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第二章其の三
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アーテ王女が中にはいると、そこには土間があり、中には八畳ほどのスペースがあった。
畳ね。
アーテ王女はおもった。
極東の島国では、古くより、この内装が使用されていることは、アーテ王女も知っていた。
アーテ王女が靴を脱いで中にはいると、そこにはちいさいながらにも庭があり。
「どう? 気に入った?」
すごいわ。
アーテ王女が見ると、そこにはふすまがある。
造作は、すべてついている、和箪笥、押入れ、台所、水瓶、かまど、トイレ。
アーテ王女が和箪笥を開けて、押入れの中をみると、ふとんが入るスペースがあった。
「さて」
と、ジルがいった。
「早速買出しだ。ふとんとか、何か、必要なものを買いにいこう。もらったんだろう? こんな家を与えられるだけのことだ、お金。それを使って、当面必要なものを買いに行こうじゃないか」
アーテ王女はそれに従った。
アーテ王女は荷物を部屋の中に置いて、外にでて、鍵をかけた。
買い物。
どこで、ほしいものは手に入るの?
「町の市場は、定期市だから、安いけど、今はやっていない。だから、町のお店に当たるといいよ」
さっき歩いた、もと来た道を歩く。
すると、ついさっきとおりすぎたところに、何でも屋さんが開いていた。
「ここで買おう」と、ジルが、いった。「一番安いのは、北にあるお店だけど、そこはここからちょっと距離がある。だから今回は、ここで買おう、ね」
うん。
アーテ王女が店の中を見ると、いろいろなものがそろっている。
フライパン、ふとん、鍋、釜、トイレットペーパー、はし、スプーン、ホーク、ナイフ、包丁、本も、いくつか置いてあった。
アーテ王女がほしいものを選んでいると、ジルが
「あたしはちょっと、荷台車を借りてくるから」
といって、しばらく去っていった。
アーテ王女は必要なものを買うべく、買い物かごをとった。
とりあえず必要なもの。
包丁は、折りたたみ式ナイフがある。
ホーク、ナイフ、スプーンは、村長のうちで持ってきた。
箸。
アーテ王女はかごに入れた。
フライパン。
アーテ王女はかごに入れた。
ふとん。
これは、買い物かごには入らなかった。
鍋。
アーテ王女はかごに入れた。
そうしているうちに、ジルが帰ってきた。
「どう? 少しは買い物は進んだ?」
そういって、ジルはアーテ王女が買い集めたものどもを見て、
「なに? それだけしか買ってないの? 町長にはいくらもらったの?」
アーテ王女がわたすと、
「一ゴールドもあるじゃない。あんた、これで何を買う気なの? 本? あんた、本を読むの? そう、生活を切り詰めて、勉学にいそしもうと、そういうわけね。だけど、本なら買わなくてもいいわ、わたしが持っている本を貸してあげる」
すると、ジルはアーテ王女から買い物かごを奪うと、さっさと必要なものをつめていった。
アーテ王女が見ていると、ジルはあるものないものすべてほうりこんでいる。
それはある、それはない。
しかし、ジルはそんなアーテ王女には無関心の様子であった。
ボール、厚底鍋。
アーテ王女がいっても、ジルは聞かない。
果たして一ゴールドというものは、そんなに価値のあるものなのだろうか。
足りるの?
