ればこの国の均衡はすぐに崩れる。その通りだった」
「だから来ないでくれ、と言ったつもりだったのですがね、皇女」
「だがそなたにはありがたい方向に転んだのではないのか? アーレン」
くすくす。皇女は楽しげに笑う。アーレンは肩をすくめてそれに応える。
――すべては、アーレンとジュレーヌ皇女が文のやりとりをする関係であることから始まった。
先に接触してきたのは皇女のほうだ。当時わずか十歳だった天才少女は、アルファンドジェラルドにおける『信頼のおける人物』を的確に見抜いていた。
異世界人召喚が行われ、異世界人がいると報せたのはアーレンである。それがために、皇女はこうしてこの国に来ることになった。
アーレンはすっと目を細める。
「皇女」
「何だ?」
「――護衛に自分をわざと襲わせて、いったい何がしたかったんです」
皇女は一瞬目を見開いて――
それから、ゆったりと口元に笑みを広げた。
「我が国はアルファンドジェラルドという国を恐ろしく思っているのさ。だから何が何でも、魔法という力を見たかった。私が襲われれば誰かしらが魔法を使うだろうと思っていたのだが……やはり恐ろしい力であったな。イディアスという男があの異世界人の娘に行った愚行。私はしっかり見ていたぞ」
そうなのだ。あのとき吹き飛ばされて気絶していたように見えた皇女だったが、実はうっすら目を開けて事態を見守っていたというのである。
だから、ロンバルディア公が『狙うのは皇女だ』と言い放ったのも全部聞いていたのだ。
ジュレーヌ皇女はあんな状況でも恐ろしく冷静だった。冷静に、その場に適した行動を取っていた。
「……所詮は他国に出れば使えぬ力です」
「絶対に攻め落とせぬ国というのは脅威だ。異世界人を喚ぶような国を、安心して隣に置いておけるとでも?」
「………」
「だがそれ以前の問題であったなあ。人の命を使って若返りなど、この国の王族は腐っているのではないか。そなたの言う通りに」
「皇女、ですから――」
「だから我がディアグレッセス帝国は、私を襲う計画を立てた者がいたことを強く抗議する。本人の処断だけでは許さぬ。国王にも責任を取っていただこう」
それは冷ややかで、凜とした声。とても十二歳の発したものとは思えぬ、有無を言わせぬ口調。
アーレンはひざまずいた。感情が表に出ないよう、無表情を取り繕って。
「……承知致しました。国王に伝えましょう」
これで、現国王ならびに王妃も現在の地位にい続けることは不可能となる。彼らなりに抵抗するだろうが、帝国に勝てるわけがない。
国はリオン王子が継ぐことになるだろう。
リオン王子の統治下となってようやく、アルファンドジェラルドは落ち着くに違いなかった。今の国王たちの愚かさゆえに、面従腹背が当たり前になっていた王宮も次第に形を変えていくだろう。
先日のパーティで自分のエスコート役にリオン王子を指名したのはジュレーヌ皇女自身だ。たった十二歳で、彼女は先を見通している。
リオン王子ならば帝国との関係もうまく操るだろう。彼はこの国の分をわきまえている。この国の強みも弱みも、正しく把握している。
ある意味でリオン王子のほうが帝国にとっては扱いにくいだろうが、それでもジュレーヌ皇女は、彼が王になることを選ぶのだろう。
――リオン王子であれば、人の命を軽んじて『薬を作る』などとは言い出さないだろうから。
ジュレーヌ皇女が突然「ふふふ」とにんまりした顔になり、
「それにしてもそなたの力はすごかったな……! あのような金色の力を、たったひとりの娘のために使ったか。ふふふ、ふふふ、下手な物語よりもよい見物だった」
子どものように無邪気でありながら、男女の機微を知っている者のいやらしい目つきだ。
しかしアーレンは動じない。
「愛する者のために力を使うことを、この歳でようやく学びました。ジュレーヌ皇女、あなたもそのような相手に出会うことですね」
「堂々と生意気を申すことだ! ふふふ、やはり人の色恋は楽しい!」
……どこまでも皇女らしからぬ言葉を吐いて、ジュレーヌ皇女は楽しそうに笑った。
それはアルファンドジェラルドとの未来を予見する、とても開放的な笑顔だった。
* * *
ジュレーヌ皇女の帰国とともに――
私たちの軟禁は無事解かれ、私はアーレン様とグロリア様と一緒に、アーレン様のお宅へと帰りました。
「良かった……! 心配しました!」
真っ先に飛び出してきたのはローランさん。次いでレンジュ君とイオリスさん。もう本当に、彼らには心配かけっぱなしです。
もっともローランさんは軟禁されている私たちに一度会いにきてくれたので、事情は全て知っています。
「今夜ハ、ごちそう用意すルヨ!」
レンジュ君は張り切っています。イオリスさんは無言で、私たちの荷物を持ってくれました。
「それじゃ、早速私もお茶を淹れなくちゃ!」
私は跳びはねました。今日はお休みモードです。ここでお茶を出さなくてどうしますか!
「お前も少しは休んだらどうだ」
アーレン様が少し心配そうに言いますが、私の情熱は止まりません!
「今すぐいいお茶淹れますからねっ!」
と風のように屋敷内へと飛び込み――
そして勢い余ってすってんころりん転びました。
「……馬鹿なのか、お前は」
「何をおっしゃるアーレン様、今さらです!」
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