王様のナミダ

白雨あめ

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生徒会室と風紀副委員長3

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「おいっ! そんな見てもやんねぇぞ!」

愛先輩手作りのハンバーグを見つめていると強い力で肩をひかれる。

別に食べたいとかは思ってないのに。
今日は朝から食欲がなく、なにも食べていないのにお腹がすいていないのだ。

「別にいりません。美味しそうですけど。そろそろ風紀に戻らないといけないし。」

「おー。そうか、そうか。では、帰れ。すぐ帰れ。そしてもうここには来んなよ!」

「それは無理です。明日もきます。ね、会長?」

「は? ......え。」

「あ? どういうことだよ! てめぇこの前言ったこと忘れたのか!」


愛先輩の言う、この前言ったこと。
その内容はきっとアレだ。

すごくすごく嫌な気持ちになって、苦しくなって。
でもどうしようと、俺ではどうにもできないもの。

どうしようもないと分かっているけど、すぐには諦められなくて、その気持ちが少しでも揺れないかと、みっともなくすがっている。

あー、カッコ悪い。

そう思うけれどやめられない。

まだ会長が、あの転校生と付き合ってはいないからだろうか。

まだ会長が、誰のものにもなっていないからだろうか。

あの転校生のことが好きな会長に、まだほんの少しの期待をしてしまっているからだろうか。


「......忘れてないよ。」


小さく呟く。


「あー、じゃあ俺もう帰るので。会長、またね。」

「は? ちょっ、まてっ! てめ!」

怒鳴りながら、凄い勢いでこっちへ向かってくる愛先輩から逃げるように部屋を出た。

ドアを閉める隙間から聞こえた会長の声に、もう追ってくることはないだろうと勝手に思う。


「はぁ......。」


完全に閉まったドアを背に、大きく息を吐く。

お腹の底から上がってくる何かを一緒に身体の外にだす。

胸がぎゅっとする。


ーーーー歩こう。

とりあえず歩こう。

ポケットに入れていた携帯を取りだし時間を確認する。まだ、授業中。
少しばかり気になっていたメールボックスを開いて、未読のメールが1、2、3、............10。

「うわー。」

すべて冬至から。

ストーカー並みのメールの量にやはり言ってきたほうがよかったかな、と一瞬思うも、それは無駄な後悔で。
あの冬至に、会長のこと手伝ってくるねーなんて言ったら烈火の如く怒りだすにきまっている。

冬至は昔から会長を毛嫌いしているし、会長も冬至とは気があわないらしいし。

さすがに全部読むのはめんどうで、一番新しいメールを開く。

すぐ目に飛び込んできた件名の欄に怖い言葉を見つけて、危うく足を止めそうになる。



『許さん』



え?

なに、この呪いの言葉。怖いんだけど。

恐る恐る本文の内容を確認しようと指をスライド。
いつの間にか階段の近くまで歩いてきていたらしい。渡り廊下を使おうと何気なく顔をあげた。


「あれ?」

携帯を握って窓に近づく。
一度見たら忘れられない風貌に、なんだか面倒事の臭いがした。

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