アーテ王女の関心は、そこにあった。
しかし、ジルが、アーテ王女の所持金を知って、放りこんでいるのだからそうなのだろう。
アーテ王女が疑問におもっていると、
「あんた、この国のこと、何にも知らないのね、どこ出身? え? 長橋国? どこなのそれ。とにかく、一ゴールドとは、百シュリング、一シュリングは十ラント。十ラントでは、お米が一キロかえる値段。町長とんでもなく大きなお金をあんたにくれたのよ。きっと、この分なら、あんた、数ヶ月は働かなくて生きていけるわよ」
アーテ王女は町長の驚きぶりに、裏づけを得た、気分であった。
アーテ王女がジルの様子を見ていると、
「さあ、これで全部、後はふとんね」
と、いって、買い物かばんをお店の人に見せる様子であった。
買い物終了。
アーテ王女はふとんを担いで荷台車に向かうと、ジルが乗せるのを手伝ってくれた。
掛け布団、敷布団、毛布、タオルケット。
「今は夏だから、こんなのほとんど必要ないわね、タオルケットだけでも十分寝られるわ」
ジルは、買ったものをすべて、荷台車に乗せると、前に立って、荷台車をひく予定らしかった。アーテ王女はジルにすべて任せてはならないと、後ろから荷台車を押した。
しかし、買ったものは、どれも軽いものばかりだったので、車はずんずん進んだ。
途中、ジルは立ち止まって、
「そうそう。食べものも買わなくちゃ」
といって、近くの良品店に止まった。
米十キロ、味噌一キロ、しょうゆ一キロ、野菜(大根、しょうが、ねぎ、ほうれん草、にんじん、キャベツ、レタス、みょうが)、食パン八枚切り、ラー油、塩一キロ、鰹節。
それらを車に乗せる。
幾分、車は重たくなったが、ジルとアーテ王女は、快適に車を運び、アーテ王女のうちの前につくことが出来た。
アーテ王女が調度品を運ぶと、ジルは食料品を、運んでくれた。
ふとんは、押し入れに。
靴下はたんすに。
Tシャツはたんすに。・・・・・・
すべて整うと、いつの間にか、ジルが、お湯をわかしていた。
「食べるでしょ? ご飯」
アーテ王女がうなずくと、ジルはどんどん料理を進めていった。
ご飯を炊く。
お味噌汁のだしをとる。
魚を焼く。
魚はどこで買ったの?
アーテ王女が疑問におもっていると、
「あたしのうち、冷蔵庫があるから」
納得。
やがて、料理が出来上がったころ、米が炊けた。
「ああ、失敗」
ジルがいった。
「ちゃぶ台買ってくればよかった」
しかし、ないものはしょうがない。
ジルは、自分のうちから(ジルの家は、アーテ王女の斜向かいだった)、テーブルと、自分の食器を持ってくると、
「さあ、食事にしましょう」
そういって、ご飯をよそっていた。
畳ね。
アーテ王女はおもった。
極東の島国では、古くより、この内装が使用されていることは、アーテ王女も知っていた。
アーテ王女が靴を脱いで中にはいると、そこにはちいさいながらにも庭があり。
「どう? 気に入った?」
すごいわ。
アーテ王女が見ると、そこにはふすまがある。
造作は、すべてついている、和箪笥、押入れ、台所、水瓶、かまど、トイレ。
アーテ王女が和箪笥を開けて、押入れの中をみると、ふとんが入るスペースがあった。
「さて」
と、ジルがいった。
「早速買出しだ。ふとんとか、何か、必要なものを買いにいこう。もらったんだろう? こんな家を与えられるだけのことだ、お金。それを使って、当面必要なものを買いに行こうじゃないか」
アーテ王女はそれに従った。
アーテ王女は荷物を部屋の中に置いて、外にでて、鍵をかけた。
買い物。
どこで、ほしいものは手に入るの?
