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生徒会室と風紀副委員長2
しおりを挟む会長の金色に隠れた耳がほんのり赤い。……きがする。
あえて、そこから目をそらしてカップに口をつける。
席に戻って小さく。小さく息を吐き出した。
「桜庭。」
「ん?」
「お前、なんでここにいんだ。」
「え? なんでって。......なんでだろう。」
「てめぇ、」
「あーっ、うそうそ。会長のお手伝いだよ。お手伝い。風紀も結構暇だからさ。会長に会いにきてるっていうのもあるけど。」
ホント半分、ウソ半分。
会長に会いたいというのは本音だけど、風紀が暇というのはまったくのでたらめだ。
午前中はこうやって会長の手伝いが出来るけど、午後には風紀室に戻らなくてはいけいない。
あの転校生がくるまでは比較的暇な時も多かったのに、あの子が来てから風紀に暇はない。
冬至なんてそろそろ、あの転校生を闇討ちでもするんじゃないかと見てるこっちが心配になる。
「なんで、......なり。」
「え?」
もごもごと小さい会長の声を拾って首をかしげる。
もう一度、の意味をこめて会長を見つめるも、彼はもう口を開いてはくれないらしい。
肩を落とす俺へ代わりに届いたのは、3回のドアノック。
会長の返事を受けて開かれたドアに、さらに深く肩を落としそうになる。
「失礼......、します。理巧、なんでこいつがここいにいるんだよ? てめぇもなんで生徒会室なんかにいるんだよ。あ?」
「愛先輩、こんにちは。」
「こんにちは、じゃねぇよ! 質問に答えろ! 質問にっ!」
指をびしっと指して俺を睨んでくる愛先輩は、今日もその童顔を歪めてご立腹らしい。
本当に俺は嫌われてるなぁ、と思うけど俺自身どうしてこんなに嫌われているのか分からない。
この関係が中学の中頃で始まったというのは覚えているけれど。
「おい、愛。うるせぇ。」
「うるせぇとはなんだ! うるせぇとはっ。俺は理巧にも怒ってんだけど!」
「はあぁ。」
「ため息つくな!」
めんどくさそうに頭に手をやる会長に愛先輩の声がとぶ。
一目みて仲がいいと分かる二人に嫌な気持ちが募っていく。
これまでは全く感じなかった、身体が重くなるような感情。それと同時に、
あぁ、いいなぁ。
純粋にそう思った。
「あっ、今日はハンバーグだぞ。俺の手作り。」
「いらねぇっていってんだろうが。」
「だってお前、もってこないと食わねぇじゃん! 身体に悪いだろうが!」
「そうだよ。ちゃんと食べなよ。身体にもよくないよ。」
「パクってんじゃねぇよ!」
「美味しそうですね。」
愛先輩が机に置いたパックのなか、久しぶりにみたハンバーグは本当に美味しそうだ。愛先輩が料理ができるとは思わなかった。
顔だけみれば美少女だけど、口を開いたら............、あれだしね。
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