「町の市場は、定期市だから、安いけど、今はやっていない。だから、町のお店に当たるといいよ」
さっき歩いた、もと来た道を歩く。
すると、ついさっきとおりすぎたところに、何でも屋さんが開いていた。
「ここで買おう」と、ジルが、いった。「一番安いのは、北にあるお店だけど、そこはここからちょっと距離がある。だから今回は、ここで買おう、ね」
うん。
アーテ王女が店の中を見ると、いろいろなものがそろっている。
フライパン、ふとん、鍋、釜、トイレットペーパー、はし、スプーン、ホーク、ナイフ、包丁、本も、いくつか置いてあった。
アーテ王女がほしいものを選んでいると、ジルが
「あたしはちょっと、荷台車を借りてくるから」
といって、しばらく去っていった。
アーテ王女は必要なものを買うべく、買い物かごをとった。
とりあえず必要なもの。
包丁は、折りたたみ式ナイフがある。
ホーク、ナイフ、スプーンは、村長のうちで持ってきた。
箸。
アーテ王女はかごに入れた。
フライパン。
アーテ王女はかごに入れた。
ふとん。
これは、買い物かごには入らなかった。
鍋。
アーテ王女はかごに入れた。
そうしているうちに、ジルが帰ってきた。
「どう? 少しは買い物は進んだ?」
そういって、ジルはアーテ王女が買い集めたものどもを見て、
「なに? それだけしか買ってないの? 町長にはいくらもらったの?」
アーテ王女がわたすと、
「一ゴールドもあるじゃない。あんた、これで何を買う気なの? 本? あんた、本を読むの? そう、生活を切り詰めて、勉学にいそしもうと、そういうわけね。だけど、本なら買わなくてもいいわ、わたしが持っている本を貸してあげる」
すると、ジルはアーテ王女から買い物かごを奪うと、さっさと必要なものをつめていった。
アーテ王女が見ていると、ジルはあるものないものすべてほうりこんでいる。
それはある、それはない。
しかし、ジルはそんなアーテ王女には無関心の様子であった。
ボール、厚底鍋。
アーテ王女がいっても、ジルは聞かない。
果たして一ゴールドというものは、そんなに価値のあるものなのだろうか。
足りるの?
アーテ王女の関心は、そこにあった。
しかし、ジルが、アーテ王女の所持金を知って、放りこんでいるのだからそうなのだろう。
アーテ王女が疑問におもっていると、
「あんた、この国のこと、何にも知らないのね、どこ出身? え? 長橋国? どこなのそれ。とにかく、一ゴールドとは、百シュリング、一シュリングは十ラント。十ラントでは、お米が一キロかえる値段。町長とんでもなく大きなお金をあんたにくれたのよ。きっと、この分なら、あんた、数ヶ月は働かなくて生きていけるわよ」
アーテ王女は町長の驚きぶりに、裏づけを得た、気分であった。
アーテ王女がジルの様子を見ていると、
「さあ、これで全部、後はふとんね」
と、いって、買い物かばんをお店の人に見せる様子であった。
買い物終了。
アーテ王女はふとんを担いで荷台車に向かうと、ジルが乗せるのを手伝ってくれた。
掛け布団、敷布団、毛布、タオルケット。
「今は夏だから、こんなのほとんど必要ないわね、タオルケットだけでも十分寝られるわ」
ジルは、買ったものをすべて、荷台車に乗せると、前に立って、荷台車をひく予定らしかった。アーテ王女はジルにすべて任せてはならないと、後ろから荷台車を押した。
しかし、買ったものは、どれも軽いものばかりだったので、車はずんずん進んだ。
途中、ジルは立ち止まって、
「そうそう。食べものも買わなくちゃ」
といって、近くの良品店に止まった。
米十キロ、味噌一キロ、しょうゆ一キロ、野菜(大根、しょうが、ねぎ、ほうれん草、にんじん、キャベツ、レタス、みょうが)、食パン八枚切り、ラー油、塩一キロ、鰹節。
それらを車に乗せる。
幾分、車は重たくなったが、ジルとアーテ王女は、快適に車を運び、アーテ王女のうちの前につくことが出来た。
アーテ王女が調度品を運ぶと、ジルは食料品を、運んでくれた。
ふとんは、押し入れに。
靴下はたんすに。
Tシャツはたんすに。・・・・・・
すべて整うと、いつの間にか、ジルが、お湯をわかしていた。
「食べるでしょ? ご飯」
アーテ王女がうなずくと、ジルはどんどん料理を進めていった。
ご飯を炊く。
お味噌汁のだしをとる。
魚を焼く。
魚はどこで買ったの?
アーテ王女が疑問におもっていると、
「あたしのうち、冷蔵庫があるから」
納得。
やがて、料理が出来上がったころ、米が炊けた。
「ああ、失敗」
ジルがいった。
「ちゃぶ台買ってくればよかった」
しかし、ないものはしょうがない。
ジルは、自分のうちから(ジルの家は、アーテ王女の斜向かいだった)、テーブルと、自分の食器を持ってくると、
「さあ、食事にしましょう」
そういって、ご飯をよそっていた。
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